自由と解放のために   作:風ノ華

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あとがきに主人公の設定で明らかになったものを書いていきます。
出揃った時点と、気は早いですが2年後の時点で設定の1話をいれます。


第02話「【黒龍】のクロト」

 無事進水式を終えた一行は部屋へと戻りそれぞれがクロトへと簡単な自己紹介を済ませた。

 

 船長:ルフィ、戦闘員①:剣士ゾロ、航海士:ナミ、嘘つ…狙撃手兼技術職:ウソップ、コック兼戦闘員②:サンジ。

 

 四つの海の中では一番弱小の海とはいえ東の海で名を轟かしていた【道化】のバギー、【百計】のクロ、【首領】クリーク、【ノコギリ】アーロンと事如くを破って、更にはローグタウンにて海軍本部大佐・白猟のスモーカーから無傷で逃げ切った実力は小数ながらも精鋭だといえる。

 

「ならば俺ももう一度名前からいこうか。名前はクロト、生まれは知らんがグランドライン育ちで現在賞金首の冒険家だ」

「ルフィに続いて二人目の賞金首ってことね。で、いくらなの?」

「聞くと多分後悔する事になるぞ?」

「それってどういう…【クロト】?確かその名前ちょっと前に見たような…」

 

 聞き覚えのある名前にナミは思い出そうと頭をひねる。

 

「これのことじゃねぇか?」

 

 ゾロはテーブルの上に置かれたクロト宛てに届けられた今日の新聞のうちの一組をとってナミへと見せる。

 グランドライン用のそれの見出しにデカデカと書かれていたのは【大佐へと降格処分!?海軍本部准将ベリーグッド 黒龍のクロト懸賞金増加】という文字。

 更に新聞に挟まれていたのだろう一枚の手配書が落ちてきた。

 ウソップがそれを拾い上げ、そして手配書とクロトの顔を見比べると顔を青ざめさせ震える手でそれを皆へと見せる。

 

 

*************************

【黒龍】のクロト

賞金額:二億五千万ベリー

DEAD OR ALIVE

*************************

 

 

 写真は取られなかったため載っているのは昔のままのものだが金額が数千万ベリー上がっていた。

 

「あぁやっぱり上がったか…」

「『上がったか…』じゃないわよ!何なのこの額、ルフィの八倍以上あるじゃないの!?」

 

 ナミはクロトの肩を掴みガクガクと揺らす。

 それに対してクロトは心外だと言わんばかりに不満顔になる。

 

「失敬な、元は七倍だったんだぞ」

「そういう問題じゃないでしょ!?ルフィ、コイツやっぱり船から降ろしましょう!グランドラインにもまだ入ってないのにこんな早くから海軍本部に目をつけられちゃたまったもんじゃないわ!!」

 

 億超えの賞金首ともなれば海軍本部も黙っているわけがない。ただでさえローグタウンからの出航の際にも海軍に追われたというのに、グランドラインに入ってもいないこんな序盤の海から危険な目にあいたくないと判断したナミはルフィに進言した。

 

「くそ~~~、クロト!おれもすぐにお前を追い抜いてやるからな!!」

「こんなガキの頃から賞金首だったのかテメェは…」

 

 だが、肝心の船長はそんな彼女の心配事は気にも留めず、単純に自分との手配額の差に悔しがっている様子で降ろすつもりはさらさらなさそうに見える。

 ゾロやサンジにしてもせいぜい写っている写真の年齢に驚いてるくらいだ。

 

「楽しみに待ってるよ。そうだ、強くなりたいなら今度一度手合わせしてみないか?ゾロやサンジ、ウソップもどうだ?」

 

 ルフィとゾロは強くなることに貪欲で二つ返事で勿論と答え、サンジは少しだけ渋っていたが仲間を守るために強くなって損はないぞと耳元で呟くとメラメラと燃え上がり『ナミさんはおれが守る!!!』と二人以上のやる気を見せた。

 唯一ウソップだけは『お、おれは遠慮しておく』とあからさまな拒否を示したが、これからの冒険のためにも必要だということで無理矢理付きあわせることにした。

 

 

 

 

「ナミ、グランドラインに入る前にこれを預けておく」

 

 お気楽船長達には何を言っても無駄だとようやく諦めたナミにクロトが袋から何かを手渡す。

 

 伏した状態でジトッとした目でクロトを見たが、受け取ったものが不思議なものだったために体を起こしてまじまじと見る。ガラスの球体にてっぺんから何かで吊るされた針は一定の方向を示している。

 

「何これ?羅針盤にしては字盤が何も記されていないけど?それに北を指してないけど…壊れてるの?」

「何だ知らなかったのか?グランドラインでは他の海と違って磁場が常に乱れていて通常の羅針盤は使い物にならないんだ。そのためにそのログポースと呼ばれるそいつに島ごとが持つ磁気を覚えさせて航海するんだ」

「へ~」

 

 ナミは不思議そうにログポースを眺める。

 確かに指針は北とは違うが一点を指し示している。

 

「他にも気をつけなければならない点は多いぞ?島の季節はバラバラで、それぞれ春夏秋冬を持っているから夏島の夏から冬島の冬まで最低でも十六の季節に対応しなければならないし、海では風や波は常に変化する。突発的に起こるハリケーンにも気をつけなければならない。多分今まで培ってきた航海術がほとんど役に立たないって思える筈だ」

「あ、あまり脅かさないでよ…」

「怖がるナミさんもかっわいいな~」

 

 目をハートにしてクルクルと回りながらサンジがナミにだけティーを運んでくる。

 

「今は話の邪魔をしないでくれないかエロコック。せめてナミにだけでもグランドラインについてレクチャー出来ることはしておきたいんだ。実際この一味には船を動かせる奴が一人しかいないんだからな」

