季桔市での特異生物災害は、密かにペスター博士の研究所として改造されていた季桔グランドホテルの崩壊を機に終結した。ホテルが音を立てて崩壊するのに前後して、周辺に蔓延っていた亡者も順次体を崩壊させ沈静化。突然の事にグラスやシルヴァ達は唖然となったが、それが敵の首魁であるヴラドの死を意味するものだと理解すると最初は安堵に胸を撫で下ろした。
だが被害の確認などをしていれば、そんな悠長な事も言ってはいられなくなる。何分今回の事件は一般人は勿論、身内にも被害が大きかったのだから。
先ず一般市民だが、こちらは言うまでもなく膨大である。確認できている限りでも逃げ遅れた一般市民の被害が大きく、しかもそれは飽く迄も今回のホテル周辺での戦いだけでの話なのだ。逃げ込んできたヴラド達ノスフェクトが人知れず起こした行方不明事件も含めれば、その数はどれ程のものになるかは想像に難くない。特に高校で起こった多数の生徒が巻き込まれる事件は痛々しいという言葉だけで済まされるものではなかった。
一方事態終結に尽力したS.B.C.T.であるが、こちらも一つの事件への対応としては被害が大きいと言わざるを得ない。最初に季桔市での事件を担当し、廃洋館で全滅したιチーム。そしてホテル周辺での戦いで戦闘部隊が全滅したεチーム。特にιチームに至っては前線に出る戦闘部隊だけでなく、オペレーターを含む銃後の隊員までもが被害に遭い生き残ったのは本当に後方の支部で待機していた整備班のみと言う壊滅的な被害を受けてしまった。ιチームはベテランが多かったので、そう言った意味での損失の大きさも無視できるものではない。
被害が大きかったのは上記の2チームであるが、生き残ったδチームとγチームも無傷とはいかなかった。特に終盤亡者の群れを食い止める為に一心不乱にチェーンガンを乱射したδ7こと後藤 一也と、それに付き合う形でその場に残ったδ4の中野 昭俊は無理が祟って大きく負傷し長期の療養を余儀なくされる事となった。
それ以外の隊員にしても大なり小なり負傷している者が多く、両チームとも傷を癒す為に暫く活動が出来なくなる。
また今回の事件の黒幕であるペスター博士は、戦闘終結後ホテル周辺を隈なく捜査した際に全身のあちこちを食い千切られた無残な死体となった姿で発見された。状況から察するに、暴走した亡者により殺されたと考えられたが捜査したS.B.C.T.にはそれ以上の事は分からず首謀者死亡と言う形で幕を下ろす事となった。
公的な機関として活躍したS.B.C.T.に関してはこの程度だが、面倒だったのが修道騎士団に関してである。
日本政府の認可も無く国内に侵入し、剰え戦闘行為を行っただけでも問題だと言うのに彼らの活動が原因で無用に被害が拡がる事も少なくなかった。それらの事もありカタリナを始めとした関係者は全員ホテル周辺での戦闘後捕縛される事となり、正式な裁判を待つ事となる。が、それは飽く迄も形式的なものだ。特にカタリナやルクス、そして最後の戦いに参加した一般騎士の多くは精神的にも大きな問題は無いと判断され、情状酌量の後僅かな拘束期間を経て解放される事が決まっていた。
騎士団の中で特に問題があったのはアスペンとエリーの配下であり、それらは責任者である両者共々既に全滅していた。
これらの問題を一身に背負わされたのは、言うまでもなく騎士団上層部と教会である。今回の一件で修道騎士団は活動を著しく制限ないし規模の縮小が決定され、また騎士団と教会は日本政府とS.B.C.T.に正式に謝罪する事となった。
その後の調査で、季桔市周辺にはノスフェクトの姿は確認できず、街は再び平和を取り戻す事が出来た。それらの結果だけを見れば、事件は大きな犠牲を払いつつも解決したと言うのが一般の人々から見た状況である。
だが…………関係者にとってはスッキリした終わりとは言い難いものがあった。
この事件で大きく尽力した若者……仮面ライダーヴァーニィである紅月 京也とそのパートナーであるアルフの姿は、戦いの後確認されなかったのだから…………
***
事件解決後、修道騎士団の関係者の多くは装備を没収された後、S.B.C.T.九州支部の留置所に収監された。彼ら彼女らが抵抗する事は無いと言う事は分かっているが、規則としてである。
因みに収監されたのは飽く迄も騎士と言う立場の者達ばかりであり、彼らの世話をする為に存在した女中達は収監を免れた。騎士団でも下位の一に存在していた彼女達に関しては、虐げられる事もあったと言う事で収監を免れるどころか希望するものに関しては帰国も許可されていた。が、実際に帰国を選ぶ者は1人としておらず彼女達は収監された騎士達の世話をする為に残っていた。生き残った騎士の多くは何れもカタリナと同様、彼女達を見下すような事はしなかったのだ。
