「ええなぁ恵君、
「!! 直哉さん、なんでソコに」
「んなもん決まっとるやろ、アレコレ探すより
「え、何君達知り合い? なら尚更仲良くしようよ」
「ついてきた……」
直哉の存在に驚き、しかし
━
「つまり、
「どやろな、でも、気ぃ抜いとったら死ぬで?」
言うや否や腰に提げるホルスターから拳銃………DG-Yを抜き放ち
それを合図に恵は変わった服装……レジィ・スターに
━
「アカンわ、ドタマ狙ったんやけど外れたわ。これ扱い難いねん」
「使っているんですね」
「当然やろ、蓮クンが意味もなくこないなモン渡さへん。せやけどまだ慣れんわ」
「君は何を! クッ……」
「俺はただついてきただけや、
「兄さんに似てきましたね」
「それは最高の褒め言葉や」
直哉が恵に近づき「殺す気でやらなあかんで」と言いながら自身が撃った術師を探すと、術師はマンションから吹き飛ばされマンションの下まで落ちていたのを見て、「コレにソコまで威力あるんかいな」と頭を傾げる。
そして同時に息を合わせるかの如く恵はレジィ・スターには
━
「簡単についてきたから何か怪しいとは思ってたけどそう言う事か、ついてきた君は殺す気できてるけど……式神使いの君、殺す気無いね。イヤ、殺せないのか。俺達の持ち点欲しいもんね。
でぇもぉ、彼が言ってる通り殺す気でやんないと、死んでから後悔するよ?」
その瞬間建物の上から何かが落ちてくる。
━
「遅いねん!」
しかし、直哉が術式を使い『
━
━
━━
━━━
━━━━
「すまんなぁ、アンタにはここで死んでもらうわ」
「誰が死ぬかよ」
「違うねん、そやないんや」
「何が、言いたい」
「死ぬしかない言うとるんや、極ノ番・
僅か二秒で直哉の眼前は扇状にアスファルトは成分が化学変化を起こして黒光りする滑らかな『
コンクリートのビルや鉄骨構造の建物は、まるで『バターを熱したナイフでくり抜いた』かのように完璧な円柱状の穴が滑らかに撃ち抜かれ断面は熱でガラス化し、白く結晶化してギラギラと太陽光を反射している。そして、術師を含めたその場にあった電柱や街路樹は『影』だけがまるで写真のネガのように黒く焼き付いている。
━
「せやねん、これが普通の有り様なんや。あん時の呪霊おったらアカンやろ」
『五点が追加されました』
━
━━
━━━
━━━━
「外が一瞬真っ暗になったかと思えばなんだいアレ」
「本人に聞いてください」
「じゃあ君を殺して聞きに行こうか」
「行けたらな」
「(アレは、何を……)」
「俺は、
でもまだ結界術ってのがよく分かってなくてな、兄さんが言うには自分の世界を拡げろって言うんだ」
「(まさか、できるのか?)」
「兄さん曰く『未完成、しかし結界術さえ使いこなせるようになれば完成する』らしい。だから、この体育館の
「俺は別に、大技が無いとは言ってねぇよ」
恵の領域の発動と同時に両手の指を重ね合わせ結界術を発動させる。それはーー
レジィが使った『
━
「残念でした」
余裕の笑みをもって領域を中和する。がーー
━
「ソレ知ってるよ、シン・陰流の『簡易領域』の原型、『
「……勉強熱心だね現代の術師は」
「だから
領域を展開してすぐに領域の端で走らせ続けていた式神・
━
「ソイツは走れば走る程に突進の威力が跳ね上がる。気を付けろ、術式を使わねぇと死ぬぞ」
影から影へと走り続けていた
━
「ッ! 再ッ契象!」
━━━━━━━━━━━━
【同時刻京都
━
「扇、アレを見ろ」
「加茂晴蓮から渡されていた絵に描かれていた呪霊だな」
「任せた」
「ああ」
「あら、片方は逃げるのね」
「違う。お前の相手は私だけで事足りるだけだ」
