機動戦士ガンダム フルダブル 幻想純化奇譚   作:プリエ・エトワール

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 今回のエピソードのその先…サイド4の廃墟へと到達したニンジャのネタバレです。

 ハヤシニンジャかく語りき

 「死に逝くサイド4の生き残りの住民たちよ…お前たちの命は無駄にすまい。魔女の大窯の魔力源として活用しよう………いや聖杯というべきか。フユキの地ではそう呼ばれていたな」

 「召喚し、斃れていったサーヴァントと術者たちの魔力を源とした、勝者の願いを叶える願望器。魔術師共は、それを魔女の大窯ではなく聖杯と呼んでいた………欺瞞であるな」

 「まあ、それも良かろう…今は関係のないことだ」

 「サイド4宙域に集いし連邦軍とジオン公国軍…殺し合う両軍と、その犠牲者たるサイド4の生き残りたちよ。我は改めて、汝らの命を無駄にはすまい…そう誓おう」

 「汝らの命の使い所は、結界への魔力供給である」

 「我が聖杯に願い、汝らの命はその魔力源となるのだ」

 「太陽系より一時撤退した邪神の走狗共。その地球圏再侵攻を妨げる結界である。無論、永続的とは程遠いが、時間稼ぎとはなろう」

 「光栄に思うが良い」

 「これらの義挙は、邪神の走狗共との闘争の果て、ヴァルハラへと導かれたニンジャエルンヘイヤルたちをも凌ぐ誉であろう」

 「その命を、その勇気を、我に捧げよ。その命、決して無駄にはすまいぞ」


殺し間とされた宙域で 5

 殺し間とされた宙域で 5

 

 サイド4宙域から離脱したジオン公国軍突撃機動軍の艦艇は、3隻それぞれが距離を取り、獲物であるミリシア混成艦隊の姿を求め、航行中であった。

 

 この措置は、近距離での艦隊行動を取るよりも、それぞれの艦が高濃度のミノフスキー粒子に紛れ込み、独自に敵機を攻撃することこそ有効であろう。

 

 そんな艦隊司令ハチワレン・ナイトの判断故のものであった。

 

 

 艦の目と耳を潰す高濃度ミノフスキー粒子の中ならば、まるで御伽噺のニンジャの如く単独で行動してこそ、もっとも被弾率が低かろうとの大胆な判断である。

 

 

 実際、先の連邦宇宙軍との艦隊戦で、ジオン公国宇宙軍が大勝した事実から、件の戦闘法は有効と実証済みであった。

 

 大集団での決戦の最中、高濃度のミノフスキー粒子に紛れ、単独行動していたザクⅡが、もっとも戦果を重ね、被弾率も低かったのだ。

 

 それ故、先の戦訓を知る同艦隊所属の兵士たちの中で、ナイト艦隊司令の決定に無理に反論する者もいなかった。

 

 また、少数での行動は、各艦に搭載されていた4機づつ、計12機のMS隊も同様である。

 

 すでに艦隊に搭載されていたと12機のザクⅡは全機発進済みで先行しており、無人のジッコ突撃艇複数も、それぞれ三機編成のMS隊に随行していた。

 

 もっとも、これらジッコ複数は攻撃用ではなくザクⅡ部隊用の荷物運び…輜重兵隊扱いである。

 

 3機スリーマンセルで行動する各隊後方に位置するジッコ突撃艇それぞれは、船体後方に、貨車を引く機関車のごとく、ウェポンラック多数を連結して運んでいた。

 

 ザクマシンガンやザクバズーカ、ザククラッカーやミサイルポッド、それらに搭載する弾薬類。ヒートホークなどの近接戦闘用兵器を含めて…である。

 

 MS隊…いや、すべての兵器の弱点といえば、継続戦闘能力である。

 

 威力が大きい兵装ほど、その傾向は大きい。

 

 実体弾は元より、メガ粒子砲の砲身やプラグ等も、高熱や過電流によって破損は不可避。その穴を埋め合わせるための、大量の武器弾薬、代替部品を搭載したジッコ隊であった。 

 

 これでMS隊の継続戦闘能力の強化は万全。

 

 現状、旧態依然とした兵装しか持たぬ地球連邦宇宙軍相手なら十分な戦力以上。まして、相手は連邦宇宙軍の1脱走艦隊と、ミリシア艦隊の寄せ集めというではないか。

 

 足手纏いのお子ちゃま軍隊付きだ。

 

 負ける要素など皆無!

