機動戦士ガンダム フルダブル 幻想純化奇譚 作:プリエ・エトワール
ちなみに、本作のニンジャは、人類という種の防衛任務遂行用に生み出された対邪神眷属用の生体兵器です。
半神的なニンジャのオーバースペックは、本来、そういった目的のものという扱い。
それぞれの個体が死亡しても、各スキル情報がニンジャソウルと共に遊離し、次の個体に引き継がれる伝承システムも完備されている。
また、ショゴスニンジャなどの融合を仕掛けてくるエネミー対策で、残された身体は爆発四散します。
サヨナラ!
生体兵器だから当然だね。
まだ死すべき時でないと思うのであれば、メガ粒子砲より早く地球圏を駆けろ!
ニンジャの始祖カツ・ワンソー=旧神ソー=人類の守護者的存在。
その権能を対邪神のため人間に分け与えた。その結果、旧神から半神的存在に零落。
邪神=オーバーマインドの出来損ない=宇宙的お馬鹿さん。
別星系起源の知的生命体たちが、種全体の精神融合によって上位存在になろうとして失敗した憐れな存在。
強制的に己の種族全体を犠牲にしておきながら、イデ的存在以上にはなれず、目的を達成できなかった。
改めてオーバーマインドとして完成しようと、精神的に成長させた地球人類を取り込もうと企み、様々な干渉を有史以前から仕掛け続けている。
ショゴスなどの奉仕種族、及び、ニンジャの力を取り込んだショゴスニンジャをその手足として使役。人類の成長をコントロールしようとしているが、それらはすべて、各時代のニンジャたちによって阻止されている。
こいつらもこいつらなりに必死。
宇宙世紀0079
ジオン公国のギレン・ザビをはじめとしたサイド3の者共が、人間のままでありながら、人類の総人口の半数以上を死に至らしめる。
これは、邪神の所業同然の悪行である。
人間が人間のまま、邪神化を果たしてしまったも同然だ。
一部の独裁者が、邪神に導かれるでもなく、優生、選民思想、差別主義に傾倒した末に、自ら邪神と同レベルの罪を犯すようになるとか………笑えん。
この事態の推移には、ニンジャ側、邪神側、共に呆気に取られることとなった。
お前等…俺たちが人類の未来を賭けて戦っていた最中、何してくれちゃってんだ…と。
ニンジャ側、ジオン公国軍とサイド3のクズ共にガチギレ。ショゴス、ショゴスニンジャなどの邪神側は、一時的に地球圏から撤退。様子見姿勢を取る。
一時的に邪神群の脅威は去った。
とはいえ、現状を放置する訳にもいかない。
ニンジャたちは、そのため密かに地球連邦政府側に協力姿勢を取ることにした。
この辺りの設定は、ニンジャスレイヤー本編とはかなり設定が異なります。
と、いいますか、別物。
強引にパラレルという魔法の言葉で誤魔化す。
サイファー混成艦隊各艦艇の内外は、蜂の巣を突いたような大騒ぎとなっていた。
連邦軍諜報部から密かに知らされていた情報によれば、サイド5ルウムに向わず、サイド4に残った少数のジオン宇宙軍は、同宙域を殺し間として、近付く者たちを迎え撃つべく待ち構えているはずだ。
すでに、連邦軍基幹艦隊よりサイド4宙域へと出撃した、強硬偵察隊複数が犠牲となっている。
彼らを屠った時と同様、ジオン宇宙軍は敵を引き寄せて倒す戦法を貫くのではないのか?
なぜ? 自ら打って出てくる?
まさか!
奴らが自ら動くとは何が目的だ?
