城外の戦闘状況を分身体を通じて見ながら城内にいる敵を始末していた時、ときめが何かを感じ取った。
「!」
「ときめ?どうした」
「あの部屋から何かを感じる!」
ときめがそう言って指差しながらとある部屋へと向かって行く。
そんなときめを追って部屋へと入室すると、そこにはときめと同じ髪色を持ち、同時に虹色の三つ編みに束ね黄金の輪っかを左耳近くに付けている青年がいた。
「おや。騒がしいから魔王フレイの残党達の襲撃かと思っていたが、魔王オーマの関係者がいたとはね。影から動くようにヴァティスから頼まれていたが……"運命"がそうさせてくれないらしい」
ときめを見ながら運命と強く強調する青年。
【告。対象は個体名:ときめ?が相手にしていたオーロラドーパントです】
「この男がオーロラドーパントだと」
俺の呟きに隣にいるときめと朱奈が驚いていた。
同じく俺に対して驚愕した表情で見つめてくる青年。
「成る程。それが
自身が能力によって解析鑑定された事に気付いたのか彼はそう言った。
【告。解析鑑定が終了しました。対象は個体名:万灯雪侍です】
「万灯雪侍。それがお前の名だな?」
「素晴らしいね。この世界の
自身の正体を知られた事になんとも思っていないらしく、逆に
「君にはあの森で随分と被害を受けたが、この世界の能力というのには興味がある。この世界に強制的に連れ去られて計画が台無しにされたと思ったが、風都よりも更に良い国を発見できた」
「それは天翼国フルブロジアのことを言ってるのか?それとも、
俺の問いに対して雪侍は笑みを浮かべて言った。
「そうとは言わない。私達は開拓者だ」
「ほう。では開拓してみせろ」
そう言って元素魔法"
雪侍にぶつかると眩い光が彼を覆った。
光が止むと、そこには怪人がいた。
AURORA
目の前にいた雪侍がオーロラドーパントに変身していた。エネルギー体となっている手を翳して"黄煌出力射光"を防いでいた。
「魔王は礼儀もないのかい?」
「賊に礼儀などいらん」
俺の発言に何かを言おうとした雪侍だったが、彼の隣に突如として異空間が開かれた。するとそこからまるで車道を思わせる舌を出した怪人が現れた。
「あれもドーパント?」
「っ……!」
「ときめ?」
ときめが両腕で自分を抱きしめていた。
彼女の表情が少々青ざめている事から、彼女の無くした記憶の中であの怪人について知っているのだろう。
<演算者>。あのドーパントは何者だ?
【告。対象はロードガイアメモリによって変身したロードドーパントです】
「魔王と闘うには時期尚早だからね。今日はタイムジャッカーの依頼を熟すとしよう」
雪侍はそう言って、オーロラのエネルギー体の手に収めているアナザーライドウォッチを掴んでいた。
アギト
雪侍がライドウォッチを起動すると共に、ロードドーパントが新たな空間を開いた。
するとそこから翼を生やした金髪の容姿端麗な美女を連れてきたプラキオザウルスドーパントが現れた。
「万灯さん、お待たせしました」
「いや、良いタイミングだよ」
ときめ達が基軸世界へとやってきた際にいたドーパントの一人だな。
雪侍がプラキオザウルスドーパントが持ってきた美女を相手にライドウォッチを埋め込んだ。
すると美女は苦しみだしては禍々しいウォッチのベルトが覆い尽くしてその姿を変貌させた。
【告。対象はアナザーアギトに変貌しました。対象の見た目は仮面ライダーアギト世界に存在するアナザーアギトと姿形が酷似していますが、アナザーライダー化したアナザーアギトです】
アギトの世界にいるアナザーアギトを更にアナザー化した存在ということか。こんがらがりそうな状態になっていないか……
そう思っているとアナザーアギトに魔法陣が描かれた。
【告。アナザーアギトウォッチに元素魔法の痕跡を発見!】
魔法陣が淡い波動となって天翼国フルブロジア国内に行き渡った。
その波動を受けて、ルチア達がいる洞窟内にいる魔王フレイ達だけでなく、未だ城内にいるフレイ達のように捕虜にされている者達が苦しみだした。
感知系能力でフルブロジア国内の全てを感知している為、リアルタイム映像の様に見えている。
フレイ達の姿が服装だけがそのままのアナザーアギトの姿となった。
「どうやら捕虜にされていた者達がアナザーアギトになる魔法を掛けられていたようだな」
「そんな……!?」
「それじゃあ、魔王フレイ様達は……!?」
俺の言葉に驚愕したときめ達がフレイ達がアナザーアギトになっている事を知った。
<演算者>。アナザーライダー化した天使の正体はわかったか?
