-雪の呼吸 弐ノ型
-日の呼吸 円舞-
しのぶが『風の呼吸』特有の強風を巻き起こすという性質を利用して童磨の血鬼術で生み出された氷霧を吹き飛ばし、炭治郎が開いた氷霧の隙間で呼吸を使って素早く斬り込む。
それを基本にした上で、目や指文字で会話し、童磨の隙を何度も狙う。
だが童磨は上弦の鬼。一瞬の隙を見せたとしても頸を斬れるほどの隙は見せない。
-日の呼吸 炎舞-
-雪の呼吸 伍ノ型
炭治郎は刀を振り下ろし、続けて振り上げる。しのぶは高速で六連撃の突きをおこなう。
-鬼血術 枯園垂り-
童磨は、しのぶの攻撃を喰らっても自身の命に別状はないと判断して炭治郎の攻撃だけを防ぐ。
そして氷柱を生み出して二人に反撃する。
-日の呼吸 幻日虹、火車-
-雪の呼吸 肆ノ型
炭治郎は回避しながら童磨の頭上を通って片腕を切断する。しのぶは炭治郎が童磨の攻撃を回避すると判断し、炭治郎がいた場所も含めて周囲に思い切り刀を振って防御しつつ童磨にも攻撃する。その攻撃は刃先だけが届き、ほんの少し童磨の身体を傷つける。
「君たち凄く息が合ってるねえ!言葉も無しにここまでの連携が取れるものなのかあ!」
-鬼血術 凍て曇-
一瞬で腕を再生させて冷気の煙幕を発生させる。
炭治郎、しのぶは距離を取るが、その煙幕に接触してしまい、腕がほんの少し凍結する。
「二人とも素早い動きだなあ。追撃いくよー!」
数回毒を喰らった童磨は順応していき、見れば分かるほどに毒の影響が出なくなってきている。
-鬼血術 蔓蓮華、冬ざれ氷柱-
距離を取った二人に蔓状の氷を伸ばし、同時に大量の氷柱を落下させる。
-日の呼吸 烈日紅鏡、輝輝恩光-
-雪の呼吸 弐ノ型
炭治郎は、蔓状の攻撃は刀を素早く二回振って切断し、氷柱の攻撃は回転しながら前方に突進して回避と同時に、距離を取ったときに離れてしまったしのぶの所へ向かう。
しのぶは、蔓状の攻撃は風の刃を飛ばして切断し、単調な動きの氷柱は片っ端から破壊していく。
「しのぶさん、無事ですか!」
「ええ、何とか…」
童磨は攻撃の手を止め、自身の肉体の状態を確認する。
「うーん…毒はどれも効かないや。もう何回目かなあ?どんどん効かなくなってきているね。さっきの攻撃なんか、毒を喰らった感覚もないよ。ほんの少ししか当たってなかったからかなあ?」
二人と童磨は再度構える。
すると突然、しのぶの動きが少し鈍る。
童磨の鬼血術で生み出された氷が周囲の温度を低下させ、さらに先刻腕を一瞬凍らされたのだ。
「ほんの少し動きが鈍くなったね。女の子の方は痣が消えた。体温が下がってきたみたいだねえ!」
痣を発動する条件である『体温三十九度』が保てなくなる。炭治郎は平熱が高いおかげで何とか条件を満たすことができているが、あと数回氷を喰らうと『体温三十九度』を保てないという状況だ。
「痣の話は鬼側でも伝わってるんだよ!黒死牟殿が痣を持っているからね!
君の痣が消えないのは想定外だけど…ある程度情報も取れたことだし、そろそろ真面目に救ってあげるよ!
どっちからにしようかな…そうだ!まずは君からにするよ、耳飾りくん!無惨様が言っていた子だろ?殺されるなんて可哀そうだから、俺が食べて救ってあげるよ。そして食べれば女の子は激高するだろうから、その後に食べてあげればもっと救ってあげられるって考えさ!