「傲慢ね」
「であればその身を以て知ると良い」
火炎呪術師禪院扇と氷の自然呪霊
━
━
━━
━━━
━━━━
「さて、覚醒呪術師と受肉体呪術師の排除だったな。で、お前さんはどっちだ?」
「どっちでも良いんじゃない? 結局は
「違いねぇ」
そう言うや否や術式を使い瞬く間に呪術師へと接近し触れ、有無を言わせずフリーズさせ攻撃する。
━
「あッ、が……」
「覚醒呪術師か、ならすぐ終わりそうだな」
「グッ……舐めないで」
膝に手を置き立ち上がり術式を使うが、投射呪法を使った直毘人には当たらず何もできずに倒れ伏す。
━
「ま、こんなもんか」
『五点が追加されました』
━━━━━━━━━━━━
【仙台
━━
【ドルゥヴ・ラクダワラ所持
━━
【
━━
【
━━
【
━━
【同盟はなく拮抗した実力と、錯雑した相性による三竦みの四巴。だが、その一角が墜ちる】
━━
【乙骨憂太所持
━━
「(ドルゥヴの式神が消えていく!)」
「コガネ」
━
「仙台
「かしこまり~」
そこに表示されたのは乙骨憂太の名前を見て「乙骨……」と呟き、空に浮かぶ
━
「(最近
「(俺がここまで近づいても反応がなかったのは乙骨で手一杯だったって訳だ、恐らくこれでーー)面白くなるな。(
「(
━
━━
━━━
「(出力はまぁまぁ、驚くべきは呪力の総量!!)」
「(底が見えない! 式神? も強力! ドルゥヴ殺しもマグレじゃない!! つーかやっぱ
「コガネ、アレも
『あぁ!!
━━
【
━━
「(物資が有限な以上
目の前に居る
━
━━
【『
━━
鉈の一振を容易く躱し鉈のを持つ手を斬り飛ばし、斬り飛ばした腕を地面に転がる石に刀ごと突き刺して懐に入り、シン・巌流〈
吹き飛ばされた
だが、
━
「(見られている、恐らく
でもーー僕が反転術式を使える事をこの二人に知られたくない。今の『里香』ちゃんは戦闘向きじゃないしスタジアムで皆を守ってもらっている、『美香』は戦闘向きだけど美香と反転術式を使わずに
「何故、邪魔、ヲスル。何故わ我々ヲ殺ス」
「それはこっちが聞きたい」
「? 私ハ、鉄ノ味、ガ好キ、ダッ。『
━
━━
━━━
乙骨の周りを浮かぶコガネが「五点が追加されました」と
━
「(反転術式! しかもそれをアウトプットできるのか手掌と脳から最短の口から正のエネルギーをマウストゥマウスで
一人呟きながら
━
「(はぁはぁ……取り敢えず一匹
一息ついていた乙骨の後ろから「そう、使えるのね………反転術式」と、聞こえ振り向こうとすると空間が歪み『バキッ』の音と共に吹き飛び、「(なんだ今の……打撃? …………)」と考えていると目の前に拳が現れ躱しカウンターを撃ち込む。しかし術師が何もない所を掴み引っ張ると空間が『ぐにぃ』と乙骨の腕ごと歪み顔面に肘鉄を喰らう。
━
「(腕が変形した!? でも腕が戻ってる…………異常無し痛みも何もない。多分空間をイジる術式、でも空間ごと相手を潰したりはできないのかな? レンズの歪みみたいなエラーを作り出している感じかな)コガネ、一応聞くけど
「そうだぜ、
「(
腕を降りながら立ち上がり攻撃してきた術師を見る。性別は女性、そして全裸だった。しかし
━
「私の術式は『空』を『面』で捉えるの」
術式開示と共に『空』を掴み「こんな風にね」と腕を動かすと『空』は『ぐにぃ』と引っ張られる。
━
「(術式の開示!)」
「(『空』………『空間』を『面』でか。二度の
「(早く撃ってこいよ……)」
「一応聞くんですけど殺されても文句ない人ですよね、力のない人なら必死になるのは分かりますけど、アナタみたいな強い人なら獲りたい時に点を獲れる。積極的に戦う理由はなんですか?」