そんな訳で九州支部の留置所は一時期内部を女中が行き交うある種異様な空間と化していたのだが、その中を静かに歩く少女が居た。一時期非正規に修道騎士団の一員として活動していた揚羽である。彼女は入り口の受付で手続きを済ませると、真っ直ぐ留置所へと向かいカタリナとルクスが居る牢へと向かっていった。
「カタリナさん、ルクスさん」
「あら揚羽ちゃん、今日も来たの?」
「はい」
あの戦いの後、カタリナ達と共に捕縛された揚羽であったが、彼女はまだ未成年で且つ正式な団員と言う訳では無かった為捕縛後は厳重注意と補導を受けた後釈放される事となった。彼女の場合は狙いが完全にノスフェクトとヴァーニィにのみ狙いが絞られていた事もあって、S.B.C.T.への攻撃や周辺への破壊を行っていなかった事が幸いした。
そうして色々なものから解放され、漸く何時もの自分に戻れてから帰宅した彼女を待っていたのは、彼女の事を心配していた両親からの涙を共にした説教であった。実里の死で絶望し、エリーに誑かされてから揚羽は親に無断で騎士団に身を寄せ復讐だけを糧に行動してきた。そんな状況で両親に連絡できるだけの余裕がある筈もなく、状況的には彼女は突如として失踪したような感じとなってしまっていたのだ。ここ最近はノスフェクト騒動の影響で唐突に行方不明となる人も増えていた為、彼女の両親は娘の身に何かあったのではないかと心底心配し警察に捜索願を出したりと右往左往していた。
無言で家族の元を離れていた彼女の存在がS.B.C.T.から知らされ、そして娘が危険な事をしていたと知った両親は娘の無事を喜ぶと共に危険な事に手を出していた事をキツく叱りつけた。それは心配していたからでもあり、また人様に迷惑を掛けたからでもあり、何よりも娘である揚羽の事を愛していたからでもあった。
帰宅早々涙を流す両親に抱きしめられ、自分が何時もの日常に帰ってきた事を実感した揚羽は安堵から緊張の糸が途切れ堰を切ったように泣き出した。叱られている最中も、涙ながらに両親に心配させたことを只管に謝り続けた。
そうして日常に戻った揚羽は、時間が出来ればこうして頻繁にカタリナ達の元を訪れていた。それは形式上とは言え拘束する必要があるカタリナ達を気遣ってのものでもあるし、何よりもあの事件を共に駆け抜けた身として色々と整理を付けたかったからでもある。
「揚羽ちゃ~ん、お酒無い~?」
「ありませんよ。そもそも差し入れの類もダメって言われてるんですから」
「ちぇ~」
そもそも留置所の中で飲酒など出来る筈がないと、ルクス自身分かっていたがそれでも退屈な牢屋生活は堪えるのか不満を漏らしていた。だが言葉とは裏腹に彼女が感じる不満はそこまで大きくは無かった。何しろ一応の治療が施されていたとは言え、今の彼女は怪我人だ。あの戦いで幾分か傷が開いた事もあって療養の必要があった彼女は、これ幸いと言わんばかりに牢屋の中で静かな療養と洒落込んでいた。あまり療養を行うには適した場所とは言えないが、ルクス自身がこの場所を望み牢屋の中で静かに横になっていたのだ。
そのルクスの隣にはカタリナが居る。彼女は彼女で重傷者だったので病院で安静にしていなければならなかったのだが、こちらも意固地になって他の団員たちと共に牢屋での生活を望んだのである。それは彼女なりの贖罪の為でもあり、事実彼女は譲歩案として必要な治療を受けた後牢屋に入った後は四六時中祈りを捧げ続けていた。
それを横から見ていたルクスは、敷かれた布団の上に横になりながら声を掛けた。
「カタリナ、揚羽ちゃん来たわよ。そろそろ戻ってきたらどう?」
一心不乱に祈りを捧げていたカタリナは、ルクスに声を掛けられながら脇腹を突かれ漸く目を開けた。窓から差し込む光の中で祈っていたカタリナが目を開け振り返る姿はそれだけで絵になる光景であり、揚羽は同性であるにも拘らず言葉を失い見惚れてしまっていた。
「揚羽さん……何時もすみませんね」
「あっ、いえいえっ! 私だけ自由にしてもらったんだから、これくらいはしないと」
そう言って揚羽が手荷物から取り出したのは、元通りになった孤児院に戻された子供達からのカタリナに宛てた手紙である。アスペンとエリーの脅威が無くなった以上、子供達をS.B.C.T.で預かり続ける理由も無くなった。そして帰らされた子供達は、自分達と入れ替わる様にカタリナがS.B.C.T.の施設に入りそこで暫く生活する事となると告げられた。流石に子供達に正直な事を話す訳にはいかなかったのだ。
すると子供達はせめてもの願いとしてカタリナに手紙を書きそれを送る事にしたのである。揚羽はそれを受け取り子供達の代わりにカタリナに届けていたのだ。今の自分に出来る事はそれ位だと理解しているから。
