機動戦士ガンダム フルダブル 幻想純化奇譚 作:プリエ・エトワール
次はパステルオスの行動理由と手持ちのカードの公開。
その次がユウの、一週間戦争間もない頃の活躍の予定。
地上の戦い7
カルパティ山脈基地はお祭り騒ぎだった。
キャプテントト率いる基地居残り組500名強は、今回の大規模テロによって殺害された人々に祈りを捧げて後、前線に出て戦った戦友たちの戦勝を祝い、多くの食料品を酒保庫から解放した。
今回の戦勝は、コロニー福祉公社の業務に大いに貢献するものであった。
これには、地球出張所の現地管理マネージャーもニッコリである。トトたちの食糧庫開放にも一切異論は挟まなかった。
むしろ、酒豪マネージャーのメイコ・カイトーンは、この時とばかりに凄まじい勢いで洋酒を消費していた。
まるで蟒蛇である。
今回のトト大隊の戦勝によって、彼女のアナハイムグループ内での立場も確かなものとなる。栄転の辞令が出されるのもそう遠くないろう。
これが飲まずにいられようか?
それはともかく、トト、ウタ、モモネの三名は、サバイバル用品を使用して、分業で大量の料理を用意していた。
こう見えて三人は料理上手である。
連邦軍将兵時代のトトたちは、招集された若年兵たちのために、嫌でも料理上手にならなければならなかった。
いくらレーションが栄養豊富であっても、そればかりでは栄養が偏ってしまう。また、美味しい料理の有無は、旗下の兵士たちの士気にも大いに影響した。
トトたちの所属していた連邦宇宙軍ミック・ミクニ艦隊の旗艦シテヤンヨや、補給艦のビックフェアリーの厨房はいつも大忙しであった。
ミクニ提督はじめ名立たる女性将官たちは、日々、給食のオバちゃん染みた生活を強いられていた。もちろん逃げ場なしである。
その働きあって、ミック・ミクニ艦隊所属の者たちは一年戦争を乗り切り、人として生き残ってこれたとも言える。
他の艦隊、地上軍所属の連邦軍兵士たちは、人としての最低限の食事にもあり付けなかったために、ジオン公国軍への憎しみにのみ底泥し、歪んでしまった者も少なくはない。
そうしなければ、彼らは生き残れなかったのだ。人間性の一部を切り捨てなければ、一年戦争という難局を乗り切れはしなかった。
彼らは、今もそんな哀しみと共に生きている。
そのために戦後5年目に入っても、戦後の社会に上手く溶け込めずに苦しみ続ける者もまら少なくはなかった。
食とは人間が人間であるために、それほど必要不可欠なものだった。
それだけではない。戦後、コロニー福祉公社の地球出張所は、地上に生存していた多くの子供たちを保護し育てていた。成人させて後、宇宙に上げる子供たちだ。
そのこともあり、トトたちは連邦軍時代同様に料理上手であり続けなければならなかった。
カルパティ基地のそう遠くない場所には、アナハイムグループが用意した孤児院があり、今現在もそこで暮らしている子供たちの多くは、トトたちの用意した食事で成長したのである。
「野菜のカレースープできたお」
「お米はありません。先月、孤児院に回してしまいましたから」
「それは仕方ないさ。代わりのナンの準備。ソーキそばもOKだ。副菜も」
「デザートの桃や柑橘類、蜜芋やジェラートもOKです」
「よし。主賓用の霜降り肉の準備はどうだお?」
「問題ない。ソーセージはもう焼きはじめてもいいか? お腹減ったのだが」
「一般用のはいいお。食っとけ。ただし酒は控えるお………メイコマネージャーみたいにはなるなお」
「あれは………後で介抱が大変ですねぇ。えへへ」
「コラッ! モモネ! キッチンドランカーみたいな真似はやめるお!」
「えへへ…大丈夫れふ!」
すでに洋酒を開けていたモモネが、片手に持ったワイングラスをふりふりして、トトの注意を無視する。これには、トトもウタも呆れていた。
