ブルアカに刀使う二次創作ないな……せや! で生まれた短編小説。
同時期にSAKAMOTO DAYS読んで「篁さんやべぇ……」と感化された結果、篁さんっぽいナニかをぶち込みました。
最初は普通にクロスオーバーでも良いと思ったんですが、篁さんの狂気は再現できなかったよ……
既にやってる人いるかもしれません。ていうか居ました。
再三注意しますが、オリキャラなので篁さんではありません。もし苦手な方はブラウザバック推奨。
それは唐突だった。
何時ものようにシャーレで殺人的な業務をこなしている最中、"シッテムの箱"に対策委員会のアヤネから救援要請が入ったのに気付いたのが切っ掛けだった。
これ幸いと、業務から逃げるようにしてアビドスに向かえば、砂漠でビナーが現れたので対処して欲しいとのこと。
生徒からのSOSを断る事はしない。ついでに仕事からも*1解放される。
私はシッテムの箱を起動し、生徒達の指揮を取る。
それからビナーを倒して、皆でいつものように笑い合って、それで終わるはずの一日だった。
──だった筈なのに、
“えっと……”
「……」
“……あ!な、何か飲む? ずっと砂漠に居たから喉乾いてるでしょ?”
「……」
“う、うーん……どうしよう……”
「……」
“ホシノ…ユメ……早く帰ってきて……”
まさかこんなことになるなんて、思ってもいなかった。
──────
────
「あああああもうっ!!毎度毎度しつこいのよ!」
『──っ! ッッ!!』
「おおーセリカちゃん大奮戦だね~」
「ん、私も負けてられない」
「援護は任せてください♪」
超巨大な大蛇と鯨が混ざったような形状をしており、数十年前にアビドス自治区の砂漠にて初めて目撃され、現在までたびたび目撃例と交戦が続いている。
対策委員会と戦闘になるのは最早数えきれず、ここまでくれば
勿論それにかまけることなく、常に相手の動向を見てはいるが。
対策委員会の攻撃が次々とビナーに刺さり、声にならない悲鳴を上げているように見える。
動きは鈍化し、撃退まであと少しという所まできた。
“皆、あともう少しだよ!! 頑張って!”
「うへぇ~、そこまで熱烈な応援されちゃあ頑張らないわけにはいかないよね~」
『っ!?』
苦し紛れの熱光線を放つ、が。
シールドを装備したホシノが皆の前に割り込み、傾ける事で最小限の労力で矛先を逸らした。
間髪入れずに散弾銃で追撃を掛け、皆もそれに続く。
どちらが有利かは目に見えていた。
しかし慣れというモノは怖い。
それは人の心に慢心を生む。
『──ッッ!!』
「きゃあ!? こ、こいつぅ!」
『セリカちゃん!!』
絶え間ない銃撃から逃れるようにビナーが無理矢理砂中へと潜り込み、その時に生じた衝撃でセリカが足をもつれさせた。
初めてビナーと戦った時なら、こんな事にはならなかっただろう。得体の知れない存在と相対する時、人は極度の緊張状態になる。だからこそ敵の一挙一動を細かく見て、的確な行動に移せる。
自分達は預言者達との戦いに慣れすぎた。
相手は自律思考型高性能AI、人のように状況を判断し都度修正を加えて成長する。その認識が彼女には外れかかっていたのかもしれない。
尻餅を突いたセリカに自動追尾型ミサイルが発射される。
シロコとノノミが超人的な速度でそれらを撃ち落とすが、爆風が彼女らを襲う。
アヤネの悲痛な叫び声が聞こえた。
“セリカ、下だ!!”
「くっ…!?」
先程潜ったビナーが、砂中からセリカに食らい付こうと飛び出す。
それを間一髪で避けるが、その際に足を挫いてしまったらしく、苦悶の声が聞こえる。
“っホシノ、セリカの回収急いで! シロコは撹乱ノノミは援護で注意を引き付けて!”
「了解です!」
「ん、任務を遂行する」
ノノミが持つミニガンによる射撃がビナーの注意を引き、シロコがそこに合わせる事で選択できる行動を制限する。
その隙にホシノがセリカを回収した。
「セリカちゃん、油断しちゃダメだよ?」
「それはっ……う、ごめんなさい…」
「うむ、許す」
思わず言い訳を口にしようとしたが、直ぐに自分の非を認めた。
可愛い後輩の返事を聞くと、へにゃりとした笑みを浮かべる。
それを確認したシロコとノノミが戻ってくる。どうやら相手の抵抗が激しく、離脱するしかなかったようだ。
改めて全員が揃った状態でビナーと相対する。
ビナーは酷い興奮状態にあるようで、怒りか将又焦りからか身体を震わせている。
そして次の行動が最後を決める一手になることを両者が自覚した。
ビナーは賭けに出た。
これで決めると言わんばかりに口を大きく開き、そこに眩い光が収束していく。
本能的にまずいと悟った一行は攻撃を中断させようと集中砲火を行うが、ダメージを受けるのを承知でやっているらしい。止まる気配がない。
『高エネルギー反応確認!どんどん大きくなってます!』
「ちょ~っと不味いかもねぇ……」
“みんな、行ける?”