受け取った手紙には早くカタリナと会いたいと言う子供達の願いが拙い文字でだが書かれており、それを見てカタリナは柔らかな笑みを浮かべた。
「フフッ……」
「カタリナ~、私の名前ある~?」
「んー、見た所ルクスさんの事を書いてる子は居ないみたいですね?」
「アイツ等ぁ~……帰ったら覚えときなさいよ」
自分の事は欠片も心配していないと言いたげな子供達に恨み節を口にするルクスであったが、口調に反して雰囲気からはそんなに気分を害している様子は見られなかった。彼女自身も、子供達が心配するなら自分よりもカタリナであろうとは思っていたのである。
カタリナが子供達からの手紙に顔を綻ばせているのを横目に見つつ、ルクスは自由に出来る揚羽にもう一つ気になる事を訊ねた。
「そう言えば揚羽ちゃん」
「はい?」
「例の彼……京也って子、どうなったの?」
ルクスがその名を口にした瞬間、揚羽はヒュッと息を飲みカタリナの表情も硬くなる。あの戦いの後姿が見当たらなかった京也は、当然だがS.B.C.T.により入念な捜索が行われた。が、崩壊後のホテルからは少なくとも京也の遺体の類は発見されなかった。それは一見すると彼の無事を知らせる吉報の様にも思えるが、彼が完全にノスフェクト化したと言う事実がその喜びに影を落とす。
ノスフェクトは死ねば灰になり死体が残らない。もし京也があの崩壊に巻き込まれてそのまま死んでしまえば、死んだ後に残る灰は崩壊した建物の残骸に紛れて分からなくなってしまう。そうなれば、京也の安否は不明どころか…………
「……紅月君の無事は、分かりません。結局、死体も何も見つからなかったみたいですし……」
「そ、か……」
沈痛な面持ちで言葉を絞り出す揚羽にルクスもしんみりした様子で返す。2人の中では京也は死んだものとして考えられているらしい。揚羽などは特に生きていてほしいと願ってはいるが、状況はどうしようもないくらい京也の死亡を証明するものとなってしまっていたのだ。ホテル周辺の監視カメラにも、崩壊の前後で京也が脱出した様子が見られない。それに生きているのなら顔を出してくれてもいい筈なのに、それが無いと言う事は彼の死の可能性を高くしていた。
死亡確認された訳でもないのにお通夜の様な雰囲気になっている中、その雰囲気を振り払うように否と言葉を告げたのがカタリナであった。
「きっと、生きてますよ」
「えっ……!」
「どうして?」
曖昧な慰めとは明らかに違う、明確な芯の籠った確信を抱いた言葉に揚羽は希望を抱き、ルクスは訝しんだ。何がそこまで彼女に信じさせるのかと。そんな彼女の疑問に、カタリナは至極当然の事を言うように答えた。
カタリナの答えはシンプルであった。
「神が、彼を見捨てる訳がありません」
「神様が……」
「でも……ノスフェクトになっちゃったんでしょ?」
「それは飽く迄結果です。それにノスフェクトになったとしても、彼が今まで多くの人々を助ける為に尽力してきた事は疑いようがありません。そんな彼の努力と奮闘を切り捨てるほど、主は無情ではないと私は信じています」
一般に神は異教徒や化け物を許さないと言われているが、それは人間が勝手にそう解釈しているだけだ。時の権力者が宗教を利用して自分にとって邪魔になる者を排除する為の詭弁として分かりやすい敵として定めただけで、神が自らそう告げた訳ではない。カタリナは常に神の事を少しでも理解しようと考え続け、その結果神自身が異教徒や化け物を排除する考えを直接宣言してはいない事に気付いたのだ。信者を守る事と、信者以外を全て排除する事は違う。
それにカタリナには、ルクスと再び会えたと言う事実がある。彼女はこれを神の思し召しであると信じて疑わなかった。だから京也の事もきっと大丈夫だと信じる事が出来たのだ。
「相変わらずね、アンタは」
こんな時でも神を信じ続けられるカタリナにルクスは呆れ半分感心半分と言った様子で頭の下に手を組み目を瞑った。
一方揚羽は、そんなカタリナに尊敬の目を向けていた。彼女の揺るがない心の強さは、揚羽が今何よりも欲してやまないものだ。この心の強さがあれば、今頃はもっと違う結果になっていたのではないかと思わずにはいられない。
「あの、カタリナさん……!」
「はい?」
「ここから出られたら、私の事、連れて行ってもらえませんかッ!」
「「……はい?」」
突然の事にカタリナだけでなく寝ようとしていたルクスですら顔を上げて目を丸くした。だが揚羽は2人の反応に構わず言葉を続ける。
「私、もっと強くなりたいんです。ただの力の強さじゃない、心の強さ…………それをカタリナさんの所で、学ばせてくださいッ!」
