教育実習生オンボロ、銃と青春の世界へ(試投稿) 作:北アフリカ大洋
勢力図の整理も兼ねられたらいいなぁ…という目論見です。
では!
ある朝のシャーレのビル…
仮眠室のベッドに入り、
その枕近くに立てかけてあったタブレットの画面が点灯を始め…
『先生、起きてください! もう朝です…』
「“ふぐッ、グゴゴゴ…”」
『‥先生? 今呼びかけた瞬間にいびきを立て始めませんでした?』
ゴソッ‥「“うーん、いやね? ‥頭を起こす時間が欲しかったというか、起きる心構えを用意したかったというか…ふぅッ!!“」
そんな掛け声と共に掛け布団を払い除け、
「”うわ寒っ!? ‥ってほど寒過ぎるわけでも、無いけど…あれ、誰が!?“」
『こっちです! 先生、もう私のことを忘れたのですか!?』
部屋を見渡す元治は、視線を落として声の主である
申し訳なさそうな顔を浮かべて謝りつつ、
「”電話越しにモーニングコールを貰った事が無いからね。あってもさ、高校時代に同級生がおタマでフライパン叩きながら寝室まで乗り込んでくる事がほとんどだったから…“」
『そんなマンガみたいな起こされ方…あれ、同級生?』
「”うん。アフロのカツラとエプロンを着た、男の同級生がね…笑いながら突撃してくるんだよ…“」
『…パンチパーマの、では無く?』
「“うん、そうだね…鼻メガネを付け出した事もあったかな…”」
思い出しながら、起こした身体をグッと伸ばす。
例の同級生はそのアフロのカツラの色が虹色だった時もあったのだが‥いや、情報が渋滞するのでこのくらいにするか。
などと考えつつ…
「”まぁ、そんな妙に変な事ばかりしてくる奴と昔につるんでたから、不思議と銃撃戦に初めて巻き込まれた筈なのにあまり動揺してなかった自分に後から驚いてる、というか…
その延長かな、プラザムと名乗ってたあの
『あ、あの人‥のことですね。大丈夫なのでしょうか、信用して…』
「“機械…にしては妙に抜けてるところがある、という面なら人間として接するのが良いんじゃないかな。裏があるかどうかはこれから付き合っていくなかで考える。で良いと思うんだけど…”」
そんな会話を交わしつつ仮眠室を出ると執務室へと入り…
「“そんなことより、今日は‥”」
『お手伝いを終わらせてから、ですね…』
作業用の机に積まれた書類を二人で見つめる。
―失踪以来、連邦生徒会長の許可が必要な案件が多く溜まっています。私達では判断の難しい案件もいくつか残っていまして…
―それを、僕が代わりに見ていけば良いのかな?
―はい。是非とも、先生にはそちらを担当していただきたく…
「“路地裏のみんなも気掛かりだけど、他の自治区にも困っている人たちがいる以上仕方ないかな。向こうの方はしばらくプラザムに任せるしかないか。”」
『…ですね。』
しかし、である。
‥グループ名が付いたことで以降の銃撃戦における情勢の描写が楽になると作者は安心している。
むしろ仮でも早めに決めておけばわかりやすく描写できたのだろうが…と、話に関係のない愚痴はこのくらいにしておこうか。
角立ハヤメは集まった一同を見回し
「集まったのはこんだけか。先生は?」
「仕事残ってんだろ。一応来るまではこの面子でなんとかすっか?」
その楽観的な返しにハヤメは渋い顔を浮かべると
「あとなんだけど、さ。プラザムと連絡が取れなくなってた。
例の倉庫の位置聞いて尋ねてみたんだけどもぬけの殻でさ…」
「マジか。地味に有り難かったんだけどなぁ、アイツの
困りながら呟く一人が目を滑らせた先、
「というか先生とプラザム居ないなら指揮‥は、
ウツキとリツが目線を滑らせた先に釣られて投げた発言に思わず立ち上がる。が、
「まぁ、確かにそれしか無いか。賭けて昨日言ってたプラザムの予備機とやらに通信機能が備わってないだけという皮算用並べるくらいしかないが…」
「頼って作戦立てるつもりも無いだろ? ハヤメは」
「最悪先生が来るまで持ち堪えれば十分だろ。全力は尽くすからさ。」
「あー、あと昨日ヴァルこーたちに聞いたんだけど、調べ物でこっちに手を回す暇はあまり無さそうなんだって。」
「ま、それはそれでやり方変わんなくて楽っちゃ楽か。」
「んじゃ、平和なうちに始める? 喧嘩始まったらやってる暇無いっしょ」 「だな。」
そう言って3人は教材を取り出し…
