ラブライブ! 鉄道ファンとスクールアイドルとなかまたち since 2024 作:松浦南北
翌朝、朝食後布団等を整理したあと、今日は南紀白浜に行き、日帰りで入浴してそのまま帰る見込みだ。
せりな「よし、今日こそ南紀白浜行くぞー!!」
陽凪「今日は張り切ってるね」
せりな「だってこのあと、恐怖の小テスト受けるからね。今日くらいはそれを忘れたい」
ぽむちゃん「せりなちゃんに何かあったの?」
僕「この前の水曜日から生徒会会計兼浮気取締役員に任命されたんだ。それで全生徒の名前を覚えろって、しかも小テストして満点じゃないと反省文書かせるって話だったの」
おたえ「私とシオンも先月受けたけど、私だけ反省文になっちゃったね……あはは」
侑「まあ、6000人以上も生徒がいるから難しいと思うよ。私でも絶対反省文になりそう」
おたえ「でしょ?」
僕「でもぽむちゃんや侑、しずくやナンシーちゃん、それから陽凪は委員長でも役員でもないしこんなことはないからね?」
しずく「良かったです……」
せりながGW明けに小テストを受けるという話はもはや鉄道同好会において周知の事実。今や生徒会長も鉄オタ復権に尽力している以上逆らえない。
和華「やっぱりあそこの生徒会長、違う方向で恐ろしい……」
おたえ「でしょ?」
咲ノ浜組ですら戦慄する記憶量なんとかしてくれよ……。
〜※〜
そういうわけなので咲ノ浜を出発、住之江公園経由で天王寺まで出よう。
侑「大阪の地下鉄全然わかんないよぉ……」
しずく「私もです」
東京の非鉄に地下鉄事情を理解しろは苦だ。僕は鉄オタとして当然理解している。このまま住之江公園下車後、四つ橋線で大国町、御堂筋線で天王寺……と行く方向である。
ぽむちゃん「ここまでシオンちゃんが知っていると、嫉妬しちゃうなぁ……」
せりな「何言ってるの?私も予習してきたよ?」
おたえ「鉄オタだったら、予習して当然なんだけどなぁ〜?」
ぽむちゃん「ごめんなさい……」
流石に嫉妬も幼馴染と最凶には勝てないよね……。
〜※〜
天王寺下車後、朝ご飯におにぎりを買ってくろしお1号に乗り込もう。天王寺7時59分発で、白浜には10:10着の見込み。乗り込むと直ちに発車した。しかし全席指定は辛いな……。女子だけだしギリギリ9人取れたけどね。
乗り込んでからのこと。
シオン「そういえば昨夜におたえが言っていた、休学後に自殺しちゃった子って……」ウルウル
重い話だけど、思い切って聞くことにした。
侑「私も知りたい……。歩夢は?」
ぽむちゃん「後で損したくないし、知っておいたほうがいいかなって……」
せりなと陽凪、しずく、ナンシーも頷いた。
おたえ「みんながそう言うなら話すね……。和華ちゃんいいかな?」
和華「うん。本当は公に周知すべきことだからね……」
そう言うとおたえは話し始めた。
〜※〜
まず、その子は南港真知子ちゃんって名前だった。私と和華ちゃんが高校に内部進学したときに入学してきた普通科の子だったね。
真知子ちゃんは鉄道が大好きで、私や和華ちゃんと一緒に、咲ノ浜2023年度鉄道トリオって名前もついていたの。それで、真知子ちゃんが鉄道研究会に入ってからはこの3人だったり、当時のメンバー5人全員だったりで週末や放課後は天王寺駅や大阪駅で撮り鉄をしていたんだ。
だけど、7月に咲ノ浜でオタ活厳禁のブラック校則の制定があったでしょ?それで夢のような時間はすぐに崩れ去ったの。
それで、私は最後不登校を選んで、和華ちゃんは校則破りとか含めて堪えたんだけど、真知子ちゃんは休学を選んだんだ。そうしたら……
復学を迫るメールや通知書を毎日のように送られて、9月20日に耐えられずに自殺しちゃったの……。まだこのとき、真知子ちゃんは15歳だったんだ……。
昨日寒気がしたのはその関係だったかもって……。
〜※〜
おたえ「……ってナンシーが一番泣いてるんだけど」
ナンシー「だって、多英子がそんな暗い過去の持ち主だなんて、聞いていなかったんだモノ!!それにそんなブラック校則を制定して人を殺す理事や生徒会も許せないワ!!」メソメソ
おたえ「同情してくれるだけで嬉しいよ……」ポロポロ
全員で涙を流して泣いてしまった。それからというもの、泣きながら朝食を食べ、白浜まで到着するまでこのままだった。しかし降りた途端、その真知子ちゃんの霊が本当に出るというのは知る由もなかった。
〜※〜
定刻通りに白浜到着後、突然恐ろしい出来事が。
??『見つけたわよ、和華ちゃん、多英子ちゃん』
おたえ「今聞いた?真知子ちゃんの声」
和華「うん……嫌な予感が……」
2人が振り向くと、包丁を持った水色髪の女の子がいた。
??『許さないわ……私を嫉妬させた責任、どうやって取ってもらおうかしらぁ?』ゴゴゴッ
侑「ひいいいいっ……また幽霊……!!」ブルブルブル
ぽむちゃん「侑ちゃんは見ちゃダメ!!」
僕「ところでこの子が真知子ちゃんなの?」
