何故かゼッツ由来の夢の力を持ってキヴォトスで生活する青年の日記。

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ブルアカ二次創作刺激を受けました。


原作崩壊

○月×日? 曇り

 

さっそく昨日の出来事をこのノートへと日記として書かせてもらう。こうして書き込まないと正直不安なので。

昨日は目を覚ましたら、私は見知らぬ廃墟で石造りの床に寝転がっていた。この時点で私の頭の中は真っ白だ。一昨日は確かにベッドの上で陰鬱とした気持ちで仕事の事を考えながら眠った筈なのに、目を覚ましたら全く知らない場所だったからな。

少ししてこれは夢と考えた。その理由はすぐ傍に【ナイトインヴォーカーバックル】が落ちていたからだ。

 

【ナイトインヴォーカーバックル】は特撮作品《仮面ライダーゼッツ》に登場する変身アイテムの一つ。ネット動画で玩具レビューしていたのを見た事があるからな。メインウェポンとも呼べる【ブレイカムバスター】もセットでレビューされていた。変身玩具の方はカバーパーツを交換するだけだから当然かもしれないが。

肝心なのは、この【ナイトインヴォーカーバックル】はもちろん、【ゼッツドライバー】も買った覚えはない。変身に必須アイテムの【カプセム】もない。変身玩具で本体だけはまずあり得ないからな。

 

夢と自覚できる夢も珍しいと思いつつ、目が覚めるのを待ったのだが、目が覚めるどころか逆に頭が冴えてくる始末。むしろ遠くからタイヤが破裂したような音が聞こえてくる始末だ。

何となく無法地帯だと察した私は、部屋の隅っこで縮こまることにした。下手に動いたら危険な気がしたから。この判断が良いか悪いかは半々だったけど。

何故なら、爆発音まで聞こえてきたからだ。どう解釈しても何処かの紛争地帯。つまり、見つかったら殺される可能性が高い。こんな治安が末期の場所の不審者は殺されるのがお約束だった気がするし。

 

だから危険な音が聞こえなくなってから、こそこそとその場から逃げた。念のために玩具のバックルも持って。

建物がオンボロだけど外国の作りだし、全体的に薄暗いし、本当に此処は何処なんだろうな?こうして書いている今でも分からない。

そうして右も左も分からないまま、安全そうな場所を探して移動すること長時間。安全そうな廃墟を見つけた。街並から結構離れてるし、人気もない。仮の住まいとしては優良物件間違いなし。飲まず食わずかつ、歩き疲れたのもあって外から見て見つからなさそうな場所で眠ったら……変な白い扉が目の前にあった。

 

その扉を開けて潜ったら、目の前に広がったのはゴミの集積所みたいな場所。本当にどうなっているんだと思ったね。

半ばやけくそだったから、形が歪んだ大きな容器とガシャポンを引き摺り、例の扉に押し込む形で持って帰った。夢だから扉も物理法則を無視して、グニャグニャ歪んで放り込めたし。ガシャポンは何故か持って帰った方がいい気がして。ついでにノートらしき紙の束も拾って持ち帰った。

 

持ち帰りはしたものの、見た目からして壊れているのでこのままじゃ使えない。だから()()()()()。修理とはいっても、ガムテープや金槌、素人丸出しのアナログな方法で。

そしたらあらビックリ。目を覚ましたら自力で直した大きな容器とガシャポン、ノートが目の前で転がっていたんだよね。こうして書いてる今でさえ、意味が分からない。

取り敢えず、外は雨が降っているから例の容器に雨水を貯めるとしよう。

 

 

○月◇日? 雨

 

例の修理したガシャポンを回してみたら、中身は空っぽの筈なのに変身アイテムの【カプセム】が出てきた。色はオレンジで、絵柄は仮面ライダーっぽい人物が単体で走っている姿。動きは【ブースターカプセム】に似ていたから、思わず首を傾げたね。

そのガシャポンは一回回したら、まるでくっついたかのように固まって回せなくなったけど。分解する気力もないし、そもそも空の筈のガシャポンから物が出てくる時点でおかしいけど。夢なら本当に覚めてほしい。

 

で、次に直面したのが……食料。またの名をご飯。つまり食料問題だ。夢の中なら食事は不要……と思いたいが、妙に空腹を覚えるし喉も渇く。本当に変なところでリアルな夢だよ。

いや、これは本当にどうしようか?紛争地帯じゃまともに食料にありつけそうにないし、大自然とは明らかに無縁そうだし。ネットのサバイバル知識じゃ、水だけじゃ一週間が限界みたいだし。

