武器召喚士   作:どこぞの委員長

38 / 56
どうも、どこぞの委員長です!

一か月以上更新できず、すいません・・・

勉強しなければならないことがたくさんありまして・・・

忘れている方が多いと思いますが、前回はトリスタンがマルクトを神格開放したところで終わりました。

その続きです、どうぞ!



angel's ladder

 生命の樹「セフィロト」に存在する10のセフィラ、そのセフィラの神格を開放し自らに装着する。それが神格開放により行われる事だ。形的には俺の最凶暗黒武装(カタストロフ)終焉の混沌剣(ワールドエンド)とよく似ている。着装者の身体能力を大きく向上させ、人智を超えた行動を可能にする。問題は神格開放を行ったのがトリスタン、つまりもともと人間を超えたような奴が行ってしまったという事だ。半分人間で無い俺でも畏怖のようなものを感じる程、トリスタンから発せられるものは異常だった。こんな奴にどうやったら勝てるのだろう。俺は頭をフル回転させて対処法を考えるが、一向に良い方法が浮かんでこない。こんな敵は初めてだ。

「かかって来ないんですか?それなら、こちらから行かせてもらいますよ!」

 トリスタンが言葉を発した瞬間、俺の右手は無意識のうちにトリスタンにかざされていた。俺は一体何を・・・そうか、こっちに来てから全く使って無かったから忘れてたぜ。俺には固有結界(・・・・)があるってことをな。

次元破壊(ディメンションブレイク)!」

 トリスタンが剣を構え、こちらへ攻撃を仕掛けてくるより、俺の一言の方が早かった。一瞬でトリスタンの目の前に黒い楕円状の穴が生成される。後はトリスタンをこの中に引きずり込めば良いだけだ。

(ラプタ)・・・」

「おにいちゃん危ない!」

 突然俺の前に横から小さな影が走りこんできた。雪穂だ。何をしに来たのか尋ねようとした時、雪穂の構えていた村雨が見えない何かに弾かれたように数m後方に吹き飛ばされた。どういうことだ、何が起きた?焦りながらも、ひとまず雪穂を俺の後方に行かせる。第二波が来る可能性があるからだ。目の前に黄昏の聖十字(トワイライトロザリオ)を構えながらトリスタンの方を見た俺は、事の異常さにようやく気付いた。俺が攻撃を受けた時、トリスタンの目の前に次元の歪は確実に生成されていた。しかし、トリスタンの攻撃は俺に届いたのだ。今俺の目に移っている状況は、それがどういう事かを如実に示している。そう、次元の歪が半分に切断(・・・・・)されていたのだ。さらに、トリスタンはさっき立っていた場所から一歩も動いていない(・・・・・・・・・)。なんてことだ、トリスタンは次元の歪を切断出来るのか。いや、出来るようになったというべきだろう。おそらく神格開放による副次的効果だ。そして、もう一つの異常・・・

「てめえ、斬撃を飛ばし(・・・・・・)やがったな」

 斬撃を飛ばす、正確には剣の描いた軌跡に沿って別の物質を飛ばしたのだろうが、結局は同じ話だ。つまり、トリスタンは一歩も動くことなく俺たちに攻撃を行うことが出来る。さらに銃のように残弾が決まっているわけでもないから、半永久的に攻撃可能というおまけ付きだ。

「あら、一瞬で見抜くなんて、あなた中々やるわね。それで、それが分かったからどうだっていうの?」

 二撃目が来る、俺がそう確信した瞬間トリスタンの剣が光を放ちながら振り下ろされた。その軌跡上にいるのは言うまでも無く俺だ。おそらく絶対守護領域(サンクチュアリ)で防ぐのは得策ではない。アレは維持時間が短すぎる。半永久的に飛んでくる斬撃に対処は出来ない。かといって、回避し続けることは不可能だろう。次元の歪を切り裂くほどの攻撃なら、遮蔽物に隠れたところでそれごと切り裂かれて終わりだ。どうする・・・

第五天(マティ)へ接続、天界梯子(エンジェルラダー)展開!」

 何処からともなくサンダルフォンの声が流れてきた。その直後、目の前が真っ白になると同時に体が異様な感覚に包まれる。超高速で登っていくエレベーターにでも乗っているような感覚だ。そんな感覚が数秒続いた後、真っ白だった視界が急にもとに戻った。視界に映るのは一面の荒野、その大地には大きな亀裂が走っている。亀裂からは炎と煙が絶え間なく噴き出し、まるで火山の上にいるような気分だ。あたりを少し見回すと、遠くに一か所だけ美しい大地が見える。こんな荒野ばかリの地に隣接して存在しているのが不思議なくらい綺麗な大地だ。しかし、いくら見回しても雪穂とトリスタンの姿が見えない。俺だけが飛ばされたのか?ここは何処だ?もしそうなら雪穂が危険だ。早く戻らなくては・・・

「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、昔いまし、今いまし、のち来りたまふ 主たる全能の神・・・」