モモネは優秀だが、こんな時には呑気な元お嬢さまの一面を覗かせてしまう。まあ、そういった抜けたところが美点となり、兵員たちの癒しにもなっているのだが。
「お前ってヤツは………」
「わーい! 怒られましたぁ!」
「…」
トトは単に呆れているだけだが、無言でモモネの痴態を見詰めていたウタは、後でベッドの上でモモネをオシオキしようと誓うのだった。
「お………来たお。英雄たちの帰還だお」
「ああ」
「任務、ご苦労様です!」
そんな時、トトが北東の方角にガンペリー3機の機影を確認し、ウタもそちらに視線を移した。そして、モモネが敬礼して英雄の帰還を告げた。それによって周囲から、おお…と、どよめきが起きた。歓喜のどよめきである。
こうして、先に食物を腹に入れていたカルパティ基地の面々は、我先にと酒瓶やノンアルコールのカクテル缶の蓋に手を伸ばした。
すぐさま、プシュッと音を立て多数の蓋が開かれ、密閉されていた液体がしばらくぶりに外気に触れる。
さあ、本格的に酒宴の始まりだ。
「お酒がとってもおいしいのだ!」
「ですわね。他人のお金で飲むノンアルコールビールは最高ですわ!」
同部隊のレズン・ダモンや、メタン・シッコクが歓声を上げる。所属部隊のお金で飲む無料のお酒はじつに美味しいと。
未成年?
何それ? 美味しいの?
このように、羽目を外した兵士たちによるお祭り騒ぎは酒宴へと拡大していった。
その時である。それぞれの飲み物を掲げるカルパティ基地の面々の上空を、ガンペリーが飛び越えていったく。
そうして、次々と基地脇の滑走路へと着陸していった。
しばらく後、今作戦の英雄たちが取り付いた昇降口から機体外に出て姿を現すと、さらなる歓声が基地の所々から巻き起こった。
「キャプテントトへ報告致します。ガンペリー輸送隊、UTAU隊、ワッパ隊、ニュータイプ隊、及び整備部隊、無事帰還致しました。同隊を構成した戦友たちに未帰還者はありません」
「うむ。戦果を説明せよ」
「は。我が隊はクラクフ基地を襲撃したジオン公国軍残党との戦いで、ガッシャ1、ザクタイプ3を撃破。共闘した連邦軍も同数撃破を確認しています。また、星(撃墜数)こそ連邦軍に譲ったものの、共闘により、小型のビグザムタイプ1及びドムタイプ2に大打撃を与えました。それと………」
「それと?」
「天然のクワガタを一匹」
「よろしいお。それ以降は?」
「損耗は、人的損耗0。ジムコマンド全機健在。ガンペリー、ワッパも同様。失われた物品は、ジムシールド1、ガンペリー大型ミサイル4、リジーナ重誘導弾24、若干の燃料と潤滑油、虫取り用の罠のはちみつ入り砂糖水少々のみです」
「そうかお。ビグザムタイプとドムタイプの星は譲ったか………まあ、欲張り過ぎはよくないお。所詮、我々は民間軍事企業だお。ここは連邦軍に花を持たておくお。よい判断だツキネ・ルナール機長。そして、残党狩り作戦に参加した諸君。よくやってくれたお」
「ありがとうございます!」
「うん。諸君たちには心ばかりとはいえ慰労の場を設けた。どうか楽しんでくれたまえ」
「重ね重ねの心遣いありがとうございます! 残党狩り部隊、キャプテントト並びに、ウタ・デェフォルト副官、モモネ・モモネ副官に敬礼!」
「うむ。休め。解散」
「は! ジオン残党狩り虫取り部隊、解散致します!」
ツキネを代表にしての戦勝セレモニーは、これで終了した。居並ぶ残党狩り部隊の面々が軍靴を鳴らして敬礼し終え、部隊ごとにバラけていく。
なお、この基地司令たちとのセレモニーは、公式には先の報告通りになるということを、世に知らしめるためのイベントだ。
「はいはい。みんな並んで並んで。お腹が空いているのはわかるけど先に写真撮らせてね。次のアナハイムジャーナルに掲載させるから。これも業務の一環さ。はい、リラックスリラックス。笑って」
パシャッ! パシャッ! パシャッ!