「(……コイツ)何? 今の術師の受肉ってそんなにカジュアルなの? 私らにとっては黄泉返りよ、黄泉返り!! (なんか、ムカつくな……)一度目の人生に悔いのない奴が羂索の誘いに乗るわけないだろ。
死滅回游は二度目の人生の第一段階にすぎない、なんせ手引きしてるのが羂索なんだからね。あらゆる事態を想定して点は獲っておくべきよ」
━
「…………は?」
それは無意識に出た声だった、今もなお話し続ける乙骨にどんどん顔つきが険しくなり、幾つもの青筋を立て止めの一言「なんで自分なんかの為に必死になれるんですか?」を言われ「オマエ、藤原の人間か!!」と、怒りを隠さず声を荒らげる。
━
「藤原? 違いますよ、僕は菅原道真公の子孫です」
その言葉に怒りが少し収まり「菅原? オマエは菅原道真の子孫なのか?」と聞かれ「はい、加茂先生がそう言ってました」の言葉を返し「加茂? 誰だそいつは」と御三家を知らない
━
「古くから呪術界にある呪術師の家系です」
「なんだそれは、加茂と言う奴は誰だ」
「先生が言うには陰陽道……陰陽師の家系で、確か……賀茂氏にルーツがあると言ってました」
すっかりと怒りは収まっており「加茂? あの男か?」と、顎に手をやり思い出していると遠方から極大の呪力砲が二人を襲う。
━
「(あの屋上か、かなり近くにいたわね)」
「(攻撃範囲が広い……
「(
「(狩る!!)」
「(狩る!!)」
すぐさま呪力砲がきた方角へと走りだすと間髪いれず呪力砲が次々と襲い掛かってきて、それを器用に避け橋の下に逃げ込む。
━
「おいおいガッカリさせんなよ。(……! いねぇ!! そうか! あそこはさっき乙骨が穴を……)」
そう考えていると後ろから乙骨が現れ格闘戦へと入り、「もう少しコンパクトに戦ってください」と言うと「それで、腹一杯になんのか? 乙骨」と返された。
━
「コンパクトに戦えだぁ? オマエはご馳走を前にしたガキに『ゆっくり落ち着いて食べなさい』って言うのか?」
「………言うんじゃないですかね」
「そうだな、これは割と言うかもな、例えが悪かった。俺の一度目の人生は『腹八分目』ってとこだった……骨のある奴と戦った、いい女にも巡り会った、正直悔いが残るかと言われるとそうでもねぇ。
こういう漠然とした渇きっていうのは厄介だぜ、乙骨。皆『何が不満だ?』って
……このタバコ、吸った後少し甘いんだ、俺の人生にはデザートがなかった」
「(……来る)」
その判断は正しかった、話が終わるや否や
━
「(乙骨、何が不満かって!? 分かってんじゃねぇか!!)」
最後の一撃は背中をぶつける『
━
「(満ちてねぇから、不満なんだろ!!)」
吹き飛ばした乙骨を追って建物を飛び移り近づき乙骨に呪力砲……『グラニテブラスト』を放つが、乙骨は呪力強化した手で弾きそれを見て「(弾いた! 素手で?)」と驚き、間髪いれず乙骨が近づき
━
「(叩くのは『人』ではなく『空』の『面』。相手ごと捉えた『面』を薄氷を割るように……)」
「邪魔すんじゃねぇ!! ゲロ女! グラニテブラスト!!」
乙骨との戦闘を邪魔され青筋を立てグラニテブラストを放つが、『空』を掴み「るせぇチンカス!!」と叫びながら回転しグラニテブラストを『空』を歪ませグラニテブラストの軌道を回し
━
「ハッ」
「自分の技を喰らったのは初めてだ」
瓦礫に埋まり「中々にキクぜ」と呟いた。
━
「しぶとい……まあいいわ、アンタが菅原の子孫なら優しく仕留めてあげる」
「(反転術式は厄介だが呪力の消費がハンパじゃない、
どんなに美味い高級なケーキ屋も閉店間際のスッカスカのウィンドウじゃガッカリするもんさ……)……オマエじゃなかったのか、乙骨」
