ワタシの名はセル、人造人間だ……
ぃよろしくぅ

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 突発ネタ。


地中でさぁんねん熟成してたらセル編終わってた

 

 この世界はある日滅茶苦茶に滅んでしまった、突如誕生した2人の人造人間の手によって。地球を守る戦士達はオレとオレの師匠を残し全滅し、やがてオレの師匠も人造人間によって殺された。

 

 オレとオレの母さんはこの世界の有様を何よりも変えたいと思っていて、その思いはタイムマシンという形となって成就した。過去に戻ったオレはこの絶望の未来を変える為に行動し、結果として人造人間の緊急停止コントローラーを入手することができた。

 

 未来に戻ったオレは緊急停止コントローラーを使って人造人間の破壊に成功し、世界に平和を取り戻した。人造人間の脅威から解放された世界中の人々は歓声を上げ、人類は復興へ向けて前へ歩み出していた。

 

 

 

「ワタシの完全体への道はキミのせいで永久に閉ざされてしまったぁ…その責任を取ってくれトランクスくぅん……」

 

 そんな折に現れたのがこの謎の生き物だった。サイズは人より大きくその見た目はセミの幼虫のようであり、緑の体に黒の斑点が気味の悪さを物語っていた。

 

「オマエは一体なんだ!?どうしてオレの名前を知っている!?」

 

「ワタシの名前はセルぅ、人造人間だ」

 

「なにっ!?オマエも人造人間か!」

 

「ヒィッ!お願いだからワタシの話を聞いてくれえぇぃ……」

 

 

 

 臨戦体制を取ったオレに対してセルと名乗った怪物はカサカサと後ろに下がった。恐ろしい人造人間とは思えないその様子に拍子抜けしたオレはセルから話の続きを聞くことにした。

 

「ふんふん……つまり、オマエはドクターゲロが集めた強者達の細胞を合成して作られた人造人間で、人間の生体エネルギーと俺が倒した人造人間のエネルギーを吸収して完全体になるのが目的だったと?」

 

「そういうことだ」

 

 俺は無言で背負った剣を引き抜いて構える。

 

「やっぱり敵じゃないか!!」

 

「待ってくれ!」

 

 斬りかかろうとするオレをなんとか留めようと、器用に前足を持ち上げて待てのポーズを取るセル。

 

「…確かにワタシは人間達を吸収して強くなるつもりだった。だがよくよく考えたら、それはおかしいんじゃないのかと思ったのだよ」

 

「何がおかしいんだ?」

 

「キミ達サイヤ人は勿論、フリーザやピッコロも人間を吸収するなんてシステムはないのだ。彼らは皆修行や強敵と戦うことで新たな力に目覚めていったぁ」

 

 確かにオレの師匠である悟飯さんから聞いた話では、悟飯さん達は今まで平和を脅かす強敵が現れる度に修行して力を身に付け、或いは戦いの中で成長し敵を撃退していたらしい。

 

「その細胞を受け継いだワタシが強くなるのならぁ、やはり修行や戦いの中で強くなるのが道理だとは思わんか……?」

 

「…確かに…?」

 

「何より、他者を吸収してお手軽パワーアップなど卑怯だ!そんなものは真の力ではない!トランクスぅもサイヤ人の血を継いでるなら分かるだろう!?」

 

「そうかな…そうかも…」

 

 どうやら目の前の怪物はやたらと細かいことを気にする性格らしかった。

 

 

 

「このデカいセミみたいなのが人造人間!?」

 

「セルだぁ、ぃよろしくぅ」

 

「はい。どうやら人間に危害は加えるつもりがないようで、せっかくだから殺す前に母さんに見せようと」

 

「ここころす!?」

 

「えぇー!殺すなんて勿体ないじゃない!こんなカワイイのに!」

 

「そうだぞトランクスぅ…この愛嬌が失われるなど世界の損失だぞトランクスぅ……」

 

「オレがおかしいのか…?」

 

 ほんの気の迷いでセルを拾ったオレは母のブルマに紹介した。母さんはセルを甚く気に入り、我が家には新たな同居人?ペット?が増えることになった。

 

 

 

「それで、修行するのかオマエが?オレと?」

 

「そうだぁ。ワタシにはトランクスぅの細胞もインプットされているぅ。つまり最終的にキミの技も使えるようになるわけだがぁ」

 

