教育実習生オンボロ、銃と青春の世界へ(試投稿) 作:北アフリカ大洋
『見つけた…奴らだ! どうする?先生。』
「“そこで待機! 動きがあったら
『おうよ! ‥待機かぁ』
『…見つけ次第潰すって方針じゃ無いのな。 って当たり前か。』
『アタイらが良くても、先生は連邦の組織だからなぁ。むず痒い代償背負っちまったな?』
『衝突命令が出たら思いっきり暴れりゃ良いだけっしょ?』
「“や、やりすぎないでね!?”」
『『うーっす』』 「ッはは…」
携帯を握り、状況を確認しつつ
「ウチら、どこまで温存するつもり? ケンカだって意気込んでるところだから、適当なところで爆発させといた方が…」
「“でも、最初の襲撃から結構経ってるんだよね?”」
「…あー、連邦が来る?」
「“来るっていうか、僕もそうなんだけど…そうだね。
その時に言い訳が効くようにしておかないと。”」
「面倒クセェ‥けど、そうか。ウチらみたいな気楽な立場じゃ無いもんな…っと!?」
「“救出本隊、進軍停止! …念の為、話し合いに行ってくる。ダメなら『制圧』も考えるから。”」
「おうよ、気をつけて。」
目的の一団を見つけ、同行するスケバン達を停めて接触を図りに赴く。
傍ら、その指示に返事を返した
『
「ハハ、そっちしか可能性ねーだろ。」
そんな会話も横耳に、引き連れてきた一団を追い越し、向き合う。そして
「“君たちも『サバンナ連合』だよね? ちょっと話を聞かせて…“」 スチャッ
切り出した瞬間上がる銃口。それでも先生は湧き上がる動揺を抑え込み
「” ‥もらえるかな?“」
そう聞けば目を見開いて一瞬固まり、ふと先生の頭上を見つめると
「ヘイロー無しの癖に度胸あるじゃねーか。ま、
確かにこんだけ本腰入れて殲滅ってノリ、正直ウチらも初めてだけどさ‥そもそも定期的にケンカ出来ればそれで十分なンだわ。鬱憤、晴らしたモン勝ちって感じでさ‥
なーんか思惑あったりもするんだろうが、
「やっぱそんなモンか。どうする
語られた事情、予想通りといった風に確認を取ってくる味方に先生は視線を下ろした。
「“そうだね。詳しい事情が知りたいのはその通りなんだけど”」
「
「レッコの事か。」 「アンタもだろ?」 「…」
「(自白してどうする…)いや、『だからこそ』踏み込んでも良いんじゃね?SRTとやらの活動が凍結されかかってる今なら色々言い訳できるかも?」
「あ、そっか。
ハヤメぇ、やっぱウチらとんでもないことに首突っ込んだんじゃ…」
「“違和感があったのなら止まらなかったの?”」 「「…」」
後方から聞こえる会話に一言差しつつ、ふと考える。
(“確か、孤坂ワカモを捕らえたのもSRTの隊員だったね。なら、あの規模の騒動にも確かに動いている筈ではあったのだけど…”)
「“一応聞くけど、
聞けば、旅立っていく一同の緊張。
ただ心当たりはあるらしく、顔を見合わせたのち
「知らない、はずだけどなぁ?」 「“はず?”」
「
「小難しい裏事情聞いて何かしらできる
「そだな。上手くやればイイ武器貰えるから元々ノったんだ、知りたけりゃ黙らせてみなってコトで納得してくれや」
そう結論を出すや、再び銃口が上がる。そして
「と言うことで、だ!」
こちら一同を指して横切る人差し指、それが天を向くとグルグルと円を描き始め…
そしてその人差し指すら折りたたんで握り拳を作るや
「‥フンッ」
鼻を鳴らしながら首を傾げ、頭上の手を外側に向けて開いた。
(“…いや、あのジェスチャーはダメじゃない!?”)