 

 ハチワレン・ナイト艦隊司令は、己が指揮する艦隊の勝利をそのように信じきっていた。敗北するはずなどありはしない。

 

 目標であるサイファー混成艦隊は、この自軍の陣容にただ恐れ戦くだけであろう。

 

 ただ、無様に狩られ逝くのみと。

 

 「シャドール前進! 臆するな! 先行したMS隊が花道を用意してくれる! 我々は、MS隊が散々食い荒らした戦場で、敵軍へと止めの一撃を加えるだけでよい! それで勝ちだ!」

 

 チベ級シャドールの艦橋で、意気揚々とナイト提督が座乗艦シャドールクルーたちへと前進を支持する。

 一見、余裕綽々な態度に見えるが、その裏側には、傲岸不遜、傍若無人な驕り昂りが見え隠れしていた。

 

 それは、自らの鋭敏さを自ら潰す、謙虚さからかけ離れた愚か者の態度とも思わずに。

 

 だが、この有様は、何もハチワレン・ナイトだけではなく、この時期のジオン公国軍の兵士全体が陥っていた状態だった。

 

 地球連邦政府に連邦軍、何するものぞ!

 

 我々こそが、この後の地球圏の支配者だ!

 

 力なき者共は、我等に道を譲れ!

 

 でなければ! 

 

 滅ぼし! 犯し! 殺し尽くすのみ!

 

 あの世で我等に弓引いたことを後悔するがよい!

 

 ジオン公国軍兵士たちの大半が、そのように傲慢となっていた。

 

 連戦に継ぐ連戦の勝利によって、ジオン公国軍人にあらねば人に非ずと、その傲慢さ有頂天となり、世界は我々の思い通り。やることすべてが成功すると思い込んでいたのである。

 

 この独立戦争も、このままジオン側優位で終戦となる。我々サイド3の優秀なるスペースノイドの勝利だ。

 

 この後、我々優良なるスペースノイドが地球圏を支配していくのだ…と。

 

 そんなジオン公国軍全体の傾向は、この先、連邦政府による戦争状態継続が決定するまで続くこととなる。

 

 この後。

 

 南極条約締結後、戦争継続が決定されたことで、ジオン側の兵士の多くがその顔色を真っ青にするのであるが、それはまた後の話である。

 

 この時のキシリア・ザビの怒りなど見物であった。

 

 美しい………

 

 …まるで、これ以上の芸術は存在しないかのような。

 

 だが。

 

 それはまた別の話。

 

 そう。

 

 この時、重要なことは、その時を待たずして、ハチワレン・ナイト提督率いる少数の機動突撃艦隊の面々が、一人残らずその色を失い大混乱に陥るということであろう。

 

 

 これより先は、彼等、機動突撃艦隊兵員たちが己の正体を見失う時。

 

 同艦隊でのみの単独行動を選んだが故に、自ら地獄へと嵌まり込んでいった破滅の物語なのだから。

 

 

 「ん………始まったか」

 

 ナイト提督が呟く。

 

 前方の宙域で、戦闘のためと思われる光芒を多数、目視で確認したからであった。

 

 彼は、自軍のMS隊が、多数の敵機を撃破し、その破壊の結果、宇宙空間に数多くの光芒が生まれたと思っていた。

 

 それは、半分事実で、半分は誤解であった。

 

 サイファー混成艦隊は、多数の僚機を失いながらも、明らかに格上といえるMS隊と互角に渡り合っていたのだから。

 

 

 「ああ…母さん!」

 

 

 サラミス級メイクィーンの直鞍に回っていた宇宙戦闘機セイバーフィッシュの一機が、会敵したザクⅡへ向かい、機銃を乱射しながら突撃していく。

 

 しかし、タケシ・オージャーの駆るザクⅡアサクラは、その機銃掃射をアンバックを駆使して難なく躱し、すれ違いざま、セイバーフィッシュの機首を蹴り上げ破壊していった。

 

 「おらぁ!」

 

 コックピット部が吹き飛び、母を思い起こしながら戦っていた少女パイロットの肢体が、その内部で弾け飛んだ。即死であろう。

 

 

 「あああああっ!」

 

 

 だが、撃墜されたセイバーフィッシュの影から、一機のトマホークがザクⅡアサクラへと攻撃を仕掛けていく。最新鋭のビームマシンガンの機銃掃射を駆使して。

 