【告。対象は個体名:兵藤一誠の世界に存在する天使の上位種……
四大天使で知られているあのガブリエルとはな……
では、魔法の正体はわかったか?
【解。元素魔法“
<演算者>によると対象の状態を条件化で共有し変貌させる元素魔法らしい。
そのせいで現在進行形で大量増幅していくアナザーアギト。
「厄介だな」
大量増幅していくアナザーアギトの対処法だが、アナザーアギトならばアギトの力を使って倒せばいいのだが、“
そして、アナザーアギトを倒しても変貌が終わる事はない。
つまり、何らかの方法を見つけるしかない。
「万灯さん。そろそろ時間です」
「そうだね。ではまた会おう、仮面ライダー」
異空間を通って何処かへと行こうとする雪侍達。
「逃がすか……!」
キラがエネルギー弾を発砲するも異空間が閉じて届くことはなかった。
そしてガブリエルを初め、救出したフレイ達やまだ救出していない捕虜達までもがアナザーアギトとなり、天翼国フルブロジアを滅ぼす勢いで、暴れ出した。
城内や洞窟内に幾つもの爆発が起きると同時に、アナザーアギトが国内に姿を見せた。
「野放しにすれば国外にまで被害が及ぶな」
「そんな事はさせません!」
アナザーアギトに加えられた魔法の影響による被害を想像して呟いた言葉に朱奈が反応した。
「朱奈?」
「オーマ様。私も怒っているのです!このような非道を繰り広げるタイムジャッカーも、ハンドレッドにも……私達の村のようにはさせません!!」
朱奈の覚悟の籠った言葉が、彼女に新たな力を与えた。
[確認しました。個体名:朱奈が特殊能力<仮面ライダーマジェード>を獲得……成功しました]
世界の言葉がこのフルブロジア内にいる俺達に響いた。
力を得た朱奈は、右手の人差し指に現れた矢印を思わせる橙色の宝石を持つ銀色の指輪を、中指へと移動させた。
すると指輪が光り出して銀色の指輪が羽を生やした三角形の形をした白い指輪──────「ハイアルケミストリング」が現れた。
そして朱奈の腰に新たなドライバーが顕現した。
外見はミリムとの初戦で使ったガッチャードライバーの同型の素体にハイアルケミストリングと同じく錬金術師の象徴に似たエンブレム型のユニットが増設された見た目をしている仮面ライダーガッチャード世界に登場する新たな変身ベルト──────「アルケミスドライバー」だ。
アルケミスドライバー!
アルケミスドライバーの天面にあるハイアルケミストリング同調器「アルケミスリンカー」にハイアルケミストリングを翳した。
アルケミストリンク!
「私はもう、護られるだけの姫ではありません。この一言で私は変わります。
UNICON! THE SUN!
As above,so below.
朱奈は右手にファンタスティックケミーNo.3「ユニコン」、左手にコズミックケミーNo.7「ザ・サン」をアルケミスドライバーのライドケミーカードスロットに装填した。
朱奈はベルトから流れる音楽に応じつつ、二枚のケミーカードを背中に従わせながら、指輪をしっかり見せる動きとしなやかで力強い所作をしては両手を左側に持って行き、前面に両手で三角形を形作る変身ポーズを取った。
「変身!」
そして、アルケミスドライバーのレバー「セミアルトヴォーク」を引いた。
ガガガガッチャーンコ!
プロミネンスホーン!
サンユニコーン!