真知子『ええ。私は南港真知子よ……多英子ちゃんと和華ちゃんのことが気がかりでずっと成仏できずにいたけど、そうしたら2人とも私を置いて電車ばかり……嫉妬させたんだから、2人を呪い殺すの』ハイライトオフ
おたえ「真知子ちゃんごめんね……」
真知子『謝っても無駄よ!!さあ、死になさい!!』
そうやって真知子ちゃんが包丁を振りかざした途端……
ナンシー「危ないっ!!」
空のペットボトルをナンシーちゃんが投げ、真知子ちゃんは驚いて包丁を手放した。その包丁は霊体ゆえ消えてしまった。
真知子『何よ!!これは私と和華ちゃんと多英子ちゃんの問題なのっ!!邪魔しないで!!』
ナンシー「多英子にひどい仕打ちをする人は許さないんダカラ!!」
真知子『くっ……』
しずく「とりあえず皆さん落ち着きましょう?」
せりな「侑と歩夢は危ないから避難してて!!」
ぽむちゃん「うん。侑ちゃん気絶してるから先に温泉行ってるね……」
侑「……」真っ白
とりあえず侑とぽむちゃんは先に行ってもらい、残りの7人で対処することに。すると……
真知子『……私も悪かったわ』
和華「えっ?」
真知子『さっきは暴走しすぎたわ。でも、こんなにも仲間が増えたことで嫉妬したのが原因だった。それでさっきは、2人を呪い殺して、3人で一緒になりたかったのよ……』
おたえ「ごめんなさい……嫉妬させちゃって……」
真知子『でも、やっぱり私は成仏したい。でもなかなかできなくて……2人が心配で……』ポロポロ
和華「そんな……」
真知子『だから、お願いがあるの』
おたえ「それは……」
真知子『ハグとキスとナデナデを、2人にしてほしいわ』
和華「わかったよ……」
するとおたえと和華ちゃんは抱きつき頭を撫で、キスをした。
真知子『2人とも、私が死んでからも随分成長したわね……』ポロポロ
おたえ「えっ……?」
真知子『多英子ちゃんは、あの頃と比べて全然臆病じゃなくなった。和華ちゃんも、ずっと忍耐強くなっているわ……』
和華「私も気づかなかった……」
真知子『だから、私からのお願いは、我慢強く、そして怖気づかずに生き抜いてほしい。それだけよ』
おたえ・和華「約束するよ!!」
すると、真知子ちゃんは光になって消え始める。
和華「ちょっと真知子ちゃん!!行かないで!!」ポロポロ
真知子『あはは……ごめんね。多英子ちゃんと和華ちゃんの成長している姿を見られただけで、満足しちゃったみたい。でも、成仏してからもずっとずーっと見守っててあげるからね?その分、私が乗れなかった鉄道にはいっぱい乗ってね?』ポロポロ
おたえ「ありがとう真知子ちゃん!!」メソメソ
真知子『それじゃあ……』
3人「またどこかで会おうね!!大好き(だ)よ!!」ポロポロ
そう言うと、真知子ちゃんは完全に消え、天に還っていった。
するとおたえと和華ちゃんはびょおびょお泣いてしまう。
僕「ヤダ……僕までもらい泣きしちゃってる……」
しずく「私もです。多英子さんが過去にご友人を亡くされているだなんて……」ポロポロ
結局7人で涙を流したままその場で動けなかった。
〜※〜
しばらくして、侑とぽむちゃんが戻ってきた。
侑「7人とも来なかったけど……」
おたえ「真知子ちゃんが成仏してから、泣いて動けなかったんだ……」
ぽむちゃん「でも、おたえと和華ちゃんが無事でよかった」
和華「うん。今後も多英子ちゃんのことをよろしくね、歩夢ちゃん、侑ちゃん」
侑「もちろん!!」
こうして入浴しそびれたが一件落着。
……というわけではなく、
ぽむちゃん「でも、おたえちゃんも誰かを嫉妬させちゃうってことがわかったでしょ?」ハイライトオフ
おたえ「えっ……!?歩夢!?様子が変だよ!?」
ナンシー「和華もヨ」ハイライトオフ
和華「ナンシーちゃんもハイライトを無くさないで!!」
しずく「この2人も守ってあげないといけませんよね?」ハイライトオフ
陽凪「陽凪もしずく先輩に賛成します♪」
せりな「フフッ♥和華ちゃんのことも、もっと好きになっちゃったかも♥」
おたえ「ねえシオン、侑……あの5人の暴走を止めてよぉ……」
僕「ごめん、無理。今回ばかりは嫉妬してる5人に賛同しちゃうなぁ……」
侑「やっぱり『守って』あげなきゃいけないなって気持ちは、みーんな一緒だよ♥」
おたえ「そんなぁ……」
僕「じゃあ7人で振り回しちゃおう!!」
全員「さんせーい!!」
おたえ・和華「いやあああああああああああ!!」
こうしてみんなで白浜近辺でおたえと和華ちゃんを振り回す僕たちでありました。でもパンダを見られたのと、ナンシーちゃんにとっても、帰国前の最高の思い出になったことから今回の旅行は成功だね♪
次回はかなり飛びますが、アニガサキに入っていこうと思います。原作崩壊の世界線、スタート!!
ちなみに成仏シーンは以下の話を参考にしました。
https://syosetu.org/novel/284195/159.html