女の子の攻撃は放っておいても問題ないし、名案だろ?」
童磨が嬉々として長話をしている間に炭治郎としのぶは小声で状況を話す。
「しのぶさん、あとどれくらいですか?」
「…あと、七回です…!」
「…霧だけ吹き飛ばしてもらえれば、俺が奴の攻撃を何とか捌きます。その隙に…!」
「分かりました。お願いします…!」
作戦を決めた後、改めて意識を集中させ、童磨に刀を向ける。
「また二人だけで話してるし…どうして除け者にするのかなあ。」
童磨は少し苛立ちを見せ、悲しそうにする。
「…お前が嫌いだから。それ以外に理由なんて無い。」
そんな童磨にしのぶは悪態をつく。
「…というか、そんな顔をしてるけど…演技なんだろ。」
「…何?」
的を突かれたかのように、童磨は目を見開いて炭治郎の方を見る。
炭治郎は構えを解かず、話始める。
「人だろうと、鬼だろうと感情には匂いがある。喜怒哀楽全てに。だがお前からは感情の匂いがしない…空っぽなんだ…
…人間だった時のお前は確かに可哀想だ。でも鬼になった以上…人を喰った以上、必ずお前の頸を斬る!」
-雪の呼吸 肆ノ型
-日の呼吸 日暈の龍・頭舞い-
しのぶが氷霧を吹き飛ばし、炭治郎は童磨との距離を縮める。
-鬼血術 散り蓮華-
童磨は近寄る炭治郎に花弁状の氷を発生させる。
-雪の呼吸 弐ノ型
しのぶは炭治郎の後方から風の刃を飛ばし、炭治郎の通る道の散り蓮華を破壊する。そして接近して童磨の体に六連続の突きを繰り出す。
-鬼血術 枯園垂り-
炭治郎の斬撃を相殺しつつ、鋭い扇で二人の肺に斬りかかる。
-日の呼吸 斜陽転身-
炭治郎は跳んで体を反転させて、しのぶの肺へと向かう童磨の腕を斬り落とす。
痣が消えたことで反応速度が鈍くなったしのぶは、肺を斬られることはなかったが、そのギリギリ手前の所まで斬られた。
「しのぶさん!」
-日の呼吸 陽華突-
炭治郎はしのぶの刀を握り、童磨に鋭い突きを喰らわせる。
-鬼血術 寒烈の白姫-
童磨の背後に二体の氷像が現れ、凍結させる息を広範囲に起こす。
炭治郎はしのぶを抱え、刀も回収しつつ童磨から距離を取って広範囲攻撃の射程外に移動する。
「しのぶさん…!」
「っ…ふぅ…大、丈夫…肺は…斬られてないから…」
しのぶは少しふらつきながら自身の刀を持ち、構える。
「…やっぱり女の子から食べれば良かったかなあ。いや、どっちにしても君に邪魔されてたかあ。」
-鬼血術 結晶ノ御子-
「そろそろ情報は十分だし、これ以上時間は掛けられないから、この子達に相手してもらうとするよ。」
童磨は自身の形を模した氷の人形を作り出し、炭治郎としのぶに向かわせる。
「…気を付けて…炭治郎くん…はぁ、はぁ…」
しのぶは胸を斬られて、呼吸が荒くなるが、氷の人形を見て危険を察知する。
「…しのぶさん。貴女が六回、俺が一回、計七回刺しました。」
「…そっか。…もう少し、待ってね…そろそろ効き始めると思うから…」
-鬼血術 蔓蓮華-
氷の人形は童磨本体が使った鬼血術を威力を落とさずに放つ。
-日の呼吸 烈日紅鏡、飛輪陽炎-
炭治郎は素早く二回振り、蔓を斬る。そして刃先が揺らぐような不思議な刀の振り方をして回避の隙を与えず頸を刎ね、氷の人形を破壊する。
「わあ!俺と同じくらいの強さの技を出せるのに、まさかやられるなんて!
まあいっか、あと五体くらい出しておけば問題ないかな?」
-鬼血術 結晶ノ御子-
「食べられないのは残念だけど、仕方ない。」
先刻の氷の人形を五体生み出し、二人に向かわせる。
「…あと少し…あと少し…!」
しのぶは痛みを忘れ、集中して呼吸を整える。
負傷したことで下がった体温が上昇し、『三十九度』に到達する。
-鬼血術 散り蓮華-
-鬼血術 蓮葉氷-
-鬼血術 寒烈の白姫-
-鬼血術 冬ざれ氷柱-
-鬼血術 蔓蓮華-
五体の氷の人形が炭治郎としのぶに襲い掛かる。
「…しのぶさん!」
「もう…大丈夫…!とりあえず距離を!」
炭治郎としのぶは五体からの攻撃が届かない距離へと後退し続ける。
暫く攻撃を回避していると、
「…え?あれ、何だこれ。顔が、腹が溶けてる…?」
童磨本体の体が崩れ始め、その場に膝と手をついて倒れる。
それと同時に五体の氷の人形は割れて消える。
「炭治郎くん!」
「はい!」
炭治郎としのぶは、うずくまる童磨の頸に向かって走り出す。
-鬼血術 霧氷・睡蓮菩薩-
童磨は断末魔と言わんばかりに、仏像のような巨大な氷像を作り出す。その巨大な氷像は冷気を放ち、拳を振り下ろす。
拳が当たる直前、
