機動戦士ガンダム フルダブル 幻想純化奇譚 作:プリエ・エトワール
その通り。
この過去エピソードに登場する機動突撃軍のザクⅡは、全機、ハヤシニンジャによって強化されたサバイブ機体です。
戦え…戦え…多々買え………
作品のファンがオモチャを買い支えないとコンテンツは生き残れない!
それはともかく、どこぞのプリキュアもトロピカッてるように、サバイブってるザクⅡがあってもいいの。二次創作だから。
サバイブ機体を駆り、戦い続けろ! ザクⅡライダーたちよ!
「何ということだお、あれは………カイゾウシュジツだお」
(理由は判らんが、アーチ級を超えた神話級ニンジャがジオン公国軍に協力しているお………)
尋常ならざる何者かの気配…プレッシャー…を戦場で感じ取り、ネオは冷静に状況を分析していた。
その最中、ミリシア艦隊へと襲い掛かるザクⅡ各機の姿を確認し、その正体を呟く、ネオこと、ネオソクディ・ヤールオーダーだった。
ネオが看破したカイゾウシュジツとは、ニンジャのユニークジツ中、他者を怪人ニンジャとなさしめ、操作するという禁忌の秘ジツの一つであった。
強大なニンジャの一柱が、ジオンのザクⅡにそのカイゾウシュジツを施し、そればかりか、人類の発展を妨げた虐殺者共に協力している。
その事実にネオは驚愕し、怒りに震える。
(怒りに捕らわれるな。俺の精神。怒りとは捕らわれるものではなく、拳とジツに込め、敵に叩きつけるもの。冷静に敵の目的を探り出せ)
だが、今この時は…行動すべき時だ。
「ニンジャ殺すべし」
死神博士めいたカイゾウシュジツによって、ニンジャサバイブと化したザクⅡ。
そのコックピットのライダー(操縦者)たちも、すでに生体コンピューターとして取り込まれ、自我を失っている可能性が高い。
ならば、あれらはすでに、地球圏に死と哀しみを振り撒く害悪以外の何物でもない。
悪しきニンジャは、この俺、ネオスニンジャが戦場にエントリーし、殲滅せしめる。
「ニンジャ殺すべし」
もう一度、そう呟いたネオは、自らのジツを開放すべく動き出す。
肉弾攻を実行すべく、共に宇宙を飛翔(と)んでいた対艦ミサイルへと、自らの内で高めていたニンジャ粒子を増幅し、送り込み、その在り方を変質させていく。
何たるニンポ…ユニークジツであろうか。
ネオが身に付けるノーマルスーツがまず赤黒く変色し、四肢の動きを阻害せぬニンジャ装束めいた宇宙服へと変化していく。
続いて、ネオが右手で触れるミサイル装甲板もニンジャ粒子に浸食、再構築されていき、程なく、対艦ミサイル全体が赤黒い変異装甲へと覆われていった。
無論、その内部もである。
ネオの忍殺の意思諸共に内部炸薬と結合していくニンジャ粒子は、その有様を、巨大な怪人ニンジャをも打ち砕き、爆発飛散させる、強力無比な対ニンジャ用忍殺弾へとなさしめていった。
これぞ、ニンジャの革新たるニュータイプ、ネオが会得した宇宙ユニークジツの一つ、対物ミサイル忍殺弾であった。
「ニンジャ殺すべし」
三度、そう呟くネオ。
イクサの準備は十分に整った。
ならば、この後は恐れず戦場に押し入りエントリー。その必殺のジツを開放するのみである。幸い、ミリシアの戦闘員たちは、恐れずジオン公国軍の虐殺者たちに立ち向かっている。
その正義をなさんとする力を借り受け、それら正義の怒りを一纏めとして、ザクⅡサバイブへと叩きつけるのみである。
正義の怒りをぶつけろガン…いや、ネオスニンジャ!
