宇宙世紀0084 一年戦争終結後、地球連邦軍はジオン公国軍打倒という巨大な戦果を背景に、肥え太っていた。

 それに伴って傲慢となった連邦軍各軍閥は、地球圏を支配しようと画策し始めていた。

 そのことを快く思わないアナハイムエレクトロニクス社上層部を始めとした人々は、武力行使を躊躇せず、地球圏の正常化を画策。後の地球圏にいらない殺戮者たちを排除すべく動き出した。

 連邦軍各軍閥及びジオン軍残党を、地球圏支配という餌を投げ与えて争い合わせ、互いに滅ぼし合わせる。

 二虎競食の計を使っての間引きであった。

 先のデラーズ紛争を影から操り、ジオン公国軍残党デラーズフリート、地球連邦軍コ―ウェン閥、ワイアット閥の駆除に成功したアナハイムは、次なる駆除目標をティターンズと定め、対抗馬となる勢力をかき集めていた。

 ティターンズと競い合わせ、互いに滅ぼし合うようにと。

 さらには、アステロイドベルトの小惑星に籠ったジオン軍残党を地球圏に呼び寄せ、これらも、お膝元で滅ぼさんと画策。

 そのためには、ある人物の勧誘が必要不可欠だった。

 ジオン・ズム・ダイクンの遺児、キャスバル・レム・ダイクンことシャア・アズナブルだ。

 彼を勧誘すべく、アナハイムはある品々と人員を用意し始めた。ジオン・ズム・ダイクンが連邦議員時代、密かに準備していた未来への遺産の品々と、その使用が可能な人々である。

 その公開と、歪んだニュータイプ思想とは別物の、真のダイクン議員の意思を伝えることによって、シャアを自分たちの陣営に迎え入れようというのだ。

 その要となる人物の一人、ユウ・カリンは、アナハイム旗下の民間軍事会社にあって、ガンダムフルダブルを駆り、ジオン軍残党と死闘を繰り広げていた。

 今後、自分たちの身に降り掛かる、過酷な運命をまだ知らないままに。

 
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