ニコ視点のビリーとアンビーの様子を見ている感じです。
最終的になぜかイチャイチャというより一方的なアプローチになってました。
好評だったらちゃんとしたイチャつき書きます。
金さえ用意すれば全てをこなす随一の便利屋────邪兎屋の有能社長とはそう私、ニコのことよ。
そして、事務所で市場で買った安い小説を持ったままうたた寝をしているのが機械人間のビリー、黙々と新作のチーズinチーズバーガーを食べているのがアンビー。最近新たに入った猫又は、今はお得意さんのパエトーンの所に遊びに行っている。彼らは私の従業員よ。
「……」
そうそう、社長たるもの従業員の内情はしっかりと把握する必要があるのは疑いようのない事実よね。多分これは伝説の書物の「コジキ」?というのにも書かれているはずだわ。
「……(グイグイ)」
そう、疑いようのない事実であるはず……だから、「これ」を把握してしまうのは、ダメでは無いはず……
「……アンビー?俺にポテトを押し付けるのはやめてくれないか?」
「……ん」
「……アンビーさん?やめてね?ちょ、数を増やせばいいってもんじゃないかr……溺れる!ポテトに溺れるって!」
ビリーは口にどんどんポテトを注ぎ込まれる。そもそも彼に口という口が存在しているのかは、謎であるけれども。
……あの二人、イチャつきすぎじゃない?
今もあんなふうに、ソファの上で、ポテトに溺れそうなビリーと、それに覆いかぶさるようにしてポテトをどんどんと注ぎ込んでいくアンビーの姿が目に入ってくるわ。
いや……本人の中ではイチャついているわけではないのだろうけど……それにまだ確定したわけじゃない。私の感覚が間違っていて、二人は普通の関係である可能性も十二分にありえるわ。
私も……その……誰かと付き合ったこととか無い訳だし……
よし、これは調査をする必要がありそうね!(ニッコニコの笑顔)
──
さて、夜の九時という、良い子は眠りにつく時間帯にまたまた登場、ニコさんよ。
今私は……
「なあアンビー。いい加減俺の居場所を返してくれないか?」
「断る……ここは居心地がいいの」
「ええ〜……」
事務所の、元々は物置だったのを「ビリーに寝室」として貸している部屋の「クローゼット」に隠れているわ。
そして、今はアンビーが部屋の中央でゴロゴロ横になりながらスマホをいじっている。多分インターノットにある映画を
見漁っているのだろう。そしてそれを見て呆れたように、ビリーは肩を落としている。
「……」
きっと二人きりの状況なら、本当の関係が見えるはず……
え?「ただ自分がアンビーとビリーの関係が気になるだけじゃないか?」ですって?
そ、そんなことは一切……な、無いわ。私は従業員のプライバシーは大切にする主義よ。
「ねえ……ここで寝てもいい?」
「何を言ってんだ?こ・こ・は、俺の部屋だぞ?」
「眠い」
ベッドの上に寝転ぶアンビー。
「おっと、そんな理由で俺の部屋は奪われるのか……」
「そう」
ビリーのベッドの上に寝転びながら、漫画のページを捲る。漫画は勿論彼の部屋にあるスターライトナイトのコミカライズだ。
「『そう』じゃねーって!
「じゃあ私の部屋まで運んで」
両手と両足を垂直に上げる。多分お姫様抱っこ的なのを要求しているのだろう。
「断る」
「じゃあ寝る」
「だから寝るなら自分の部屋で!!……てか格好もラフすぎだろ!」
……たしかに、今のアンビーの格好は、ブカブカの「I Love Cinema」Tシャツに、ライムグリーンのラインが入った、通気性の良さそうな短めのハーフパンツという、少なくとも男?の機械人間を目の前にするのに推奨される格好ではないわ。
「……これのなにか問題?」
ムスッとしながら起き上がり、Tシャツの裾をペラっと持つ。
「問題だよ、大問題!おま、その姿で外出れるか!?」
「出れないに決まってるでしょ?……家にいる用で着ているんだから」
「それもそうか」
納得するビリー。多分問題はそこじゃないと思うわ。
「まあ……この格好は邪兎屋の中でしかしない、かな」
スターライトナイトのクッションに顔を伏せながら、アンビーは云う。
「ええ〜……そこは俺の前でもしないってことにしてくれよぉ〜」
微々たる彼女の変化に気づかず、いつもどおりのテンションでビリーは云う。
「……」
アンビーは彼の言葉を聞き、一瞬ハッとした顔をしてから黙り込む。そしていきなり彼女はスクっと立ち上がり、その場を離れた。
「? どうしたんだいきなり?」
──
……なるほど、大体わかったわ。
どうやら「アンビー⇆ビリー」でイチャついているのかと思ったら
「アンビ→ビリー」の図みたいね。
ちゃんと言葉で説明するなら
「一方的にアンビーが仕掛けているけど、ビリーはガン無視」と
オーケー、オーケー分かったわ。
……どうしましょ。パエトーンに相談しようかしら?いや、あの兄弟はお互いの家族愛がMAXだから、相談しても意味ないわね……
……映画並みに二人の関係の行方が気になりすぎるわ!
さて……調査も終わった頃だし、隙を見て脱出を……と。
……あれ?
……というか、クローゼットの扉が開きそうにないのだけれど?
そういえば前からガタついてきていたなあ……ってそうじゃなくて!
あれ、私もしかしてピンチ?
「嘘でしょ……?」
────翌朝、ビリーに見つかるまでニコはクローゼットで一夜を過ごした。