本日6月11日は双子の誕生日ということで、急遽小説を書きました!

当日に間に合わせるように書いたので、短めとなっていますが是非読んでみてください!

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御伽噺の始まりに

 

「あのさ、少し相談してもいい...?」

 

とある日のお昼前に、スズメは目の前にいるトリ達に切り出した。

ここは医務室の前にある、待合室。

今日は一斉にケアを受ける日で、自分の番になるまでここで待機している。

ただ、ここに居るのはペアの片割れだけ。

ケアはカウセリングも兼ねているため、話しやすい環境を作るためなるべくペアが重ならないように行われている。

 

「えぇ、勿論ですよ。私たちに答えられるものなら何でも聞いてください。」

 

ハクチョウは優しく微笑みながら、スズメの方を見る。

近くにはフラミンゴやツル、ツバメにタカも座っていて、タカ以外はスズメの方を向いて話を聞こうとしている。

 

「明日ボクたち誕生日なんだけど、エナガに何を渡せばいいか分からなくて...。」

 

その相談の内容を聞くと、少し場の空気が和んだように感じられた。

突然の相談ということもあり、みんな少し緊張していたのだろう。

 

「あらあら、微笑ましいですね。何か候補などはあるんですか?」

 

「それが、エナガが何を欲しいのか分からなくて...」

 

「難しい問題だね。僕たちよりもエナガに詳しいスズメが分からないとなると、僕たちが満足できる答えを出せるかどうか...。」

 

「取り敢えず考えてみようよ!ワタシは、化粧品が良いと思うな!エナガ、ネイルにも興味あったし!」

 

我先にとフラミンゴは、誕生日プレゼントを提案する。

確かにエナガは可愛いものが好きで、オシャレにも興味がある。

確かにありだとスズメは頷く。

 

「わたくしからは、本をオススメします。スズメさんのオススメの本をプレゼントすることでお互いに盛り上がると思いますので。」

 

続いてツルは、本を勧めてくれた。

エナガは本を読むことも多いし、おとぎ話も大好きだ。

納得するようにスズメは考え込む。

 

「僕は、手作りのお菓子がいいと思うな。2人ともお菓子を食べてる姿をよく見かけるし、手作りのお菓子は想いが伝わるものだよ。」

 

ツバメは、手作りのお菓子を提案した。

確かにエナガは、よくお菓子を美味しそうに食べている。

バレンタインの時も2人で楽しく作ったし。

 

「私は手紙でも嬉しいですね。今はチャットでもメッセージが送れますが、手書きの手紙は嬉しいです。」

 

ハクチョウは手紙を提案する。

エナガに手紙は送ったことなんてないし、少し恥ずかしいけど気持ちは確かに伝えられそう。

 

「どれも喜んでくれそうだからこそ、難しいよ!」

 

エナガならどれでも喜んでくれそうだからこそ、悩んでしまう。

折角の誕生日なんだから、1番喜びそうなものをあげたい。

そんな気持ちで思考がぐるぐると回ってしまう。

 

「君はどうかな、タカ。」

 

スズメが悩んでいる様子を見て、ツバメは今までこちらに見向きもしていなかったタカに声を掛ける。

こちらを見てはいないものの、話はしっかりと聞いていたのだろう。

 

「知らん。あまり誕生日に興味がないのでな。......ただ強いて言うなら。」

 

流石にスズメの悩んでいる姿に何も提案しないというのは気賀引けたのだろう。

タカはあるプレゼントを提案する。

それを聞いたその場のトリ達は、少し意外そうな顔をするがすぐにそれは笑みに変わり、スズメも誕生日プレゼントを決めたようだった。

 

 

「あの!相談があるんです!」

 

先程、スズメ達が待機していた部屋は午後には別のトリ達が待機していた。

エナガは全員に聞こえるように声をあげた。

 

「へぇ、エナガくんが相談ねぇ。」

 

「私たちに?答えられるものだったらいいんだけど...。」

 

