Me163妖精が秋水を創り上げる迄の物語です。
某震電妖精の話を読んで書きたくなったのでここに書いておきます。

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未完成の秋水

私はKaiserreich Japanと言う国でMe163を作ると聞いてそれが本当なのか気になった、なってしまったんだ。

 

 

 

 

「Na dann werde ich gehen.」(それじゃ、行ってきます。)

 

そう言って、私はロリアンを出た。

 

遠い遠い同盟国、Kaiserreich Japan(大日本帝国)から来た潜水艦

「伊二十九」にひっそりと乗り込み、出港を待った。

 

暫く待っていると、バラストタンクに注水する音が聞こえてきた。

 

おそらく出港するのだろう。

 

スクリュー音が聞こえる、出港したみたいだ。

 

どうやらSingapur(昭南)を経由するようだ。

 

Singapur(昭南)に着くまで、眠るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴポポポポ

 

 

排水の音、そうか、昭南(Singapur)に着いたのか。

 

どうやら、ここからは飛行機と潜水艦で二手に分かれるらしい。

 

気分晴らしに、飛行機の方に乗ろう。

 

私は、空が好きなのでね。

 

たしか巌谷栄一といったか、この人は。

 

丁度いい、上着の中に隠れさせて貰おう。

 

今回乗る飛行機は…「零式輸送機」と言う機体らしい。

 

少し古い設計のようだが…大丈夫なのだろうか?

 

まぁいい、のんびりと飛行機旅を楽しむとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大日本帝国(Kaiserreich Japan)が見えてきた。

 

随分と時間が掛かったな、やはり機体が遅く感じるな…

 

着陸も下手だ、いや、滑走路が凸凹しているのか?

 

こんな所でMe163B(私の愛機)は着陸出来るだろうか…?

 

技術的な疑念も残る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本に着いて分かったのだが、私が乗って来た「伊二十九」が撃沈され、設計図が一部失われたようだ。

 

残ったのは機体の三面図と、ロケット燃料の成分表と、取扱説明書、燃料噴射弁の試験速報、中佐直筆の実況見分調書のみだった。

 

ここからJapanischerIngenieur(日本人技術者)が再現出来るだろうか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから暫く経った。

 

どうやら、「秋草」と言う滑空試験機の滑空試験があるらしい。

 

その「秋草」とやらは、懐かしい見た目(真紅)になっていた。

 

上手く行けばいいのだが…

 

 

 

 

 

 

 

それまた暫く経ち、「秋水重滑空機」と言う機体が作られ、試験飛行された。

 

遂に、エンジンと機関銃を載せるだけになった。

 

後は、特呂二号発動機(ロケット戦闘機の心臓)を組み込み、試験飛行をするだけだ。

 

まぁ、何処ぞの莫迦が燃料を減らすとか言っているが…

 

 

 

 

 

 

 

 

試飛行当日、全面オレンジ色の試作機カラーで垂直尾翼に白い縁取りの日の丸を描いた秋水は飛行場に引き出された。

 

ここで、整備分隊士によって車輪投下実験が入念に行われ確実に作動することが確認された。

 

だが午後2時に予定された発進はエンジンがかからず再整備のために遅れた。

 

翌日延期も検討されたが、犬塚大尉の決心は固く、試運転は続行された。

 

午後4時55分、滑走を開始。

 

翼を持ったまま10メートルほど秋水と一緒に走って廣瀬大尉は手を離した。

 

滑走距離220メートルで離陸。

 

高度10メートルで車輪投下、しかし連動しているはずの尾輪が上がらず、機体は角度45度で急上昇に移った。

 

試飛行成功かと思われた瞬間、高度350mほどのところで突然尾部から噴出する炎が黒煙となった。

 

やはりか…

 

異音とともにエンジンが停まった。

 

エンジン停止後余力で150mほど上昇し、将校(廣瀬大尉)の指示により東京湾には本牧あたりまで救助艇が用意されていたものの、不時着水せずに右旋回、滑走路への帰投コースをとり始めた。

 

「動けッ!動けってんだよッ!」

 

エンジンの再起動が二度試みられるも果たせず、甲液の非常投棄が始まった。

 

しかし投棄はなかなか進まず、第三旋回時点の高度は充分に高かったが、その後の沈下速度がはやく高度を失った。

 

「最早ここまでか…ならばせめて捲き込まぬようにせねば…!」

 

残留甲液による爆発を懸念したのか、この機体の操縦士(犬塚大尉)は沢山の見学者が見守る滑走路を避け脇の埋め立て地への不時着を目指した。

 

それが第四旋回の遅れとなり失速気味となりながら滑走路手前の施設部の建物を越そうと機首上げ、右翼端が監視塔に接触。

 

そのまま追浜飛行場に隣接していた鷹取川で反跳し、飛行場西端に不時着大破した。

 

残留甲液によるもうもうたる白煙が発生したが、消防車による放水と同時に整備分隊士たちが犬塚大尉を操縦席から救出した。

 

意識のあった犬塚大尉(相棒)はすぐさま鉈切山の防空壕へ運ばれた。

 

おい!しっかりしてくれ!

 

共に何度も試験飛行して来たじゃないか!

 

私を…おいて行かないでくれ…

 

犬塚大尉(相棒)頭蓋底骨折のため翌日未明に殉職した。

 

事故の原因は燃料タンクの構造上の問題であった。

 

秋水は発進後仰角を大きく取って急上昇するが、燃料の取り出し口はタンクの前方に取り付けてあった。

 

試験当日は燃料をタンクの1/3しか積まなかったため、上昇する際に燃料がタンクから吸い出せなくなり、エンジンがストールを起こしたと結論付けられた。

 

Me163B(私の愛機)も飛行中に同様の支障が出ることがあった。

 

またエンジン不調のため長時間試運転が続けられ、燃料が不足していた可能性も搭乗員達の間で指摘されていた。

 

ただちに試作二号機の製作が始められたが、肝心のエンジンが試験中に爆発して失われてしまったために頓挫した。

 

その頓挫した試作二号機のコックピットを見てみると、私の同族(妖精)が眠っていた。

 

起こしてみよう。

 

お~い、起きろ〜

 

「ん…ふぁぁ〜…誰?」

 

起きたようだ。

 

「私は…そういえば名前無いな…」

 

「別に機体名で良いんじゃないかな~」

 

 

 

その後生産2号機(三菱第302号機)がキ200として千葉県柏飛行場の飛行第70戦隊へ運搬され、荒蒔義次少佐はロケットエンジンを使う前にまず重滑空機で飛行特性をつかむ試験を行っていた。

 

ロケットエンジンを搭載すれば飛行可能となる状態が維持されたまま開発は続けられたが、エンジンは完成せず、最後まで動力飛行を行うことは無かった。

 

第二次世界大戦は、連合国側の勝利で終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時は経ち「深海棲艦」と言う人類共通の敵が出没し始めた。

 

どうやら、「艦娘」と言う軍艦の魂を人型に落とし込んだ自律型兵器が鎮守府で動いているらしい、私には関係無いが。

 

「君達は…「Me163(コメート)妖精」と「試製秋水妖精」だね?」

 

どうやら、私達の事がはっきりと見える人のようだ。

 

「そうだけど…何か?」

 

「君達の力が必要なんだ、助けてくれ!」

 

「…条件は?」

 

「君達のそれぞれの機体を用意しよう、その代わり、「秋水」を作ってくれないか?」

 

「…どう思う?」

 

「いいんじゃない〜?」

 

「そうか、なら、取引成立だ。」


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