何が狙いだ…と。
サイファー混成艦隊は、所詮、大半が素人集団である。
予想外の事態には、当然、狼狽する。
自身の不安を押し殺し、冷静でいられた者の多くは、旧連邦軍シュンライ艦隊所属の元軍人たちのみであった。
「まさか、敵さんからノコノコとやって来てくれるとはな!」
「強硬偵察ですかね?」
「さあな。そんなことより各艦の新型近接戦用AIを立ち上げろ。敵は待ってくれんぞ!」
「もう起ち上げています! それと! ミノフスキー粒子急速上昇中です!」
「最後の位置確認は?」
「三方向に分散しています。上下左右、四方八方、目視確認可能になるまで、どう仕掛けてくるか確認不能です!」
「で、あるか! 全艦! 有視界戦闘準備!」
「コロンブス級各艦、艦載機隊発進準備完了! ご指示を!」
「よろしい。順次発艦! 密集は厳禁だ! 先の戦訓を活かせ!」
「リリーブラックより、ハルツゲソウ、キクイタダキ、僚艦に告ぐ! 艦載機隊順次発艦せよ!」
「こちら、リリーブラックのシュンライだ。サラミス級各艦、メイストームのIフィールドアンブレラの準備は万全ではない! 対処願う!」
シュンライ提督の指揮の下、一斉に元連邦軍所属の艦が動き出す。その素早い行動に続き、遅ればせながらミリシア艦隊も動き出す。
ノロノロ。
それでも、素人にしちゃ上出来と言える。
未来のサイド7でも、ホワイトベース隊はシャア隊の新兵ジーンの駆るザクⅡへの初動が追い付かず、パオロ艦長や、テム・レイ含め、多数の人員と装備を失った。民間人の被害も甚大だった。
その状況に比べれば、ミリシア艦船の動きは大したものだ。
「ミコト組全機発進用意! 臆するな! この戦闘を奇貨として活かせ! 我々の戦闘フォーメーションがどこまで通用するか、試すチャンスだ!」
「了解! いきなりサイド4の実戦で試すよりはマシだと考えるわ!」
「応よ! 脱走艦のサラミス級の姉ちゃんたちにばかり苦労はさせんよ!」
「お嬢ちゃんたちのスカートの影に隠れてるとなっちゃぁ、宇宙の不動産屋の名折れよ! お前等! 遅れるなよ!」
「無論!」
「ほいさぁ!」
一体、何故ミリシアが運用しているのか? 入手経路不明のレパント級ミサイルフリゲート艦の姿が複数あった。
それらの艦に護衛された民間の大型クルーザーより、新たにミリシア所属となった重武装作業用ボールが出撃していく。
ミコト組の作業用ボール隊のリーダー、ミコト・セキグチ。彼女の愛機を先頭にして。
まるで先行するサラミス級2隻と、その直鞍に回った宇宙戦闘機隊へと後れを取るまいとするように。
「リリーブラックに告ぐ! こちらメイフラワー了解! 前進します!」
「メイクィーン! 同じく!」
「こちらトマホーク宇宙戦闘機メブキ・アラタ隊。メイフラワー直鞍に付きます!」
「こちらメイフラワー! エスコートお願いする!」
「コウタ・ヨミドリ隊よりメイクィーンへ。我々が盾となります! 共に征きましょう!」
「メイクィーンよりトマホーク、ヨミドリ隊へ! 君たちと共に戦えることを誇りに思う!」
「後方より新参のミリシアの連中も合流してくる! 各機、後れを取るな! 飛び出したとは言え連邦軍の誇りを忘れるな!」
「了解しています!」
「やって見せますよ!」
「我々が2線級の人材なんて誰にも言わせませんよ!」
「女だから先の艦隊戦に出されず、恥も外聞もなく生き残っているともね!」
後方よりミコト組という頼もしい僚機が続くことを確認したサラミス級メイフラワーとメイクィーン。その直鞍の宇宙戦闘機隊。
彼女たちが混成艦隊の前に布陣し、ミリシア軍の陣形は大胆に変化していった。
我々がミリシアの矛と盾になって、救援隊をサイド4まで送り届ける。
そうして、無事、コロニーサルベージ作戦を成功させるんだ。
ノワケーニッヒ・シュンライ提督旗下の脱走艦隊の面々は、男性兵士の多くが先の艦隊戦で死亡したため、その多くが女性であった。
女性兵士であったから、前線にも出されず無様に生き残った。
そんなコンプレックスに苛まれる彼女たちであったが、自分たちの今の役目をよく理解していた。
先の会戦では、連邦宇宙軍は民間の人々の生命、財産を守り切るという義務を果たせなかった。だからこそ、先の会戦では戦わずに生き残った我々が、死んでいった同僚たちの代わりに民間の人々を守るのだ。
ただ、戦に勝利するためだけならば、レビル将軍旗下の艦隊と合流し、ジオン公国宇宙軍との決戦に臨めば良いのだろう。
各コロニーの生存者の方々も見捨てて。
だが、今も生きてサイド4で救援を待っている人々は数字ではないのだ。
一人一人が生きているのだから。一人一人が、それぞれ別個の人生と時間を歩んできた人間なのだから。
そんな人々を救い出すべく、民間の方々が市民軍となってサイド4救援に動き出した。
本来、地球連邦軍の軍人たちの役目であるそれを、民間人が我々の代わりにやり遂げようというのだ。
そんな人々を守護せず、何が軍人というのか?