 

 そう、船長であるルフィはただ単に不思議で面白い海としか思ってないようだし、ゾロは筋トレ中でそもそも聞いているかも怪しい。比較的常識のあるウソップは一応話に参加してくれているが、航海術はないため結局この船は航海士であるナミの腕次第というわけだ。

 

「んだとこのクソロンゲ野郎!」

 

 エロコックの言葉にカチンと来たサンジはクロトに掴み掛からん勢いで詰め寄るが、ゾロが呟いた『お似合いじゃねぇか』という言葉にその脚をゾロへとのばす。ちゃんと聞いてたんだな、ゾロ。

 

「ちょっと黙っててゾロ、サンジくん!ねぇクロト、もう一つ聞きたいんだけどグランドラインの入口って山よね?」

『山ァッ!?』

 

 ナミの問いかけに一同が首をかしげるがクロトは海図のレッドラインを指して静かに頷いた。

 

「俺も直接見たわけじゃないが体験者からは何度も話を聞いているからその認識で間違いないと思う。東西南北4つ全ての海の海流がリバースマウンテンの運河をかけ登ってグランドラインへと流れ出ると言っていた。もっとも、入るのに失敗したら海の藻屑とも言っていたがな」

 

 海が山を登るのだから相当な急流なのだろう、想像をした誰かのゴクリと唾を呑み込む音が聞こえた。

 

「な、ならよ、そんな危ねぇ航路行かなくて直接行けばいいんじゃないか?」

 

 海の藻屑と聞いてウソップがビビり、海図を山から南に指しながら安全にこのまま直接入らないかという提案をする。それに対しルフィが反論しナミが頷くが、正面から入ったほうが気持ちいいだろという言葉を聞いて彼女はグーで頭を殴った。どうやら正しく認識しているわけではなかったらしい。

 そんな二人のやりとりを見てクロトは苦笑し説明をする。

 

「それが出来たら苦労はしない。あそこは凪の帯(カームベルト)と呼ばれていて、まともに航行できるのは海軍の船かよほどの事情がある奴かただの馬鹿だけだからな」

「あん?それってどういうウオッ!?」

 

 あやふやな言い方にゾロが詳しく聞こうと口を挟もうとしたとき船を突然の振動が襲う。

 

「どうやら入ってしまったみたいだな。静かに外に出てみろ、答えがそこにある」

「嘘っ!?」

「おっどうやら嵐を抜けたようだぜ?」

 

 ドアから差し込む太陽の光にゾロが振り返り皆を見る。だがクロトを除き誰もが驚愕の表情を浮かべている。ウソップにいたっては泡を吹いて気絶しているほどだ。

 クロトが笑みを浮かべながら後ろを指差しているので疑問に思いながらも再度振り向くと、そこには何匹もの大型の海の怪獣、海王類が顔を出していた。

 

「あがっ!?」

「大型の海王類の巣なのよ、凪の帯(カームベルト)は…」

 

 ナミは涙を流し座り込んでいた。

 

「ということだ、これで直接入る事の難しさが分かっただろう?」

「(テ、テメェはこの状況で何落ち着いてやがる!!!)」

「大丈夫、今回は俺の能力ですぐ運んでやるよ」

 

 ゾロの小声での叫びにも動じていないクロトは何事もなかったかのようにメインマストに駆け上りその身体を変化させた。

 

 肌は漆黒に染まり瞳は真紅に、顔も変化し口には牙まで覗がせている。肌や顔の変化だけには止まらず体も数倍に巨大化し、全体的に鋭利なフォルムへと変貌し、そして背中からは翼が生え出た。

 

 突如として現れた異形のものに海王類からは敵意が向けられるが、変身したクロトの一睨みで半数がその巨体を震えさせ、残りの半数は逃げるように海に沈んでいった。

 

「あ、悪魔の実の能力者だったのか、お前も…」

「動物系幻獣亜種・ドラドラの実の龍人間だ。あまりこの状態にはなってられないから早めに運ぶぞ」

「赤、いえ紅い目の黒い龍………だからあんな二つ名だったのね」

「スゲーーーーーッ!!!カァッコイイィーーーーーッ!!!」

 

 目をキラキラとさせはしゃぐルフィを背中に乗せ、クロトは翼を広げメリー号を持ち上げるとナミの指示で海流の手前近くまで運んでいった。

 その途中で目が覚めたウソップだったがクロトの姿を見て

 

「ギャーーーーッ海王類にお持ち帰り状態にーーーーッ!?」

 

 と叫び再び泡を吹き倒れた。

 そのためクロトが能力者だということがウソップに知られるのは少し先のことになるのだった。

 

「…海王類が空飛ぶか阿呆」

 

 ゾロのその呟きがウソップに届くことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと身体を拭いてくる」

 

 再び嵐の中に戻ったのでクロトは人型に戻って濡れた身体を拭くために船室へと戻っていった。

 誰も来ないなと何度も確認し、右半身をドアから隠すようにした上でクロトは服を脱ぎ右腕に直接巻いていた包帯を外した。身体には大小様々な傷痕、火傷や銃創も所々にあり、そして包帯をしていた右腕には竜の蹄のような痕があった。




クロトの設定です。追加されたものには[*NEW*]を付けていきます。

[*NEW*]【黒龍】のクロト
[*NEW*]年齢:18歳
[*NEW*]賞金額:2億1千万→2億5千万
[*NEW*]賞金首時年齢:4歳

[*NEW*]悪魔の実:動物系幻獣亜種・ドラドラの実 モデル紅眼黒龍
※要するにレッドアイズブラックドラゴン
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