そんな挑発に焦る
理解が追いつききらず、固まる先生を他所に
「ハッ、ようやくか!」
「お互い様なんて日和ったことは言わねぇよ、お前らが一方的に味わえや!」
盛り上がる双方一同。
「先生、悪い。あの合図が来たら開戦ってことになってんだよ、
「“いや…”」
「ウチらが勝手に飛び出したってことで言い訳宜しくな! 通信越しに伝わっちまってそうだから
「どーせアタシら撃たれても大半は痛いで済むんだから、先生がうま〜くやれば何とかなるっしょ。」
「“自覚があるなら‥”」 「ゴメン、
「“ちょっと!?」
そう言って飛び出していく一同。
戸惑う先生を見上げ、ハヤメは
「先生。やっぱり
「“そうだね…僕にとっては、一発でも当たりどころ次第でしか安心できないからね。
ハヤメにとって、『撃つ』ってどんな感覚なのか、教えてもらえるかな? こうなったからには、慣れるしか無いと思うから。”」
「『撃つ』‥普通は命に関わるものじゃなくなってるとはいえ、弾も
ただ私たちにとっては‥そうだな、先生はSNSはやってたか?
「“‥気軽に、細々とね。”」
「多分、そんなものって言った方が近いのかも知れないな。腹が立ったから怒る、愚痴る‥書くも、撃つも、怒鳴るよりかは よっぽど気楽なもんさ。先生と違って、致命傷なんて滅多なことじゃ縁すら無いし?
そういう先生はここにいて大丈夫なの?」
「“…ハヤメを信じるしか無い、かな‥”」 『先生! 私も居ます!!』
吐いた不安と同時、手元のシッテムの箱から聞こえる
『安心してください、先生。私なら、飛んできた銃弾から先生を護ることも出来ます!
ユウカさんが身を守るために使っていたものを再現できると思って大丈夫です』
「…先生?」
「“いや、シッテムの箱が僕のことを守ってくれるよ。”」
不思議そうな顔でこちらを見つめる
再びシッテムの箱に目線を下ろすとアロナの頭
「“じゃあ、よろしくね。”」
『任せてください! その代わり、後でご褒美を要求します』
「“うん、分かったよ。
…さてと。準備は良いかな、シロコ、アンズ。”」
『ん!』 『お願いします…』
ピッ‥ 「ん、始まった。」
通話を切り、シロコが
それを聞き、安全装置に手をかけて臨戦体制に移りながら彼女たちは雑談を続けた。
「こっからケンカと捜索分けるにしても、多分ウチらはケンカ班だろうな。」
「あのミレニアム生、大丈夫か? すれ違う他の大人連中が出てきたから慣れてきただけでウチらにも人見知りしてたはずだったろ?」
「そのままだと気まずくて連れ出したってのにさ。というかそれさえなかったら逃げ出してそうだったよな…と。」
「シロコ組、で合ってたか? 「合ってるよ」 オッケ、接敵目前…
いや、我慢してもらってさ、音声入力で『チーム
そんな質問に、シロコは居心地悪そうに肩を竦める。
その様子に周囲のスケバンたちは微妙そうな顔を浮かべ
「アタイらだけで勝手にそう呼んでただけだからなぁ。よくよく考えればそんな反応も当然と言えば当然か。」
「名前聞いたのが今日初めてで『まぁ確かに心強いか』程度の認識から一時間も経ってねぇし、この後ナカヨクすりゃ良いんじゃね?