太陽系惑星と青白い惑星軌道線を周囲に展開しながら肉体へと吸収し、青色のオーラに身を包む朱奈。
オーラが解き放たれるとそこにいたのは、頭部にユニコーンを模した一角と長髪のようなものを生やし、胸の装甲にオレンジ色の結晶体「アルケミスジュエル」の奥で燃え盛る態様のグラフィックが表示された装甲を纏う。
ユニコーンの清廉潔白さと太陽の如き鮮やかなオレンジ色を併せ持つ仮面ライダーだった。
その名は仮面ライダーマジェード。
「はぁっ!」
アルケミスジュエル内にあるザ・サンの「無尽蔵のエネルギー」を纏わせたユニコンの「浄化作用」を合わせたエネルギー波が周囲一帯に生じた。
すると、“
「元に戻った……っ!?」
「朱奈さん、すごっ!!」
被害者達が元に戻る姿を見て驚愕と称讃を呟く者達。
しかし、朱奈のエネルギー波はまだこの場限りの出来事だ。
「オーマ様!」
「あぁ。今、創った」
“
朱奈に<超克者>の権能を魔法に変えた“
すると無尽蔵の浄化作用を秘めた魔法無効化エネルギーが天翼国フルブロジア領土内全てに影響が起きるようにした。
魔法無効化を有しているなら“
その権能を同時に使ったことで“
コレによってマジェードの魔法無効化が領土内に行き渡り、変貌されていた被害者達の姿が元に戻った。
感知系能力で元に戻った姿を確認した俺は腰にジクウドライバーを顕現した。
『朱奈と俺でアナザーアギトを倒す。ハンドレッドを殲滅しろ!』
<思念伝達>で配下達に支持を出した。
ジオウ!
アギト!
「変身!」
仮面ライダージオウ! アーマータイム アギト!
【告。仮面ライダーアギトの力を確認しました。<継承者>の権能:能力転換により、<仮面ライダージオウ>の権能:平静戦士を<仮面ライダーアギト>に、<継承者>を<
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・アギトアーマー!
いつの間にか隣に現れたウォズが祝福を述べていた。
「なに、あれ……?」
彼の祝福を初めて見るときめは困惑してキラ達に訪ねるも気にしないように伝えられた。
「行くぞ、朱奈」
「はい!」
俺は朱奈と共に徒手空拳でアナザーアギトを相手にしていた。
それにしても、朱奈がここまで戦えるとはな。この動きを見ると……白老が護身術でも教えていたのだろう。
オーガの姫なんだ。護衛役の紫苑だけでは守り切れなかった場合の手段を教えていないはずがないか。
その護身術が仮面ライダーマジェードに変身したことで更に強化されているようだ。
俺はジカンギレードとフレイムセイバーを取りだした。
フレイムセイバーを取り出すためにフォームチェンジして召喚したことで金色に輝くアギトアーマーが赤色へと変色した。
「朱奈、使え!」
「はい!」
フレイムセイバーを受け取った朱奈は朧流水斬でアナザーアギトを切り裂いた。
その隙を突いて俺はベルトを操作した。
フィニッシュタイム!
アギト!
グランドタイムブレーク!
“
大地のエネルギーを吸収しながら、膨大なエネルギーを肉体の一点のみに集中させて300倍の攻撃力で相手にダメージを与える“
アギトの紋章を身体に打ち込まれながらも大地のエネルギーが、一瞬でアナザーアギトの体内へと吸着されて火花を散らしていく。
そんなはアナザーアギトへと朱奈が近づき、ベルトを操作した。
アルケミストリンク!
ハイアルケミストリングをアルケミスリンカーを1回翳してからセミアルトヴォーグを操作して必殺技を打ち込んだ。
サンユニコーン!ノヴァ!