本当にどうしようかと、例のカプセムを回したら『ラッシュ!』って鳴った。この時の私は絶対に間抜けな顔になっていただろうな。

 

これ、中に電子部品が組み込まれたメモリアル版?いや、こんなカプセム自体登場しなかった筈だと本当に大混乱だったね。まさかと思ってナイトインヴォーカーバックルを装着してレビュー動画の手順通りに動かしたら、ガチで変身した。いや、この場合は擬装か?とにかく見た目が見事に変わった。鏡はないけど、ピッチリタイツスーツ姿に変化したのが丸分かりだったし。後、メインウェポンのブレイカムバスターも出てきた。しばらく頭が真っ白だったね。

腹がグーグー鳴っていたけど、食べ物はないから雨水だけで空腹を凌いだ。後で腹を下しそうだけど仕方ない。他に方法がないし。ちなみにノクスナイト(仮)なら食べ物も作れるかなって思って念じてみたが出なかった。夢なのに変なところでリアルだよ。

 

夢の中の夢は、ガシャポン一台だけの殺風景な部屋と白い扉だけ。こうも意識がはっきりしていると逆に怖くなってくるけど、夢は何でもありだから仕方ない。潜った先は昨日と同じゴミ集積所だけど。

今回は柄が壊れたスコップと鉄パイプを持ち帰った。直して使えるようにすれば、この夢が覚めた時に手元にあるからな。これで地面を掘って畑を作ってやる。種がないから無意味だけど。

 

 

○月△日? 曇り

 

夢じゃなくまさかの異世界転移だった。もう、そうとしか説明できない。

夢の中でスコップを修理して目を覚ましたら、貯まった雨水を飲んで空腹を誤魔化した。そろそろ何か食べたいと思ったよ。

外から人の気配がしたので壊れた窓から顔を覗かせたら、頭に変な光が浮いている幼い少女と目が合った。向こうはかなりビビっていたけど。

普通に日本語で会話していた時はそこまで疑問に感じなかったけど、話を聞いていく内に徐々におかしい事に気付いた。

 

この世界は《学園都市キヴォトス》で、ここは《アリウス自治区》と呼ばれる外とは断絶状態の場所であること。アリウス自治区は内乱状態で、限られた物資を力ずくで取り合っているそうだ。それも銃撃、爆撃の普通なら死亡レベルで。

何でも“生徒”という存在は《ヘイロー》という頭に浮かぶ光によって肉体が物理的に頑丈とのこと。その頑丈さ故に、銃火器は当たり前の装備とのこと。

この話を彼女から聞いて、嫌でも夢じゃなかったと気付かざぬを得なかった。自分の夢で此処まで意味不明かつ、背景が細かすぎるのはおかしいからな。ちなみに名前は警戒されて教えてくれなかった。

 

ついでにキヴォトスでは“外”から人間が来るのも別段不思議なことじゃないそうだ。それでも私のことはあり得ないどうだけど。

このアリウスは《カタコンペ》と呼ばれる場所を経由しないと来れないそうで、そこは複雑な通路かつ定期的に道筋も変化するそうだ。

 

そんな不安定な通路でしか来れない場所に自治区があるのは、大昔の弾圧から逃れる為だったらしい。長い内戦のせいで歴史があやふやになったみたいだし。

明日、彼女にそのカタコンペに案内してもらうことにした。上手くいけば外に行けるかもしれないし。

ついでに例のガシャポンのツマミを回したら動いたので、そのまま回したら【ワンダーカプセム】が出た。

 

 


 

 

――あり得ない。

この私が、“崇高”へと至る大人たる私が、こんな、こんな――銀色タイツ姿の変な大人に追い詰められるだなんて!

その大人は白い武器――その先端の銃口らしき丸い穴を私に向けている。我々の領域とは違う、“外”の世界の武器……やたら音が響く上に自己主張が激しい、あまりに馬鹿げた武器にも関わらず、その中身……性能自体は凶悪だ。

マガジンがないにも関わらず、弾切れ知らずで放たれる銃撃。持ち手を外して組み直せば、剣にもなる。特に妙な球体を武器の窪みに嵌め込んだ際の一撃はかなりの痛手だ。

“神秘”に由来するものではなく、機械技術でもない理外の力。故に、この存在が理解できない。

 

