前回は、昼休みの話でしたね。
今回は、ほんとにパフェおごりに行きます。
では、どうぞ!
休み時間終了のチャイムとともに、やっと質問攻めが終わり、今日最後の授業である6限目が始まった。
俺は、授業を受けながら、今日の昼休みのことについて考えていた。
(結局、あいつは何がしたかったんだろう。俺たちが見ている間、動かなかったし、最後は光って消えたしな。それに、ファイントっていう名前があるらしいし・・・考えれば考えるほどわからなくなってきた。まあいいか、また放課後、穂乃香と一緒に考えよう。)
その結論に達した俺は、授業を聞きながら空を眺めていた。
そして、特に何も起こることなく6限目が終了した。
そのあとHRが終わり、俺は穂乃香を迎えに行くかどうか悩んでいた。
(穂乃香が朝、クラスに来るとか言ってたし、こっちから迎えに行かなくてもいいかな?でも、正直、穂乃香がクラスに来ると、変な噂が立ちそうだしな。迎えに行くか!)
そう決心して、俺が荷物をまとめていると、教室が少し騒がしくなってきた。
何があったんだろうと思って、荷物をまとめながら少し聞き耳を立ててみると・・・
「わぁ、あの子かわいい。」
「どこのクラスの子だろう?」
「おれ、ああいう子めっちゃ好みだ!」
「誰か待ってるのかな?」
そんな感じの会話が聞こえてきた。
俺には関係のない話だろうと思い、急いで準備を終わらせてドアのほうを向くと、そこには帰りの準備をした穂乃香が立っていた。
「ちょっ、お前何でここにいるんだ!」
俺は、まさか穂乃香が来ているとは思っていなかったので、びっくりしてこう言ってしまった。
「先輩、準備できた?じゃあ、行きましょうか。」
まあ、普通に返事が返ってきたのだが、問題はそのあとで・・・
「えっ、あの子が待ってたのって、神永君だったの?」
「いや、それはないと思うよ。」
「でもあの子さっき、神永君のこと先輩って呼んだわよ。」
「神永にこんなかわいい子が寄ってくるはずがない、きっと脅したんだ。」
とまあ、こんな感じでクラス中が俺たちを見ていた。
とりわけ、男子たちからは、すごくうらやましそうな視線がこちらに向かって飛んできていた。
穂乃香はそれを全く気にもせず、俺に話しかけてきた。
「先輩、早くしてよ。準備は終わってるんでしょ。」
「ああ、今行くよ。」
俺はそう言って穂乃香のもとに向かいながら、少し憂鬱な気持ちになっていた。
校庭に出ても、周囲から色々な視線を受けながら、俺達は校門のほうへ歩いて行った。
「穂乃香、なんで教室に来たんだ?」
「あら、集合場所決めてなかったから行っちゃおうと思ったのよ。」
「確かに決めてなかったな。俺も行こうかと思ってたんだけど、行かなくてよかったよ。行ってたら入れ違いになるところだったからな。」
「そうね。で、先輩どこに行くか決めてる?」
「全く考えてない!」
そう、俺は放課後話そうとは言ったものの、どこで話すなんて全く決めていなかったのだ。
「そう、じゃあ私がよく行く店があるから、そこにしましょう。ここから歩いてすぐだし。」
「ああ、それでいいならそこでいいぜ。」
「じゃあ、しっかりついてきてね。」
そういうことで、俺たちは穂乃香がよく行く店にパフェを食べに行くことになり、そこまで行く間に今日のことを話していた。
「うーん、やっぱり考えてもわからないんだよな。」
「何が?」
「いや、結局ファイントは何がしたかったんだろうなって。」
「そうね、特に動きもなかったし、挙句の果てに消えたものね。」
「だろ。ほんとに何がしたかったのかわからないんだよ。」
そんなことを話していると、どうやらついたようだ。
というか、めっちゃ近いんだが・・・
「続きは中で話しましょうか。」
そう言って、穂乃香は一軒の店を指さした。
そこには、「スイーツフェスティバル」という名前の喫茶店があった。
俺たちは中に入り、少々無理を言って、一番端の席に座らせてもらった。
ファイントの話をほかの人に聞かれないようにするためだ。
そこで、穂乃香はパフェを、俺はコーヒーを頼んでさっきの話の続きが始まった。
「どこまで話したっけ。」
「ファイントが何をしたかったのかでしょう?」
「そうだったな。」
俺には一つの仮説があったので、穂乃香に話すことにした。
「ファイントがしたかったのは偵察なんじゃないかと俺は思うんだ。」
「なるほどね。まず偵察して、そのあとに攻撃を仕掛けるってことね。」
「そうだ。そして、俺の意見が正しければ、あいつはもう一度学校に来るはずだ。」
「でもちょっと待って、偵察ならもっと隠れて行うものじゃない?あいつは、私たちの見える中庭の、しかもほぼど真ん中にいたのよ。偵察にしては、不用心すぎると思わない?」