「ニンジャ殺すべし」
四度呟き、獲物の姿を求めて動き出す宇宙ニンジャ虐殺者。
その後に、老人たちが操縦するスペースランチが続く。
そんなスペースランチに搭乗している老人たちも、すでにネオスニンジャの力の一部…権能…を得て、FNR(フェイク・ニンジャ・ライド)を力を振るう疑似ニンジャとなっていた。
何の!
老齢により、すでに寿命は残り少ない身の上だ!
今さら、己のDNEに黒帯を締め、疑似ニンジャとなることに何の不満があろうか!
人生の最後にニンジャと化して死ぬるならば、それは僥倖!
見事、ジオン公国軍の虐殺者どもに蹴りキックを御見舞いしてやるともさ!
と、決意を新たにして。
殺し間とされた宙域で 6
サイファー混成艦隊へと襲い掛かったザクⅡ部隊は4つ。
残る2部隊は、協力してサイファーのミリシア船舶群に襲い掛かっていた。本来は補給用に随行させていたジッコ補給艇2隻を前面に押し出しての先制攻撃である。
ジッコ補給艇2隻がけん引する複数の貨物庫。
そこに搭載された射撃武装を活用し、遠隔でミリシア艦隊へと先制攻撃を仕掛けたのである。
ジッコ補給艇はミリシア艦隊の正面両翼から突撃。
十字砲火可能な位置取りをしての、射撃武器多数を活用した攻撃であった。
当然のことだが、数はパワーである。
多数の武器を揃えて一斉攻撃する戦法は、教本通りに有用であった。
相手方よりも数を揃え、先制での集中砲火。
戦術の基礎中の基礎である。
その上、ジッコ補給艇は無人機であり人的資源を消費しない。特効させるには何の問題もない策であった。
協力するザクⅡ2小隊は、そうして、ミリシアの民間艦艇を防衛しようと前面に出てきた旧連邦軍の駆逐艦レパント級、及び、宇宙戦闘機隊を誘き出し、まず始末する算段だった。
実際、2小隊による策は成功した。
ジッコ補給艇2隻迎撃へと、レパント級3隻、及び、コロンブス級より発進したセイバーフィッシュ隊多数が動き出していた。
それらを、最大戦力であるザクⅡ6機共同で挟撃、排除するというのだ。
「ミリシア艦艇多数被弾! 被害拡大中!」
「敵機種は? ザクⅡか?」
「いえ! 目視確認によるとジッコ突撃艇のようです!」
「それだけか? それにしては砲火が苛烈過ぎるぞ!」
「多数の武器を搭載した貨物庫をけん引し、そこから砲撃を実施している模様!」
「少数に多数の武装を施しての特攻か! やってくれる! レパント級全艦前進! メガ粒子砲、ミサイル全門開放! 発射準備! 敵機群を排除せよ!」
「了解!」
「こちらハルカゼ! ソヨカゼ! ハルハヤテ! 前進! 敵先鋒部隊を排除せよ! 続け!」
「危険では! 罠の可能性が!」
「解っている! だが我々以外に! 今この時! 誰がミリシアの僚艦を守り抜く! 最悪、核パルスを搭載した艦艇だけでも守り抜かんと、サイド4宙域より生き残ったコロニーは脱出させられん!」
「了解です! ですが!」
「何だ?」
「おそらく、敵部隊の後続が両翼から十字砲火を狙ってくるはず。注意願います」
「そうだろうな………索敵班! 砲兵隊と連携して敵機後続部隊に気を付けろ! おそらく敵はこちらを十字砲火に納める位置に現れるはずだ! そちらを重点的に監視せよ! 僚艦にも通達!」
「了解! こちらハルカゼ。ソヨカゼ、ハルハヤテに告ぐ………」
