自由と解放のために   作:風ノ華

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ストック分ですが続けて投稿します。
(2015/09現在、ドラム島からまだ出航出来ていません)


第08話「ナミ倒れる!?ドラム島への道のり」

 ブロギーとドリー、二人のエルバフの戦士のでっかい見送りによりリトルガーデンを出てすぐの事だった。ビビの叫びで甲板に集まるとそこには尋常ではない汗をかき倒れているナミの姿があった。

 誰かが残らないと舵が心配だと立候補したゾロだが、余計に心配なためウソップにエターナルポースを預けナミの元へと向かうクロト。

 

「どうだビ「ナミは死ぬのか!!?」「ダビダン死らバイベーーーッ!!!!!」…騒ぐな!ナミの身体に障る!!」

 

 病人の前だというのに騒がしい二人を怒鳴りクロトはナミの病状を尋ねる。

 

「熱が四十度もあるの…こんな高熱そうそう出るものじゃないのに…」

「ちょっと代わってくれ」

 

 ビビの代わりにナミの横に座ったクロトは軽い触診をし、体の状態についてまだ意識のあったナミにいくつか質問を繰り返す。

 

「高熱、頻脈や呼吸困難、関節や筋肉の炎症、頭痛や軽い意識障害………太古の島リトルガーデン?ナミ、お前虫に刺されたって言ってたよな。どこを刺された!?」

「お、お腹の辺り…」

「スマン、少し見せてもらうぞ」

 

 クロトが先に謝罪の意思を示しナミの服を捲る。その際サンジが当然の如く邪魔をしようとしたが気を利かせてくれたゾロによって羽交い絞めにされた。

 

「こ、この斑点はッ!?ルフィ!悪いがナミと二人別行動を取らせてくれ!!」

「そんなにヤバいのか!!?」

 

 思った以上のクロトの焦りに周囲がどよめき、クロトはナミへと視線を落とし頷いた。

 

「保って五日。感染症が重なって今より酷くなった場合、それより短くなる可能性もある」

「そんなっ!?なら今すぐに医者を探しに行きましょう!!」

「…だ、駄目…それじゃ間に合わない、かもしれない」

 

 ナミはクロトに一度頷きそれを理解したのかデスクの引き出しの新聞をビビへと手渡す。

 

「その新聞は三日前のだ。お前を不安にさせるといけないからナミと二人で隠しておこうと決めてたものだ」

 

 記事の中に書かれていたのはビビにとって焦燥に駆られる内容だった。国王軍三十万人の兵士の反乱軍への寝返り。数で勝っていた筈の国王軍だったが、これによりアラバスタの暴動は一刻の予断も許さない状況になったといえる。

 

「だからこその別行動だ。俺がナミを連れて月歩でドラム島に行くからお前達はアラバスタを目指す、航海士無しでの航海は危険があるかもしれないが時間的には多分一番効率のいい方法だ」

「…それじゃ駄目よ!こんな事頼める立場じゃないだろうけど、私にはナミさんの力もクロトさんの力も必要だと思うの。だから、ドラムでナミさんの病気を治してもらってそして【みんな】でアラバスタに!!それがこの船の一番の方法でしょう?」

「そぉーーーさっ!それ以外の方法なんてねぇよ!!」

「流石ビビちゃん!おいクソロンゲ、てめぇは効率っつうけどな。これがおれ達にとっての最速だと思わねぇか?」

「ビビ、ルフィ、サンジ…分かった、なら進路をドラム島へ向けよう!」

『おぉっ!!!』

 

 皆の意思は一つとなりメリー号は進路をドラム島へと向かうことにした。

 

 

 

 ナミが倒れて早二日、タイムリミットが刻々と近づくなか船はドラム王国を目指しエターナルポーズの示す海路をまっすぐ進んでいた。

 ナミになるべく負担をかけないようにと指針と舵と皆への指示は一人旅をして多少の航海術を持つクロトが、もしもの時のために周囲の海の確認について近くをルフィとウソップが、島や嵐など遠方をゾロが警戒に当たっていた。

 残った二人について、ビビにはナミの看病をサンジには皆の栄養管理とビビの補佐、そして突発的な高波などによる大揺れが起きたときのナミの負担軽減のために当てた。

 

「安定して寒くなってきたな、島が近づいている証拠だ。ゾロ、注意深く見ていてくれ」

「あぁ………あん?おいクロト、お前の使う六式ってのなら海の上に立てんのか?」

 

 返ってきた言葉は素っ頓狂な質問だった。

 

「前に話したが月歩で空を駆けることなら出来るが、ただ立つなんてそんなの物理的に不可能だ」

「ゾロ、お前この雪と寒さで脳がやられたか?」

 