我々の装備、制服やカフスボタン、ベルト、下着の一つに至るまでが、各サイドに生きた人々の、信頼と平和の願いの証で出来ている。
集められた税金によって用意され、与えられた物なのである。
それらを受け取った我々が、信頼と願いを踏みにじり、民間の市民軍を見捨てることなどできようか?
いや。我々にはできない。
だからこそ、我々は軍を脱走してでも己の務めを全うする。
レビル将軍旗下の艦隊に集った兵は、そこでジオン公国宇宙軍との決戦に臨めば良かろう。
だが、我々はサイド4で救援を待つ人々と、そんな人々を救い出すべく集まった人々のために戦い、その命を使って義務を果たす。
我々の命の使い所はここだ…と。
かくして、シュンライ提督旗下艦隊はサイファー混成艦隊の先鋒となり、サイド4宙域より離脱してきた敵艦隊との接敵を待つのだった。
「こちら、混成艦隊の指揮を執るノワケーニッヒ・シュンライだ。ミリシア混成艦隊サイファーの諸君、これより我々はジオン公国宇宙軍の艦隊との戦闘に突入する。覚悟を決めてくれ」
そう混成艦隊全体へとアナウンスすると、シュンライ提督は一旦間を取り、然る後、宣言する。
「全艦、止まるな。我々は、敵前衛艦隊を蹴散らし、目指すサイド4宙域へと直行する! 進め!」
そうする以外、何をどうするというのか?
そうする以外、他にどんな道があるというのか?
初めから、成すべきことは決まっている。
ならば、立ち塞がる障壁は打ち砕き、迫る罠は噛み破って前に進むしかないではないか。これより、どれ程の同胞の血が流されるとしても。
前へ!
その先へ!
それ故に、シュンライ提督率いるミリシア混成艦隊はこれより、初の実戦へと突入していった。
その一方、混成艦隊中で独自の動きをする一団があった。
ミリシアの大型民間船より多数のミサイルポッドで武装したスペースランチ…救命、連絡、脱出用の小型艇…が出撃したのである。
その目的は………肉弾攻であった。
敵機が大型の味方艦に気を取られている隙に、小型艇で敵艦へと肉迫。
スペースランチによる射撃と、電動補助機能付きノーマルスーツに身を包んだ者たちが、それぞれミサイルと共に突撃する戦法を取ろうとしていた。
高濃度のミノフスキー粒子影響下では、敵側ジオン公国軍もレーダーによる索敵が不可能だ。
そこに、我々、低武装のミリシアにも付け入るスキがあるだろうとの判断だ。
宇宙服一着と移動用ランドセルのみのほぼ生身で、敵MS、戦艦へと挑もうというのだ。
正直、狂気の沙汰である。
「よぉし! 出撃完了だ! まだ母艦の連中は気付いておるまいの?」
「そのようだお」
「まさか、君まで我々の作戦に協力してくれるとはな! 頼りにしているぞ! ネオソクディ君!」
「ちっ! 仕方ないお………各サイドの同胞たちの敵を討ちたい…奴らに一矢報いるまでは死んでも死にきれない………その想いは同じだお」
「そうか…そうだな! 民間船で戦場に出て、一方的に殺されでもしたら目も当てられん! ワシ等の動きに同調するとは、お主、見所があるのう!」
「あんたら爺さん連中に褒められてもあまり嬉しくないお………あの世に先に逝った綺麗な姉ちゃんたちに、後々褒めて貰うとするお」
「そうか! ならば、せいぜい頑張ってジオンの連中に一矢報いてくれ! 期待しとるぞ! ガハハハッ!」
高揚した表情でそう会話を交わしたのは、アナハイムエレクトロニクス側から参加した若い社員1名。すべての肉親をジオン公国軍に奪われた老人5名という面子であった。
大切な者は何もかも失った我々だ。やってやれないことはない。
武装も経験も貧弱なパルチザンの闘士には、パルチザン闘士らしい戦い方がある。見事にそれをやって見せようではないか!