このレパント級ミサイルフリゲート3隻は、主に、連邦内部に存在する秘密諜報組織ヌエ旗下の人員を中心にして構成された艦隊であった。
ヌエが自由にできる艦艇、装備品、等々を与えられ、脱走兵に身を窶し、今回のサイド4コロニーサルベージ作戦へと参加したのである。
その主な任務は、コロニー移動に使用する核パルスエンジンの護衛であった。
無論。
それらをコロニーへと取り付ける作業員たちの生存込みにである。
数日前、サイド1生き残りの住民1億数千万、サイド2数億の住民たちを救助して見せたヌエ。
多数のスペースノイドたちを助け出し、ジオン公国軍に対する戦力の一部にすると共に、人類存続…その子孫たちを生み育ててもらう…を図る。
各サイドの戦争被害者たちを決して見捨てはしない。
そのような決断をしたヌエ上層部の作戦に従事してこそ、地球連邦政府と連邦軍は、ザビ家とジオン公国及び公国軍に勝利できる。
そんな強い想いを宿しての、同艦隊構成員たちの本作戦への参加であった。
戦い続け、悪しきジオン公国軍に勝利しなけねば生き残れない。
でなければ、優生論、選民思想、差別主義を退け、地球圏の自由主義、民主主義は守れはしないのだから。
そんな兵員たちの想いは、地球連邦軍側、ミリシア側関係なく、違いなかった。
「獲物は罠に捕らえられた。全機、続け!」
「了解している!」
「遅れるなよ、発行信号!」
モノアイの最大遠望でレパント級とセイバーフィッシュ隊の動きを確認し、レオン・カメレーが駆るザクⅡベルデ以下、タイガ・トージョーのザクⅡデスワイルダー、ミツル・ギガゼールのザクⅡガゼルホーンが行動を開始。
そんなベルデらからの発光信号を確認。
「我々も出るぞ! 遅れるなよ!」
「当然よ! ハヤシ! 欺瞞ダミーバルーンよろしく!」
「ああ、任せろ」
続いて、リュウガ・ミラーのザクⅡカガミリュウ、ファム・キリシマのザクⅡホワイトウイング、オディーン・ハヤシのザクⅡゴルドクロウが、別方向から進撃を開始する。
無論、きっちりとクロスファイア…十字砲火…を可能とするルートを選んで。
ただ一点、カメレー隊と違う挙動と言えば、オディーン・ハヤシの駆るゴルドクロウが、試作型の欺瞞兵器を使ったことであった。
予めジッコ補給艇より受け取っていた欺瞞用のダミーバルーン装置を起動。
ミノフスキー粒子下での戦闘で標的を分散させることを目的とした、ザクⅡの姿を模したバルーンが多数射出される。
この装置の働きによって、ミリシア側のレパント級各艦とセイバーフィッシュ隊は、考えていた以上にザクⅡが戦場に存在すると、一時的な恐慌状態へと陥ることとなる。
精密なレーダーによる索敵が不可能で、目視以外に敵の正体を確実に知る手段のない戦場では、欺瞞用のダミーバルーンは有効な攪乱手段であった。
かくして、ハチワレン・ナイトのザクⅡダークウイング以外、全機のザクⅡが戦場で会敵。
互いの命を刈り取る饗宴が始まりを告げる。
戦わなければ生き残れない、無慈悲且つ悲壮な儀式が。
「ふん…ガイたちめ、コロンブス級へと仕掛けるか。いいだろう、こちらにミリシア共の目を引き付けてやる。全機! 派手にやれ!」
一方、コロンブス級へと先行したガイ小隊の動きを見定めるレオン・カメレー。その指示の下、ザクⅡ各機がミリシア艦隊へと襲い掛かる。
まず狙うべき獲物は、こちらの囮ジッコ補給艇へと向かう、敵宇宙戦闘機隊とレパント級各艦である。