「(
皆の居るスタジアムは里香ちゃんが居るし、これくらい離れれば問題はない。……仕方ないか……)おいで『
乙骨に呼び出した式神は凡そ小学校五年生程の少女だった。
━
「(なんだあの式神は、完全顕現? イヤ、違うあの式神はまだ全力じゃない。なのにーー)」
「(なんだありゃあ、あのガキが式神なのか? それだけじゃねぇ、乙骨自身の呪力もまた湧いてきてやがる。どう言う理屈だ?)」
「〔
「うん、半分でいい。半分で充分だよ」
「〔わかった、どうするの?〕」
「そうだね……加茂先生のにしよう、一番使いなれてるからね」
「〔はあぁい〕」
━━━━
乙骨が呼び寄せる『式神亜種・美香』、その正体は祈本里香を成仏させるのではなく『守護呪霊』へと
里香と選んだ
この条件をクリアすれば
━━━━
「何度も使ってるけどこの術式は難しいな、加茂先生の凄さを痛感するよ」
「(見た目が変わった? それが乙骨の術式か?)」
「(なんだありゃあ、見た目が変わるとかどんな理屈だ? しかもそれだけじゃねぇ、乙骨自身の呪力が湧いてきやがる……どんな術式だ)」
「よし、いこうか。先ずは厄介な
「(私からか)ナメるな! 道真の子孫!! (アレは蛇の目に牙! しまった呪言か!)」
隠されていた口には独特な紋様が浮かび「『動くな』」の一言を発すると
━
「(全身に纏う事で姿を消せるのか、術式を考えればできて当然かな)」
「(速い!! なんて速さだ! それだけじゃない、出力も上がった? どう言う事だ!
それに、式神との連携が厄介。だが式神を叩いても意味は無い。乙骨を倒す)」
離れた場所に姿を現し術式を使おうと『空』を掴んだ時、『美香』が手を向けて呪力砲を撃ち込み地面へと吹き飛ばす。
━
「(一回使うだけで筋肉が引き千切れる、体が悲鳴をあげる。五条先生の術式とは別ベクトルで使いづらい、使えるのは五分が限界! その内に仕留める!)」
そこからの猛攻は凄かった。凄まじい速度で襲い掛かる乙骨に対象できず、更に『式神亜種・美香』が連続で、断続的に放たれる高密度の呪力砲が逃げ場を減らす。
━
「クッ……そがぁ!!」
『面』を掴み歪ませ大多数の呪力砲を散らし、乙骨の攻撃は自分の体に『空』を纏う事で躱して戦うがそれでも恐るべき速さの乙骨に追い付けず、躱しきれずに攻撃を喰らう。
━
「(なんなんだコイツは!
「はぁはぁ……ハァ!!
「(速さに追いつーー)」
凄まじい速度で
━
「ふっ……ザッけるな!!
「クッ……
動きの止まった乙骨に術式を当てようとしたが、気がつけば横から殴られていた。
━
「(更に速く! だが血を吐いている、限界は近い筈)
掴んだ『空』を雑巾を絞るように限界まで捻じり超高密度の『空間の渦』を作りだし、迫ってくる乙骨に向けて……否、偏差射撃のように乙骨が来るであろう場所に突き刺す。
━
「(ヤバい! 見破られた! 体に負担が掛かるけど止まるしかない、止ま……れ!)」
そして急停止からの超加速し
━
「(クソッ! 躱された! だがまだだ!)はい……だ、らぁあ!!」
今度は空間を捻じ切った
━
「(そんな事もできるのか! 駄目だ、止まれない!)う、ぐぁ……」
またもや移動先を見破られ、幾つもの『空間の渦』が体を抉る。
━
「カハッ……。(早く、早く治せ!)」
移動しながら抉れた体を治し、
━
「オイオイオイ……放ったらかしとか、
溜めに溜めた極大のグラニテブラストを乙骨目掛けて放つが『式神亜種・美香』が割って入り呪力砲で相殺する。
━
「(俺のグラニテブラストを相殺した!? マジか!)