そんな老人たちと、その無謀な行動を止めるどころか一緒になって実行しようとする頭の可笑しい青年は、ミリシア全軍が敵軍へと気を取られている状況を利用し、暗黒の空間へと漕ぎ出していく。
時期に、スペースランチの姿は高濃度のミノフスキー粒子の結界に飲まれ、両軍ともにその在りかを見失うことだろう。
ワザマエ!
「どうやら、ヌエの作戦計画通りに事は運んでいるようね」
「ええ。さすがはサイド1から脱出した数千万人を生還させた方々のプロファイリングだわ。ムゲンカンコスモフーズの御曹司を餌にすれば、サイド4に籠った突撃機動軍と宇宙攻撃軍の連中は分断できるって。その通りになっているわ」
「とはいえ、私たちも上の方々…諜報組織ヌエ…の作戦に頼って、呑気に若い燕と乳繰り合っている訳にはいかないわ。リリーブラックが沈んだら、私たちもお陀仏よ」
「そうね、それぞれ銃座につきましよう………ユウ君はどうする?」
「好きにさせてあげましょう。そうした方が、私たちも生き残る可能性が高い…そう感じるの」
「そうかも。彼はサイド4コロニーサルベージ作戦に大いに貢献している。戦いは我々、軍人に任せて、彼には自由に行動して貰いましょう」
そう話し合うと、地球連邦軍諜報部隊所属の少女たちは、それぞれリリーブラック各所の銃座へと向かっていった。
ムゲンカンコスモフーズの御曹司ユウの御目付け役や、シュンライ艦隊との連約役の任務はあくまで表向きのこと。
真の任務は、サイド4に取り残された生き残りの人々を一人でも多く生還させることだ。
そのためには、自分自身を含めたすべてを利用し、任務を完遂せよ。
それが、彼女たちが地球連邦軍内部に存在する秘密諜報組織ヌエから受けたオーダーであった。
そんな作戦は、ここまで順調であった。
確保したユウの身柄をミリシアに合流させ、サイド4へと向かわせる。
その後、その情報を二重スパイを通して、サイド4に駐屯中の突撃機動軍にリーク。
単独行動を取らせることには成功した。
奴らを宇宙攻撃軍と個別に撃破できれば、サイド4コロニーサルベージ作戦の成功確率は飛躍的に跳ね上がるだろう。
だが、その先はヌエでも予想はできていない未知の戦場である。
ジオン公国軍も、我々が知らぬ、何らかの手札を用意していることだろう。
ユミ・ミミックス、ダイナ・アイラーン、キモノ・ハタラという諜報部の面々が、この先、生き残れる保証など何もありはしない。
この後は、独自の判断で戦い続けなければならないだろう。
それが、地球連邦軍諜報部へとその命を捧げた者の使命なのだから、ユミも、ダイナも、キモノも、そのことに文句はなかった。
ただ、手札がミリシアだけという分の悪い賭けといえども、勝機がまったくない訳ではない。
手札はそれだけではなく、新たに入手できる可能性があるとも、三人は上層部であるヌエから聞かされていた。
その一つは、ヌエと合同でサイド1、2の生き残りの脱出民を生還させたネコメイジだ。
独自の動きを続ける彼等が、フルコピーザクⅡを連ねてサイド4へと救援に来てくれたなら、作戦の成功率も、三人の生存率も上昇するだろう。
もう一つの可能性は………ニンジャだ。
(ニンジャって、そんな………御伽噺でもあるまいし)
ヌエの上司からそう聞いた三名の感想はそのようなものだった。
当たり前である。
ニンジャなんて存在しない…イイね!
それが、宇宙世紀の常識なのだから。いくら常識に捕らわれてはいけないとはいえ、これはあまりに子供染みている。
(…)
だが。
確かに上司は言ったのだ。
ニンジャたちがサイド4救援に動いてくれたなら、作戦は成功するだろうと。
いやいや。
(そんな不確かな可能性、あてにしちゃ駄目よ。自分の未来は自分で切り開かないと)
それぞれの銃座へと向かう道すがら、諜報部の少女三名は上司の言葉を頭から振り払うのだった。
殺し間とされた宙域で 5 へと続く。
メモ
セイバーフィッシュ隊
コウタ・ヨミドリ キナコ・ドリー ハナ・ミドリ キジノ・ホロウチ
???
ドーモ、ジオン公国軍の皆=サン、ネオソクディ・ヤルオーダーです。
ワタシは通りすがりの、何の変哲もないアナハイムエレクトロニクス社員だが、お主たちは殺す。