呪術廻戦とまどか⭐︎まぎかのクロスもの。メインは呪術   作:かりん2022

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魔女の味は、酷く甘ったるかった。

私には妹がいる。

年齢のだいぶ離れた妹が。

その年齢差、なんと10歳。

大事な可愛い妹だった。

 

その妹が、何やら悩んでいると知り、帰ってきてしまう程度には。

 

何やら、よからぬ事に首を突っ込んでいるという。

10歳に満たぬ少女が、である。

しかも大人と男は引っ込んでろという言葉付き。

ただ事ではない。

私は妹に話した。

 

「悩み事があるなら話してほしい。男で大人だからこそ、できることもあると思うんだ」

 

 その言葉に、妹は言った。

 

「うるさい。お兄ちゃんなんか、見えないくせに」

「何かが見えるのかい?」

「どうせ信じないでしょ」

「信じるよ」

 

 だが、私は困惑した。試しに出した呪霊に、無反応な妹。

 だが、それは戯言には聞こえなかった。

 

「お兄ちゃんにわかる? 魂をくだらない願いなんかで使っちゃった子の末路が」

「願い? 何か願いがあるのかい?」

「なくても、どうせ願わないといけないように追い詰められる。目をつけられたら、おしまいなの」

「何に目をつけられるんだい?」

「お兄ちゃんは、呪術師として優秀なんだよね。私は違う。きっと私なんて、すぐ殺されちゃう」

「そんな事はさせないよ。私が守る」

「だったら。だったら、お兄ちゃんが幼女になって魔法少女になって見せてよ。私を救って見せてよ!」

 

 妹の体が光った。

 そして、私は幼女になった。

 妹は可愛らしい格好になって、そして呪霊を見て腰を抜かした。

 

「こ、これは……?」

「素晴らしい! 僕と契約して魔法少女になってよ!」

 

 その場にいたのは、マスコットキャラみたいな可愛らしい生物。

 

「君は?」

「こいつはきゅーべぇ。才能ある女の子の子供にしか見えない、営業マンよ」

「営業マン?」

「そう。願いを一つ叶える代わりに、魔法少女として、魔女や呪霊と戦えっていうのよ」

「まさか、願ったのか?」

「願ったわ」

 

 それから、魔法少女の講習会に連れて行かれた。

 先輩の魔法少女だという子は、12歳だった。

 

「私ね。彼氏が欲しいって願ったんだ。カイくんがその時の私の全部で、でも、もう別れちゃった。その為に、私。命懸けで毎日戦ってんの」

 

 そうして、呪霊、いや魔女に向かって果敢に向かっていく少女。

 なんだこれ。

 何が起こっている。

 

 「やた。今日は当たりだよ。ハズレも多いんだ」

 

 魔女を倒したら落ちる、宝石のようなそれに、自分の変身グッズを当てる。

 すると淀みが無くなり、変身グッズの宝石は輝いた。

 

 真っ黒になった宝石はキューベェが食べる。

 

「これが魔法少女のお仕事だよ」

 

 妹は、ぎゅっと口を引き結んで、こくりと頷いた。

 

 いや。

 

 いやいやいやいや。

 

 こんな事を妹にやれと? 無理だ。無理に決まってる。

 先輩魔法少女と別れ、しばらく黙って歩き、ようやく妹は口を開いた。

 

「魔女ってなんだと思う?」

「魔女なんて、今まで見た事なかったよ。わからない」

「淀みを浄化できなかった魔法少女の成れの果て」

「は?」

「あのグリーフシード見たでしょ? 基本的には同種だよ。魔法少女は夢見るのをやめると、大人になるの。具体的にいうと、魔力を使いすぎたり絶望するとね」

「詐欺じゃないか!」

「詐欺だよ。幼い女の子にしか見えない、夢みがちな女の子を食い物にした詐欺」

「そんな……!」

「契約するまで付き纏われるし。魔女をけしかけられたりするし。キューベェの力をもらってどうにか、とか色々考えて頑張った子達もいるけどね。全部失敗してんの」

「……」

「ねぇ、お兄ちゃん。私知ってるよ。お兄ちゃん、最強コンビなんでしょ。私を助けて。助けてよ」

 

 私は胸を痛めた。

 どうして私はこんなにもちっぽけなのだろう。

 どうして私は、こんなにもこんなにも無力なのだろう。

 

「私は、最強なんかじゃないよ」

「そう」

 

 

 

「でも、私の出来うる限り。優を守る。約束する」

 

 願いについては悩んだ。あまり小賢しい願いは逆効果。

 他者の為の願いは最悪の行為だと教えられた。

 

 考えた末に、私は願った。

 変わらぬ日常の継続を。

 

 それから、私はなんでも飲み込んだ。

 

 呪霊も。魔女も。妹も。数多の涙。数多の慟哭。数多の願いをも。

 

 少女達の願いに、魂に値するものなんて一つもなくて。

 そんな願いの為に、少女達は戦わされ、化け物になって行った。

 そして、いつか私もきっとそうなる。いや、私はそうならないかな。君がいる。

 

 とにかく、私は知った。

 世界の裏側で踏み躙られるのは、決して珍しいことなんかではないのだと。

 そして、それでも手を差し伸べつつけてくれる優しく頼もしい仲間の存在も。

 

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