舞うように飛び上がり両足から連続で蹴りを放つ。炸裂時には太陽系のエフェクトが発生する。
更なる火花を起したアナザーアギトが爆発した。
爆発したアナザーアギトからアナザーウォッチが排出されると同時に砕け散った。
爆煙から出てきたのは、ブラキオザウルスに連れて来られたガブリエルが気を失った状態で倒れていた。
天翼国フルブロジア内で変身している者達が変身を解いた。
これによってフルブロジア内のハンドレッドは討伐され、有翼族の手に戻った。
場所が変わり、魔王城外で闘っている英霊達は自身の宝具に戦士粒子を纏わせて闘っており、滅や迅や亡や雷も仮面ライダーに変身して各々の攻撃をしていた。
滅亡迅雷フォースライザーでの変身である為、初期フォームでハンドレッドを蹂躙していた。
そして……
「神の才能を思い知れぇえ!!ヴァッハッハッハッハッ!!!」
……高笑いしながら蹂躙していく自称神様が一人……
ライダーに変身している者達がドライバーを操作して、各々の武器にエネルギーを充塡させて幾つかの型をした斬撃を放ち貫かれたカッシーンやダイマジーンが破壊され、殲滅されたのだった。
『オーマ。敵殲滅を完了した』
『あぁ、こちらも確認した。皆ご苦労だったな。これにより魔王フレイからの救援要請を完了とする』
ハンドレッドに勝利したことで勝鬨の声を上げる仲間達と有翼族。
有翼族の手に戻ったし、崩壊してしまった天翼国の復興に関しては魔王フレイが起きてからにしよう。
──────────────────────────────
ハンドレッド殲滅から翌日。
朱奈の魔法無効化によって助けられた魔王フレイと一誠が面識を持つという異世界人達も同席してもらい、簡易に用意した円卓で話を行なった。
因みにだが、他の有翼族や俺が連れて来た配下達は天翼国フルブロジアの復興に手を貸している。
分身体を出して錬金術で復興の手伝いも行なわせているがな……
話を戻して円卓では何も知らない異世界人に対して自己紹介を行なう事から始めた。
「先ずは自己紹介からしよう」
「そうね」
「うん。いいよ」
「わかりました」
俺の提案にフレイと魔法少女姿からレディスーツに着替えたピンク色の髪止めのリボンを付けた長いツインテールの女性とアナザーアギトにされていたガブリエルが了承したので代表者の自己紹介が行なわれた。
「俺は新たに魔王に就いた
「私も魔王の一角に就いている
先ずは俺とフレイが自己紹介を行なった。
続くように異世界人達が自己紹介を行なう。
「私はセラフォルー・レヴィアタン。異世界の魔王の一人よ」
「私はガブリエル。セラフォルーと同じ世界にいる
セラフォルーは一誠達の世界で魔王をしているようだ。
嘗てドライグが言っていた悪魔と天使のことだろう。
そう思っているとやはりドライグが言っていた悪魔と天使の一人だったそうだ。
しかし、セラフォルーに関しては“魔王の種”を得て種族進化している。実力的にはカリオンと同程度だろうな。
会話を進めていくと、どうやら悪魔召喚の魔法陣に応じて召喚されたようだが、なぜか基軸世界へと召喚されたようだ。
しかも、召喚対象はリアス・グレモリーだったらしいが、なぜかセラフォルー達までもが召喚されたらしい。
恐らくだが悪魔召喚の術式を改竄したのだろう。
そして召喚された場所にいたのはハンドレッドとタイムジャッカー。そして特殊な力を秘めた存在だったそうだ。
「その特殊な力を秘めた存在というのは何かしら?」
「それが……どのように説明していいのかわからない力だったわ」
セラフォルーの話によると特殊な力のようだが、彼女は一誠の世界で永らく闘い続けていた猛者だ。実際にガブリエルもセラフォルーと遜色ない実力を有しているのは解析済みだ。
にも関わらず、ハンドレッドとタイムジャッカーに掴まり、酷い扱いを受けていた。
その事から考えると彼女達にあって、相手側にある力……
「
「異世界人達の世界に能力がないので、その力を持つ者に敗北しても可笑しくはないけれど……それでも魔王種に進化した私や、そちらの魔王に勝てるとは思えないわ」
俺の言葉にフレイがそう反論した。
確かに魔王種に進化している時点で強者の分類に足を踏み入れている。そんな魔物に勝利できるとしたら俺達が知らない能力持ちか。
「ふむ……では、少しばかり過去を見るとしよう」
『え?』
“
一冊の本を魔法で作り出すと、本のページが開かれて映像が流れた。
それから流れた情報の中にはハンドレッドによる複製したダークライダーに変身するハンドレッド。
タイムジャッカーだけでなく万灯雪侍と一緒にいたスクリームドーパントやロードドーパントまでもがいた。
セラフォルー達は仮面ライダーの力を有していないため、強力な魔法で対抗するがそれ程強力なダメージを負わせる事が出来なかった。
そんな中、天より現れた者がいた。
【伏せるがよい、愚かな生命よ。王の言霊は絶対なり】
そこに現れたのはときめと出会った際に現れたあの男だった。
奴は仮面ライダースカルに変身していたな。
そんな彼の発言にセラフォルー達は地に強制的に伏せられた。
【遅いじゃないのよっ!!】
【私に意見するな】
スクリームドーパントの発言にそう返す彼。
【魔王種に進化しているからといって……
そう言った彼の言霊に従う様にセラフォルー達は眠りについたのだった。
映像が暗くなった所で魔法を解いた。
「どうやら天王族が関わっているみたいだが……」
天王族とは何だ?