お願いしますと、勢い良く頭を下げる揚羽にカタリナはどうすればいいかとルクスに助けを求める視線を送る。だが救援を求められた本人は、これはカタリナ自身が答えを出さねばならないと我関せずと言った様子で目を瞑ってしまった。助けの無い状況にカタリナはこれも試練かと覚悟を決めると、実質的な弟子入りを求めた揚羽と向かい合う。
「揚羽さん……私は、あなたが思っているほど強い人間ではありません。私がもっと強いなら、もっと早くにエリーさん達を止める為に動けていた筈です。私のどっちつかずな態度が、結果的にS.B.C.T.との関係悪化を招いたと言っても過言ではないのですから」
「それでもカタリナさんは間違ってると思える事に立ち向かえたじゃないですか。本当に弱い人だったら、そんな事出来る筈がありません。自分が苦しい事になるのが分かってて立ち向かえる強さを、私にも学ばせてくださいッ!」
「それは、え~っと……」
確かに紆余曲折あったとは言え、カタリナがエリーやアスペンの考えに逆らい立ち向かったのは紛れもない事実。それを否定しきれないカタリナはいよいよ追い詰められ、揚羽との間には鉄格子があるにもかかわらずすぐ目の前に鼻息の荒い揚羽が詰め寄っているかのような錯覚に陥る。
どうすれば彼女の提案を断る事が出来るかと思案するカタリナであったが、ここでそれまで黙っていたルクスが揚羽に味方した。
「連れてってあげればいいじゃない」
「ルクスさん……!」
思わぬところからの助け舟に揚羽の目が輝く。一方カタリナは、更に追い詰められたと冷や汗が止まらなくなっていた。自分は決して弟子入りされるほど立派な人間ではないと思っているからだ。
「いえ、しかし……」
尚も渋るカタリナであったが、ルクスは横になりながら狼狽える彼女の目を見てその背を揚羽に向けて押す。
「神は来るもの拒まず、去る者追わず……でしょ?」
「それは……そうではありますが……」
「だったらここでどうこう言うのもおかしな話じゃない。一緒に来たいって言ってるんだから、連れてってあげればいいでしょ。別に減るもんじゃないんだし」
確かに宗教は自由だ。揚羽がカタリナの下で学ぶと言う事は、彼女も同じ神を信じると言う事。それを拒絶する権限も権利も、カタリナにはない。共に来たいと言うのであれば、カタリナに出来る事は彼女を快く迎え入れる事であった。
これで揚羽が目指すものが後ろめたいものであるのならば、カタリナも頑として揚羽の同行を認めないと言う姿勢を取る事も出来ただろう。だが飽く迄カタリナの下で心の強さを身に着ける為修行したいと言うのであれば、それを拒む理由は何処にもない。
追い詰められた結果、遂に折れたカタリナは未だ燻る悩みを溜め息と共に吐き出して揚羽を受け入れる事を決めた。
「分かりました……私でお役に立てるかは分かりませんが、揚羽さんが望む強さを得られるよう私も協力します」
「ありがとうございますッ!!」
観念したように頷くカタリナに対し、揚羽は喜びを露にし鉄格子の間から手を伸ばしカタリナの手を取る。無邪気に喜ぶ揚羽の姿に小さく息を吐きながら目を瞑るのであった。
***
所変わって、ホテル周辺での戦いが終わりその戦いで負傷したS.B.C.T.の隊員達は、人数が人数なので近場の病院に纏めて入院させられていた。大半は暫くの療養だけで済み退院と復帰も早かったのだが、一也など明らかな重傷者は未だに病院のベッドの上で傷を癒していた。
そんな彼を同じδチームの隊員達が見舞いに来ている。
「よぉトリガーハッピー。大人しくしてっか?」
病室に入ったアルバートがそう声を掛けると、全身包帯だらけの一也がミイラの様な手を上げて答えた。
「退屈過ぎて死にそうだよ」
「仕方ないよ。一也無茶しすぎたもん。生きてるだけでも幸運だよ」
1人亡者の群れの前に残り、全身を槍で滅多刺しにされた姿は死んでいてもおかしくないものであった。途中から昭俊が加わり攻撃が分散されたとは言え、戦いが終わった直後は助かるかどうか微妙な所と医者にも言われていた。
が、彼はしぶとく生き延びていた。流石に現場復帰は時間が掛かるとの事で、隊員出来ても暫くは大人しくしているしかないと言う状態だったが。
「まぁ、思いっきり撃ちまくれたんだから、それで良しとして暫くは大人しくしてるんだね」
そう言って一也を宥めるのは彼の隣で寝ている昭俊に土産を渡していたロイだった。彼のあの戦いの最中に負傷していたが、こちらは2人程重症では無かった為隊員も早かった。
そんな彼に対し、テックは思い出したように口を開いた。
「そう言えばロイ? さっきシンシアさん来てたけど?」
「おっと、マジかッ!? 悪い、ちょっと行ってくるッ!」
慌ただしく病室を出ていくロイの後ろ姿を見送って、アルバートは揶揄うような笑みを浮かべた。
「へへっ、まさかあの2人がくっつくとはな?」