レオンは、無意識にザクⅡの操縦桿を握る両掌に力を込めた。
ああ…戦友よ
共に戦場を駆けた戦友たちよ
これより長く苦しいジオン公国軍との戦いに生涯を捧げる勇者たちよ
どうか先に逝く我々を許して欲しい
今 この時
誰かが 敵の位置を掴むために 先鋒とならねばならないのだ
誰かが 己の命を犠牲にして 囮となければならないのだ
戦友たちよ
汝らはこれより
宇宙で ラグランジュポイントで 小惑星付近の宙域で 大気圏上空で
大気圏内で 地上で 海上で 海底で 山で 川で 湖で 平地で 密林で 寒冷地で
コロニーの落ちた地で
果敢に ジオン公国軍の虐殺者たちと戦い続けることだろう
これより続く 汝らの苦難の日々に比べれば 我等の一時の苦しみなど微々たるものだ。
むしろ ここで死ねる我等は何と幸せなことであろう
戦友たちよ
どうか 先に死に逝く我等を許してくれ
その上で 汝らに戦い続けろと苦難を強いることを許してほしい。
我々 連邦軍の将兵は
邪悪なるジオン公国軍の大虐殺より 数十億に及ぶ一般国民たちを守護することが叶わなかった
その大罪を 少しだけでも軽減させるべく先に地獄へと赴き
煉獄の中 償い続けよう
いずれ 連邦軍の将兵すべての魂が煉獄に焼かれる時がくるだろう
その時までは どうか現世に在りて ジオン公国軍と戦い続け できるだけ多くの人々を
その脅威から守護してやって欲しい
「さらば!」
戦友たちへと別れを告げ、無人のジッコ補給艇を目標としたセイバーフィッシュ隊の先鋒たる数機が先行して征く。
おそらく、眼前のジッコは囮であろう。
ジッコへと向かった我々を強襲し、その多くを撃墜してみせる算段を付けているはずだ。
ならば、誰かが先陣を切って、その標的となる必要がある。
その攻撃がどの方向からなされたか、判別さえできれば、ミノフスキー粒子下で、距離を取って進撃してきた敵機の位置も特定できる。
(おそらく、新たな敵は太陽の光に紛れて攻撃してくるはず。頼むわよ、ハナ、キジノ!)
セイバーフィッシュ隊先鋒を務めるドリー隊隊長キナコ・ドリー中尉は、己の死を覚悟しつつも、生き残ることを諦めてはいなかった。
ミドリ隊を率いるハナ・ミドリ大尉と、ホロウチ隊を指揮するキジノ・ホロウチ中尉の実力を高く買い、彼女たちなら敵機の位置を素早く確認し、対応してくれると信じていた。
等しく両軍の兵科が、ミノフスキー粒子下でレーダーに頼れず、目視での戦闘を余儀なくされている以上、その戦闘方法は先祖返りする以外、やりようはないはず。
機動兵器の類は、旧世紀、第二次大戦までの、レシプロ航空機めいた戦法を用いて急襲してくると思われる。
ならば。
(敵機は、太陽のある方角より、その陽光に紛れて現れるはず!)
キナコ中尉はそう予想を付け、自ら先鋒を買って出て、敵機へと自機を。その機首を向けた。
自分の知識と戦友たちの確かなフォローさえあれば、生き残れる出目もあると。
「来ました! やはり太陽方向!」
「でかした! 回避!」
「左旋回! 第1目標へとミサイル発射! 続けて目標2へと向かう!」
キナコ中尉率いるセイバーフィッシュ隊のミサイル攻撃は狙いを外しはしなかった。
ジッコ補給艇本体にこそ着弾しなかったものの、複数の貨物庫を破壊。多数の遠隔武器の可動を停止させた。
!?