 速い。

 

 トマホークとは、後のコアファイターほどの小型化はなされはしなかったが、同型の小型タキム式NC‐3強化核融合炉をメイン動力とした機体であった。

 

 そのため、この一週間戦争中の時期にしては、強力な武装を誇っていた。

 

 本機は、その先行量産されたプロトタイプの一機で、試作されたアクティブブースターも追加装備として与えられていた。それ故の高機動で、縦横無尽に宇宙を舞うザクⅡの動きにも対応できた。

 

 しかし。

 

 「イラつくぜ! 野良犬共が! 舐めるなぁ!」

 

 ザクⅡアサクラは、僚機のザクⅡリュウキ、ザクⅡソルダ同様、トマホーク以上に強力無比であった。これがMSの実力だとでも言うかのように。

 

 左肩のザクシールドこそビームマシンガン被弾により失ったが、機体各部のバーニアとアンバックを駆使。トマホークの追撃を回避。これで身軽になったぜと言うかのように、それ以上の反撃を許さなかった。

 

 「死ねやぁ! ワレぇ!」

 

 セイバーフィッシュを蹴り上げた右脚とは別の、左足に搭載させたザクⅡミサイルポッドを発動。回避と同時にそれを撃ち放つ。

 

 直撃コース!

 

 その一撃を機体に受け、また一機の宇宙戦闘機が撃墜される。先のセイバーフィッシュのパイロット同様、このトマホークのパイロットもまた即死であった。

 

 「ちぃ! クソが! こいつら腑抜けだった先の艦隊戦のパイロット共とは別物だぞ! てめぇら! 気を緩めんな!」

 

 ザクマシンガンを両手で構え、威嚇射撃を開始したザクⅡアサクラのパイロット、タケシ・オージャーが吼えた。

 

 一旦、距離を取らなければ撃墜されるのはこちらだ。野生の勘でそう判断した彼は、侵攻スピードを落とし、後続の僚機到着を待つ。

 

 その時間稼ぎのための威嚇射撃である。

 

 「こちらザクⅡリュウキ。見りゃ解る。アサクラは先行し過ぎだ。ここは俺とゾルダが前に出る。お前はゴローちゃんで補給を受けろ。戦いは始まったばかりだぞ」

 

 「そういうこと。ここは任せて貰おう」

 

 「はっ! 任すぜ! 撃墜(お)とされんなよ!」

 

 「ああ!」

 

 「はいよ!」

 

 「っと! 戦闘機隊他! サラミス級1! それに何だ? ボールの一団か? 来る! 迎撃!」

 

 「こちら、ザクⅡゾルダ! 各部ミサイルポッド一斉射撃! リュウキ! その隙に吶喊しろ!」

 

 「心得た!」

 

 ザクⅡアサクラが後方に一旦退避し、ジッコ補給艇ゴローちゃんの許へと向かう最中、なおもザクⅡリュウキ、ゾルダによる攻撃が続く。

 

 ゾルダのミサイルポッド一斉射撃に続き、吶喊するリュウキが、両手のザクマシンガンを連射した。

 

 多数のセイバーフィッシュとトマホークがその連撃に被弾。

 

 爆散する機体、戦線を脱落する機体が続出する。

 

 それに耐えつつ、サイファー混成艦隊による反撃が始まる。

 

 「逃げる場所なんてない! こちらも吶喊する!」

 

 多層コロニー外壁シールドを駆使し、ミサイル一斉射撃を何とか回避したミコト・セキグチ機が、ザクⅡリュウキ、ゾルダへと肉迫していく。その腕の溶断用ヒートサーベルを煌めかせて。

 

 それは、コロニー外壁材溶断用ツールを改良し、サーベル状にした武装であった。ザクⅡとの近接戦闘に備えて準備した装備である。

 

 そんな武装を施されたミコト組の作業用ボール複数機が、機体両脇に設置した実弾型マシンガンを撃ち放ちながら、隊長機たるセキグチ機に続いた。セイバーフィッシュ、トマホークも同様だ。

 

 ミコト組の武装済み作業用ボールを中心としてフォーメーションを取り、サラミス級、直鞍の宇宙戦闘機隊の援護の許、前進していく。

 

 双方、必死であった。

 

 素人集団含むサイファー側は元より決死。

 