-雪の呼吸 陸ノ型
地面を思い切り踏み込み、一瞬にして童磨本体に接近する。
「全く…『透き通る世界』を会得しておいて良かったですよ…
そして一つ、お前の勘違いを教えてあげますよ。私は頸を斬れないのではありません…」
「…斬ろうとしていなかっただけです!!」
しのぶは童磨の頸目掛けて刀を振り下ろす。
頸を斬ることだけを考え、
-日の呼吸 輝輝恩光、灼骨炎陽、日暈の龍・頭舞い、陽華突、碧羅の天-
後ろから来る巨大な氷像の攻撃は炭治郎が防ぎ続ける。
「……!!」
ここまでしても刃は頸に少し入り込むだけで切断できない。
しのぶは全ての力を手に込め、力の限り刀を握りしめる。
「…刀の、色が…!」
やがて刀は柄の方から赫く色が変わり、童磨の頸を斬り込み始める。
「…とっとと…くたばれぇぇ!!」
さらに力を、今度は全身に力を込めて斬る。
…そうして、童磨の頸を完全に切断した。
頸を切断された童磨の体は、毒で腐りながら塵となって消えていった。
「…仇は、討ったよ…ねえ、さん…」
戦いが終わって緊張が途切れたしのぶは、受け身も取らずに倒れる。
「しのぶさん!!」
倒れきる前に炭治郎が急いで近づき、支える。
「…ありがとう、炭治郎くん…仇を討って、生きていますよ…」
しのぶは息を切らしながら笑って言う。
「…はい!」
「…少し…休ませてもらいます…」
しのぶは目を瞑り、炭治郎の腕の中で静かに寝息を立て始めた。
「お疲れ様です…しのぶさん。」
【あとがき】
ということで童磨を倒しました。
今回文字数的にはいつもより短いですが、戦闘シーンはこれくらいが限界です…
というか、あんまり長いとそれはそれで変な感じがするので。
他の上弦との戦いは原作と同じ文字まみれになって『原作コピー』になりかねないので恐らく書きません。無惨戦も同様です。
次回は最終決戦終わりの話になると思います。
他の原作死亡キャラが生き残るかどうかはあまり考えていません。
補足
終盤までしのぶが頸を斬りに行かなかったのは、効率的に毒を打ち込むためです。
原作同様に童磨の体が崩れたのは、以前採取しておいたしのぶ自身の血液を、前回作った柄の中に入れていたからです。採取した血液内の毒を濃縮したものを、『一定量打ち込んで体内に巡りきるまで効果を発揮しない』という仕組みに細工していました。
赫刀になったことに関しては、柱で二番目に握力が弱い小芭内も赫刀にしていたので問題ないと思います。
炭治郎はほとんど常時『透き通る世界』に入っていたので、傷はかなり浅いです。
とはいえ上弦は弐と参の間に大きな壁があるので、すぐさま頸を斬るのはできなかったという訳です。
雪の呼吸は六つの型になります。六つの理由は雪の結晶が六角形だからです。
雪の呼吸
水の呼吸が派生して、風の呼吸と合わさった。
壱ノ型 垂り雪(しずりゆき)
『蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ』のように高速で横切ると同時に攻撃する。
状況によって『突き』と『斬撃』を使い分ける。突きの方が速度は上。
弐ノ型 細吹雪(ささめふぶき)
刀を素早く振り上げ、続けて振り下ろす連撃技。一瞬で二度斬るため、反応が遅いと一度で二度斬られたように感じる。
振り上げで風を起こし、振り下げで『風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風』のように風の斬撃を複数飛ばすことができる。
参ノ型 風花(かざばな)
相手の隙を斬り込む連撃技。
隙が多ければ多いほど斬撃の数は多くなり、隙が大きければ大きい程強い斬撃になる。
肆ノ型 銀華白風(ぎんかしらかぜ)
『水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦』のように体を捻り、自身の周囲に強力な斬撃を放つ。
防御技としても使える。
伍ノ型 天華六角(てんげろっかく)
目にも止まらぬ速度で六連続の突き斬りをする。
『蟲の呼吸 蜻蛉の舞 複眼六角』 を雪の呼吸に合わせて作り変えた。
陸ノ型 霧雪煙(きりゆきけむり)
体全体を使って途轍もない速度で四方八方に動き、相手の目を攪乱させる技。
『蟲の呼吸 蜈蚣ノ舞 百足蛇腹』の応用。
『霞の呼吸 漆ノ型 朧』のような効果を持つ。
しのぶ本来の性格(少し短気な性格)が風の呼吸に合うと思ってこうなりました。
水の呼吸に関しては、蟲の呼吸の大元が水の呼吸だからという理由です。