セレモニーが終了すると、今度は英雄たちの写真撮影の時間となった。各部隊ごとに整列しての写真撮影。その後方には、通しで動画を撮影する宣伝部隊の者たちもいた。
また、空港ビルの屋上から撮影する玄人たちもいて、俯瞰で基地全体を撮影していた。後で双方を合成し、一本の動画に編集、上映するのだろう。
なお、それぞれの部隊の機体をバックに撮影することは、宴の後にいつでもできるので、今は後回しだ。
ただし、ニュータイプ部隊のみ存在が極秘事項のため、写真撮影は許されたが、そのまま公開されることはない。
アナハイムのティターンズ潰しが準備中の今、ニュータイプ部隊公開は時期早々である。ツキネたち残党狩り部隊の活躍は、ニュータイプたちの助力がなかった形にされ、世間に公開される。
ニュータイプ兵士の喧伝は、ダイクン死後に歪められたニュータイプ主義シンパ、ザビ家の優勢思想主義シンパを大々的に勧誘、大規模にティターンズと殺し合わせる手段となっていたからだ。
ブレックス・フォーラの私兵集団エゥーゴの準備が完了してから、彼らにやらせればよいことである。
それまでには、死んでしまっても別段困らないニュータイプも複数人、見付かってエゥーゴ入りしていることだろう。
現在、そして未来のアナハイムが必要とするニュータイプは少ない。稀少中の稀な存在だ。
地球圏に必要ない輩をそのカリスマ性で集め、互いに争わせることのできるシャア・アズナブルや、その気になれば相手と争わないように心を読み、姿を隠せるニュータイプ三人娘のような存在だけである。
自分が軍閥の人間として行動する影響や結果を考慮せず、地球圏の戦いの災禍を拡大することばかりやってしまう馬鹿者たち。戦闘兵器型ニュータイプ※ではないのである。
「ふう………やっと終わった。疲れた」
「同感。でも、地上での仕事も成果を出せたわ。胸を張って宇宙に帰れるね」
「カーバインさん(パステルオスのこと)にも良い報告ができるわ」
「そうね。もう少しで地球圏から脱出する地球~各サイド間航行艇を用意してもらえるかもね」
「まだまだよ。契約履行には長い道のりだわ。頑張らないとね」
「ヤダなぁ。このまま地球圏にいたら、一年戦争の時のようにまた大規模な争いに巻き込まれちゃうよ。早く逃げたい」
「その大戦の種を潰すために、連邦軍の軍閥同士を潰し合わせて、正小規模な騒乱で収めているのよ。道のりは長いわねぇ」
「何言ってるの。先の大戦で死んでいったサイド4のみんなのためにも、私たちが地球圏を離れて生き残って、人類を存続させるのよ」
「正直、重いものを背負っちゃったわね、私たち」
「うん。生き残るのも大変よ。仕事に追われて自由恋愛のひとつもできやしない!」
「あーあ。サイド4の男性がもっと生き残っていればね」
「そういえば、ユウ君さ、開戦当初にコロニー福祉公社で離れ離れになっちゃったじゃない。あれから生きてるとよいのだけれど」
「そうね。彼が生きてるとさ。色々とシュートカットできるのよね。人集めも。それに恋愛も」
「ああ! 人生のショートカット! 夢ねえ」
「うんうん。私も素敵な恋がしたいなあ」
ワッパ隊のアヤやサワアが、もっと食べろ。大きく育たないぞと、同僚たちに囲まれ大量の料理を差し出されていた。
その姿を輪の外から眺めなつつ、ニュータイプ三人娘、サニア、ルーナ、ステラが、呑気に他愛ない会話を重ねていた。
アナハイムジャーナルに掲載されることのない彼女たちの写真撮影は早々と終了し、同僚たちより先に自分たちの時間が持てたのである。
だからこそ、カルパティ大隊の仲間たちの輪からも距離を取ることができ、彼女たちなりの将来の不満と不安を、他者に邪魔されることなく語り合えたのだ。
もちろん、彼女たちも十代の女の子だ。女子トークの定番である異性の話も出る。
サイド4がジオン公国軍に強襲された折、サニアたちは新年の課外授業で菌糸類栽培用小型コロニーの見学に出ていた。通っていたサイド4の私立学園の行事の一部である。
今も昔も未来も、私立校は優秀な人材を育てるために、無駄なく生徒たちのスケジュールを調整する。そのためには、平日も休日も記念日もお構いなしだ。
その運命の時の課外授業には、同じ私立校の生徒であったユウ・カリン、クルミ・ゲートウェイも同行していた。