そう、穂乃香の言う通り、偵察というには無理があるのだ。
なぜなら、ファイントが姿を見せていたからだ。
普通、偵察なら姿は見せないそのはずだ。
だが、それも考えた結果こういう結論に至った。
「そう、確かにそうだ。でも、もしあいつが、俺たちもみんなと同じように見えないと思っていたら?」
「その可能性はあるわね。なら、あなたの意見は正しいんじゃないかしら。」
「ありがとう。じゃあ話を戻すけど、あいつはもう一度学校に来ると思うんだ。しかも、次は攻撃的になってな。」
「それはまずいわね。で、あなたはどうするつもりなの?」
「考えてない・・・」
「考えてないの?あれだけ力説しておいて。」
穂乃香は、少々怒っていた。
だが、俺だってあいつが何かすらわかっていないから、作戦の立てようがないのだ。
「だって仕方ないじゃないか!あいつをどうやったら倒せるかわからないし、それに、どんな攻撃がきくのかもわからないんだから!」
「まあ、それもそうね。じゃあ、今日の晩にでも考えてみるから、先輩も考えてきてね。」
気づいたら、俺たちの手元にあったパフェとコーヒーはすっかりなくなっていた。
なくなってしまった以上、長居はできないので、俺たちは店を出ることにした。
レジで精算をしてもらい、店を出ると穂乃香がお礼を言ってきた。
「ありがとう、先輩。」
「いや、朝あんなことをしちまったんだから、当然だよ。」
「そう、でもやっぱりお礼は言っておくわ。」
「そうか、穂乃香はいいやつだな。」
「ふふ、ありがと。」
そうして、俺たちは家へと変えるため歩き出したのだが、何分たっても穂乃香と進行方向が変わらなかった。
「先輩って家どこなの?」
ついにしびれを切らしたのか、穂乃香が聞いてきた。
「このあたりだが、穂乃香は?」
「私もこのあたりよ。もしかして、向かいだったりしてね。」
「まさかな・・・おっ、そう言ってるうちに着いたぞ。」
「えっ、先輩まさかその家?」
穂乃香がそう言いながら指さしたのは、間違いなく俺の家だった。
「私の家、あれなんだけど・・・」
穂乃香が指差した家は、ちょうど俺の家の向かい側だった。
「ウソだろ、マジで向かいじゃねえか・・・確かに最近うちの前に誰かが越してきたみたいだったが、まさか穂乃香だったとはな。」
「ほんと、不思議なことってあるものね。」
「ああ、ほんとにそうだな。じゃあ、とりあえず今日は解散しようか。」
「ええ、そうね何かあったらここに連絡頂戴。って言っても家、前だけどね。」
そう言って渡されたのは、かわいらしい文字で書いてあるメールアドレスと電話番号だった。
「いいのか。」
「ええ、先輩に渡すつもりで作ったんだから。」
「ありがとう。あ、ちょっと待って。」
そう言って穂乃香を呼び止めると、俺は自分のメールアドレスと電話番号を急いで紙に書いた。
「これは俺の番号だから、そっちも何かあったらここに連絡してくれ。」
「ありがと。じゃあ何かあったら連絡させてもらうわ。」
そして、穂乃香が家に入るのを見送った後、俺は自分たちの家へと帰り、日課になっているポストチェックをした。
するとそこには一通の手紙が入っていて、驚くべきことに政府から送られてきたものだった。
そのとき、俺の携帯の着信音が鳴りだした。穂乃香からだ。
俺が電話に出ると、焦った穂乃香の声が聞こえてきた。
「先輩、どうしよう。政府から強制編入指令が来たんだけど・・・」
「なんだって。」
まさか俺も同じものなのかと思い、俺はその封筒を開けた。
中に入っていたのは、やはりというか強制編入指令だった。
「穂乃香、俺にも同じものが届いている。これはいったいどういうことなんだろう。」
「私にもわからないわ。でも、私と先輩は明日から{セントラル・バージス}っていう学校に行かなくちゃならないみたい。」
「そうか、とりあえず一晩ゆっくり考えてみよう。どうせ、明日の朝になったら全部わかるだろうから。」
「そうね。じゃあ、また明日会いましょう。おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ。」
そんなことで、どうやら俺たちは明日から転校することになるようだった。
「セントラル・バージス、果たしてどんな所なんだろうか。」
俺は一人呟き、明日が来るのを待つのだった・・・
はい。
今回も読んでいただきありがとうございます。
ついに、強制編入指令が来ましたね。
ということで次回は、「セントラル・バージス」が舞台になる予定です。
次回もよければ、よろしくお願いします!
※追記:2015/2/28に改稿しました。