とある昼下がり先生はポツンとアロナにそう告げる。アロナに怒られながらもそんなこと知ったことではない先生は...

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書いていた小説のデータが吹き飛んだので萎えてこっちを作りました。


私を打ってとユウカに言ってみたら

 

 

「何バカなことをいってるんですか」

 

「バカなことってひどい」

 

スーパーOSアロナちゃんでも辛辣になる時はありますよ先生。

 

「私の銃があるでしょ。それを渡して撃ってくれって」

 

「そんなことして生徒さんからどう思われるのか考えたことありますか?」

 

「お詫びにケーキも買っておいたから最後に渡せば許してくれるかなって」

 

「被害に遭われる生徒さんが可哀想ですよ」

 

「ユウカに連絡するつもり」

 

「どうしてユウカさんなんですか?」

 

「なんとなく」

 

「はぁ...私は注意しましたから。もう知りませんよ」

 

「バリアだけはお願いね」

 

「...まさかとは思いますけど」

 

「実弾入れてあるからさ」

 

「先生のバカぁぁぁぁってもういなくなってる!?」

 

本当にバカです。生徒さんが可哀想で仕方ありません。こっ酷く怒られてください。

 

そんなことを言っていると寝ていたプラナちゃんが起きたみたいです。

 

「プラナちゃん、起こしてしまったみたいですね。あ、ついでに聞いてください先生がー」

 

「アロナ先輩?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピコン

 

「ユウカちゃん、携帯に通知が来たみたいですよ」

 

ノアが私に呼びかける。

 

「聞こえてるわよ。先生からみたい」

 

「見てないのに分かるんですか?」

 

「先生のは通知音変えてあるの」

 

「ふーん」

 

「なによ」

 

「いえいえ、なんでもないですよ〜」

 

ノアが何か言いたそうな顔をしている。携帯を取りモモトークを立ち上げるとメッセージが画面に写った。

 

"急いできて欲しいんだ。お願い"

 

 

 

 

 

 

 

「ハァハァ...着いた....」

 

シャーレの扉の前で私は深呼吸する。走ってきたせいで息が続かないからだ。

 

「よし」

 

呼吸を整えてわたしは扉をノックした。

 

コンコン

 

「失礼します」

 

「ユウカ来てくれたんだ。ありがとう」

 

扉の先に立っていたのはいつも通り私に微笑んでくれる先生の姿だった。

 

「まったく、あんなメッセージ急に送ってきて何事かと思ったじゃないですか!」

 

「あはは、ごめん。でもユウカにしか頼めないことなんだ」

 

「私にしか...」

 

私にしか頼めないこと。その言葉がどこか嬉しくてはにかんでしまう。

 

「ふーん、私にしか頼めないことですか?まったく仕方ないですね先生は」

 

「そうなんだ。ユウカ、これを持ってくれないか」

 

「ん?これは」

 

「私の銃だよ」

 

使っているところを見たことがないのですっかり忘れていた。確かにいつも腰につけていた気がする。

 

「それで私はどうすれば」

 

そう問うと先生は少し顔を翳らせる。

 

「その銃で私を撃って」

 

「え?」

 

カタ

 

床に落ちた銃には目もくれず私は言葉を理解しようとした。言葉は分かるのに、意味がわからなかった。

 

「き、聞き間違えちゃったみたいです。もう一度お願いします」

 

耳から入ったその言葉を飲み込めない。

 

「...私を撃って欲しい」

 

繰り返し聞こえてきたその言葉は聞き間違いでもなんでもない。真っ白になった頭を無理やり動かし少しずつ言葉を噛み砕いていく。

 

「先生をですか?」

 

「...うん」

 

「この銃でですよね?」

 

「そうだね」

 

「私がですか?」

 

「...」

 

「それって」

 

そこまできて言葉が詰まる。この先は私の口から言えない。言いたくない。

 

「冗談ですよね?どうせコユキと手を組んで私を揶揄ってるんじゃないですか?」

 

今度はいつもよりも厳しく叱らないと。

 

「...」

 

「笑えません、全く笑えませんよ。ついてもいい冗談とダメな冗談があることぐらい分かっていますよね?あなたは、大人なんですから」

 

「冗談なんかじゃないんだ」

 

「引き際を失って意地になっているのなら大丈夫です。私はそんな冗談を言う先生より大人なので今正直に謝れば怒りませんよ」

 

嘘でしたといつものように言ってください。お願いですから。

 

「....ユウカ、だから冗談じゃ」

 

冗談はやめてください。

 

「やめてください」

 

「ユウカにしか頼めないんだ」

 

どうして嘘だと言ってくれないんですか。

 

「やめて」

 

「私は本気だよ。ユウカに」

 

お願いだから

 

「それ以上言わないで」

 

「私の最後を」

 

「ッ!」

 

言葉が出るよりも体が動いた。気づけば私は先生の腕を強く握りしめていた。

 

「ユウカ...」

 

自分でもわかるぐらい震えている手は私の動揺をそのまま表していた。

 

「今、先生が何を言っているのか理解していますか?」

 

「...分かってるよ」

 

「話してください、お願いします。一体何が...」

 

銃で先生を撃つこと、それを先生が望んでいる意味が分からなかった。

 

「私は死ぬことにしたんだ」

 

どこか遠くを見ながらそう先生は答えた。

 

「...どうして?どうして!どうしてなんですか!?」

 

その口から発せられた明確な死という言葉に冷静さを欠いてしまう。

するとバツが悪そうに先生は顔を私から背け呟く。

 