「勿論」
「ん、死なば諸共」
「わぁ、熱い友情ですね♪」
「勝手に殺さないでよ!? 私は死なないわよ!」
何時もよりかなり大規模な攻撃。威力も比ではないだろう。ホシノのシールドで受けきるのは難しい。
最悪全員でゲリラ戦に持ち込めれば被害は最小限に済むけど、後方支援が主なノノミでは他の3人の速さについていけないかもしれない。
その場合自動的にノノミがタンクとしての役割を背負ってしまうが、それまでに倒す若しくは攻撃を中断出来るのが理想。
だが理想は理想で置いておかなければいけない。しかし生徒が傷付くのは看過できない。
後でホシノ達に怒られるかもしれないが、最悪の場合“大人のカード”を使うことも考え、懐に手を入れようとした時────
「摩訶般若波羅蜜多心経」
(“……? 今のは……”)
一瞬何か聞こえた気がしたが、みんなの声で直ぐに意識を引き戻される事になる。
「な、何が起きてるの!?」
『ビナーが……!』
セリカとアヤネが愕然としたように言う。
それに我に返れば、しんじられない光景が目の前に会った。
それはノノミも同様で、シロコに至っては何時ものクールな表情が嘘のように感情を押し出していた。
目の前で倒れる──いや、頭の天辺から真っ二つに両断され崩れ落ちていくビナー。
圧倒的質量が砂漠の砂を巻き上げ、さながら津波のようだった。
“みんな離れて!! 巻き込まれる!”
どの生徒よりもいち早く自分を取り戻し指示を出す。それに皆思い出したように迅速に動く。
幸い見た目程規模は大きくなかったようで、咄嗟にホシノに抱えられた状態でも避けきる事が出来た。
「うへぇ~、危ないところだったね先生」
“あ、ありがとうホシノ。助かったよ”
「なぁに、おじさんに任せときなって。お礼はほっぺにキスでも良いよ?」
“ホ、ホシノ!?”
「ん、先輩ズルい。先生は私ともキスするべき」
「何言ってんのよこんな時に!!?」
「わぁ!シロコちゃん大胆ですね☆」
『み、皆さん落ち着いて……』
抱えられた状態で口をヒヨコにしながら、そんなことを言われてしまうので思わず赤面する。
一体何処でそんな事覚えてくるんだろう……
それに便乗するようにしてシロコまで近付いてくるので手がつけられない。シロコはホシノの違って"
そしてそれを赤面しながら羽交締めにするセリカ。
いつもの変わらない様子に少しだけ安堵し、皆冷静さを取り戻していった。
『ぜ、前方に生体反応確認! 誰か居ます!!』
アヤネからの通信で弾かれるようにして顔を上げると、未だ砂埃が立ち込める景色に、1つの影のようなモノが見えた。
高さは180cmを越えていて、恐らく自分と同じかそれ以上。
世間一般で言う"大人"に近い体躯だ。身長こそ自分と変わらないが、体つきは相応に良い。自分が過去に密かに追い求めた理想形でもあった。
突如としてアビドス砂漠に現れたイレギュラー。
この人影が下手人かは分からないが、それでも途方もない力を有しているのは言うまでもない。
「うへぇ~……いきなりで悪いんだけど、君は一体どこの誰かな?」
ホシノは口調こそ穏やかにしているけど、ショットガン──『Eye of Horus』を構え、照門と照星を繋ぎ覗き込む目は鋭く細められていた。
一切の誤魔化しや反抗は許さないと言ったように、威圧を込めて聞く。
だけど人影はそれに応えるどころか、その場からピクリとも動かない。一瞬人の形をした岩や瓦礫かと思ったけど、感覚の鋭いホシノ達が無機物と間違える筈もなく、その思考を振り払う。
「……うへ、早く答えた方が身のためだよ~」
“ホシノ、落ち着いて……んん、質問を繰り返すようでごめんね。私はシャーレの先生。もし良ければ名前を聞かせてもらえるかな?”
少しだけ警戒度が上がった様子のホシノを宥めて、自分も質問する。
だけど、変わらず沈黙が帰ってきた。
それに他の対策委員会のみんなも不信感を露にして、引き金に掛ける指に力が入る。
不味いかもしれない。相手に交戦の意思があるかは分からないけど、もし戦闘になれば只ではすまなさそうな気配を感じる。
ビナーを両断する実力。最悪戦闘なった場合、自分を囮にしてでも逃げてもらわなければならないかもしれない。
「「「“っ!”」」」
風が吹き荒れた。
それと同時に視界を覆っていた砂埃が一気に晴れる。
皆が何時でも撃てるように銃を構える。
「……ぇ」
だからこそだろう。
そんな気の抜けたような声がしたのが信じられなかった。
その場にいた全員が振り返った。
“……ホシノ?”