モズとフクロウが反応し、フクロウはチラリと周りを見る。

無理もない、この場に待機してるトリ達は確かに相談する相手としては少しクセの強いトリが多い。

 

「で?どんな相談なんだ?」

 

カラスは、話を聞こうとエナガの近くに座る。

 

「その、明日わたしたちの誕生日なんです。だけど、スズメに何をプレゼントしたらいいか分からなくて。」

 

「え?明日チビたち誕生日なの?」

 

今まで紙飛行機を折っていたハチドリがバッと顔を上げる。

因みにケアを大人しく受けているのは、ツルがアリーナの予約を取ってくれているためで、待ってる間に書いておくようにと持たされた始末書は今は待合室の宙を飛んでいる。

 

「そうなんです!」

 

エナガは嬉しそうにニコッと笑う。

その無垢な笑顔に、フクロウは思わず手を合わせている。

 

「スズメへのプレゼントか...。難しいな。絵とかはどうだ?エナガの絵、アイツ好きだろ?」

 

カラスは少し考えて、思いついたようにエナガの描いた絵を提案する。

なるほど!とエナガは元気よく頷いている。

 

「私は、ゲームとか良いかなって...。2人でできるやつ。2人ともこの前のゲーム大会楽しそうにしてたし...。」

 

フクロウはゲームを提案する。

確かにあのあと、スズメは悔しそうにしていたけど楽しそうでもあったし2人で出来るものなら楽しそう!とエナガは候補の1つに入れた。

 

「ハチドリ、アンタは何かあるか?」

 

「おかっぱのプレゼント?うーん、お菓子は?おかっぱのお菓子はよく食べるけど、お嬢のお菓子はあんまり食べたことないし。」

 

ハチドリは紙飛行機を作っては投げ、作っては投げを繰り返しながら答える。

思いの外まともな回答にカラスとフクロウは少し驚いていた。

エナガはその話を聞くと、確かにいつも作ってもらってばかりのような気がすると思い、お菓子ありかも!と更に候補を増やした。

 

「モズ、アンタは?」

 

「私にも聞くのそれ。知らないよ、スズメくんの誕生日プレゼントなんて。......まぁ簡単な楽器とかは?暇つぶしくらいにはなるんじゃない。」

 

少し嫌そうな顔をするが、エナガの無垢な期待をする眼差しに根負けをして提案をする。

絵・ゲーム・手作りお菓子・楽器...どれも喜んでくれそう!とより一層悩んでしまうエナガの様子にカラスとフクロウも一緒になって考える。

 

「カモメさんは、どう...?何かある...?」

 

ずっと部屋に備え付けられている時計を眺めていた、カモメがこちらを向く。

 

「スズメのプレゼント。...分からない、私は誕生日の記憶もないから。過去の私ならなんて答えるのだろう。」

 

コクンと首をかしげならがら、カモメはフクロウに問う。

フクロウも少し慌てたようオロオロしてしまう。

それを見たカラスが口を挟む。

 

「例えば、タカのやつに何か貰ったとかはないのか?」

 

そう言うとカモメは少し考え、懐から少しくたびれたストラップを取り出した。ストラップは何処かの水族館で買ったのだろうか、何かの魚の形をしている。

 

「これ。」

 

とカラスに見せる。

 

「ストラップ...?」

 

「過去の私がタカにプレゼントしたものらしい...。タカは言っていた、過去の私はタカとのお揃いの物が欲しかったらしい。仲の良い人とのお揃いのものは嬉しいと。」

 

「スズメとお揃いの...!」

 

エナガは何かを思いついたようにとびきりの笑顔を見せる。

 

「カモメさん!ありがとうございます!スズメへの誕生日プレゼント思いつきました!」

 

 

「スズメ!少し早いんだけど、明日は誕生日だからスズメにプレゼントがあるの!」

 

その日の夜、スズメの自室に来たエナガは背中にプレゼントを隠して笑顔でやってくる。

 

「ボクも!プレゼントがあるから...エナガの後に渡すね。」

 