「何だとぉ!?」
「躱す!?」
「おおおっ!?」
キナコの賭けは当たった。
太陽方向からの急襲を警戒していた僚機がレオン・カメレー率いるザクⅡ小隊の姿を発見。ジッコ補給艇2機へと対し、射程圏外から撃ちっぱなしのミサイルを放ち、同時に回避行動に出たのである。
キナコ機の過去位置を、ザクマシンガンの弾丸多数が空しく通り抜けていく。
このセイバーフィッシュ隊先鋒の回避機動は、レオンたちの瞳にとって、まるで行動を見透かされ、先読みされたかように映った。
「ちぃっ! 位置を特定されたぞ! 後続のセイバーフィッシュ隊にもだ!」
「何だぁ? 敵方にエスパーでもいるのか?」
「そんな悠長なことを言っている場合か! 来るぞ!」
違う。
キナコ・ドリー中尉が学んでいた旧世紀の戦闘知識が、カメレーザクⅡ小隊の動きを読み切ったが故の必然である。
レオン・カメレー率いるカメレーザクⅡ小隊は、当初の楽勝ムードから一転。
一方的殲滅戦から、起動兵器巴戦への対応を余儀なくされた。
その一方、リュウガ・ミラー率いるミラーザクⅡ小隊とレパント級ミサイルフリゲート艦隊との戦いといえば、その様相はまったく異なっていた。
「ドリー隊、敵機位置確認!」
「そこか! ならば他の敵機は、こちらを十字砲火に捕らえる位置にいるはずだ! そちらを重点的に観測させろ!」
「了解!」
「全武装自由! まずこの戦闘で生き残らねば次はない! 撃ちまくれ!」
「…それで、敵機の位置は………なんですって!?」
「何事だ!?」
悲鳴を上げた通信士官の声に、レパント級艦隊旗艦ハルカゼの提督イナダが状況確認を求めた。一体、何がどうなっているのかと。
「そっ、それがっ、目視では20機近いザクⅡの姿が確認され………今、観測班がその詳細を………」
「対空砲火! 撃ちまくれ! 悠長に詳細など検討せんでもよいわ! 戦場では殺すか殺されるかだ! 怖気付くな!」
上擦った声を上げる通信士官に対し、ハルカゼ提督イナダはそう叱責した。旗下の部下たちに即時対応を迫る。
「はっ、はい! 全艦! 対空砲火! 一機でも多く敵機を迎撃してください!」
ハルカゼ、ソヨカゼ、ハルハヤテ各艦が、対空砲火を駆使して迎撃を開始。
レーザーポインターで捉えた敵機を、機関砲で次々と屠っていく。
しかし。
「手応えがない…欺瞞か!」
「全艦! 別方向から来るぞ! 持ち堪えろ!」
イナダ提督の指示は的確であった。ミラーザクⅡ小隊の一員、オディーン・ハヤシが欺瞞兵器のダミーバルーンを使用していると知らなかった以上、それ以上の対応は不可能であろう。
しかし、今一歩遅い。
敵方は、遅い対応に合わせてはくれないのだ。
その僅かな隙がレパント級ミサイルフリゲート艦隊の運命を決めた。
「ハルハヤテ爆散!」
「ソヨカゼ! 中破! 左舷へと傾き始めています!」
「耐ショック防御! 衝撃波来るぞ!」
欺瞞のダミーバルーンとは別位置から強襲に出た、ザクⅡサバイブ3機による集中砲火を受け、ハルハヤテが轟沈し、続いてソヨカゼが中破。航行不能の状態へと追いやられた。
ザクマシンガン両手撃ちに、副腕のザクバズーカ。脚部ミサイルポッドによる一斉射撃である。
ザクⅡ3機による、そのような苛烈な連撃。
さすがのレパント級ミサイルフリゲート艦も、そうそう耐えられる規模の連撃ではなかった。
随行していた武装民間艇がザクⅡ各機の迎撃に出るも、その照準は甘く、敵機を捉えはしない。
敵艦艇を翻弄するザクⅡ各機の回避能力は、旧態依然とした連邦軍とミリシア艦艇の追随を許さなかった。
過去に捕らわれぬ新戦法と新兵器の勝利である。
敵艦艇を翻弄し続ける、各部バーニアとアンバックを駆使したザクⅡ各機の回避行動は、新旧兵器の在り方の違いを見せつけ、ある意味、芸術的とさえ言えた。
「提督!」
「まだまだよ………メガ粒子砲、各ミサイル砲塔、前方ジッコへと照準! せめて、眼前の墜とせる敵機だけでも始末しろ!」