「‥テメェ、真っ当な理由で
「‥うーん、やっぱり見覚えがあると思った。そっか、じゃあ「ケンカだ ぶっ放せェ!」‥ん。」
突然の号令、場面が変わったかのように駆け出す一同に遅れてシロコは敵を見据える。
銃弾が風越しに頬を撫でるなか、その手元には“とある機械”が飛び立つ準備を施されており…
一方、とある前線。
「宣ッ戦、布告ゥ!?」
ワイワイといつも通りの罵声と銃声を響かせる戦場を見下ろしつつ、非常階段の手すりにもたれ掛かるウツキが電話に疑問を返す。
返ってくる返事によれば
『
「そっかぁ‥ま、
瞬間、頬を掠め、続けて頭を下げて直ぐ髪中潜る銃弾たち。
『ウツキ?』
「例外。そっちはよろしく!」
それだけ伝え、周りに集中してみれば狙う複数の砲身。
「ッケンカなら、楽しくやるんじゃ無かったのか?」
「…」 タァン、タァン…
続けて一斉に打たれた弾から逃げるように駆け出し、手すりを乗り越えて…
ズガァン 「ぐふぁっ!?」
「悪い、その
‥ そして、ちょうどイイところに
奪い取った銃を即座にリロードし、身を隠した看板からスコープごと外の様子をチラリと覗き‥
「でぇッ!?」 「何がッ!?」 『‥おい、何が』 ガショォン、ガガガガ…
「三発命中…イイ性能の持ってんじゃん。逆に路上待機にゃモッタイない。
まぁ」
撃った分の弾を装填し直している間にも撃ち抜いた二人は体勢を立て直し、反撃に出ようと砲身を彷徨わせていた。
その様子を確認し、徐に着ていた緑ジャージを脱ぐと
取っ手に紐を括り付けるとその紐の反対側にその蓋を括り付け、両手で持って真上を見上げると
「そぉぉれ! っと」 ヒュオッ、シュルシュル
投げた蓋は迫り出した鉄骨に紐を渡してジャージを着たゴミ袋を持ち上げ
「居たぞ、撃ち落とせ!」 タァン、タァァン
(‥バーカ。精々、無駄弾たんまりぶち込んどけっての!) スチャッ
「ウツキが交戦始めたってさ。」
「偵察頼んでたウツキが? マジで!?」
『“いつもとは、やっぱり違う?”』
『少なくとも作戦は
『ごめんハヤメ、
『ウツキ!? オッケ、先生に周辺誰がいるか確認取るな、耐えといて!』
戦闘間の雑談中、飛んできた報告に顔を見合わせる、とある一同。
「大丈夫か、さっき飛び出してったアンズとかいう奴。」
「案外大丈夫だろ。覚悟決めた後の
「走りながらスタンガンに持ち替えてた辺り、近づききる気満々だったよな?
で、ひと段落ついたらまたオドオドしてキョロキョロして…」
『シロコが行く、出来る限り引き降ろしとけよ!』
「…まぁ、それなら安心か。安心して」「居たぞ、自習組派閥だ!」
「目の前の
『“アンズ班、向かって左のゴミ箱に弾薬があるみたい。活用して!”』
「了解! ‥ンな情報、いつ仕入れてるんだよ」
「シッテムの箱…とは思うんだけど普通にハヤメが把握してる可能性があるんだよなぁ…
お前は後ろ居とけって、挟まれたら後ろの
『‥後ろのゼンセン、誰がやるんだよ!』
聞こえてくる声。潜んでいた少女は肩を竦めながら廃階層の窓から見下ろす。そこへ突如
「何やってんだ、こんな所で。」 「!!」
掛かる声、複数人の足音。
振り向けばショットガンを片手に歩み寄る影たち。
(ひいっ!?)
一瞬竦む身体がサブマシンガンの銃口の後ろに上半身を隠そうとし‥
下がる左足、半身になった身体は自然、戻り寄せる緊張と共に狙う姿勢を取り直し…
「場慣れ、してるんだ。」
「あなた達ほどでは、ない…です。
でも、なんで…」
言葉を切り、深呼吸を一つ。
無駄に固まった身体をほぐし、今取れるだけの臨戦体勢を整えると
「‥あなた達はなんで、
歩み寄る影は、ユラリユラリと近づくだけで
彼女の質問には、一言も答えなかった。
タタタタタッ、ダァン、ダァァン‥
入り組んだ路地裏に響き始める銃声、砲音。
その出入り口で、一人の
ふと顔を上げると、走り寄る仲間たち。
「澄溜さん、お待たせ…それは?」
「思ったより大きくなりそうなんだよね、今回。
七囚人脱走の騒動と同じ規模は、覚悟した方が良いかも…ま、悪い
彼女はそう言って建物の向こう、隙間に見えるシャーレビルの方に視線を投げた。
その手元には、対戦車砲などの重火器が並んでいた。
後書き用に振り返ってみて、幾ら何でもこの挑発は世界観的に大丈夫なんだろうかと思わなくも…
Next.(8/29 更新予定)
混沌の路戦場、影を駆ける…