ブルーアーカイブ "旅する少年と記憶の欠片”   作:天風 月夜

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「はぁ……仕方ない。先生にはあとでお説教するとして」

机の上にある大量の書類に目を向けて、僕はスマホを取り出す。

「もしもし、サクラ。ちょっと依頼を出してほしいんだけど」
「うん。ありがとね、今度お土産持っていくから。それじゃ」

とりあえず、書類は片付けれるようになったから、明日には迎えるといいかな


対策委員会編 1章
砂に埋もれた学校


[SIDE 荒砂カゲロウ]

 

「弁当よし、水分よし、荷物よし!さて、行ってきます」

 

あたしは玄関の鍵を閉め、荷物を確認した後、市街地を全力で駆け抜ける。

人が少なくなっていくこの自治区では、人の迷惑を考えなくてもいいスピードを出すことができる。

少し寂しいけどね。

 

「おっとと」

 

正面から飛んできている銃弾を回避する。

前を見ると昨日軽く倒してきたスケバンの皆様があたしを見ていた。

 

「見つけたぞ!やっちまえ!」

 

掛け声とともに弾幕が張られ、正面から大量の弾丸が飛んでくる。

あたしは近くにあった路地裏に逃げ込み、狭い道を走り抜けていく。

曲がり角で壁をけって正面に加速して走る。

行き止まりが見えたので、その勢いのまま壁をけって屋上に上がる。

 

「あいつ、どこ行った!さがせ!」

 

どうやら見失ったみたいだ。さて、急いで学校に向かわなきゃ。

市街地を抜けて、学校のほうに向かう途中に見慣れた自転車に乗っているシロコ先輩を見つけた。

ていうか、先輩誰か担いでね?

 

「おーい。シロコせんぱーい」

「ん?あ、カゲロウ。おはよう」

「おはようございます、シロコ先輩。ところで、その背負っているのは?」

「ん。行き倒れ。学校に用事があったみたいだから連れて行ってる」

「そういうことっすか。背負うの変わりますよ」

「ん。私は先に自転車おいてくるね」

「それじゃ、あたしは先に校舎に入ってますんで」

 

シロコ先輩は私に遭難者を預けると自転車を置きに行った。

校舎に入れば、太陽の直射がなくなったからか涼しく感じる。

 

「おはようございまーす。アヤネ、セリカ、ノノミ先輩」

「おはようございます、カゲロウさ……ん?」

「え~と。その背中にいるのは」

「死体?!たしか倉庫にスコップがあったはずだから!」

「あ~。落ち着けセリカ。そもそもこの人は、」

まだ…死んでないです…

 

とかすれた声が聞こえてきた。

 


Now Loading(先生補給中)


 

”ふぅ……生き返った。ありがとうね”

「いえいえ。それであなたは?今日はお客様が来る予定がなかったんですが……」

”あぁ、申し遅れたね。連邦捜査部、シャーレの先生です”

「シャーレの先生…ということはあの手紙を受理していただいたのですね!」

「やった。これで補給を受けることができるわ!」

”うん。その物資なんだけど、どこに置けばいいかな?”

「隣の教室にお願いします」

 

と、話しているとあたしの携帯が震えて、通知が来たことを知らせる。

差出人は…クオン先輩?

 

〈カゲロウ。そっちにシャーレの先生が来ていないかな?〉

「来てますよっと」

〈やっぱりかぁ……〉

 

モモトークの返信をしていると作業が終わったようで先生が戻ってくる。

 

「要請を受理していただきありがとうございます先生。申し遅れました、私は対策委員会1年の奥空アヤネです」

「同じく1年の黒見セリカよ。そういえばホシノ先輩は?」

「まだ屋上で寝てるんじゃないか?」

「また…。あたしが呼んでくるわ」

 

そう言ってセリカは教室をでて走っていく。

 

「気を取り直して、あたしは1年の荒砂カゲロウ」

「最初にあったのが私。砂狼シロコ。マウントをとってるわけじゃない」

 

自己紹介が終わったタイミングで、あたしは先生に話しかけた。

 

「そういえば先生。先輩から連絡が来てたんですけど、先生にも来てないっすかね?」

”連絡?えっと誰から?”

「クオン先輩なんですけど……」

 

名前を出すと少し気まずそうな顔をしてタブレットを操作し始める。

しばらくすると、顔が歪んでいくのが見える。

 

「えっと、大丈夫か?先生」

”うん。あっちの仕事が終わったらクオンもこっちに来てくれるみたいだよ”

「クオン先輩がきてくれるんすね。……もしかしてなんですけど、さっき顔が渋くなっていたのって、説教メールでも届きましたか?」

”えっ。なんでわかったの?”

「クオン先輩、アビドスに案内するときは必ず先輩自身もついていくんっすよ。んで、さっき先輩から連絡が来たのでそれで思い至ったわけっす」

”そういうことかぁ”

 

先生が少し遠い目をしている。

これ絶対にこっち来てからも説教の予告されたよな。

と、考えていると外から銃声と声が聞こえてくる。

 

「武装集団が接近しています!カタカタヘルメット団のようです!」

「あいつら……。また性懲りもなく!!」

「ホシノ先輩を連れてきたわよ!先輩!寝ぼけてないで早く起きて!」

「むにゃ……。まだ起きる時間じゃないよ~……zzz」

「ホシノ先輩!カタカタヘルメット団が襲撃してきています!」

「うぅ~んzzz」

 

ありゃりゃ……仕方ない。ここは、

 

「ホシノ先輩、クオン先輩が来るらしいですよ」

「ふぁっ!クオン先輩が来るの!」

「はい。数日後に来るらしいっすよ。なんで外のアレ、とっとと片付けましょ」

「うへ。そうするしかないね~」

「あとホシノ先輩、シャーレの先生がいらしてます」

”よろしくねホシノ”

「ふぁ~。よろしくね先生」

「すぐに出るよ。先生のおかげで物資と弾薬も十分に補給できた」

「はーい。みんなで出撃です☆」

 

ノノミ先輩の号令でアヤネと先生を教室において校門へ向かう。

 


 

『カゲロウちゃん、補給物資です!』

「サンキューアヤネ」

 

ドローンから落ちてきた物資をキャッチしてそのまま前線へ走る。

周りを見ると、シロコ先輩とノノミ先輩がぶつかったところをホシノ先輩がカバーしてるのが見えた。

それにしても数が多いな。

あたしが一気に崩しに行くほうがいいかな?あとからセリカとアヤネに怒られそうだけど。

 

"みんな聞こえるかい?"

 

インカム越しに先生の声が聞こえる。

 

”私が指揮を取ろうと思う。指揮下に入ってほしい”

 

急なことで、セリカやホシノ先輩の動きが少し固まっている。

あたしはどうするべきだ?いつものように突っ込むか、一度先生の指揮に入るか。

 

『私は、先生の指揮に入るよ』

 

悩んでいるあたしをおいて、シロコ先輩は先生の指揮に入った。

 

『先生。あたしも指揮下に入る。どうしたらいいっすか?』

 

シロコ先輩に続くようにあたしも指揮に入った。

そこから、セリカ、ノノミ先輩、ホシノ先輩も指揮下に入っていった。

 

久しぶりだな。誰かの指揮下で戦うのは。

元気にしているといいが。あの先輩、ワーカホリックだから寝不足じゃないといいけど……。

 

”カゲロウ聞こえる?”

 

インカム越しに先生の声が聞こえる。

物思いにふけるのは後だな。

 

『聞こえるっすよ、先生。なんでも言ってほしいっす』

 

でも、懐かしいようなこの感覚は嫌いじゃない。

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