家入成り代わり(但し夏油傑は存在しないとする)   作:春さん

5 / 14


☆コイツも激重なのかよ──────!


いやまあですよねそうなりますよね知ってた☆







本編をギャグにしたいのに出来ないのはなぜ????










(推定)呪詛師になった家入成り代わりだが、棄てた(仮)五条悟と電話することになったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

家入が五条悟の連絡先を入手して来て欲しいと部下に命令してから1週間が経った頃。

ようやく家入に報告が上がってきたようだ。

 

«五条悟の連絡先を入手しました。

 ⇒080-☓☓☓-☓☓☓»

 

家入は報告が上がった瞬間に指紋認証でスマホのロックを開いてメールで部下宛に «ありがとう、助かった» と送る。

 

五条に電話をするのも羂索の指示だ。

 

 

(あー、…めんどいなあ)

 

 

そう思いながらも部下から入手した五条の電話番号だと思われる番号に非通知で掛け、そして__

 

〈もしもし。早速で悪いがオマエ誰?ってかなんで僕の携帯番号知ってんだよ〉

 

__捲し立てるように言う五条悟と繋がった。

 

 

家入に似せた声質に性格と五条の声。

家入が知っている呪術廻戦の原作とは全く違い思わず笑ってしまう所だったが、寸前で口元を手で覆い隠しどうにか留まったようだ。

完全に原作ブレイクしていることが判明してしまったが、これで本人の確認が取れた。

この声は明らかに五条本人の声だろう。

 

「おひさー、五条」

〈......しょうこ?〉

 

電話越しでも驚愕していることが判る。

(まさか本人から電話掛かってくるとはさすがの五条でも思いもしなかったろ)と思う家入。

──大正解である。

 

〈いま、どこにいる〉

 

泣きそうなのに動揺したような、歓喜しているのに疑心を持っているような__そんな五条の声とは反し、家入は口が軽くなったように自分の現在位置を示した。

 

「渋谷。買い物しにきてる」

 

〈渋谷のどこだ〉

即座に返ってくる返答。

 

「昔の口調が出てるよ?五条」

 

クスッと笑う家入に〈...............何処だっつってんだよ〉と苛々したような声。

 

 

「さぁ。それは自分で探しな、五条。五条なら私を容易に見つけられるだろ?」

〈__伊地知、今予定ができた。すまんがこれからの予定速攻で終わらせるから全速力で車を走らせろ!!!〉

遠く(恐らく前の座席だろう)から〈はい!〉という聞き慣れた声と共にブチッと電話が切れる。

 

 

 

 

「…………成長してたなぁ…五条」

 

 

 

 

ポツリ、と公園のベンチに座りながら家入が呟く。

 

前までの五条悟…いいや、原作の五条悟ならば術式の応用をして一人で呪霊の任務を祓ったりしていただろう。

前までの家入硝子(わたし)が知っている五条悟でも、誰かに頼ったりせず自分一人の力でどうにかしようとしていた。

 

__けれど、今の五条悟は周囲(仲間)を頼っている。

一人で突っ走ったりしなかった。最強でも、仲間を頼っていた。

 

 

 

 

 

 

青い青い高専時代。

五条と仲良くなってから暫く、家入は五条に仲間に頼ることの強さを説いていた。

 

 

 

“そういえば五条ってなんでも一人でやりたがるよな”

 

 

 

“…当たり前だろ。なんせ俺は最強だからな”

“一人だけじゃできないことだってあるぞ、五条”

 

“ハ、過言だね。俺だけいればどうとでもなる”

“……それは本気で言ってんのか”

 

 

“本気じゃなかったらどうなんだよ”

 

 

“…ハァ。あのな五条。五条が本気でこの世界一人一人を守れるんだと豪語するなら__私は五条をバカだと言わざる終えないな”

“はぁーー??”

 

“例えお前でも体一つだったら同時に起きたことを対処できないだろ。”

“いやできるし。さっさと終わらせて次行けばいい話だろ”

 

“それは五条のいう雑魚だったらって話だろ?私が言ってるのは五条の敵が五条の力だけを防げるような敵だったらどうすんだって話”

“…そんな呪霊いると思えねぇよ。”

 

“だったら__天与呪縛ならどうだ?”