「了解! 全弾てぇえー!」
見事、その一撃はジッコ補給艇の1隻と、連結し運ぶ、多数の貨車状荷台多数を撃破。さらに、レパント級ハルカゼは主砲のメガ粒子砲を駆使。残り1隻のジッコ補給艇へと攻撃を仕掛けるのだった。
メガ粒子砲の直撃を受け、沈黙するジッコ補給艇。
この一撃によって、無人艇とに貨物庫からの遠隔攻撃の大半が途絶えた。
(ここまでか………)
「…全乗組員に退艦命令! 操縦桿をこちらに。艦砲、自動モード。艦長、君たちは生き残れよ。メイストームやリリーブラックに拾ってもらえ」
「提督………無念であります!」
「これが戦の倣い。勝つ者がいれば死ぬ者もいる………行け!」
「はっ!」
ハルカゼと傾くソヨカゼが、必死の弾幕を張り巡らせる中、未だ、リュウガ・ミラー率いるザクⅡ小隊は全機健在であり、着実にミリシア艦隊の戦力を削いでいく。
宇宙を駆けるザクⅡサバイブ3機はまさしく死神。
一方的に殺戮を繰り広げるミラーザクⅡ小隊は、レパント級ミサイルフリゲート艦のみならず、直鞍の武装民間艇複数をも次々と血祭りに挙げていった。
その最中、イナダ提督は旗下の乗組員たちに退艦を指示。
単身、ハルカゼに残る決断をし、迫りくる敵艦への特攻を部下たちに示唆した。
そう。
ハルカゼの遙か前方には、迫りくるチベ級シャドルーの艦影が見て取れた。
宇宙空間は大気中と違い、障害物、大気の揺らぎなどがなければ、かなりの遠方でも目視は可能なのだ。レパント級ハルカゼは、その高感度遠望装置により、チベ級シャドルーの艦影を捉えていた。
イナダ提督は、この危機にあって、あえて敵艦へと特攻を決断。
ハルカゼをザクⅡ小隊各機に追わせ、少しでもミリシア艦隊への被害を減らそうと画策したのであった。
イナダ提督の指示を受け、ハルカゼ、ソヨカゼより多数の乗組員が脱出艇スペースランチに乗り込み、乗り込めなかった者たちは脱出艇より伸びたワイヤーで引いてもらい、宇宙空間へと飛び出した。
「単艦での特攻か? だが、そうそう上手くいくと思うなよ」
多数の武装民間艇を撃沈したミラーザクⅡ小隊が、とうとうハルカゼへと狙いを定めた。
コロンブス級艦隊より新たに飛来したセイバーフィッシュ隊複数機が、果敢に迎撃に出るが、返り討ちにされる始末。
新たな光芒が輝き、連邦軍の戦士たち多数の命がその光の中で消えていく。
あまりに、ザクⅡサバイブは強力であった。
「諸君…すまん…すまん………」
セイバーフィッシュ隊の尊い犠牲で加速する時間を稼いだハルカゼは、メインエンジンとサブエンジンを最大限に駆使し、突出。特攻しようと試みる。
しかし、それは遂に叶わなかった。
絢爛舞闘
対空砲火を巧みに躱したザクⅡカガミリュウは、肩部副腕を展開。背部ウェポンラックより近接武器ドラグセイバーを掴み取り、イナダ提督の座乗場所である第一艦橋に急接近し、薙ぎ払う。
続く、脚部ミサイルポッドよりの連続弾被弾により、爆散、轟沈していくハルカゼの艦体。
(…武運拙く死に逝くか…すまん…先に地獄で待つ。諸君、どうか私の代わりにサイド4で救助を待つ、生き残りの民間人たちを助けてやってくれ………)
その最中、ノーマルスーツ姿で艦橋より投げ出されていたイナダ提督の切なる思いも、宇宙へと拡散し消えていくのであった。
サイファーミリシア艦隊は、これまでの戦闘で多数の艦艇、宇宙戦闘機、人員を失った。
しかし、ジオン公国軍機動突撃軍ナイト艦隊側は、無人のジッコ補給艇以外を喪失しておらず、出撃したザクⅡ12機全機が健在であった。
ジオン公国軍の誇る一つ目の巨人兵器は、あまりにも強力。
彼我の戦力差はあまりにも大きく、このままでは、ミリシア艦隊の全滅は遠くないように思えた。
殺し間とされた宙域で 7 へと 続く
正直、仮面ライダー、ウルトラマン、プリキュアは、量産され過ぎて追いきれていません。