 会敵により、ジオン公国軍側、ザクⅡアサクラ、リュウキ、ゾルダも、敵を侮る姿勢を正し、死中に活を見出す以外に生き残れぬ…そう認識し、戦い続ける。

 

 戦い抜かなければ生き残れない………そんな死闘であった。

 

 

 このように、ジオン機動突撃軍側が優勢な戦域がある一方、サイファー側が優勢な戦域もあった。その状況が続くかは別として。

 

 

 多数の宇宙戦闘機隊と、三機編成スリーマンセルのザクⅡ部隊が、その宙域でも死闘を演じていた。

 

 その激突は、ある意味、ファンタジーめいた風景の再現であるかのような光景であった。

 

 多数の古龍種めいた宇宙戦闘機隊と、一つ目の巨人の如き巨人兵器による対決。神話の光景の再現とでもいうべき戦闘の光景。

 

 高度に発達した人類の文明の激突は、地球圏に神話のごとき光景を齎していた。

 

 

 引け。

 

 この宇宙(そら)は我等のものぞ。

 

 翼なき巨人どもは、重力の井戸の底へと去るがよい。

 

 

 ぬかせ。

 

 もはやこの宇宙(そら)は我等が支配するところだ。

 

 時代遅れな翼あるもの共は、歴史の中に、過去の遺物となり消え失せろ。

 

 

 斯様に、互いの存在を賭して、相争っているかの如くに。

 

 

 残されるべき種は一方のみ。

 

 歴史の天秤は、この後、無慈悲に巨人側へと傾いていくこととなる。

 

 しかし。

 

 この戦域においてのみは、まだ古龍種のごとき宇宙戦闘機隊が優勢であった。

 

 「マサシ! ユウイチ! 広域飽和攻撃! サラミス級へ吶喊する道を切り開け!」

 

 ザクⅡメタルゲラスより僚機へとそう指示し、自機にもザクマシンガン二丁を連射させるガイ・シバウラ中尉。彼が狙うは、迫りくるサラミス級メイフラワーであった。

 

 そのためには、直鞍である宇宙戦闘機トマホーク隊を突破する必要があった。

 

 そのガイの指示を受け、ザクⅡメタルゲラス、ボルキャンサー、エビルダイバーの3機は、それぞれ2丁のザクマシンガンを駆使しつつ、高機動での面制圧、飽和攻撃を敢行していた。

 

 「くっ!」

 

 (俺が被弾しているだと!?)

 

 スリーマンセルの先鋒として、多数の宇宙戦闘機隊の弾幕を回避しながら攻撃を続けるザクⅡメタルゲラスの宇宙機動は芸術的とさえいえた。

 

 しかし、ガイの駆るメタルゲラスは次第に被弾していった。

 

 致命的な損害こそ受けはしなかったが、思っていた以上にサイファー混成艦隊の反撃は苛烈であった。

 

 それらと対することはまさに命懸けであり、ガイは僅かな間に幾度も死を覚悟した。僚機、ボルキャンサー、エビルダイバーを駆るマサシ、ユウイチも同様である。

 

 「おおっ! 拡散メガ粒子弾を使うぞ! 各機、備えろ!」

 

 考えが甘かった。敵も必死なのだ。なぜ、そんな相手を侮った?

 

 今さらながら相手を侮っていたことを悔いたガイは、虎の子の拡散メガ粒子弾の使用に踏み切った。

 

 これは、後のドムタイプへと搭載された攪乱用メガ粒子ビームと同様の機構を持つ、エネルギーパック式攪乱弾である。

 

 敵機を撃破する出力こそ出せないが、敵機攪乱には十分な兵器であった。

 

 なぜなら、連邦軍やサイファー混成艦隊の面々は、その威力のほどを知らぬのだから。

 

 じつは見た目が派手なだけで敵機撃破能力に欠けるとは、さすがに初見では見抜けないだろう。

 

 そこが、ザクⅡメタルゲラスを駆るガイの狙い目であった。

 

 敵機が拡散メガ粒子を避けて生じた包囲の穴を抜け、一気にサラミス級に肉薄して撃沈。続いて、後方に位置するサイファーの船舶をスルー。宇宙空母コロンブス艦隊へも一撃を加えようと目論んでいた。

 

 早速、そんな拡散メガ粒子弾を脚部ミサイルポッドより多数発射し、威力の程が解らぬ宇宙戦闘機隊の動きを制限しようと試みる、ガイのザクⅡメタルゲラス。

 