「うん!じゃあ私からはこれ!」

 

エナガは背中に隠していたプレゼントをスズメに渡す。

そのプレゼントの包装は、まるでプロが施したような綺麗なものだった。

 

「凄い綺麗に包装されてるんだけど!どうしたの、これ?」

 

「えへへ、折角なら綺麗に渡したいと思ってカラスさんに教えてもらったんだ!」

 

「確かにカラスなら、なんとなくできそう。」

 

スズメは丁寧に、包装を解くと中には色は若干異なるが同じデザインのブレスレットが2つ入っていた。

 

「ブレスレット?でも、なんで2つ?」

 

「片方は私のなの!2人でお揃いのものが欲しくって!」

 

そう言うと片方のブレスレットをエナガは腕に付ける。

その色は確かにエナガにピッタリの色で、残ったブレスレットはスズメにピッタリの色だった。

スズメも残ったブレスレットを腕に付ける。

 

「デザインはハチドリさん、色はフクロウさんと相談して決めたんだ!」

 

「嬉しい...ありがとう、エナガ!」

 

スズメはお揃いのブレスレットを見て、少し照れくさそうにするがとても嬉しそうにしている。

 

「ボクからはこれなんだけど...笑わないでよ。」

 

そうしてスズメは近くの棚からプレゼントを取り出す。

そのプレゼントの包装は、丁寧にされているが目を引くのはかわいいデザインの包み紙で。

 

「かわいい!どうしたのこれ!」

 

「フラミンゴさんが、折角ならって。」

 

エナガはプレゼントを受け取ると、その包み紙を破かないように丁寧に開封をする。

中には2つのピアスが入っていた。

 

「綺麗なピアス...スズメが作ってくれたの?」

 

「そうだよ!そのピアス、穴を開けなくても付けられるピアスなんだ。ツルさんが教えてくれて、ハクチョウさんとツバメさんに見てもらいながら作ったんだ。...変じゃない?」

 

少し恥ずかしがりながらも、不安そうにしているスズメにエナガは首を勢いよく横に振る。

 

「全然変じゃないよ!とっても綺麗でかわいい!あれ、?でもこれ左右で色が違うんだね。」

 

「それはその...エナガと被ったんだけど。片方はボクのなんだ。まだ付けるのは少し恥ずかしいけどいつか一緒に付けたいなって...。」

 

というとピアスの片割れをスズメは自分の耳に当ててみる。

エナガも真似をするように片割れを耳に当てる。

 

「なんだか少し大人になったみたい!」

 

「うん。似合ってるよエナガ。」

 

「スズメもね!」

 

2人は顔を合わせ、笑い合う。

 

「そうだ、スズメ!今日は一緒の布団で寝てもいいでしょ...?」

 

「仕方ないな、今日だけだよ!」

 

そうして2人は寝る準備をして、2人で布団に潜り込む。

 

「久しぶりだね!2人で寝るの。」

 

「昔はエナガが怖いってよく言ってたからね。」

 

「そうだ、明日カラスさんがケーキを焼いてくれるって!」

 

「ツバメさんもお菓子を焼いてくれるって言ってたよ。」

 

そうして2人は今日の出来事の雑談をして、時間が過ぎていく。

眠くなってきて口数が少なくなってきたときに、ポツリとエナガが呟く。

 

「ねぇ、スズメ。来年も、2人で一緒に誕生日過ごせるよね。それに今度はお父さんとお母さんと、それにトリの皆さんと。」

 

「...少なくとも、ボクはずっと一緒にいるよ。ボク達双子なんだから。」

 

「うん、そうだよね。ありがとうスズメ!」

 

嬉しそうにエナガはスズメの手を優しく握る。

 

「べっ別に当たり前だろ!」

 

照れるように言うが、握られた手は離さずに目を逸らす。

 

「おやすみ、スズメ。また明日。」

 

「うん。お休みエナガ。」

 

そのまま2人は手を繋いだまま眠りにつく、手首にはお揃いのブレスレットを付けて。


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