 

“天与呪縛…あぁ、生まれながら肉体に強制された「縛り」か。”

“それだ。それで五条悟に対してのみ防御ができる人間が縛りだとしたらどうだ?”

 

“…それは”

 

“五条悟が行かなかったら助けられない任務なんて山ほどあるだろ?まずそれが遅れて助けられなかったらどうする”

“……じゃあどうすればいいんだよ”

 

 

 

“周りを頼れば良い”

 

“!!”

 

 

 

“天下の五条悟様がどうしても頼るって言うなら?誰でも動くだろうな?”

“…それは、硝子も同じかよ”

 

 

 

“……マ、五条が困ってどーしても助けてって言うなら?助けてもいいな”

 

 

 

回想していた過去のことを頭から消す。

それもこれも全部すべてとは言わないが五条が変わったのは私が矯正したからだと思っても良いのだろうか。

 

「…なんてな」

 

家入硝子に成り代わった■■は原作の家入が吸っていたであろう煙草を咥えた。

 

口の中が苦くてたまらない。

いつ吸っても一日一回煙草を消費できないし習慣にはなれない。

 

" 私 " は苦いものが大嫌いなのになんでこんなことをしているのだろうか。

いや、違う。

私は家入硝子なのだ。家入硝子になったから、私は此処にいれる。家入硝子という人物として、存在できる。

 

__家入硝子に成ったのなら、キャラは家入硝子のままに。

 

全部硝子さんのような人生を送らなければと思って人生の大半を家入硝子に成れるようにした。

小学校も、中学校も、ぜんぶ。

 

でも、家入硝子は私の中にしか存在しない。

今演技している家入硝子も、原作の家入硝子さんになれているのかすらわからない。

だって、人物としてそこに家入硝子は存在しないのだから。

 

 

 

あぁ。

 

 

やっぱり私が家入硝子になり切るのは難しいよ、家入さん。

 

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

「次ある?」

「はい!」

 

 

僕は今…たぶん五十軒目__くらい__の任務を着々と進め呪霊を祓いに祓っている。

 

 

それは__5分前、伊地知からの任務を何十件着々と熟している時に電話が来たことから始まった。

 

__プルルル、プルルル、プルルル。

 

今の平成の時代に非通知からの電話。

普段の僕だったら出なかっただろう。なんせ顔も声も知らないかもしれない電話だ。

けれど、その時の僕はなにか本能的に予感をしたのか、その電話を出た。

 

「もしもし。早速で悪いがオマエ誰?ってかなんで僕の携帯番号知ってんだよ」

 

数秒間の沈黙。

また口を開こうとして__

 

 

 

 

〈おひさー、五条〉

 

 

 

 

なつかしい、こえがした。

 

「......しょうこ?」

 

声が震える。

一瞬脳に偽の家入硝子なんじゃないかという疑問があったがそれも杞憂であった。

 

心臓が、身体が、僕の魂が、この声を家入硝子だと云っている。

 

証明はそれだけで十分だ。

 

「いま、どこにいる」

〈渋谷。買い物しにきてる〉

「渋谷のどこだ」

〈昔の口調が出てるよ?五条〉

 

軽く言う家入に「...............何処だっつってんだよ」と思わず苛々とした低音の声が出てしまい伊地知のヒィっとした声が聞こえた。一瞬ミュートにして「ごめん」とだけ謝った。

 

でも五条が苛々とした声が出るのも当たり前だろう。

五条は家入本人から電話が掛かってくるなんて思いもしなかったのだ。

何年ぶりだと思っているのだろうか。呪詛師 家入硝子としての対面をカウントしないならば会っていない期間はもう年単位である。

 

〈さぁ。それは自分で探しな、五条。五条なら私を容易に見つけられるだろ?〉

「__伊地知、今予定ができた。すまんがこれからの予定速攻で終わらせるから全速力で車を走らせろ!!!」

「はい!」

 

携帯の通話を適当に切り、自分が座っている後部座席のシートカバーに乱雑に捨てる。

あと数件で硝子に会えるのだ、楽しみ以外に感情があるだろうか?