そのために、彼らも、ザクバズーカの核や、ムサイの艦砲射撃でコロニーごとメガ粒子に焼かれることもなく、真空の宇宙に投げ出され、窒息死することもなかったのである。
この大量虐殺の嵐が吹き荒れていた狂気の時、学園の生徒たちを運んでいた宇宙船の船長は、じつに聡明であった。
無理に故郷のコロニーには戻らずに、中立として残された宇宙引っ越し公社が所有するコロニーに進路変更。ジオン公国軍の目を欺いて入港し、乗員乗客、そして自分の命をも守り抜いた。
ただし、ここが運命の分かれ目であった。
サイド4の大企業、夢幻館スペースフードの御曹司ユウ。その企業の重役の娘クルミ。ふたりは連邦軍側に確保され、サイド4のコロニーサルベージの旗印として利用されることになった。
一方、中小企業スリースターフェアリーコーポレーションの令嬢であった、サニア、ルーナ、ステラの三人は、連邦軍の宇宙基地ルナツーに送られ、そこで輜重兵として徴兵された後、補給艦ビッグフェアリーに乗艦。ほどなくミック・ミクニ艦隊へと編入される。
それ以後。戦中戦後の混乱のため、彼と彼女たちは互いの消息を知ることはなかった。
終戦後、ニュータイプ三人娘は入社したアナハイムからの給料を持ち寄り、サイド4の生き残りの住民たちのデータを集めた。だが、そこにユウとクルミの姿はなく、今も三人は意気消沈していた。
「あーあ。あのイタズラの時、逆レイプして妊娠しておくんだった!」
「無茶言わないの。当時の身体で妊娠したら、堕胎か帝王切開不可避よ」
「小さな子が逆レイプなんてしたら身体が壊れるって。リアルに死ぬよそれ。」
「だよねー」
「せめてユウ君の子供を生んでいればさ、莫大な遺産を使って地球圏からの脱出もできたのにねー」
「うん。サイド4のお金持ちはみんな、地球のダカールの銀行とかに分散して富を蓄えていたじゃない。我が家のお父さんもそうだったしね」
「私たちと同年代の孤児たちも、そのお金でたくさん助けられたでしょうね。財団とか用意して。わざわざアナハイムに入社して、細々と募金とかしなくて済んでたわ」
はあぁと、一斉に溜息を吐き項垂れる三人娘だった。そこに近付く影三つ。
「おいおい。逆レイプとか遺産とか物騒なことを言っていないで、これを食べて元気を出すお」
そう三人娘に声をかけたのは、トト、ウタ、ほろ酔い加減のモモネだった。主賓のための霜降り肉の一番おいしい所をわざわざミディアムレアに焼き上げ、ここまで持ってきたのだ。
世間に公開されない彼女たちニュータイプ部隊こそ、今回のセレモニーの影の主役だ。トトたちはそれを知っている。宴で自ら慰労するのも当然だ。
「はい。ナイフとフォーク。それに漬けタレだ。そのままなにもせずに食べるのが一番だが、お好みでな」
「それと般若湯(値の張る秘蔵の赤ワイン)です。お酒じゃないからいっぱい飲んでも大丈夫よ」
「あ! コラ!」
これは般若湯。お酒じゃない。そんな詭弁を使い三人にワイングラスを配るモモネ。それにはウタの静止も意味がなかった。酔っ払い無敵の人である。
「すまん。こいつ酔ってるんだ。無視してくれ」
「モモネ、お前ってヤツは………中々話がわかるお!」
「おいやめろ! お馬鹿キャプテン!」
モモネに続くトトのルール破りに、さすがのウタもお冠になる。軍隊は規律あっての組織。それなくば、ただの暴力装置だ。
それがウタの信条だ。それに対してトトとモモネは、人生は楽しみあってのものという、幸せを基準とする幸福主義的観念の持ち主だった。
時としてルール破りも必要と、平然と軍の綱紀を乱す。周囲に迷惑さえかけなければ私が許すという次第である。
「おお! さすがキャプテントト! そこに痺れて憧れるわ!」
「ブレーコーってやつですね!」
「このチャンス、逃す手はないわね!」
そんな上司たちの配慮に、空気を読んでテンションを上げる三人娘。今は飯だ! 飲酒だ! 祭りだ! と考えを入れ替え、ネガティブな話題は忘れ、この時を楽しもうとする。
「この肉はすべて私がいただくわ! 異論があるなら挑戦してくるがいい!」
「ならば問おう! お前の血の色は何色だあ!」
「独り占めは許さないわよ!」
仲良くミディアムレアに焼かれた霜降り肉の塊を奪い合う三人娘。肉汁と着けダレを振り撒きながらの争奪戦がはじまった。
その有様を見付けて、カルパティ大隊の面々が笑いながらその戦いを見物するのだった。時折、オーディエンスたちから茶々が入った。
やれサニア! 応援してるぞ!