 「何!?」

 

 「これはっ!?」

 

 「ジオンの新兵器なの!?」

 

 突如、目の前の広範な宙域に出現した粒子の乱舞に、セイバーフィッシュとトマホークの混成宇宙戦闘機隊は混乱せずにはいられなかった。

 

 誰だって、正体の解らない事態には恐怖を感じる。

 

 宇宙戦闘機を駆る女流パイロットたちが、思わず操縦桿を動かし、回避軌道を取ってしまうのも仕方のないことであった。

 

 「待ってたぜー! この時をよー! はっはぁー! 不幸と踊っちまいなぁー!」

 

 「抜くぞ! 遅れるな!」

 

 「無論! まずはアレ(サラミス級メイフラワー)を墜とす!」

 

 怖気に負け、回避軌道を取ったセイバーフィッシュとトマホーク数機を撃墜。続け様に、メタルゲラス、ボルキャンサー、エビルダイバ―は、拡散メガ粒子が舞う宙域を強引に抜け、編隊軌道を取った。

 

 今度は2機が前方で左右に展開、後方の1機が中央に位置する逆三角形の陣形での突撃である。

 

 そんな3機が狙うのは、もちろん、メイフラワーであった。

 

 「発砲後! 敵艦左舷を高速通過! ザクバズーカ!」

 

 「了解だ!」

 

 「喰らえ! やぁー!」

 

 サラミスの艦砲射撃による弾幕を回避しつつ、ザクⅡ三機は肩部副腕を起動。背部ランドセルに搭載させていたザクバズーカを肩部に固定。

 

 その狙いをメイフラワーへと定め、続け様にザクバズーカに搭載された重徹甲炸裂弾…敵艦の装甲を貫き、艦内部にて炸裂弾起爆…を撃ち放つ。

 

 凶悪な輝き放つ凶弾を解き放つ!

 

 狙い違わず獲物に迫る猟犬の如く!

 

 全弾着弾!

 

 メイフラワーは艦首、甲板主砲、そして、補助エンジン部へと重大な損傷を受け沈黙する。轟沈こそしていないが、これ以上の戦闘参加は不可能な状況へと追い込まれた。

 

 下手にメインエンジン出力を高めれば、誘爆する可能性もあり、また、エンジンが暴走してしまえば、地球圏の彼方へと、そのまま飛び去ってしまう…そんな軌道を取ることになりかねなかった。

 

 下手をすれば、搭乗員たちは艦内修理が完了するまで地球圏に戻れず、暗黒の宙域をたった1艦で彷徨うことになるかもしれない。

 

 そんな危険な状況であった。

 

 「はぁっはあっ! 振り切ったぜカトンボ共! 貴様等の巣である空母級をすべて潰してやるぜ!」

 

 簡単! 簡単!

 

 「ふん、無駄に興奮するのはそこまでだ。残弾を計算しておけ。次がある」

 

 「しかし、あまり派手にはやるなよ。あそこに俺たちの捕らえるべきムゲンカンコスモフーズの御曹司がいるはずだ。目的を見失うなよ」

 

 「了解している。ある程度、痛め付けてからの降伏勧告だろうが。それ以後は、シャドールのナイト提督に花を持たせるぜ」

 

 「その通り。コロンブスの艦隊をある程度痛め付け、継戦能力を奪う。その後、俺たちはすぐさまこの宙域を離脱する。下手な色気を出して敵機に撃墜されるなよ」 

 

 「逃げ出す時は一目散だ。それが戦いの基本よ。知らぬはずもあるまい?」

 

 メイフラワー左舷を抜け、サイファー艦隊を迂回機動でスルーし、ガイ、マサシ、ユウイチから成るザクⅡ小隊は、シュンライ提督やユウ・カリンの座乗艦隊へと肉迫していく。

 

 その合間に3人のザクⅡライダーは、冷静かつ迅速に直近の立ち回りを話し合い、成すべきことを固めていった。

 

 じつに合理的な状況判断である。

 

 そうできることこそが、一戦して生き残り、勝利という経験を積んだ兵士の証であった。

 

 人類史に比肩することなき大虐殺という悪行を成した彼らも、また、人であることには変わりはなく、その戦いの過程で、多くを学び、成長していた。

 