【解。星王竜ヴェルダナーヴァによって創造された世界の法則が人の姿となって具現化した肉体を持って生まれた精神生命体です。秩序の神と言っていいでしょう。星王竜を除く竜種と同列な種族です】
魔王レノックスで例えるとどうなるんだ?
【解。個体名:レノックスの法則は二つ名から推測します。法則を対象とし、反転・背く力を秘めた対天王族に特化した天王族です】
成る程。
一先ず天王族がどのような種族なのかをセラフォルー達に共有した。彼女達のいた世界からすればいわば神そのものたる種族のようだ。
まぁ、法則を操れるというだけでも十分すぎるほど能力だ。特殊能力の一つか?
【否。天王族の能力は
ただし、究極能力と違うのは天王族は究極能力よりも干渉力などが上位権限にあります】
究極能力よりも上とは天王族はかなりの強者がいるようだ。
そんな種族がタイムジャッカーの方にいると考えると、更に強くなる必要性がでてきたな。
その後、タイムジャッカーとハンドレッドによって連れてこられた異世界の異種族達の今後を数日間掛けて決定した。
決定内容──────
1.異世界人を難民認定として魔国連邦にて受け入れる。
2.異世界人達を魔国連邦にて永住権を与え、生活保護する。
3.永住権を手にした異世界人は魔国連邦の為に貢献を行なう。
それが異世界の異種族達と天翼国と魔国連邦との協定となった。
そして、フレイからは魔導王朝サリオンへの侵略行為の停止を受け入れて貰えた。
これにて魔国連邦側はサリオンと協定を結びにいける。
この決定事項にはフレイがガブリエルを警戒している事もあった。調べたがどうやら500年周期で天使による侵略行為があるそうだ。異世界とはいえ、同じ天使である事から基軸世界の天使側に鞍替えする可能性もある事を懸念して、警戒しており、何処かに追いやって起きたいという考えなのだろう。
とはいえ、この内容に収めるのに苦心惨憺となったが、対話することで彼女達からの信頼を得られたのは助かった。
セラフォルー達の対応が決まり、天翼国の復興の手伝いを終えるまで、約1ヶ月ほどの時間が掛ったが完全に復興する事が出来た。
そして、翌日の早朝に俺達はセラフォルー達を連れて魔国連邦へと帰国することになった。
フレイから感謝の礼として、その日は小さいながらも宴が行なわれた。
「……ふぅ。少々楽しみすぎたな」
宴が終わり、割り振られた部屋の中で休んでいると、扉がノックされた。
そこには先程まで宴を楽しんでいた天翼国の女王が入室してきた。
「どうしたんだ?」
俺は椅子から立ち上がり、彼女を席へと誘導した。
「オーマ。改めて感謝するわ」
フレイから感謝を告げられるも、彼女の手は少しばかり震えていた。
「感謝だけじゃないんだろ?」
「っ!……気付いていたのね」
フレイはクールな表情を浮かべてはいるが、その内心は真逆だ。
それも当然だ。
「オーマ。魔王が敗北して魔王を名乗れると思う」
「できないだろうな」
「そうでしょうね……しかも、負けただけでなく、私は女としても穢されたわ」
フレイ達を発見した際の状態を知っているせいか。彼女がどれだけ無理をして話を進めているのか、同情を禁じ得ないな。
そう思っているとフレイは少しずつ彼女の弱さを俺に見せてきた。
彼女が受けた敗北感とその後に受けた絶望感が今の彼女を押し潰しかけている。
「……ねぇ、オーマ」
フレイは席を立ち、俺へと近づいては抱き付いてきた。
「私や天翼国を属国にする気はあるかしら?」
柔肌を押し付けては此方を見つめる潤んだ瞳には恐怖が今だに拭えない彼女の精神の危険性を物語っていた。
俺は彼女の頭と背に両手を添えて優しく抱き締めた。
「フレイ。俺達と共に生きていくか?」
「……っ。えぇ。何処までも……」
そう告げたフレイが更に抱き付いてきた。
その後、二人の陰が一つとなった。
次回以降から投稿時期が更に不定期となります。
リムル不在の転スラ×平成・令和仮面ライダーの作品の投稿を予定しておりますので、そちらもお楽しみ下さい。
次回~超越の勇者~