いけルーナ! 私の推し! 君ならできる!
ステラなら! ふたりを出し抜けるよ!
と。
何時の間にか宴の中心となる三人娘たち。故郷であるサイド4のことは一時お預けにし、ただ、この時を刹那的に楽しんでいた。
しかし、彼女たちは知らなかった。再開の運命の時が近付いていたことを。
ユウ・カリンがコロニーサルベージの激戦を生き残っており、その激戦後、アナハイムグループに見い出され、自分たちと同じニュータイプ部隊に配属されようとしていたことも。
そして、クルミ・ゲートウェイもまた、その聡明さを連邦軍に認められ、ガンダムタイプの基礎プログラム作成の一翼を担うシステムエンジニアへと成長していたとも。
間もなく、彼女たち三名とユウ、クルミは、アナハイム管理下の宇宙コロニーで運命の邂逅を果たすこととなる。その時は刻一刻と迫っていた。
キラリ。
そんな三人娘を、小さな瞳で見つめるものがいた。
近くの机の影に置かれた虫かごの中身。
クワガタだ。
ガンペリーに乗り込んでいたコロニー福祉公社地上部隊の者たちが、ジオン残党軍のムシケラ共を退治する傍ら、捕まえてきたクワガタである。
この時、このクワガタはまだ大人しくしていた。
この虫の接触目標には、ニュータイプ三人娘だけではなくユウ・カリンという男性も含まれていたからだ。
このまま、ただの虫として三人娘と行動を共にしていれば、労せずしてユウ・カリン許へとの運んでくれるだろう。
リーン・イオギィの翼の力を扱う少年…早期に接触し、縁を結んでおかないと… そんな計算の下。
地上の戦い7 終
※連邦軍の軍閥エゥーゴに合流してしまったアムロやカツのこと。ブライトや、カバラに行ったハヤト含め、二人ともシャアの真意同様、自分たちが地球圏の一般国民たちを蔑ろにする軍閥の一部になってしまったことを最後まで理解できなかった。
エゥーゴ入りしたカミーユもまた同じ。軍閥同士を殺し合わせ、潰し合わせようとするアナハイムやシャア、シロッコの真意をまったく理解できずに、グリプス戦役まで漫然と戦闘に参加。シロッコを倒せば戦争は終わると誤認し、これを殺害。
だが、ティターンズに入り込み、彼らをエゥーゴと殺し合わせていたシロッコを殺してどうするというのか?
ティターンズが消えても、まだ連邦軍内部の軍閥主義者は健在だ。エゥーゴもその一つなのである。
それに、アクシズとジオン公国軍残党が残っている。それでは戦争が終わるはずもない。
いくらニュータイプで他人の心が読めても、その思考、行動目的を正確に理解できず、誤認するだけならば、その力に大した意味はない。
ジオン軍残党であるアクシズのハマーン・カーン。恋に恋するお年頃で、その敗北者。
シャアとの恋愛は地球圏を巻き込まない形でやってもらいたい。地球圏の人々にとって非常に迷惑な存在。
そんな周囲の迷惑も考えない有様だから、ハマーンはシャアに嫌われるのだ。