 

もしかしたら罠かも知れないという声が脳内に浮かび上がる。

けれど、罠でもよかった。だって罠でも硝子と会えるのは嬉しいことだから。

__それに。例え罠だとしても、僕ならなんとかなると確信できる。

 

だって僕は呪術界最強なのだから。

 

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

高専時代。

 

 

 

“そういえば五条ってなんでも一人でやりたがるよな”

 

 

 

“…当たり前だろ。なんせ俺は最強だからな”

“一人だけじゃできないことだってあるぞ、五条”

 

“ハ、過言だね。俺だけいればどうとでもなる”

“……それは本気で言ってんのか”

 

 

“本気じゃなかったらどうなんだよ”

 

 

“…ハァ。あのな五条。五条が本気でこの世界一人一人を守れるんだと豪語するなら__私は五条をバカだと言わざる終えないな”

“はぁーー??”

 

“例えお前でも体一つだったら同時に起きたことを対処できないだろ。”

“いやできるし。さっさと終わらせて次行けばいい話だろ”

 

“それは五条のいう雑魚だったらって話だろ?私が言ってるのは五条の敵が五条の力だけを防げるような敵だったらどうすんだって話”

“…そんな呪霊いると思えねぇよ。”

 

“だったら__天与呪縛ならどうだ?”

 

“天与呪縛…あぁ、天与呪縛か。”

“五条悟に対してのみ防御ができる人間だったらどうだ?”

 

“…それは”

 

“五条悟が行かなかったら助けられない任務なんて山ほどあるだろ?まずそれが遅れて助けられなかったらどうする”

“……じゃあどうすればいいんだよ”

 

 

 

“周りを頼れば良い”

 

“!!”

 

 

 

“天下の五条悟様がどうしても頼るって言うなら?誰でも動くだろうな?”

“…それは、硝子も同じかよ”

 

 

 

“……マ、五条が困ってどーしても助けてって言うなら?助けてもいいな”

 

 

 

周りを頼るなんて選択肢、当時の僕にはなかったから頭をガツンと殴られたような衝撃だったのを覚えている。

あのときの衝撃は、今でも忘れられない。

 

 

一人で最強、一人だから最強。

隣なんて必要ないほどに完成しきっている。

 

まぁ、一人は寂しいから。

 

きっと隣に硝子(同級生)がいて…言い合える友達がいて安心してたよ、僕は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__原作よりも、孤独じゃなければそれで良い。

 

 

 

 

 

 

 

(家入硝子)に頼るのが、夏油傑(もう一つの枠)がいないからだとしても。(夏油傑)の代わりの存在として私が存在しているしても。対等な力の存在がいないから私が同級生として隣に立ってしまっているとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

(五条悟が今幸せに暮らしているのであれば、私は十分だよ)

 

" 私 " は目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__家入硝子がいれば五条悟()にとってその他は有象無象だ。

 

 

 

 

 

 

生徒と後輩には申し訳ないけど今までだってそうだし、家入硝子がこの世界に存在している限りこれからもそう思い続けるだろう。

 

そして、それに納得している僕もいる。

 

だって僕は硝子に教えてもらったから。

慈しみなんて感情は外面(うわべ)に過ぎない。

尊敬されているなんて言われてもどうも思わない__いや、正確にはどうも思えないのだろう。

 

僕の願いは。

硝子がいて、僕がいて、ついでに夜蛾センがいて、三人で笑えるなら、それでいいだけなのだ。

 

 

 

(__あぁ。難儀な物だな、僕も。)

 

 

 

 

 

 

 

 

嗤えるほどに、重たすぎる感情だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

成り代わり家入硝子は判っていない、理会していない。

 

 

 

" たった一人の同期の言葉だから "

 

 

 

その一身で硝子の言葉を聞いてきたということを。成り代わりの家入硝子が家入硝子に成ったからこそ五条は家入の言う事を聞いてきたということを。非術師を守るという信条を掲げた発端が家入本人だということを。夏油傑の立場を入れ替えただけだと思っている家入硝子の言葉が、どれだけ五条悟に影響力を及ぼしたのかを。

 

 

 

 

 

───家入硝子はまだ、知らない。

理解すら、出来ていない。

 

 

 

 

 

 

 




















(これから引き起こすことで少しでも変化することを願ってるよ、五条悟)

 



 
そう〝誰か〟は、わらった。








次回投稿日は11月20日(水曜日)です。
次回、ついに五条が家入を……?

やるならどっち?

  • 家入成り原作世界転移
  • 原作五家成り世界転移
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。