「(細胞があるから技が使えるって理屈はおかしくないか?)」

 

「今のワタシでは圧倒的にパワァが足りない。今必要なのはパワァなのだよ」

 

「そのパワーはどうやって手に入れるんだ?」

 

「何でも人に聞くのは良くないぞトランクスくぅん。キミもサイヤ人であればなんとなくその方法が分かるんじゃないかぁ?」

 

 セルの勿体ぶった口調にイラッと来たが抑える。俺としてもこの世界の平和を守っていく都合上、強くなる方法は知りたかった。その点で言うとドクターゲロによって色んな情報を教えられたセルは頼りになる。

 

「サイヤ人なら分かるパワーアップ…?超サイヤ人か?」

 

「このワタシが超サイヤ人になれるかは微妙なところだがぁ…その答えはヒジョ〜に惜しいぞトランクスぅ」

 

「(いや微妙じゃなくて絶対無理だろ)」

 

「正解はサイヤ人の持つ、死の淵に瀕した後に飛躍的にパワーアップするという特性だぁ。」

 

「そんな特性がオレ達の体にあったのか……!?あれ、でもオレと悟飯さんは何度か人造人間と戦って死に掛けたけど、そこまで強くなった覚えは……」

 

「何事も限度というものはあるだろう。一説では超サイヤ人クラスの者には効果がないとも言われているぅ……」

 

「(誰の説だよ)…で、結局オレは何をすればいいんだ?」

 

「ワタシを痛め付けるのだトランクスぅ。死ぬ寸前までなぁ。遠慮することはな」

 

「分かった」

 

「え早」

 

 オレはセルに向けてエネルギー波を撃つ。人造人間を瀕死にさせるくらいのつもりで放ったエネルギー波はセルの肉体を容易に貫通し、セルはそのまま動かなくなった。

 

「弱っ!!」

 

「ひ、酷いぞトランクスぅ……幼虫の私はサバイバーに囲まれると死んでしまうほどの虚弱体質なのだぁ……」

 

「あっごめん…そこまで弱いとは思ってなくて……」

 

「せ、仙豆はないのかぁ…?」

 

「うん、とうの昔に使い切ったから……」

 

「そうかぁ……」

 

 

 

 セルは穏やかな顔をしてオレに話しかける。それは悟飯さんとお別れする直前に見たことのある、死期を悟った者の顔だった。そこでオレはようやく事態の深刻さに気付いた。

 

「トランクスぅ…お願いがあるぅ……」

 

「な、なんだよまるで遺言のようなことを言いやがって…!」

 

「ワタシを…土の中に埋めてくれ……」

 

「う、嘘だ…こんな呆気ない流れで死んでしまうのか…!?セル…!」

 

「そして…ワタシのことを忘れないでくれ……」

 

「セル…!死ぬな!」

 

「………」

 

「セルゥゥゥウウウ!!!」

 

 

 

 遺言通りにセルの亡骸を地中に埋めて墓を立てたオレは、毎日セルの墓参りをすることに決めた。

 

 セルと関わったのはたった二日間だったが、彼は彼なりに真摯に強くなろうとしていたのは分かる。取り戻した平和を享受して戦いから離れようとしたオレも、彼の姿を見ることで自分を改めることができた。

 

「そうだ。セルの分までオレは強くなるよ。それが俺にできる唯一の償いだと思うから……」

 

 セルの墓に黙祷を捧げて立ち去ろうとする直前、オレは墓の場所が先程よりズレていることに気付いた。

 

 気のせいかと思いきや、目の前で墓がひとりでに動き出したのを見て仰天する。

 

「ま、まさかセルが化けて出てきた!?」

 

 幽霊の類が苦手なオレが腰を抜かして目の前の光景から目を離せない状況の中、墓の下から出てきたセルは言った。

 

「一度眠ると、再び目覚めるのに地中で3時間必要なのだぁ……」

 

「死んでなかったのかよ!?」

 

 

 

「このパーフェクトなボディにはピッコロの細胞が受け継がれているぅ。その再生力を持ってすれば死に瀕した状態から回復するのも容易いことだぁ」

 

「そ、そうだったのか……。まあ死ななくて何よりだ」

 