 ウソップはゾロを馬鹿にするようなことを言うがゾロは何も答えない。

 どういうことだ、とウソップは疑問に思ったが隣にいるルフィが袖口を引っ張り前方を指差している。

 

「何だよルフィ、前に何があるって………」

 

 そこでウソップの言葉が途切れた。なんとゾロの言ったとおり、人が海の上に立っていたからだ。

 思わず二人は顔を見合わせた後、目をごしごしと擦りもう一度よく見る。確かに人が海に立っている。シーンと静まり返る一同、その静寂を打ち破ったのは男のほうだった。

 

「今日はよく冷えるな」

 

 おかしな人物に話をかけられたとルフィとウソップはお互いを見て男の言葉に同意する。

 

「あ、あぁそうだな………今日はよく冷えるよ、な?」

「そ、そうだそうだ、確かに冷える…」

「そうか?」

 

 自分で言っておきながら男は否定をするかのような言葉で二人に答える。またもや沈黙が続く、と突然クロトがメリー号の舵を切った。

 

「下から何か上がってくるぞ!!」

 

 急な方向転換よりも先に三人が驚くことになったのは水中から眼前に現れた大型の船の存在。その旗は黒く、ドクロの絵が描かれていた。

 

「海賊旗!?」

「こんな急いでいるって時に!?」

 

 ドタドタと階段を上がり、そして怒鳴り声と共に勢いよく扉が開かれる。

 

「おいクソロンゲ!荒っぽい操舵してんじゃ…ってそういうことか、悪かった」

 

 他のクルーと同様に銃を突きつけられるサンジに気にしてないと告げ急な舵を切ったことを詫びるクロト。

 

「今の衝撃だがナミは無事か?」

「あぁ大丈夫だ。だがちょっと前にまた熱が上がって辛そうにしている」

「おい、おれ達急いでんだ。邪魔しねぇでくれ!」

 

 ルフィは船べりに立つカバの毛皮をかぶった男に向かい言うが、男は取り合わず左手に持っていた肉を刺してあったナイフごと食べた。

 

「これで五人か…おいお前等、おれ様はドラム王国へ行きたいのだがエターナルポーズもしくはログポースは持っているか?」

 

 そこはまさに今一行が目指している場所でエターナルポースも確かにあるが、面倒事はごめんだとゾロとサンジに視線を送り二人はそれに頷いた。

 

「いや生憎だが持っていな「持ってるけどやらん!!!」…ルフィ、お前今日の食事は肉抜きな?」

「何でだ!?」

 

 ガーンと大口を開けてショックを受けるルフィ、だがそれよりショックを受けたのは相手の男だった。

 

「持ってるだと!?なら大人しく渡してもらおうか!!」

「ヤだ!」

「おれ様に逆らう気か?者共、やってしまえ!!」

 

 舌をベェと出し拒否するルフィにカチンときた男の命令で、クロトに銃を突きつけていた船員が引き金を引いたが、突然姿を見失ってしまった。愕然とし周りを見渡そうとしたが首に鋭い一撃をもらい昏倒する。

 

「はぁっ…人が折角穏便に済まそうとしたというのに…」

「どっちにしろ相手が海賊なら一緒だろ、とっとと戦るぞ!」

 

 見張り台から走り降りたゾロは防寒用の毛布を脱ぎ捨て十人以上の群れに飛び込んでいった。

 

「チッ見掛け倒しだな」

 

 一陣の風のように通り過ぎるゾロ、侵入者に興味をなくしたかのように刀を納めるとバタバタッと倒れ伏した。

 サンジも得意の足技で大立ち回りをし、ウソップは影からサポートするように銃を構えている奴等を搦め手を使って無力化していった。

 騒ぎに駆けつけたビビが来る頃には戦闘はほぼ終結していて立っているのはカバ男のみ。

 

「さて、船から退場してもらおうかカバ男」

 

 クロトが男を持ち上げ両手を後ろに伸ばしたルフィへとトスをする。

 

「ゴムゴムの~バズーカ!!!」

 

 ルフィの一撃は的確にカバ男の腹にヒットしカバ男はぶっ飛んでいった。

 

「追わなくていいのか?能力者だろうから放っておくと海に沈むぞ?」

「…ハッ!?そうであった!ワポル様はおカナヅチであらせられるのだった!!」

「急ぐのだ!ワポル様がお沈みあそばされる前にご救出してさしあげなければ!!」

 

 メリー号でのされた兵を収容し、海賊船は飛んでいった男へその進路を向けて去った。

 

「ワポル?…そうか思い出した、聞いた名だと思ったがドラム島の無能王か」

 

 これはまた一つ面倒事が起きるかと考えるクロトであった。

 

 

 

【続く】

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