武器召喚士   作:どこぞの委員長

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どうも、どこぞの委員長です!

前回は、円卓の騎士団が出てきたところまでした。

今回はその続きです!

どうぞ!



意外な人物

 俺の目の前にはモードレッドを合わせ、合計13人の最強の騎士たちが武器を構えて立っている。だが俺は一人だ。姉ちゃんは回復待ちのため戦闘には参加できない。状況は最悪、これを突破するには、姉ちゃんを守りながら一人で円卓の騎士団(こいつら)を退けなくてはいけない。いまだにUNKNOWN(レーヴァティン)の攻撃力は未知数だが、さっきの一撃で聖王殺しの邪剣(クラレント)とは同等か、それ以上に打ち合えることが分かった。だがモードレッド(あいつ)も俺の手に武器があることは、さっきの一撃で分かったはずだ。それでも、やるしかない。俺は覚悟を決めるとUNKNOWN(レーヴァティン)を騎士団に向けた。

「おい、お前等は突っ立ってることしかできねえのか?かかってきな!お前ら相手なら、俺一人でも十分だ!」

 嘘でも構わない、精神的に円卓の騎士団(あいつら)に気圧され負けたと思ったら、俺の勝てる確率は0になる。そんなことになったら、姉ちゃんは確実に殺されるだろう。永久治癒の加護(アヴァロン)の効果がどれほど強いかは分からないが、せめて姉ちゃんが回復するまでは時間を稼いで見せる!

「言いますね、少年。我々を前にして怖気づかないだけでも賞賛に値します。ですが、あなたは決して勝てない。」

 円卓の一人、さっきモードレッドに話しかけてた奴だ。その手には聖王殺しの邪剣(クラレント)と同じくらい禍々しい黒い剣が握られていた。だが、あの形・・・どこかで・・・ッ・・・あれは、あの剣は、戦友弟殺しの魔剣(アロンダイト)!ということは、あの男は・・・

「ランスロット」

「ほう、私を知っていますか。なら、我が剣(こいつ)も知っているのでしょう?やめておいた方がいいとは思いませんか?」

 戦友弟殺しの魔剣(アロンダイト)、この剣は湖精より与えられし聖剣(エクスカリバー)に匹敵するほどの剣だ。そして、ランスロットは円卓の中でもトップレベルの強さを誇る。

「そんなこと・・・そんなこと知ったことか!てめえらはただの反逆者だ!なら、俺がここで叩き潰す!」

「仕方ありませんね。モードレッド卿、これより円卓の騎士団は敵性勢力の殲滅を開始いたします」

 モードレッドが軽く頷くと、円卓の騎士たちが各々の武器を掲げ、俺に向かって進行を開始する。その速度はランスロット単騎の時より少し落ちるが、陣形を保ったままの速度とは思えないものだった。先陣を切るのはランスロット、戦友弟殺しの魔剣(アロンダイト)が怪しい輝きを放ちながら俺に迫って来る。俺はそれをUNKNOWN(レーヴァティン)で受ける。ギンッと鈍い音がして両者が後方に飛ぶ。そして、体勢を立て直・・・いや、後ろから二人目が出てきている、体勢を立て直す暇はない。そう判断した俺は、腕だけ動かして相手の剣をUNKNOWN(レーヴァティン)で弾く。しかしその後にもまた一人、また一人出てきて休まず攻撃を仕掛けてくる。時にぎりぎりでかわし、時にUNKNOWN(レーヴァティン)で防いで、どうにか相手を後方に返しながら怒涛の攻撃をさばき続ける。これができるのは、UNKNOWN(レーヴァティン)の強さ、そして守るべき人がいるからだろう。何度も何度も繰り返される剣戟。何回続いただろう、さばくのを失敗した攻撃によって、俺の体には少しずつ傷が増えていく。このままでは勝つことはおろか、一撃入れることすらできない。しかし俺の体には疲労がたまっていく一方で、とても反撃に乗り出せる状態では無い。

「そこを開けろ!止めは俺が刺す!」

 モードレッドのそんな声が響く。その声に呼応するように、円卓の騎士団は左右に分かれる。一瞬チャンスができるか、と思った時だった。ドクン、心臓の鼓動がはっきりと聞こえたような気がすると同時に、俺の体は前のめりに倒れていく。さらに、確かに手の中にあったUNKNOWN(レーヴァティン)の感触も消え去った。いったい何が・・・ちっ、そういうことか。俺は、倒れていきながらこの状況を理解した。体の限界(・・・・)だ。姉ちゃんが傷付つけられたのを見て、怒りに任せて召喚したUNKNOWN(レーヴァティン)。これは、円卓の騎士団と戦っても劣ることは無かった。それは相当なヴンダー消費量のはず。それを今まで展開していたのだ、体にはかなりの負荷がかかっていたのだろう。俺は自分に迫って来る、黒く怪しく輝く邪剣を見ることしか出来なかった。すまねえな姉ちゃん、どうやらダメだったみたいだ。すまねえ皆、もう帰れそうにねえ・・・。さらに邪剣が迫り、俺の頭と胴体は真っ二つに・・・

「やっと見つけた、神永雄也!てめえは俺がここで殺す!特別解放(エクストラリベレーション)深淵に眠る宝物庫(Schatzkammer im Tiefschlaf)!」