「まぁ、吊り橋効果もあったんだろうけど」
「お似合いじゃないですか? ちょっと軽いロイと気真面目そうなシンシアさんって」
口々にそんなことを話し合うδチームの隊員達だったが、その中にレックスの姿は無い。見舞いに来ている面子の中に彼の姿がない事に気付いた一也は、不思議に思いながら問い掛けた。
「あ、そう言えばレックスの奴は? 姿が見えねえけど?」
「あぁ、レックスなら少し調べたい事があるってよ」
「調べたい事?」
「……やっぱり、居ないか」
他の隊員達が病院に向かっている中、レックスはリリィと共に京也がアルフと共に暮らしていた屋敷に来ていた。あの戦いの後姿を消した京也達が、ここに戻ってきていないかと期待していたのだ。
だが結果は外れだった。屋敷は以前修道騎士団に荒らされた後から何も変わっておらず、人が新たにやって来た形跡もない。彼と共に屋敷に来たリリィも、京也達の姿が見当たらない事に残念そうに肩を落とした。
「京也君……アルフちゃんも、何処に行っちゃったんだろう?」
「さあな……」
彼らの行き先は分からないが、生きていても姿を消したならばその理由は何となく想像できる。きっと、もう人の社会の中では生きられないと悟り知人の前から姿を消したのだろう。彼らはこれからは人知れずひっそりと生きていくつもりなのだ。
その気持ちは分からなくもない。どう言葉を並べようが、今の彼らは人間にとって異質な存在。同じ時間を過ごす事は出来ないし、特異性が露見すれば白い目で見られるか最悪排斥される。そうなる前に人知れず姿を消す事で余計な諍いを避けようとしたのだ。
(とは言え……一言くらいは相談してほしかったもんだぜ)
きっとレックスは彼らの悩みを聞く事が出来る。彼らと同じく人間の枠から外れた特異な存在として、生き方の一つを示す事も出来ただろう。とは言え、それは結局はたらればだ。今更言ってどうにかなる事ではない。
京也達は自分達の前から姿を消した。揺るがないその事実に、レックスは諦めの溜め息を吐きその場を後にしようとした。
「リリィ、帰るか」
「うん…………ん? レックス、何か……匂わない?」
「え?」
不意にリリィの鼻が何かの匂いを捉えた。先程までは感じることの無かった芳香。これは……淹れたてのコーヒーの匂いだ。
誰も居ない筈の屋敷の中で何故こんな匂いがいきなり漂ってくるのか? 違和感を感じた2人が急ぎ匂いの元を辿ると、そこには荒されて散らかったリビングの真ん中で椅子に優雅に腰掛けコーヒーを楽しんでいるジェーンの姿があった。
「「なっ!?」」
レックス達は素直にジェーンの出現に困惑した。彼らの感覚は常人のそれを超えている。だから侵入してくる者が居れば即座に気付けた筈だ。だがジェーンは、2人に気付かれる事なく屋敷に侵入し剰えコーヒーを淹れてみせた。彼女がコーヒーブレイクするまで存在に気付けなかったと言う事は、それだけ彼女の隠形が優れていると言う事の証明でもあった。
それだけでも驚愕に値するのに、2人はジェーンの姿そのものにも驚愕していた。
「レックス、この人って……!?」
「あぁ……!」
何を隠そう、ジェーンの姿は2人の記憶にもあった。嘗て、2人が傘木社の実験動物だった時の話。アメリカ支社から日本の本社に移送された際、雄成は視察と称して2人の前にも姿を現していた。
その雄成の隣に付き従っていたのが他ならぬジェーンなのである。忌まわしいあの頃の事は嫌でも忘れる事が出来ず、そんな中で異質な美しさを放っていた彼女の姿は未だに2人の記憶に鮮明に刻まれていた。
自分達の前に再び姿を現した傘木社の残党と思しき彼女に、レックスは素早く護身用の拳銃を取り出し引き金に指を掛けようとした。そんな彼らに、ジェーンは落ち着いた様子で声を掛ける。
「久し振りね~。2人共~、元気そうで何よりだわ~。積もる話もあるし~、座ってゆっくりしたらどうかしら~?」
銃口を向けられているにも拘らず、ジェーンは酷く落ち着いた様子で2人の分のコーヒーもカップに注いだ。まるで自分達の事を侮っているかのような余裕を見せる彼女にレックスはふざけるなと荒げた声を上げた。
「何言ってやがんだッ! 今更傘木社の連中と何を話すってんだッ!」
「私は~、あなた達と話したいと思ってるわ~。京也君の事もあるし~、そろそろあなた達と話をしといた方がいいと思ったのよね~」
「何だと?」
「レックス、待って」
「リリィ?」
何故ここで京也の名前が出てくるのかと困惑するレックスを、リリィが宥めながらテーブルに近付く。そしてジェーンが入れたコーヒーを取ると、香りを一嗅ぎして口を付けた。元傘木社、それも雄成に最も近い位置にいた女の出す物など何が盛られているか分かったものではないと慌てるレックスだったが、彼の心配に反してリリィは頷いて安全を確認した。