その小柄な体躯からは想像できない膂力で殴り飛ばされた
━
「(簡単に相殺してくれるもんだぜ、しかもそれだけじゃねぇ。あの式神、
「〔おとーさんのじゃまはさせない。えっと……えい!!〕」
放たれる極大の呪力砲同士が衝突し砕けた塵が舞い、その塵に紛れ『式神亜種・美香』に近づき「子供を殴る趣味はねぇが仕方ねぇよな」と肘から呪力を噴出させ『式神亜種・美香』を殴り飛ばす。「〔いたい〕」と、何もなかったかのように立ち上がり「〔
━
「!? (呪言か!? 仕組みが分からねぇ、だがーー)まだまだ食べ盛り、モリモリいこうか!!」
まるで何かに弾き飛ばされるように
そして『式神亜種・美香』に『全部だ』と、言った途端に乙骨の呪力が更に沸き上がり、出力も上がる。
━
「(完全顕現!? 今までのは全力じゃなかったって言うの!?)」
「(マジでどう言う理屈だ、乙骨の呪力がまた湧いてきやがった。今度こそ全力か)いいね、マジで
「『美香』は
「〔わかった!〕」
ハツラツした声で手を上げ言葉を返した。
━
「(ふぅー……呪力量と出力にモノを言わせれば先生と同等の性能を引き出せる、その代わり体が悲鳴をあげる。でも、やるしかない)『美香』、もう一度加茂先生だ」
「〔はあぁい。えい!〕」
可愛らしい声で乙骨に手を振りかざすとまたもや見た目が加茂晴蓮へと変わる。
━
「もう一度だ」
「やってみろ道真の子孫!
先程同様空間を捻じ切り投げ槍の要領で乙骨目掛け投げつけるが、「
その一方で、
━
「ふぅー……。(限界ギリギリを攻めていけ)いこうか!
━
「な、速……ガッーー」
瞬間的に亜音速を超えた一撃に反応すらできず防げずに
━
「はぁはぁ……クッ、はぁはぁ。よし。(
━
一方『式神亜種・美香』と
━
「(この式神マジでバケモンだな、カテェしハエェ上に出力がダンチだ。なんだこの式神は、だが!)マジで
「〔やっ!〕」
蛇口の大きさは当然
━
「〔うっ〕」
「ハァッ!」
━
「マジかお前!!」
乙骨と『式神亜種・美香』、そして
━
遠距離からは『式神亜種・美香』の呪力砲、近距離は視認できない速度の乙骨を長年侍として培ってきた勘でギリギリ捌き、しかしそれでも幾つかの攻撃を受けてしまい尚且つ迫り来る呪力砲を片手で弾きなんとか喰らいついていたが、弾いた隙をつかれ一撃を腹に受ける。
━
「グッ……オォオ……。イテェなぁ、でもよ
「(しまった! 釣られーー)」
本来は放出する術式を
━
「〔おとーさんをいじめるな!!〕」
更に出力が増した呪力砲を反転させた状態のままであった肉体出力でいずこかの方向へと弾き、体内にグツグツと煮える呪力をグラニテブラストとして放つ。
━
「吹き飛びな嬢ちゃん」
凡そ二十mもの距離を一瞬で戻り超極大のグラニテブラストを防ぐ。
━
「やるじゃねぇか乙骨」
「ここで負けていられませんので」
「(乙骨にとってあの式神は肝、守るのがその証左。どうする)」
二人の視線が、思惑が混じる中「
━
「私を無視するか道真の子孫」
「オイオイ、お前は退場しとけよ」
「黙れ侍!! 道真の子孫、オマエは何を望む! 何の為に戦う!」
「さっきも言いましたが友達の為、尊敬できる人達の為です」
「言い心意気じゃねぇか」
「ハッ!! 誰かの為に戦うか、その誰かはオマエを褒めそやすか!」
「褒めてもらおうとは思っていません、ただの自己満足です。僕が戦う事で誰かが怪我をしないですむのなら僕は誰かの為に戦います」
