フリーレン界の『五条悟』、真っ二つになんてなりたくない   作:狐大総統

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ゼームネ、みんな大好きなんですかね?
感想欄で主人公への異議が飛び交ってました。
ちなみに作者は好きですよ。何がとは言いませんが。


『揺らいでいる』

side ブルグ

 

今日は任務も無いので、久しぶりにチョビヒゲ根暗ジジイ*1と手合わせをしていた。

 

今は休憩中で、食事をとりながらレルネンと最近のことについて談笑中だ。内容も、任務やレルネンの孫のこと、魔法のことなど、様々なものについて話しているのだが、今更ながらにこのジジイはヤバすぎる。

 

なんと、このジジイ。単体で馬鹿強いというのに、最近になって馬鹿優秀な『ゴーレム』まで併用し始めたらしく、更に隙が無くなっていた。

 

『戦闘・防御』はもちろん、『回復魔法』まで使えるうえに他のやつに貸与まで可能らしい。

 

いや、マジで凄すぎる。

そんなんフリーレン界の『夏油傑』やん。

 

一瞬、『夜蛾』や『与幸吉』かとも思ったが、単体で強い『召喚系?』能力持ちで考えると、1番『夏油傑』っぽい。

 

そのうえ、このジジイは未遂とはいえ、未来でフリーレンを討ち取って悪名を轟かせようとするイカれ野郎なのだ。

その理由も、自分以外の誰かのために罪を犯した『夏油傑』と似通っている。

 

あと、一見柔和そうに見えて過激なところとか。

 

完全に似ているかと言われると違うのだろうが、ひとつも似ていないかというと、それもまた違うだろう。

ラインとしては、似てない寄りのグレーゾーンといったところだろうか。

 

なら、俺も『死に方』、『一部の能力の系統』、『セリフ』、『目隠しキャラ』くらいしか『五条悟』と似ていないし、ジジイをフリーレン界の『夏油傑』として取り扱っても問題無いだろう。

 

そんなことを考えていると、レルネンがこちらへと話しかけてきた。

 

「そういえば、ブルグ。君は初めて会った頃の話し方と随分変わったけれど、なにか理由でもあるのかい?やはり、一級魔法使いとなったからなのかな?」

 

レルネンは柔らかい笑みを浮かべており、さきほどまでの手合わせと違い、目元も随分と優しい目をしている。

こちらの回答が楽しみなのだろうか。ジジイというより、お爺ちゃんといった目だ。

 

「いや、そういうわけではないのだが…。決意表明という意味では同じか。」

 

実は、俺は自身をブルグと自覚するまで、こんな堅苦しいコミュ力赤点みたいな話し方はしていなかった。

 

だが、自覚した日以降はブルグっぽい話し方を探求し、今では鬼退治の漫画に出てくる『水柱』系の話し方に落ち着いた。

 

「いったい何の決意表明なのか、聞いても良いかな?」

「俺が『現代最強の魔法使い』となる決意表明だ。」

 

俺がそう言うと、レルネンは随分と驚いた顔をしていた。

 

「なんだ?何か驚くことでもあったか?」

 

俺が問いただすように視線を送ると、レルネンは頭を横に振った。

 

「いや、すまない。まさか、君にそういう目標があるとは思っていなかったものだから、ついね。」

「そうだろうか?」

 

魔法使いであれば、より高みを目指しているものは多い。

一級魔法使いであれば尚更だ。

まあ、俺の場合は『完成度高めの五条悟』になることが目的であって、『現代最強』はそのため必要な通過点でしか無いのだが。

 

「どおりで、ゼーリエ様が君を気に入ったわけだ。あの方は野心を持つ魔法使いを好むからね。」

 

レルネンはひとり納得顔をしているが、俺が『現代最強』となろうとしているのは『真っ二つ』にならないためだ。

 

『野心』というには随分と後ろ向きであるのだが、このまま勘違いさせておく方が都合は良いので黙っておくとしよう。

 

「それにしても、あのときは驚いたよ。初対面であの方に対して暴言を吐く魔法使いなんて初めて見たからね。」

 

レルネンは一転、ため息を吐きながら呆れたように言った。

 

はて、暴言なんて言っただろうか?

