それは終わってしまった過去の話

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零れ落ちたもの

「はぁ…はぁ…」

その少女は誰かを載せて、いや、引きずって砂漠を歩く

「ねぇ、そろそろ自力で歩いてくださいよ…」

言葉はかえってこない

「いい加減喋ってください…」

もう、何もかえってこない

「はぁ…こうやって歩いてると…はぁ…はぁ…あの時のことを思い出しますね…」

「盾で防ごうとして思いっきりずっこけて頭ぶつけて気を失ってしまったあの時も同じようにして連れていったんですよ。覚えてないだろうけど…」

「ほら…もうすぐですよ…」

そう言って引き摺り続ける

少しでも前に、前に

そうやって、歩み続ける

ちぎれかけた紐を引っ張り前に進む

「はぁ…はぁ…いい加減にしてください…私だってもうだいぶ疲れてきてるんですよ…?起きて歩いてくださいよ…話すことだってあるんですか…!?」

その時、ついに紐がちぎれる

前のめりに倒れる少女はそのまま起き上がろうとした

そして、目に入ってきたのは少女にとって思い出の場所

「ここは…」

少女が引き摺ってきた誰かと共に宝探しに来た場所

しかし、そこには穴を掘った形跡すらもう無くなっていた

「もう…ちぎれちゃったじゃないですか…はは…さぁもう引っ張るのは無理ですよ…起きてください…」

「覚えてますか?ここへ掘りに来る時私たちは何故か水着に着替えてきたんですよね…『水で濡れたら大変!』ですっけ」

少女は地面にへたれこみながら思い出を語っていく

「他にもいろいろやりましたよね…」

次々と思い出を語る少女

ふと少女は目をやると引き摺ってきた跡がもう無くなっていることに気づいた

「自業自得ですよ…ほんとに…」

その目には涙が浮かび始める

ほんとにっ…っ自業自得です…っ!

ボロボロと泣き出す少女

しかし涙はすぐにかわいて消えていく

「私があんなことを言わなければ…ポスターを破らなければっ…!こんなことにならなくて済んだかもしれないのに…」

「せめて…っせめて謝りたかった…」

「もう謝ることすら出来ない…私が…私が…」

ついに乾く速度よりも涙が出る速度が上回る

ごめんなさい…っ!ごめんなさい…

もう聞こえない誰かへ向けて謝り続ける

そうして少女は立ち上がり涙を流しながら人には見せられないような、悲しくて、悔しくて、情けない、そんな顔をしながらその誰かを引っ張って砂漠を行く

しかしその引っ張った跡も直ぐに消える

まるで夢だったかのように

これまでの思い出は全て、夢であったかのように砂漠の砂に消えていく

そこにいるのは1人の少女であり

もう、何も残されていないただ1人の悲しくも情けない、そんな人間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女がロッカーを開く

そこに入っていたのは一丁の銃と自身が使う弾薬

「ねぇ、私はさ、あれから色々ありましたよ」

「後輩達もできたし、その後輩達から色んなものを貰いました」

「でもそんな後輩達に危険が及びそうなんです」

「だから」

少女は綺麗に手入れされた銃に弾を込め、いつでも撃てる状態にし、ホルスターにしまう

「力を貸してください、ユメ先輩」

「ここに来るまでに後輩達に止められました。それすら振り払って今、私はここにいます」

「後輩達にはひどいことをしたと思います。どちらにせよもう戻れませんね」

少し困った顔で笑うと少女は直ぐに何かを覚悟した顔つきになった

「今度は私が後輩に返す番です。先輩に返せなかったものを今度こそ私が」

「それが私に出来る最後の孝行です」

「だから見守っていてください」

私もすぐそちらに行きます




3章のストーリーを読んで自己解釈含めて見つけた後を書いてみました

追記
ミスって続きがあるみたいな感じになっちゃった…普通に1話完結です

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