「ハッ! やはりオマエは道真の子孫だな、だからこそ藤原の連中によって謀略に嵌められ死んだ! 誰かの為に生きたからだ! (髪を引き抜いて式神にした? 何をするつもりだ)私は私の為に戦い、私は私として何者かに成る為に戦う! (鬱陶しい式神が!)」
空間を歪ませ式神を足元に引き寄せ踏み潰す。
━
「私は私の名を持つ! オマエのような甘ったれた思想が己を殺す事にーー!? (これは、式神の軌跡を領域とするドルゥヴの術式! 乙骨は式神術を扱える呪言師じゃない、乙骨の術式は『
「(アレはドルゥヴの術式!? ただの呪言師だとは思っていなかった、乙骨の術式は
「僕はご先祖様がどうとかは知りませんし関係ありません。僕のご先祖様がアナタが嫌う人達に何かされていたとしてもそれは過去の話です。
自分の為だけに生きるのはきっといつか限界がくる」
「黙れ……黙れ小僧!! 『誰かの為に生きろ』、『何者にも成る必要はない』。そうやって嘯くのはいつだって何者かに成った者だ!!」
その時太鼓の音が鳴り皆が振り返る、音の出所は
━
「ごちゃごちゃうるせぇ!! ここまで来たら、もう言葉じゃねぇだろ!!!」
心臓を叩く音が響くなか三人の声が重なる………。
領域の押し合いになればそれぞれこ必中術式は打ち消し会う。その間の
━
「(たとえ後から結界に侵入されようと!)」
「(ダラダラやるつもりはねぇ、甘い決着をつけようぜ!)」
直前、
━
「〔おとーさんを、返せ!〕」
その時、いなくなった筈の存在が……「私ハ!! 鉄ノ味ガ、好キダ!!」乱入する。
結界の外では強化されたゴキブリから『式神亜種・美香』は逃げていた。
乙骨は結界崩壊後にすぐ
━
「チッ!」
領域展開直後は、術式が焼き切れ使用が困難となる。その隙を狙われ
━
「(あの膂力なら潰して丸めるのは簡単だろうな、しっかし徹底してるな乙骨。例え
「う……クッ……。道真の子孫! 貴様ぁ!」
「もういいだろ、
「オマエはこのテーブルに呼ばれてねぇ」
━
「さあ……卓に着こうぜ、乙骨」
乙骨の術式は未だ回復していない。だがーー
━
「いくよ『美香』」
乙骨は『式神亜種・美香』の性質である呪力出力上昇、そして高出力指向放出。しかし上昇していてもなお
四百と余年の渇望、渇きに比例した熱い眼差しがーー
恐らく今後も戦いそのものに意味を見出だす事のない乙骨憂太の心を解かす。
超高出力の呪力砲同士がぶつかり合い拮抗し爆発する。
━
「マジで
「(このまま突っ込む!)」
「(領域展開に俺との
絞り出したグラニテブラスト、確実に当たる躱せない距離。『当たる』そう確信した、しかし乙骨の術式はーー既に回復していた。
━
「!! (今のは
「『
そして
━
「ウッ、くっ………」
「(これが守る理由か!)隙ができたな乙骨! グラニテブラスト!」
晴蓮であるが故に十全に使いこなせる
━
「まだ、まだぁ!」
グラニテブラストを先程と同じように
━
「知らなかった!! 出し切った後があるなんて!! これが!!!」
「まだだ! まだ終わらねぇ、終わらせねぇ! 乙骨!!」
乙骨は
━
「いえ、ここまでです」
「あ?」
降り注ぐは己のグラニテブラスト、
━
「ありがとう…………満腹だ」
そう言い仰向けに倒れる。
━
原作をなぞるだけだと二次創作じゃないもんね。
━━
因みに晴蓮くんの術式順転で出せるのは
━━
途中で切ろうかと思いましたがなんかバランス悪いなって事で仙台戦を書ききりました、その分長くなりましだがこれくらいが丁度良いのかもしれませんね。
━━
誤字脱字がありましたらご報告してくださると助かります。