六か月ぶりだと思います、色々あったのです。(ネタが思いつかないのは怖い・・・)
それでも遅くなったのは事実、申し訳ありませんでした・・・
超久しぶりですが、前回はグリゴリの長を従えた悠樹が地上への降下を始めるところで終わっています。
それでは、どうぞ!
「想定では地上直通でなく迂回路、
「ほほう、そこまで気づいていらしたとは・・・このシェムハザ感服いたしました」
ん?声に出したつもりはなかったのだが、どうやら声に出てしまっていたようだ。ものはついでだ、どれ程の時間がかかるのかも聞いてしまおう。決めたら即実行ということで、時間に関する問いを投げ掛けてみる。
「ふむ、そうですね。現在、第五天を半分ほど降りたところでしょうか。全工程完了、すなわち地上へ着くのは今から約一時間程ということに・・・グッ」
突然、シェムハザの声に苦悶の色が混ざる。何かが起きた、状況確認を!しかし、そちらを振り向こうとした俺の顔は糸で縫い付けられてしまったかのように、動かすことができない。いや、顔だけじゃない、体全体が自分の意思に従わず、全く動かすことができなくなっている。周囲から聞こえる苦悶の声の数から、俺とシェムハザだけでなく、他のグリゴリの長たちも同様の状況に陥っていることも簡単に想定できる。さらに、感覚的に分かるが、ゆっくりとはいえ下降していたはずの俺たちは、どうやら上昇しているようだ。それもただの上昇ではない。先ほどから明らかに速度が上昇している。それこそ、この条件から考えるに、俺たちをこの場に拘束し、再び引き上げようとしている者は考えうる限り一人しかいない。
「罪ありき者よ、天より永劫なる裁きを命じられし者よ、我が監視下から逃れられると思うな!」
声が聞こえたと思った直後、俺の体は荒廃し亀裂の走った荒野へと投げ出される。同時に体が自由になったので素早く辺りを見回すと・・・いた。人間と同じ体をもつが、その背には純白の羽を持つ者・・・天使だ。しかし、俺はその姿に見覚えがある。それもそのはず、そいつはこの
「サンダルフォン!」
彼女の名を呼ぶ俺の声が届いたのだろう、サンダルフォンがこちらを振り向く。しかし、その表情はかつてのものではない。眼光は鋭く、口に笑みは無い。首だけこちらを振り向いてはいるものの、その体の構え方は遠目にもわかる・・・臨戦態勢を取っている!
「ッ!」
ほぼ勘に等しい感覚で、俺は後ろへ大きく距離をとる。それと同時に、降下時には展開を解除していた
「ッ!」
爆音と衝撃、生成されるクレーター。二度目の回避成功。これでわかった、サンダルフォンの攻撃が飛んでくる予兆が!だが、予兆がわかったところで何ができる。考えろ、考えろ、考えろ!考えて答えを導き出せ、何をもってサンダルフォンは俺に敵意を向けている・・・・・・それは、サンダルフォンの監視下にあるグリゴリたちを一時とはいえ解放し、あまつさえ地上に連れて行こうとしたからだろう。ならばどうすればこの争いを終結させられる・・・・・・それは、俺が罪を認めればいい。それならば、やることはひとつだ。
「サンダルフォン!俺は言わなければならない、お前に、この言葉を!・・・すみませんでしたぁぁぁぁぁ!」
これは俺のいた国に伝わる最高の謝罪方法、そう・・・土下座だ。約20発の攻撃を避けつつ、少しずつ距離を詰め、ようやくたどり着いたサンダルフォンの前で、俺は土下座をしたのだ。もちろん土下座と同時に武装も解除している。これは一切の回避手段の放棄とも同義のため、サンダルフォンが許す気がなければ俺は一撃で消し飛ぶだろう。しかして、数時間にも感じられる数瞬の時が過ぎ、恐る恐る顔を上げた俺の前には、今だ眼光は鋭いままだが攻撃する気配の無いサンダルフォンの顔があった。
「悠樹殿、貴殿は少々やりすぎだ。
最後にため息をついたサンダルフォンの言葉は、完全に的を射ている。それに俺が返答できずにいると、サンダルフォンは表情を和らた。
「安心しろ、雪穂殿はもうそろそろここに着くはずだ」
「なにっ!」
「本当だ、時間がかかったのは許せ。
なるほど、この
「悠樹殿、貴殿の考えていることが何となく分かったぞ。トリスタンの歴史改竄の事だろう?」
「よくわかったな。そうだ、この歴史のものは歴史に定められた死期にしか死ねない。じゃあ、どうしてトリスタンは木々を
「どうやら、我々でも想定できない事態が起きようとしている。これまで過去に人間を送ったことは無かったんだ。
天界人たちがおかした大きな勘違い、今のサンダルフォンの言動、今まで起こった事態、それらをまとめた先に出てくる答えは・・・
「まさか!」
「ああ、そのまさかだ。この歴史の物でない物ならば、
「ッ!やはりそうか。しかし、トリスタンは何も出来ないジャンヌを救世主へと仕立てあげるという役目を持った、この歴史の物ではないのか?最初にそういう決断を下したはずだ」
「それがそもそもの勘違いだ。歴史は既にトリスタンによって改竄されていたとしたら?」
「くそっ、そういうことか!」
既に行われた改竄、ジャンヌを助けるのはジャンヌには見えないトリスタンではなかったとしたら?後に歴史に語られる英雄というものは、語り継がれていくうちに所々が抜け落ち、風化し、脚色されていくものだ。祖国のために立ち上がった農民の少女、この経歴は人の記憶に残りやすい。歴戦の勇者たちが、奮起した彼女を護衛し、助け、そして勝利を勝ち取ったとして、英雄譚として語られるとき中心に描かれるのは彼女であろう。なぜなら、英雄譚など語り継がれ現在まで残っているものは、必ずといっていいほど主人公が個性的であるからだ。今回はその主人公がジャンヌダルク、あまりにも経歴が稀有すぎる。時代を越えるにつれ、農民の少女が長い戦争を最前線で勝ち抜いたという部分が脚色され、彼女自身が国を救ったという話に置き換えられていても何も不思議ではない。もしこれが正しければ、トリスタンはこの歴史に存在しない物となる。つまり、
はい、今回も読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!
最後に、これからも不定期になると思いますが更新は続けていくつもりです。生暖かい目で見守っていていただけると飛びあがって喜びます。