「もう結婚しちゃえよ!!!」
「……ずいぶん荒れてるね」
俺はフリーレンと二人で、町の酒場で飲んでいた。数日前、滞在していた街でフリーレンたちと偶然再会してから、たまにこうして話したりしている。
この街についてから特に大きな問題はなかったのだが、今回のあれは久しぶりに突っ込まずにはいられなかった。これは飲むしかない。僧侶だって飲まなきゃやってられない日があるのだ。……まあ最近はほぼ毎日飲んでる気もするが、そんなことよりあいつらだ。
「あいつらときたら……」
*
俺はもうすぐフェルンが誕生日だったことを思い出して、そのプレゼントを選んでいたんだ。
そしたら近くでシュタルクとフェルンを見かけたんだが、その時の会話が――。
「買い物に誘ってくれて、ありがとうございます」
「いや俺のほうこそ、毎回一人でプレゼント決められなくてごめん」
「いいんです。それに……一緒に買い物するの、楽しいから」
「お、おう……」
――そりゃもう付き合いたてのカップルみたいな初々しい会話を繰り広げてたんだよ。
だけどあいつらももういい大人だろ?そろそろ次のステップに進んでもいいんじゃないかと思って、それぞれに聞いてみたんだ。
「シュタルク、フェルンと付き合ってからそこそこ経つだろ?結婚とかは考えてねーのか?」
「そりゃしたいけど……今のこの関係が壊れるのが怖くて、言い出せてない」
「なるほど。でも、お前が切り出すのをフェルンは待ってんじゃねえのか?」
「そうなのかな……」
「そうだろ。さっさとプロポーズの一つや二つしたらどうなんだ」
「いや、プロポーズはそんな何回もしないだろ……」
「フェルンは結婚とか考えてないのか?」
「セクハラですか」
「ちょっと聞いただけだろ……。シュタルクと付き合ってからそこそこ経つだろ?進展はないのか?」
「……結婚はしたいですけど、今の関係が壊れてしまうかもしれないと思うと、怖いんです」
お前もかよ。
「あー、シュタルクが結婚について話してきたりとかはないのか?」
「ありません。……やっぱり、私ではダメだったのでしょうか」
*
「あいつら好き同士なの見え見えなのにビビって行動しねーんだよ!見ててムズムズするわ!」
これが愚痴らずにいられるか。プロポーズくらいさっさとしろってんだよ。
「お肉美味しい」
「聞けよ!」
保護者はこんなだし、本当に今までなにもなかったのか?
「ザイン、お節介な親戚のおじさんみたいだね」
「そりゃお節介もしたくなるだろ。あいつら全然動かねーし、……どっちも相手に気を使いすぎなんだよ」
「まあそのうちプロポーズするでしょ。シュタルクはやるときはやるやつだよ」
「そうかねぇ」
まったく。あいつらのガキの顔を見られる日は来るのか、俺は心配だよ。
*
数日後、シュタルクが大事な話があるとフェルンを呼び出していた。どうやら覚悟を決めたらしい。その後のことは……まあ、お察しの通りだ。
お幸せに。