 虐殺者という嫌な成長ではあるが。

 

 そこが、敗者側である連邦軍側や、ミリシア側との決定的な違いであった。

 

 単純に、経験面でも兵装面でもジオン公国軍側が強いのである。そう易々とは引っ繰り返せない程に。

 

 そんな、彼らの成長と、ミノフスキー粒子下での新機軸兵器であるザクⅡが後押しし、ここまでの彼等の進撃を演出したのであった。

 

 「ん?」

 

 そんな時。

 

 一瞬、ザクⅡのモノアイがある姿を捉えていた。

 

 連邦軍が、連絡艇や脱出艇として活用するスペースランチの姿である。そんな艦艇が一隻だけ単独行動を取っているようだった。

 

 (ふん………ミリシアとの連絡に出ていたか…それとも、戦いを恐怖した連中が逃げ出したのか…まあ、後回しだな…今、なすべきことは、目の前の空母級艦隊の戦力を削ぎ落すことだ!)

 

 ガイは、そう考えスペースランチの単独行動を見逃した。気にするほどの相手ではないと。

 

 しかし。

 

 程なく、ガイはそうしたことが自分の死因となったと思い知るのだった。

 

 

 戦わなければ生き残れない!

 

 

 殺し間とされた宙域で 6 に続く

 

 

 

 変更の連絡

 

 ザクⅡオージャーの名称をザクⅡアサクラに変更しました。

 

 それは紛れもなくヤツさ。

 

 ザクシールドに巨大な毒蛇のエンブレムを施した狂戦士が征く。

 

 




 ネオスニンジャかく語りき

 「…させぬ!」

 「如何に我等ニンジャのなすべき任務といえど、罪もなきサイド4の生き残り数千万人を願望器の動力源にはさせんお………」

 「…この忍殺の二文字の下、ハヤシニンジャ! 汝を滅ぼす!」

 「ニンジャ死すべし! 慈悲はない!」

 メモ

 ナラクのニンジャソウルと一体化してニンジャスレイヤーとなったフジキドが、長き戦いの末にリアルニンジャとなり、その死後、ニンジャソウルとその意思を受け継いだ存在………それがネオスニンジャ。

 宇宙世紀の新たなニンジャスレイヤーである。

 ネオスニンジャは戦い続ける。

 時として、邪神の走狗共と戦い続ける掟を破ってまで、理不尽に翻弄される牙無き宇宙世紀の人々を守り通す。

 そのニンジャ装束めいた宇宙服のヘルメットには、忍殺の二文字が刻まれていた!

 メモ2

 宇宙開発など児戯に等しいといっていたニンジャスレイヤーと、ガンダムのクロスオーバーは狂気の沙汰ですって?

 ニンスレ公式が勝手に言っているだけなので問題ありません。二次は自由です。

 それはそうとして、宇宙世紀ニンジャスレイヤーは格上のハヤシニンジャに勝てるのかって?

 普通では無理筋。

 ただ、ハヤシニンジャは願望器を出現させる儀式参加のために、依り代とした人物に憑りついているので、物理攻撃が通ります。依り代さえ撃破してしまえば、ハヤシニンジャは願いを叶える資格を失う。

 また、13人のザクⅡライダーが最後の一人になるまでに、サイド4の生き残りたちを助けて、別宙域まで連れ出せば、聖杯(魔女の大窯)の儀式は不発に終わる。

 どちらかの条件を満たせば、ニンジャスレイヤー側が勝ちます。

 メモ3

 ジオン公国機動突撃軍12機のザクⅡの中3機は、それぞれの艦が強化ワイヤーで係留して運んでいた。予備の武器弾薬も同様。

 数だけは揃えたサイファー混成艦隊に対し、予備機も含む全機稼働体制での発進である。

 ジッコ突撃艇も、第一線を離れその立場をザクⅡに譲ったとはいえ、まだまだ使いようはある。どんな強力な武装も、次弾が続かなければ威力半減である。

 補給は大事!

 ん?

 12機のはずのザクⅡが13機? ザクⅡライダーも13人?

 さて、何ででしょうか?


 そうえいば、ガンダム新作で、ムサイは艦体の艦橋下部から伸びるエンジン二基の間のスペースに、地球降下用ユニット積載できるようになっていましたね。

 そこに、ザクⅡの補給物資を搭載していて、余剰パーツを使い1機多く組み上げたってことで。
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