 ヒュンと音を立てて、俺の近くを何かが通過する。それはモードレッドから聖王殺しの邪剣(クラレント)を弾き飛ばすと、俺の目の前に刺さった。それは一本の槍、それも異様な形だった。

「-----ッ!」

 モードレッドが声にならない声をあげ、後ろへと飛ぶ。だがさすがというべきなのだろうか、着地と同時に、弾かれた聖王殺しの邪剣(クラレント)はモードレッドの手に返っていた。

「おい息子、目の前の槍を投げ上げろ!今すぐだ!」

 声のする方を見ると、そこには見知った奴、オブサーバー=リメイカーが立っていた。何が起こるかは分からないが、言い方から必死さが伝わってくる。俺はまだ少しだけ動く体を何とか動かし、匍匐前進(ほふくぜんしん)で槍に近づくと、ずしりと重い槍を地面から抜く。そして、横向きに転がる力を利用して投げ上げた。すると、槍は自分の意志でもあるかのように空高くまで上がっていき、空中に制止した。

「さあ、叫べ!影の国より授かりし魔槍(ゲイ・ボルグ)!」

影の国より授かりし魔槍(ゲイ・ボルグ)

 促されるまま、俺はその言葉を呟く。すると、空中に制止していた槍の先端から30本の(ぞく)が飛び出し、円卓の騎士団たちに振り注いでいく。2人ほどの騎士団員は、突然空から降ってきた(ぞく)に対応し遅れ、その体を串刺しにされる。しかし、モードレッド、ランスロットをはじめとする、ほぼ全ての円卓の騎士団たちは各々の武器を振るい、(ぞく)から身を守っていた。

「やっぱり劣化品じゃ、あのクラスに対抗するのは辛いか・・・」

 俺の近くまで歩いてきていたオブサーバーがポツリとつぶやく。

「どうして、ここに?」

 いまだ立つことは出来ないので倒れたまま、俺はオブサーバーに問う。正直、答えが返ってくることは期待していなかったのだが、オブサーバーは前を見つめながら答えた。

「決まってるだろ?あいつを追いかけてきたんだよ」

 オブサーバーの視線の方向、そこにいるのはモードレッドだ。どうやら、外見が俺の父親にそっくりなモードレッドを追いかけてきたようだった。

「あいつは、お前の探してる神永雄也じゃないぞ?」

「ああ、中身(・・)はな。だが、あいつの外側(・・)は神永雄也だ」

「それは、どういう・・・」

 俺の言葉はそこ途切れてしまう。それは再び空から、今度は俺の後ろ側に数本の光が降り注いできたからだ。また相手の増援か、と半ば諦めたような気持ちでそれが人型になるのを見ていると、その光はよく知る人物たちへと変わっていった。目の前に出現したのは5人の少女たち、そう、俺の大切な戦友たちだ。少女たちは倒れている俺を見ると驚き、そして心配した顔で駆け寄って来る。色々なことがあったからだろうか、ずいぶんと懐かしい気分だ。話したいことは沢山あるけれど、あいにく今は戦闘の真っただ中、俺は駆け寄ってくる少女たちに視線だけで情報を伝える。俺の視線を追った5人は俺の言いたいことを察したのだろう、彼女たちは俺をかばう形で前方に戦闘陣形を築いた。横を通り過ぎていくとき、決まって皆が涙を浮かべながら「バカ・・・」と俺に声をかけていく。皆、迷惑かけたな。謝罪はこれが終わったらするとして、今はどうにかして動けるようにならないといけない。だが、ヴンダー切れというのは恐ろしいもので、回復するまでまともに動けないのだ。どうしようかと俺が悩んでいると、一人の人物が俺の前に立った。誰だと思って顔を上げると、そこにいたのはーーーーー

「姉・・・ちゃん・・・」

 聖王殺しの邪剣(クラレント)に貫かれた部分が完全治癒した姉ちゃんだった。そして、その手に握られているのは(エクスカリバー)(アヴァロン)ではなく、黄金に輝く林檎(・・・・・・・)だ。

「悠ちゃん、この林檎はまだ未完成なの。食べると様々な恩恵が得られるはずなんだけど、実験では死んだ被検体もいたの。だから、食べるか食べないかは悠ちゃんに任せるわ。どうする?」

姉ちゃんが聞いてくる。その内容はかなり危険性が高いことを示していたが、それがどうしたっていうんだ?答えは最初から決まっていた。

「食べる」

俺は、シンプルに答える。姉ちゃんは複雑な顔をしながらも、俺の意志をくみ取ってくれたようだ。

「分かったわ。それだけ意志が強ければ林檎も応えてくれるはずよ」

 差し出される林檎。受け取ると、それは意外と重かった。だが、そんなことにはためらいもせず俺は林檎を食べ始める。一口で全部食べることは不可能だったので、数回に分けて食べ終えると、俺の体が金色に発光し始めた。

「これは、どういう・・・」

 俺の台詞は、突如俺を中心として巻き起こった、嵐を想起させるような暴風によってかき消された・・・




はい、今回も読んでいただきありがとうございます。

良いところで切る作業って難しい・・・

次回もよければよろしくお願いします!

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