先週はすいません。
色々とありまして、ネタが思いつかないとか、ネタが思いつかないとか・・・
一週遅れましたが、今回は両親が出てきた続きです!
どうぞ!
どうして両親がここにいるんだ?父さんも母さんもあの日、2020年3月30日に、乗っていた車ごと山から落ちて死んでしまったはずなのに。確かに死体は見つかっていないが、車の状態から乗っていた人物が生きている確率は0だという事だったはずだ。だが間違いない、俺たちの目の前でファイントに襲われている男女を助けようと奮闘しているのは、父さんと母さんだ。俺たちが言葉を失い、立ち尽くす間にも戦闘は続いている。そして、相手がレベルⅩファイントにもかかわらず、襲われている人たちを守らなくてはならないため、下手な攻撃が出来ない両親が圧倒的に押されていた。このままでは二人とも死んでしまうだろう。
「何が起こっているか分からないと思うけれど、あなた達も早く逃げなさい!」
「---ッ!」
立ち尽くす俺たちに振り向いた母さんが声をかけてくる。その声で我に返った俺たちは互いに顔を見合わせ、母親に向かって精一杯の笑顔を返した。そうだ、何故ここに両親がいるのかなんて、そんなことはどうだっていいじゃないか。今俺たちがとるべき行動は、両親の援護をしてあの男女を救うことだ。その後で色々聞けばいいさ。俺は雪穂と頷き合うと、両親のもとへ走って行った。
交戦区域に着くと、ここから逃げるどころか、戦闘の真っただ中まで踏み込んできた俺たちを両親が驚いた顔で見てくる。
「ここは危ない、早く逃げろ!」
父さんが俺たちに再度忠告を与えてきた。だが俺たちはその場を離れず、
「あなた・・・達は・・・いったい・・・」
「ただの通りすがりだ」
「そういう事、じゃあ行きますよ!」
母さんの呟きのような質問に答えると、俺たちはファイントへの攻撃を開始した。捕らわれている女性を救うため、まずは雪穂が水を凍らせてつらら状にし、ファイントが女性を吊り下げている接続部分へ打ち込む。それによって弱くなった接続部に
「ありがとう。正直、僕たちではどうにかできそうになかったんだ。君たちが来てくれて本当に助かったよ」
「はい、本当にありがとうございます」
「礼を言うのはまだ早いぜ。アレをどうにかしなきゃ、町に甚大な被害が出る」
再び両親がハッとした表情で、慌ててファイントの様子を確認する。見ると、その巨体の中心、さっき女性を吊り下げていたものがあった場所には、一本の紅い剣が突き刺さっていた。俺がさっき投げた
「気を付けてくれ!あいつがどんな攻撃をしてくるかは、まだそれほどわかっていない!」
「分かりました。それと、アレが動き出す前に聞いておきたいことがあるのですが・・・」
俺の台詞に全員が了解を示した後、母親が俺にそんなことを言って来た。
「聞きたい事?」
「はい、あなたたちの名前です。戦闘中、呼び合う必要があるでしょう。私たちは共に姓が
母さんに名前を紹介された父さんがこちらへ軽く会釈してくる。初めから疑いようはなかったのだが、改めて名前を聞いてみると、やはり両親だったんだなと思ってしまう。隣の雪穂も泣きそうになるのを必死にこらえているみたいだし。だがどうしたものか、俺たちの名前をそのまま伝えてしまっていいのだろうか。ここまでの現象で、大体ここがどこなのかが分かってしまったのだ。ほぼ間違いなく、ここは
「私たち二人も姓は神永です。名前は私が雪穂、お兄ちゃんが悠樹です」
おいおいおいおい雪穂よ、本名はマズいんじゃないかなぁ。タイムパラドックスとか起きちゃうかもしれないじゃん?そうなったら俺たちの存在そのものの危機になっちまうかもしれないんだぜ?とはいえ、言っちまったもんは仕方ねえ。全然知らない、しかも偶然名字が一緒ってことにしとくか。
「偶然だが名字が一緒ってことは、名前で呼び合うしかねえな。こっちはそれでいくが、そっちはいいか?」
「僕たちは構わないよ」
流れで両親を名前で呼ぶ羽目になっちまったが、大丈夫かな?どっかでミスって呼んじまいそうだな・・・なんて、失敗しなきゃ問題は無い。そんなことを思っていると、突然地面が揺れ始めた。地震かと思ってあたりを見回してみるが、どうやら地震ではないようだ。まさかと思ってファイントを見ると、やはりファイントが関係していた。巨大なナメクジみたいだった体の形が、どんどんと変化していっていたのだ。手が生え、足が生え、そして手に先の尖った棒のようなものが出現すると変形は終わった。その姿は人間そのもの、というかどこかで見たことのある人物だ。だがどこで見たんだっけ・・・
「我は円卓の騎士団が一員、パーシヴァルである!我の聖杯探索を邪魔立てする輩は、一人残らず叩き潰してくれよう!」
「---ッ!」
俺はそいつの言葉に息を呑んだ。それは、ファイントが人型になったからでも、円卓の一員だったからでもない。そいつが、ファイントが
「おい、パーシヴァル!お前、刺さっていた武器はどうした!」
奴の体から俺の愛剣、
「これはそなたの武器か?」
「それがどうした!」
「痛かった。本当に痛かった。ちゃんとお返しせねばならんな!」
言い終わると共に、ニヤリとパーシヴァルの口元が歪む。そして、ヒュンと風を切るような音と共にパーシヴァルの手が消えた。いや、消えたのではない、高速で振られたのだ。そう気づいた時、俺の体に強烈な衝撃が走った。あまりの衝撃に俺は地面に膝をついてしまう。ゆっくりと下を見ると、俺の体から何かが生えていた。赤色のそれは、感覚から俺の腹部にかなり深く刺さっていることが分かる。それを認識したとたん、俺は体に焼けた鉄の棒を差し込まれたような感覚を覚えた。
「あれ・・・これ・・・は・・・」
俺は体を支えられなくなって前のめりに倒れる。それのせいで、ただでさえ深く刺さっていた何かが一層奥へと押し込まれたのが感覚的に分かった。続いて、焼けた鉄でもぶち込まれているような熱さだった感覚が、だんだん冷たい何かが刺さっているような感覚に変わっていく。
「お兄ちゃん!ねえ、お兄ちゃん!」
誰かの声が聞こえる。一番はっきり聞こえるのは、誰かが兄を呼ぶ声。その後ろで誰かの名前を呼ぶ声も聞こえるな。だんだん眠くなってきた、ちょっとばかり眠らせてもらおうか・・・
「お兄ちゃんを傷つける奴は絶対許さない!!」
薄れゆく意識の中で俺が見たものは凍った地面、それとその上で水流によって数倍の長さに伸びた刀を持つ一人の少女の姿だった。そして、その少女のもう一方の手には、紅く燃え上がる一振りの刀が握られていた。
はい、今回も読んでいただきありがとうございます。
悠樹君の窮地に陥る回数、多すぎやしませんかね・・・
ま、まあ、それは置いておきまして、次回もよろしくお願いします!
※タイトルはパーシヴァルの語源みたいなものです。