「お、おいッ!?」
「大丈夫。薬が盛られてる心配はないみたいよ」
「こういう時~、あなたの体は便利よね~。あなたの体には大抵の毒物は通用しないし~、何かあればすぐに気付けるものね~」
「こうなりたかった訳じゃないし、こうしたのはあなた達だけどね」
「土下座した方がいいかしら~?」
「結構よ」
おちょくる様な言い方をしてくるジェーンに憤りを抑えられなくなりそうなレックスを宥めつつリリィは席に付いた。レックスはまだまだ色々と言いたい事があったが、彼女の口から出た京也の事が気になったので乱暴にリリィの隣に腰掛けるとコーヒーには手を付けず単刀直入に問い掛けた。
「お前は一体何なんだ?」
「どういう意味かしら~?」
「惚けるなッ!」
ジェーンが京也の育ての親の様な存在であると同時に、以前千里とも接点があった事はもう調べがついている。唐突に千里達の前から姿を消し、それまでの彼女の行動に不可解な点があった事も本人から聞かされた。ここまできて、彼女がただの不思議な雰囲気の女性と言う事は無いだろう。そもそも彼女は元傘木社で雄成の傍に居たのだ。それだけでも今この場で逮捕する理由になる。
それを見送ってこうしてこの場で話しているだけに留めているのは、彼女から感じる只者では無い雰囲気の所為だ。本能で察する事が出来る。今2人の目の前に居る女性は、ただ特異なだけの人物ではない。
警戒を露にするレックスにジェーンはクスクスと笑うと、コーヒーで口元を湿らせてから答えた。
「私自身がどういう存在なのかと言えば~、私自身にも良く分らないわね~」
「はぁ?」
「自分の事なのに?」
「だ~って、私はジェーン・ドゥ~。何処の誰かも分からない女よ~? 私が何処の誰だったかなんて~、私が一番知りたいわ~」
それはつまり彼女自身も被害者と言う事だろうかとレックス達は訝しむが、それにしては彼女の扱いは嘗ての2人に比べて良かったように思える。少なくとも雄成から信頼はされていた筈だ。ただの実験動物が、そんな風に信頼される等と言う事があるだろうか?
「お前も実験動物扱いだったのか?」
「私は~、傘木社で開発された技術の最初の被験体をやってきたのよ~。だからベクターカートリッジも使った事があれば~、ノスフェクトにもなっているわ~。って言うか~、私がある意味で最初のノスフェクトだしね~」
超万能細胞による死者蘇生実験……その最初の被験体として蘇った彼女は、超人的な肉体と引き換えに過去の記憶の全てを失った。そして蘇生した彼女は人間を凌駕する肉体を手に入れ、その力を発揮する為に自分より生物として劣る人間の血液をエネルギーとし、人間を捕食する為に必要な能力として催眠能力などを手に入れた。これがノスフェクトのルーツであり、ペスター博士は彼女からデータを得る事でより洗練されたノスフェクトとしてアルフ達を生み出したのである。
一連の事情を聞いて、レックスも流石に先程抱いていた憤りに近い感情が収まるのを感じた。ここまで聞けば、彼女もまた雄成により人生を好きに使われた被害者だ。だがリリィはその話をする彼女に違和感を抱いた。悲壮感を感じないのだ。自分達と同じように実験動物として扱われた事に対して、嫌悪や忌避するようなものが感じられない。普通に思い出話感覚で自身の過去を話す彼女の姿は、ともすれば楽しそうですらあった。
「……あなたの目的は何なの?」
「ん~?」
「あなたは傘木社に対して嫌悪感を抱いてない。でも京也君達の様子を見る限り、連中みたいに他人を実験動物にしてる感じでもない。そもそもあなた、他の残党とは合流せず単独で動いてる。傘木 雄成に一番近い所に居たあなただったら、傘木社残党からすれば旗頭にするか戦力として取り込もうとしてもおかしくないのに」
リリィの鋭い指摘に、瞬間ジェーンの顔からふっと表情が消えた。一瞬人形になったかのように無表情となったジェーンに、リリィだけでなくレックスも肩を跳ねさせ僅かに仰け反るが、ジェーンが表情を消したのは本当に僅かな時間ですぐに先程同様の笑みを浮かべた。表情は戻ったが、しかし雰囲気は変わらず真剣だ。その様子にレックスとリリィも生唾を飲んで彼女の次の言葉を待った。
「私はね……託されたのよ」
「託された?」
「そうよ」
そうして次に彼女が口を開いた時、その雰囲気はガラリと変わっていた。先程までは何処かフワフワとした掴み処の無い雰囲気であったが、今は何処か張り詰めたような何かを感じる。
「この世界はね、そうとは分からないだろうけどずっと危険に晒されてるの。それこそ”雄成先生”が会社を作るずっと前から」
「危険……」
「脅威は今はまだ眠っている。でもいつかは必ず目を覚ますわ」