「せん……ぱい?」
ホシノだ、しかし何やら様子がおかしい。
いつもはふにゃりとしていて眠たそうに閉じている目を限界まで見開き、黄と青の瞳が激しく揺れ動いていた。
明らかに尋常ではないその姿に、何を見てしまったのかと砂埃が消えた視界をよく凝らして見る。
人影は男だった。
体躯は目測で180程、俯いている為表情は窺えない。よれて摩れたような色のスーツを身に纏い、それは草臥れたサラリーマンを彷彿とさせた。その手には棒状のモノが握られている。
何かと思えば持ち手の直ぐ下に柄があり、それが世間一般で刀と呼ばれるものであるのに気付く。
まさかアレでビナーを切ったというのか、冗談だと言って欲しい。
武器の性能を超えた攻撃なんて、アニメや漫画だけの話だと思っていた。いや、キヴォトスにおいてその認識は常識はずれなのだろうか。
それにしたって、例外過ぎる。
一際目を引くのは、輪郭・形状のハッキリしないボヤけたヘイロー。ヘイローはキヴォトスに於いて生徒にしか発現しないもの。故に、それは目の前の男が生徒である事の証左に他ならなかった。
しかし対策委員会を驚かせた要因はそこだけでなかった。
スーツの胸ポケットにクリップで留められた証明カード。
そこには三角形の中心に据えられた太陽──アビドスの校章がプリントされていたのだから。
「あれは……アビドスの校章!? でもなんで……?」
「……まさか新入生?」
「そんな訳ないでしょ!? それにあんなゴツい後輩なんて嫌なんだけど!」
違うそうじゃない。
その場にいる全員がズレた事を言うセリカに苦笑する。
するとインカムにノイズが走り、繋いでいた通信の向こうでアヤネの声がした。
『先生』
“……アヤネ?どうだった?”
『……すみません。此方にも、今年度の入学希望者の情報は見つかりませんでした。というより、そもそもゼロでした……』
“は、はは……”
向こうで別の意味で項垂れてるのが簡単に想像出来て、乾いた声しか出ない。
どうやら当ては外れたらしい。
件の人物はその場から動くことはなく、ただひたすらに佇んでいる。
新入生でもないのだったら、もしかしてコスプレなのかな?
そんなことを考えた次の瞬間──
「せ、んぱい……先輩ッッ!!」
「ちょ!?」
「ホシノ先輩!?」
『危険です! 離れて!!』
“ホシノ!!”
いっそ不気味な程に口を開かなかったホシノ。
それが弾かれるようにして目の前の男に近付いていく。
突然の行動に隣に控えていたシロコですら反応できず、男への接近を許してしまう。
得体の知れない存在、最悪の状況を想像してしまい、届かないのを構わず手を伸ばした。
「「「“え”」」」
──そしてそのまま流れるようにして抱き付いた。
男は変わらず立ち尽くしていた。
先輩くん(仮称)
…何らかの因果でユメパイの代わりにお亡くなりになっちゃった人。でも何故か遺体は見つからず、血溜まりと身に付けていた遺品が激しく損傷していたことから暫定死亡となる。
生徒会事務局長(会計みたいなやつ)をやっててお金にうるさい。無駄な事はしないが、ノリが悪い訳ではない。
刀での戦闘スタイルは昔からで、曰く「弾の費用削減になるから」。尚ユメパイとホシノのアホコンビが過剰にブッパするのでプラマイマイナス。
先輩はキレた。
強さはホシノ>先輩≫ユメくらいで、基本的に勝ち星はホシノが上。特定の条件下(閉鎖空間)なら滞りなく制圧出来るらしい。
今のような化物染みた強さは持っていなかった。
ホシノ
…言わずと知れた先輩大好きウーマン。好感度はユメ≧先輩くんくらい。だけど別にそこまで露骨に差はない。
よくユメとバカをやるので、一度だけ先輩くんをガチギレさせた。曰く「人生で初めて泣いた、本当に怖かった」とのこと。因みに先輩くんは激情家ではなく理詰めで来るタイプらしい。
先輩くんからは弾薬の事で度々お小言を貰うが、ちゃんと学校の事を考えての発言しかしないので最終的には反省する。スキンシップはユメと比べて控えめだが、割と一緒にバカやったりもする。
ユメ同様かけがえのない先輩として見ている。
先輩が死んで(ない)、血に濡れた遺品だけが残された現場を見て例の曇り顔を見せた。
ユメ
…金銭管理の甘さと騙されやすい性分について先輩くんに度々詰められる。ホシノと同じくガチギレされた時には「本当に怖かった、少しだけ漏らした」と乙女の尊厳をかなぐり捨てるような発言もしている。
(それの処理をしたホシノが新しい扉を開きかけたのは別の話……)
それでも転校せずに身を粉にしてお金を稼ぎ、暴力団や企業の圧力から学校を守ってくれた人で、ユメに取ってホシノと同じくかけがえのない人として見ている。
訃報を聞いた時には一番泣いた。だけど先輩くんの意志を絶やさない為に誰よりも早く復帰する。
でもホシノの状態を見てまた曇る。
多分続かない
連載にする場合、ストーリー終了後の日常回かストーリーにガッツリ絡ませるか
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日常回
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ストーリー