「疲れたんだ。ただそれだけ」

 

普段、私たちには見せないような何もかもを諦めたような表情だった。

 

「...何に疲れたんですか?生徒たちとの関係ですか?シャーレの業務ですか?それ以外の物ですか?」

 

「違うよ」

 

私が思いつく限りで先生が抱えていそうな悩みを吐き出す。けれどその全てに先生は違うとだけ返してきた。

 

「教えてください。何かあるなら一緒に考えますから」

 

「ユウカにはどうしようもないんだ」

 

「そんな...」

 

こんなに思い詰める前にどうして私や他の生徒に相談しなかったのだろうか、先生は誰も信用していないのだろうか。

 

「先生はよく私たちに言いますよね。困ったら相談してねと、私を頼ってと」

 

「...」

 

「相談することの大切さを分かっているはずなのにそのはずなのに、どうして誰にも相談せずにここまで思い詰めるんですか!」

 

「私は先生で大人として」

 

動揺と悲しみ、感情がぐちゃぐちゃになっていたこの時のわたしはおかしくなっていたんだと思う。

 

パンッ

 

先生の頬に平手打ちをしたのだから。

 

「先生は大人である前に人です。私たちと同じ人間です。辛い時は頼っていいし弱音がある時は吐いていいんです。だから、だから」

 

視界が少しずつ霞み、呼吸がしづらくなってきた。

 

「すみません、いきなりビンタされて泣きたいのは先生の方ですよね」

 

頬を伝って流れる涙は止まることがない。先生がいなくなってしまう。先生がここを離れてどこかへ行ってしまう。そんなこと考えたくない。

頬を抑えながら大丈夫だよと先生は言った。その顔はいつも私に向けてくれるようなものだった。

 

「お休み、しませんか?先生をしばらくやめてどこかを旅行したり、そうすれば」

 

「私はもう戻ってこないと思うよ」

 

「そ...れでも先生が生きていてくださるなら」

 

数分にわたる沈黙。秒針の音だけが響き渡るこの時間は今までのどんな時間よりも長く、重く、そして苦しかった。

 

「先生、もしもですよ。すべての責任や人との関係をリセット出来たとしたらここに残ってくれますか。死ぬのをやめてくれますか」

 

「...もしそうなったら責任から逃げた私を許せない。生きている間もずっと」

 

「だから死ぬと...」

 

先生は優しい人だ。だから悩んでしまうし思い詰めてしまう。今もそうだ、私の震える手を優しく握り返してくれている。きっと今こうして話している時でも私が助けを求めれば助けてくれるだろう。それを無視して死ぬことを許せないのだから。だからこそ止める方法が一つだけある。

 

「分かりましたよ先生」

 

先生の手を離し、私は先生と少し距離を取る。

 

「責任から逃れたくないんですね」

 

「うん」

 

「逃れた自分を許せないんですね」

 

「そうだ」

 

「分かりました」

 

そういって私は先生が渡してきた銃を握り直し先生に向ける。

 

「最後に私から質問させてください。私は先生にとって大切な生徒ですか?」

 

「もちろんだよ」

 

即答だった。こんな人だからきっと今から私がすることは意味があるし必ずそうなる。

 

「ありがとうございます。...先生覚悟は出来ましたか」

 

「ありがとう。私のこと一生恨んでもいいから」

 

「はい、一生先生のことを恨みます。ですが」

 

こんな決断をさせたのは先生です。償ってくださいね。

 

「先生も私のこと一生恨んでくれて構いませんから」

 

「?」

 

そう言って私は渡された銃を自分の頭に向けた。

 

「ユウカ!?なにやって」

 

銃声ががシャーレに響き渡る。

 

「ユ...ウカ?」

 

「責任...はとって...くだ...さいね」

 

先生と違ってこんな銃の一発では致命傷にならない。けどここまで近づければ痛いし傷もつくし意識も遠のく。

 

必死に私に呼びかける先生の声が聞こえる。そうですよね、傷ついた生徒を見殺しにして死ぬわけには行きませんもんね。

そういえばどうして私だったのでしょうか。いえ、もうそんなことどうでもいいです。

先生、あなたが死のうとするのなら私は何度でもこうします。

だから先生私のことを恨んで下さい。あなたが死にたくなくなる程私というものを刻み込んで下さいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その後どうなっちゃったんですかプラナちゃん!?」

 

「意識を失いはしましたが命に別状はありませんでした」

 

プラナちゃんに例の話をすると顔が青ざめたので私は理由を聞いていました。

 

「よ、よかったぁ...ってそうじゃありません。いますぐ先生を止めないと!」

 

別世界の先生もどうやら同じイタズラを仕掛けたらしいのです。結果は...今までのお話通りだったそうです。

 

「先生はユウカさんが泣いた時点で止めようと思ったようですがどこまでいけるか好奇心が出てしまったとか」

 

「本当に何してるんですか先生は!?とりあえず悲劇を止めに行きますよ!」

 

「肯定、2度と先生にあんな思いはさせたくありません。自業自得だとしてもです」

 

その後、なんやかんや先生を考え直させることに成功し、前代未聞の大事件は有能OSアロナちゃんとプラナちゃんによって阻止されたのでした。

 

ちなみにお詫びのケーキはプラナとアロナが美味しくいただきました。




何やってるんですかプレナパテス先生。

他の生徒にverは思い付いてはいますが断片的なのでできるとしても複数生徒の短い話をまとめてみたいな感じになりそうです。

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