「何故……何故なのです!?力を持ちながら“崇高”を理解しようともせず、大人の義務を果たそうともしない者に――」

「その義務が子供達を食い物にすることなら、私は願い下げだ。後、高尚な言葉で上手に隠しているつもりかもしれないが、醜い欲望が丸見えだからな?先に指摘したが、“全て”を救うと言う言葉を謳うなら、“犠牲”と言う真逆の言葉と行動は致命的な矛盾だろ」

 

『ストリーム!』

 

!マズイ!また――

 

『ブレイカムキャノン!!』

 

白い武器から放たれた、無数の青い光弾が私へと迫る。まるでショットガンのように放たれた光弾は、回避すら許さずに容赦なく私を叩く。

またしても私は地面を転がるが……まだ、体は動く。戦うことができる。目の前の私の“敵対者”を始末することは出来る。この者の弱点を狙えれば。

私はこの場所の支配者。搾取され、支配されるべき“存在”の居場所を把握することができる。支配が崩れかけた影響で掴みにくくなってはいますが……一つでもこの手で捕らえ、破壊する仕草をすればこの敵対者の動きは止まる。

 

『ラッシュ!』

 

だが、それよりも早く、目の前の敵対者は俊敏な動きで私の首を掴み、持ち上げる。

敵対者は私の首を左手で掴み上げたまま、白い武器を手放した右手で胸の中央にある装置のスイッチらしきパーツを三回押し、中央に取り付けられたオレンジの球体を右手で払うように回す。

 

『ラッシュ!フェイタル!!』

 

敵対者は私の首から手を離すと、まるでマシンガンを彷彿とさせる連続蹴りを放つ。

 

「がっ、あっ、ぐっ!」

 

肩、腹、顔、太股、身体の至るところに容赦なく蹴りが浴びせ続けられていく。サンドバッグにされたかのような屈辱を感じていると、止めと言わんばかりに回し蹴りを腹へと叩き込まれる。

 

「ぁあああああああああ――ッ!?」

 

その瞬間、蹴りの衝撃が全て解放されたかのように後ろへと吹き飛ばされる。壁に激突し、瓦礫に埋もれる私を、敵対者は赤く光るバイザー越しに見つめてくる。

ま、マズイ……!このままだと、何もかもが終わってしまう……!“崇高”への道が、こんなところで……!

 

「……退学しろ」

 

……何?

 

「お前は紛いなりにも“学生”だ……大人の年齢でも学校に通う学生は存在するからな。お前が自主退学し、この自治区から今すぐ立ち去るなら……今回だけ、見逃す」

 

敵対者はそう告げると、どこから取り出したのかは分からないが、退学届とボールペンを私の前に突き出す。

こいつ……!確実に私を此処から追い出そうとしている。この自治区の支配者は“生徒会長”……生徒会長は“生徒”であることが前提になる。私が此処に目を着けた理由の一つ……学園の形骸化で規則、基準が曖昧となって支配化に置きやすかったからだ。もちろん、他にも理由はあるが。

 

「……いいでしょう」

 

私は屈辱を覚えながらも、退学届にサインし、立ち去る方を選ぶ。このまま全てが終わるより、一度退いて機を窺う方が合理的だ。当然、この者もそれを理解しているだろう。

私は乱暴に退学届へとサインし終え、私の退学届を敵対者に叩きつけるように渡す。そして、私はその場から立ち去っていく。

 

「……覚えておきなさい。次に合間見えた時こそ、必ず排除します」

「……私も同じだ。協力者と仲間がいれば、お前達も同様だと伝えておけ」

 

その言葉を最後に、私はこの地から立ち去った。

ちなみに……

 

(な、何とかなったぁあああああああああっ!!)

(あのベアトリーチェという見た目怪人の女性、どんだけ頑丈なんだよ!?必殺技を叩き込んでまだ生きてるとか、コイツの世界はどうなってんの!?)

(つか、教えの矛盾点指摘して問いかけたら襲い掛かるとか頭蛮族か!?“全ては虚しい”と教えながら、自身が一番虚しさから遠い場所にいるじゃん!完全に洗脳教育だろ!)

(念のため、この世界のルールに則って追い出したけど……絶対、諦めてないよな!返り咲く気、満々だよな!!)

(アリウスの復興にベアトリーチェ対策……本当にやることいっぱいで泣ける。見捨てるなんて論外だし、やるしかないけどさ)

 

中の人は余裕そうに見えて、結構ギリギリだった。

 

 

 




オリジナルカプセム
【ラッシュ】
フィジカル系のカプセム。素早い動作を可能とする。

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