「それが何時になるかは、私にも分からない。10年後か100年後かもしれないし、もしかすると明日かもしれない」
「もしそうなった時の為に、私はこの世界を守れる人達を見つけて導く事を託されたのよ。何時か来るその時に備える為に」
そこまで告げると、ジェーンは徐にレックスの事を見た。妖艶な美貌に微笑まれて、しかしレックスは視線を僅かに険しくさせる。そんな彼の反応が琴線に触れたのか、彼女は満足そうにくすくすと笑った。
「あなたも、その資格があるみたいね。あなたにも期待してるわ」
「うるせえ。お前の思惑なんて知るか。俺は俺が仮面ライダーとしてやるべき事をやるだけだ。お前やお前に指示した人間の考えなんて関係ねえ」
ジェーンが一体何の事を言っているのか、正直に言ってレックスには分からない。だがこの世界の人々が本当に脅威に晒されると言うのであれば、その時は戦う事も覚悟していた。それが仮面ライダーとなった自分の使命だからだ。
一方リリィは、彼女にその指示を出した人間の事が気になった。
「ねぇ……あなたにその指示を出した人って……もしかして?」
過去のジェーンの様子は明らかに雄成の秘書か何かの様な雰囲気だった。そんな彼女に明確に指示を出せるような人物は1人しか考えられない。だがそれは一般に考えるとあり得ない事である。何を隠そうその人物は世界の平和を脅かそうとした張本人なのだから。
だがリリィがその真実に辿り着こうとしたその瞬間、ジェーンの雰囲気が再び先程の様な掴み処のないものに戻った。人をおちょくる様な笑みを浮かべると、静かに席から立ち上がる。
「お話しできるのはここまでみたいね~。あ、そうそう。京也君達の事だけど~、そんなに心配しなくても大丈夫よ~。あの子達はあの子達で~、自分の足で未来に向けて歩き出しただけだから~。だから~、あんまり探さないであげるかしら~。今は~、あの子達だけで自由にさせたいし~」
もう既にこの場を離れる気満々なジェーンを、レックスは慌てて引き留めようとした。彼女にはまだ聞かなければならない事が山ほどあるのだから。
「ちょっと待てッ! まだ質問は終わってねえぞッ!」
「色々と答えてあげたいのは山々だけど~、そうも言っていられないの~。それじゃ~ね~」
そう言った直後、彼女の目が妖しく煌めいた。2人はその光を諸に見てしまい、マズいと思い目を瞑るがその時には全てが遅かった。
「くっ!?」
「うっ……あっ!? レックス、あの人がッ!?」
「クソッ!」
目を開けた時には2人の視界にジェーンの姿は映らなくなっていた。恐らくは催眠で認識阻害の様な物を掛けられたのだろう。レックスは咄嗟に残っていたコーヒーをぶちまけてジェーンの姿を捉えようとしたが、ばら撒かれた黒い液体は何かに掛かる事も無く放物線を描いて床に広がるだけであった。
「チクショウッ! テメェ、俺とリリィの目から抜けやがったなッ!」
忙しなく室内のあちこちに視線を向けるが、そこにジェーンが存在する痕跡を見る事は出来なかった。狼狽える2人の姿に、ジェーンは何も言わず静かにその場を後にする。
残された2人はもうジェーンが完全にこの場を離れた事を確信し、まんまと逃げられてしまった事に悔しそうに地団太を踏みやるせなさを抱えながら自分達も屋敷を後にする。。
そして後に分かった事だが、この時リリィが至りそうになっていた真実もまたジェーンの催眠により封印されていたが、この時の彼女はそれに気付く事は無かったのだった。
***
季桔グランドホテルでの決戦から数週間が経過した。その間に街の復興は進み、休校となっていた嘗て京也達が通っていた高校にも生徒達が戻っていた。
だがその中に、京也の姿は無い。復学した揚羽は、隣に居た筈の友2人が居ない学校生活に虚無とも悲しみとも言える感覚を抱きながら、それでも前に向き進み続ける為学び舎へと入って行く。
その目にホンの僅かに涙を浮かべながら…………
一方S.B.C.T.も脅威が無くなれば次の任地へと赴く事となる。レックス達δチームも次なる戦いへと赴き、傷が癒え前線に復帰した敦に率いられて傘木社から流出したベクターカートリッジによる事件解決の為に戦った。
「はぁぁっ!」
「がぁぁぁぁっ!?」
『ファッジの殲滅を確認。総員、帰投してください』
「δ5、了解……ふぅ」
敵対していたファッジを倒し、仲間の隊員がファッジに変異していた者を引き摺る様に連れて行くのを見送りグラスは一息つく。季桔市での戦いを終えてもまだ休まる事の無い日々に、彼も流石に疲れを感じずにはいられなかったのだ。
それが油断となった。物陰に潜んでいた別のファッジが、隙を見せた彼に襲い掛かったのである。
「キシャァァァァァッ!」
「あっ!?」
『レックスッ!?』