 突然、風に乗って歌が聞こえてきた。どうやらそれは、美しい大地がある方向から流れてきているようだ。もしかするとあそこに何か手がかりがあるかもしれない。俺はひとまずそこを目指すことにした。でも、さっきの歌はどこかで聞いたことがあるような・・・まあ、そのうち思い出すだろう。

 数時間ほど移動すると美しい大地はかなり近くなってきた。歌声も今ははっきりと聞き取ることが出来る。一体俺は何処に飛ばされたんだ。サンダルフォンは何と言っていたっけ。マティへの接続、それとエンジェルラダーの展開、そう言っていたはずだ。まさかな・・・まさかそんなはずは・・・炎と煙が噴き出す亀裂が走る一面の荒野、一か所だけ存在する美しい大地。今になってやっと思い出したが、さっきから聞こえてくるあの歌は讃美歌(トリスアギオン)だ。これで六枚の羽根と四つの頭を持つという熾天使たちが飛んでいようものなら、間違いなく・・・いや、落ち着け、まだそうと決まったわけじゃない。とりあえず急いであの美しい大地へ向かわなければ。雪穂の命が危ないかもしれないんだからな。そこから俺はさらに速度を上げて走った、あの美しい大地へ一刻も早くたどり着くために。

 さらに数時間が経過し、やっとのことで俺は美しい大地に到着した。讃美歌(トリスアギオン)は俺の真上から聞こえてくる。嘘であってくれと思いながら俺が見上げた先には、讃美歌(トリスアギオン)を歌う熾天使たちがいた。これで確定だ。俺のいる場所、それは7つある天界の第五天「マティ」、サンダルフォンが統治する階層だ。また、堕天したグリゴリの天使たちを最後の審判まで閉じ込めておく幽閉所が存在する場所でもある。なるほど、天界梯子(エンジェルラダー)というわけか。サンダルフォンはトリスタンとの戦闘が俺たちにとって不利と判断し、自分の統治する天界へと俺を逃がしたのだろう。俺を送った後に何か誤算が起きたのか?それで雪穂は地上へ置き去りになったと、そういう事か?たとえうまく俺たちを天界に逃がしたとしても、トリスタンはどうするつもりだったんだ?アレを倒せるのは俺たちしかいないというのに・・・くそっ、ここから地上に戻るにはどうしたらいい?雪穂が、雪穂が危ねえんだ!もう数時間が経過しちまっている、手遅れかもしれない・・・許さねえぞトリスタン。俺の雪穂を傷つける奴は、たとえ神であろうと叩き潰す。ここから降りる方法か・・・一ついい考えを思いついた。漆黒の聖書(レイヴンバイブル)、これを使えばあいつらを従えることも出来るだろう。まあ、失敗したとしても天界で戦争が起こるぐらいだ。雪穂の命に比べたら、そんな事どうでもいい。

漆黒の聖書(レイヴンバイブル)、展開」

 俺の声に呼応して漆黒の外観を持つ禍々しい本が出現する。本が俺の手に収まった瞬間、それまで聞こえていた讃美歌(トリスアギオン)の声が止んだ。上空を見ると、熾天使たちが俺を見下ろしている。邪悪な物に対しては敏感なようだ。だが、あそこから何かするにしても俺の方が早い。

「さあ、グリゴリの堕天使よ!汝らの枷は我が切り離す!我がもとに顕現せよ!」

 俺の手中にある漆黒の聖書(レイヴンバイブル)から闇が溢れた。闇は第五天(マティ)全体に広がってゆき、一瞬にして周囲が暗黒の渦にのまれる。熾天使たちによる攻撃も開始されるが、渦巻く闇によって攻撃は俺まで届かない。そうこうしているうちに周囲から羽を打ち鳴らす音が聞こえてきた。どうやら枷を外されたグリゴリの堕天使たちがこちらへやって来たようだ。数刻後、俺のもとに集まったグリゴリの堕天使の数は20、どうやらグリゴリの長たちしか脱獄できなかったようだ。さすがに幽閉所というだけはあって、漆黒の聖書(レイヴンバイブル)を使ってでも枷を弱めるしかできなかったか。だが、20もいれば十分だろう。

「私の名はシェムハザ、グリゴリ筆頭でございます。我が(あるじ)よ、汝の敵は我らグリゴリの長がともに相手をしましょうぞ。そしてこれを受け取り下さい。この笛を吹けば、いかなる時でも我らグリゴリの長が参ります」

「ありがとな。これからの戦い、よろしく頼むぜ」

「御意」

 待っていやがれトリスタン、俺が今からてめえをぶっ飛ばしてやるからよ!俺はそう心に誓い、シェムハザ率いるグリゴリの堕天使に地上への道を開いてもらうと、彼らと共にトリスタンの下へと降りて行った。

 




はい、今回も読んでいただきありがとうございます!

一か月のブランクは結構大きかったです・・・

文章がうまく書けなくなってる気がorz

ですが、これからも頑張っていくのでよろしくお願いします!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。