闇の現の彩灯   作:死にかけゾンビ

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1話 雨鷽が鳴くと雨になる

あいつとの出会いを話すには、僕の中学生時代まで遡らなきゃいけない。彼と初めて出会った日は、お天道様が、泣いてる日だった。

 

中学生のあの頃。僕は、友達と言える人が誰もおらず、1人で机に突っ伏しながら、窓から滴る雨水を見ていた。そのとき、誰かが突然、後ろから声を掛けてきた。

 

「雨好きなの?」

 

話しかけてきたのは。アモウだ。お調子者でクラスの人気者。そんな彼が、僕に何の用なのか、返事をしないのも、良くないと思い僕は、思ったことを口に出した。

 

「好きではないけど、見てて落ち着くんだ」

 

アモウは、少し笑って。

 

「シノルノもそう思うんだ。俺と同じだね。気が合うじゃん。もうそろ、学校終わりだしさ、一緒に帰ろうよ」

 

彼は、そんなことを言い出した。どうして僕なんかと?そう思い、彼に質問したところ。彼は、少し悪い顔をして答えた。

 

「面白いものが今日見れそうなんだ。お前なら見れるかもだから、やっぱ1人は寂しいじゃん?2人で見た方が楽しいし」

 

彼が言う面白いものというのが何なのか僕は気になったため、1度ぐらい一緒に帰ることにした。

この1回で僕達の関係は長く続くと当時の僕は思いもしなかった。

 

 

2人で傘を開き、歩いていると、突然アモウが

 

「ちょっと止まって。面白いのが見えるよ」

 

面白いもの?目に映るものは、雑草ぐらいだが、彼は一体何を見ているのだろうか?

 

僕はよく目を凝らして見てみた。そして気付いた。 携帯だ。黒く汚れていて分からなかったが、携帯が、落ちている。いわゆるガラケーというものだろうか?だがそれがどうしたと言うのか、アモウに聞いてみた。

 

「よく見てみろよ、それ点滅してるんだぜ?今の世の中iPhoneやらAndroidなのにさ。

どう見ても古いでしょそれ。

俺も前通りかかったとき気付けたんよ。で、何回か通って分かったことが2つある。

雨の日に稀に、このガラケーが現れること。電源がついていて、開けること」

 

彼は何を言っているのだろうか?そんなことは普通有り得ない。有り得るとしたら、その携帯の持ち主がわざわざ雨の日の前に充電してワザと置いている?なんの為に?不思議そうに考える僕を見てアモウは言った。

 

「電源入ってて開けるからさメール見てみたんだよ。その内容がさ、

 

死ね。死ね。死んでなんで、なんで俺が、絶対に呪殺してやる。

 

て書いてあるの、その携帯の情報を色々確認してからある程度わかったことがあってさ。

 

推測の話になるんだけど。当時のガラケーって無料で書き込める掲示板や出会い系サイトがあったみたいでさ、この携帯の持ち主は、女の子とアポ取って、飲みに行ったんじゃないかな?で多分詐欺られたんじゃないかな」

 

僕は、そして1つ頭に浮かんだ。まさかこれって。

 

「シノルノも、やっとわかった?今も昔も男と女の出会いは金になるから反社が着くもんなんだよ。

今だって東京で事件があるだろ?ぼったくりバーとかね。で俺思ったのよ。今よりも法がゆるゆるだった時代は、今なんかよりも、もっと酷かったんじゃないかって」

 

アモウは、歪んだ顔で笑ってこう言った。

 

「この人が、死んでるとしたらずっと、このガラケーにずっと縛られてるんだろうね。」

 

僕は寒気がした。本当にそうだとしたら、彼の話が合ってるとしたら。僕なら耐えられる気がしない。

 

アモウが、ボソリと言った。

 

「普通の人が幸せになれる世界だといいね」

 

少し悲しそうに笑う彼を見て、僕もそう思った。

 

それから帰ることになり、暫く僕達は会話することが出来なかった。ただ、非日常のスパイスを味わってしまった僕はもう普通の日常には後戻りは出来ないと、理解してしまった。

 

分かれ道になり、僕達は、また明日。そう言って、別れた。

 

それから今でも、あの帰り道は通るが、あのガラケーは見ていない。

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