 目の前のセルが幽霊でないことにオレは一安心してる中、セルは自信に満ちた顔でオレに尋ねる。

 

「それよりもぉ、今のワタシが先ほどより遥かに強くなっていることにぃ、気付かないかぁトランクスぅ?」

 

「いや…正直に言うと全く違いが分からない」

 

 てっきりセルは俺達のように意図的に気を小さくしているのかと思っていたのだが、今のセルの発言を聞くに本気を出した上でこの気の量らしい。そりゃエネルギー波1発で死ぬわ。

 

「…そ、そうかぁ…流石に1発で超パワァアップとはいかないようだなぁ……」

 

 悲しい声でセルが話す。心なしかセルの触覚も垂れ下がって見えた。

 

「だが気にすることはないぞぉトランクスぅ。ワタシは究極の存在、このまま続けていけばやがて人型になるほどのパワァを身に付けることが出来るだろう……」

 

「え?人型になるのセル?」

 

「勿論そうだぞトランクスぅ。普通に考えて、お前達から細胞を受け継いだのに二足歩行できないわけないだろう?」

 

「(普通に考えたら今のセミみたいな形がまずおかしくない???)」

 

 心の中に浮かんだツッコミを飲み込み、オレは人型になったセルを想像する。思わず吐きそうになった。

 

「いや、人型にはならなくていいかな……」

 

「どうしてそんな酷いこと言うのだ……人型にならないとバーニングアタックも撃てないぞ?」

 

「バーニングアタックも撃てなくていいよ……」

 

 そもそもバーニングアタックってなんだよ。

 

 

 

「バーニングアタックだけではないぞトランクスぅ。その気になればヒートドームアタックさえ多分できるだろう……」

 

「バーニングアタックとヒートドームアタックはどうでもいいとして、他になんか役に立ちそうな技はないのか?」

 

 人型になるのなら相応のメリットが無い限り、見た目が気持ち悪くなるデメリットの方が大きいだろう。セルは少し考えた後、得意げに話す。

 

「ワタシにはフリーザの細胞から受け継いだ超能力がある。その辺の石を削って頑丈な建物を建設することができるぞ。これは今の状況にもピッタリな超有能技なんじゃないかトランクスぅ」

 

「確かに思ってたより優秀な技が出てきたな……」

 

 人造人間によって破壊された街の復興は未だ始まったばかりだ。こんな時にそんな能力があれば非常に重宝すること間違いなしだろう。

 

「それって必ず人型にならないと使えないのか?」

 

「勿論そうだぞトランクスぅ。それどころか超能力は多分完全体じゃないと使えないだろう……」

 

「そういや何度か聞いたけど完全体がなんなのかは聞いてなかったな。それってどれくらい強くなればなれるんだ?」

 

 確かセルの目標が完全体になることだったか。目標となるくらいだから相当強くならないと無理そうだが。

 

 

 

「そうだな、では当初のワタシの予定を交えて説明しようか。卵から孵化したワタシはまず人間のエネルギーを吸収して人型の第一形態になる予定だった。そこから人造人間17号か18号のいずれかを吸収して第二形態に変身、余った方を吸収して晴れて完全体になる感じだ」

 

「…ってことは、完全体ってもしかして人造人間達より強いのか?」

 

「当たり前だろう。第二形態の時点で他の人造人間など敵じゃないぞトランクスぅ」

 

 第二形態の時点で人造人間達を倒せるのに、それを更に超える強さなんて全く想像がつかない。今のオレでは逆立ちしたって勝てないだろう。

 

「その強さを今のセルが目指すの?修行で???」

 

「…まあ生半可な時間じゃ済まないだろうな。最低でも年単位で時間を掛けることになるだろう」

 

「じゃあ超能力も要らないじゃないか!完全体になる頃には復興完了してるぞ!」

 

 さっきの期待を返して欲しい。そもそも完全体になれるのかどうかから怪しいじゃないか。

 

「ぐぬぬ……だが、ワタシに掛かれば天下一武道会の設営なんかも一瞬だぞ?」

 

「要らないよそんなピンポイントな技能……」

 

 そもそも天下一武道会ってなんだよ。

 

 

 




果たしてセルは修行で完全体になれるんでしょうか。18号を吐いても完全体を維持できたことから、必ずしも人造人間が必要ってわけでもなさそうですが。

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