 

俺は記憶を辿り、頑張って思い出そうとするが、どうにも思い出せない。せいぜい言った言葉としては…

 

「『幼児体型金髪エルフ』のことか?」

「それ以外に何があるんだい?」

 

即答だった。

高速で移動する魔法ジルヴェーア』でも使ったのだろうか。

 

「別に暴言では無いだろう。ただの事実だ。胸も無いのだから。」

 

俺がそう言うと、レルネンは困惑したように口を開いた。

 

「…もしかしてなんだけれど、あの方のこと、戦闘時以外にちゃんと見たことないのではないかい?」

 

レルネンの言葉を聞いて、俺は首を傾げた。

 

いったい、なんのことを言っているのだろうか。

 

俺の様子を見たレルネンは察したような顔をすると、顎に手をやり、なにやらブツブツと一人呟く。

 

「やっぱりか。おそらく、戦うときなどは正確に理解できていても、普段は無意識にってとこかな。」

 

レルネンは独り言を終えると、少しの間をおいた後、考えが纏まったのか俺へと助言をしてきた。

 

「ブルグ。今度、あの方をちゃんと見てみるといい。少なくとも、幼児体型などではないことが分かるはずだ。」

 

俺はその言葉の真意が分からなかったが、ひとまずその場では頷いておくことにした。

 

だが、この言葉の真意を、俺は後日理解することになる。

 

◇◇◇

 

この前のレルネンとの手合わせから三日後、俺はある村の魔族討伐任務を終わらせ、任務完了報告をすべく、幼児体型金髪エルフのもとへ訪れていた。

 

「…以上が結果報告となります。」

 

任務報告をつつがなく終わらせ、ゼーリエからの言葉待ちをしている途中、彼女の側に控えているレルネンを見たことで、俺は以前ジジイに言われたことを思い出した。

 

─そうだ、ゼーリエのことをちゃんと見なければならなかったんだ。

 

このことを思い出した俺は、彼女のことを観察する。

 

すると、とんでもないものが目に入りこんできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ポヨンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、柔らかそうな二つの双丘だった。

これまで、目の前にあったはずだというのに、気づいていなかったものだ。

 

まさか、精神魔法か?いや、精神防御を破られた形跡は無い。

 

この瞳に映る情報は、この双丘がおっぱいだと言っている。

しかも!俺の魂がそれを肯定している!

 

やっぱり!これはおっぱいだ!

 

俺がそんなことを考えていると、ゼーリエが俺へと問うてきた。

 

「……待て。お前、何が見えている?」

「(おっぱいが)…揺らいでいる。」

 

俺の返答に、ゼーリエは困惑していた。

彼女は俺が魔力のことを指摘したのでは無いことくらい、理解しているだろう。

だからこそ、俺は更に言葉を繋げる。

 

「レルネン一級魔法使いに、見てみるよう勧められた。」

 

この発言をした瞬間、ジジイは凄い勢いで頭をぐりんと回し、俺へ正気を疑うような目を向けてきた。

すげぇ面白い。

 

ゼーリエの直感はいつも正しい。だからこそ、この発言が嘘などではないことくらい理解しているだろう。

 

ちなみにゼーリエはというと、心底呆れたような顔をした後、口を開いた。

 

「…お前たちくらいだ。私を見て、そんなところへ目が行くのは。」

「…そのような服装をしていれば、目が行くだろう。」

「その前に、普通は魔力に目が行くだろう。胸に目が行くやつなど、これまでの記憶上、人間ではお前たちくらいだ。」

 

俺が正論を返したが、ド正論で返された。

 

まあ、俺も理由は違うとはいえ、胸に目がいかなかったタイプなのだ。そもそもが説得力としては薄いだろう。

ちなみに俺が気付かなかったのは、おそらく華奢で小柄なエルフ*2=幼児体型の公式が頭の中で構築されていたために、いまのいままで気づかなかったのだと思う。

 

一応、戦闘中のことを思い返すと、胸が付いていたように思うが、日常生活では無意識のうちに幼児体型として処理してしまっていた気がする。

 

まあ、俺のタイプである『綺麗なお姉さん』の理想的なスタイルからすると、幼児体型といっても良いような気がするため、今後もゼーリエを馬鹿にするときは幼児体型と言うような気がするが。

 

そんなことを考えていると、ふとゼーリエがレルネンの方を向き、声をかけた。

 

「それにしても、レルネン。お前のことは臆病な坊やのままとばかり思っていたが、そういうわけでもないようだな。」

 

ゼーリエは口元をニィイッと歪ませ、言葉を続けた。

 

「とはいえ、お前は妻子どころか孫もいる身だろう。少しは臆病な坊やに戻った方がいい。」

「ゼ、ゼーリエ様…。」

 

レルネンは困ったような、申し訳ないような顔をしつつ、目先は時折、俺の方へも向き、助けを求めるような目をしていた。

 

だが、せっかく面白いものが見れるのだ。

助けるはずもない。

 

その後も、暫くゼーリエは楽しそうにレルネンをいじり続け、満身創痍の状態でジジイは解放された。その直後、ジジイが俺を新作ゴーレムの実験台にすべく追い回すといった事件が起きたが、完全に余談である。

*1
レルネン

*2
フリーレン




日間ランキング1位とか、お気に入り登録者数めっちゃ増えたこととか、驚くと同時に凄く嬉しいです。
みなさまのおかげです。ありがとうございます。
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