グラスの様子をモニターで見ていたリリィの悲鳴のような声に他の隊員も反応するが、今からではどう考えても間に合わない。グラスはせめて攻撃を防ごうと防御の構えを取るが、結果としてファッジの攻撃が彼に直撃するような事は無かった。
突如何処からか飛んできた無数の蝙蝠の群れが、グラスに襲い掛かろうとしたファッジを吹き飛ばしたのである。
「ガァァァッ!?」
「えっ?」
「これは……」
「! 総員、攻撃しろッ!」
突然何処からかやってきた蝙蝠の群れに誰もが唖然とする中、敦のスコープの指示に他の隊員達は慌てて銃口をファッジに向け四方八方からの十字砲火で蜂の巣にした。これで本当にこの場のファッジが全て倒された事を確認すると、グラスは急いで蝙蝠が飛んでいった方を見た。
そこに彼は、月明りの下で佇む1人の少年の姿を見た。生憎と距離があった為顔までは完全に確認する事は出来なかった。グラスはバイザーのズーム機能で少年の姿をよく見ようとするが、それよりも早くに少年の影は踵を返してその場を去って行ってしまう。
窮地を誰かが救ってくれた。グラスはその相手が誰だか、確認できたわけではないが分かっていた。夜の住人となった、あの少年だ。彼は人間ではなくなっても、誰かを助ける為に戦ってくれているのだ。グラスはその事が何だか嬉しくなり、そして助けてくれた事への感謝も込めて少年が居た場所に手を振る。
「じゃあな……キョウヤ。仮面ライダーヴァーニィ」
《京也、良いの?》
「うん。今更顔なんて合わせられないし。今僕があの人達と一緒に居るのは、面倒を引き寄せる事になるかもしれないしね」
《ん……分かった》
月明かりに照らされた街の中を、ヴァーニィがビルの屋上を飛び移りながら移動していた。こうして夜の街を人に見つからないように動き回るのも随分と慣れた。すっかり夜の住人となってしまった事に内心で苦笑しながらさて次は何処へ行こうかと考えながら次のビルの屋上へと降り立った。
その時、別の方向から同じようにビルの屋上に飛び降りてきた人影に出くわした。自分以外にこんな事をする者が居るとは思っていなかった為、ヴァーニィは出会い頭にその人影の主を前に咄嗟に身構えた。
「あっ!?」
「おっと?」
身構えたヴァーニィに対し、別方向から跳んできた人物は軽く驚いたような声を上げて首を傾げる。
それは彼が言うのもなんだが、奇妙な姿の人物であった。白いボディースーツの上に黒い軽鎧。背中には裏地が白い黒のマントを靡かせ、蝶を思わせる複眼の仮面の上にはシルクハットを被っている。
その姿を見てヴァーニィの口からは咄嗟にこの単語が零れ出ていた。
「仮面ライダー?」
「夜のお散歩中にゴメンナサイね? 私急いでるから。それじゃ♪」
突然の出会いに、しかし相手は軽い挨拶だけで済ませてさっさとその場を去って行ってしまった。ヴァーニィが呼び止めようとするが、それよりも早くに女性と思しき見た事の無い仮面ライダーは夜の街に姿を消してしまった。
背後でヴァーニィが手を伸ばしてきているのを気配で察しながら、その仮面ライダーは構わずその場を離れていく。
夜の住人は決して1人ではない。昼の住人が多種多様な様に、夜の住人にも色々いる。この時の出会いはきっと偶然だったのかもしれないが、もしかすると必然であったのかもしれない。
少なくとも、この次の出会いはきっと必然の元の出会いである筈だ。
そう、同じ仮面ライダーとして…………
と言う訳でエピローグでした。
これにてヴァーニィの物語、その本編は終了となります。残すは次回作との繋ぎとなる特別編のみ。
京也は自分から人間社会から距離を置く事を選びました。自分と言う異質な存在が、新たな争いの火種になったり無用な迫害を避ける為の手段です。とは言え人間社会に対して無関心と言う訳ではなく、陰ながらノスフェクトを始めとした人々を苦しめる存在に対処する為陰ながらこれからも戦っていくつもりではあります。
揚羽は、特別なペナルティがあった訳ではありません。前作の椿と違って、揚羽は標的を明確に京也にのみ絞っていたのが幸いしてS.B.C.T.には直接大きな被害を齎した訳ではなかったのが幸いした感じです。ただ本人は御咎め無しと言う処分に納得していない為、罪滅ぼしの意味も込めて落ち着いたらカタリナについて行く事を決めました。卒業後はカタリナと一緒にシスター服を着て修行の日々に入る事でしょう。
ジェーンは未だに謎ですが、少なくとも仮面ライダー達の敵になる事は無い感じです。適度に距離を置きつつ、時にアドバイス、時に手助けをしたりして導き、成長を促す。そんな謎の多いポジションです。
最後にチラッと姿を見せた次回作の仮面ライダー。活躍は次回以降の特別編にて。
執筆の糧となりますので、感想評価その他よろしくお願いします!
次回の更新もお楽しみに!それでは。