(そっかぁ、だから『自習組』って呼びだしたんだっけ…)
他のスケバンはそんなことを考えながら遠巻きに見ていたが。
そのうち混ざり出すのは後の話である。
とある廃屋。ガラの悪いオートマタが部屋に入ると奥に見える二人の影。
高身長と巨体の影を睨むように見渡すと被りを振って
「よォ、
「こんな場所に理事が来るわけ無ぇだろ? ちゃんと私だよ。」
「殊勝だな、タミエ。社会人たる私より先に待ち合わせるとは…」
「
「あぁ、そうだ。ところで謀反組とやら。奴らに勘付かれておきながら一番遅くに来るとは、感心しないな?」
「すまねぇ、うちの手下が下手打ったようだ。キツく叱っておいたが、それで収まる話じゃ無いよな?」
「続いて
タミエと呼ばれた巨体の少女が呆れた身振りをとり、そう言い放てば高身長のオートマタが睨み返すと
「大した成果も取れてない時点で褒められもせんだろうが。フン、言い出しっぺよりかはマシだろう。」
「何ッ、だとォ!?」
「まぁ、ヴァルキューレが独自にそちらさんの線を追い出したとなれば、計画の立て直しは簡単だ。
「我々としては折角の努力までも無駄になるかもしれんと散々だ。損切りも現実だと思わねばいかんのだが…」
「フン、今に見てろ! 後ろ楯の無い路地裏の
睨まれてそう吐き捨て、いの一番にその場を飛び出して行った。
古澤アンズはこの日、D.U.へ再び訪れていた。
(ユウカ先輩には絶対バレてるけど…)
そう考えつつも路地裏に入り、昨日の記憶を頼りに探し回ると
「あっ、居‥」
「違ェってよ! バーカ」
「別教科、散々だったお前に言われたくねぇっての。」
「まぁ、アタシだってそんなもんだったわ。頑張るしかねぇよ…」
「ほらさぁ、柑橘系だってそう言ってるじゃん?」「…それ、
一同は教材を囲んで
一人がふと振り返ると
「おう、ミレっ子じゃねぇか!」
「…こんな所で勉強してるんですか?」
「
会話の最中、鳴る携帯。取り出し電話に出れば
『敵襲! 戦闘準備だ!! あとモラしたパンツ買ってくれない?』
「キッたねぇ、トイレも寄れずかよ…敵襲了解!」
その言葉に、教材を出していた3人が急いで仕舞い出す。
「ハヤメ、頼むな?」
「ヴァル公がうまく封じてくれれば助かるんだが…ウツキは偵察を、アンズも頼めるか?」
「‥はい、わかりました!」
「昨日の件がある、二人一組で動いてくれ」
「おうよ…」 ジャコッ
返事と同時、姿を表すなり銃口を向ける、
「またかよ」と漏らしつつ、
「
「あ、はい! では、任せます…」
その陰に紛れて二人は姿を消し。対して
「
「了解!」
ハヤメの指示通りに布陣し、迎撃する
武器種での指示に関わらず、身振りを交えて確実に指名していくその様は初めからそういうグループで活動していたようでもあり…
「というかもう怖ぇよ、なんで把握してんだアタイらを!」
「雑に集めるより銃弾のメーカーまで揃えた方が補給も楽だろ?」
「もっと怖いこと言うな気持ち悪い!」
「
「その熱意をベンキョに向けろよ」
「今はそんな正論は要らないって…そろそろ
「「了解ッ」」 『SR組、了解!』
大きく息を吸い、そして吐き出すと、少女は目の前の建物を見上げる。
そして手元のスマートフォンに目を落とし…
(連邦捜査部S.C.H.A.L.E.‥うん、ここだね。だけど…)
少女は昨日の様子を思い出す。
―また助けていただき、ありがとうございます。砂狼シロコさん。
―で、俺がオンボロことプラザムだ。先生は久し振りかな?
―そっか。またあとで話を聞かせてね? 今は…
―そりゃ逞しくなるわけだ。
―うん、引き続き
(ちょっと、様子を見に行こうかな…先生ももう、向こうに行ってるのかも。)
そう考え、踵を返したその時。
「…誰?」
立ち塞がる
シロコの姿を一瞥すると彼女を無視して顔を寄せ合い
「フン、特徴は一致するが…」
「まぁいい。ここで挽回しないと奴らに顔向けできん。手早く済ませるぞ」
「待て、焦るな。ここは目立つ。何より…」
「誰って聞いてるんだけど…まぁいいか。親切な人って訳でも無さそうだし」
丸聞こえの内緒話から判断したシロコは懐から取り出した手榴弾を握り締め…
「“あれ、シロコ。こんな所でなにやってるの?”」
「あ、先生。アイツらが…」
建物から出てきた先生に、シロコは前の大人への警戒を保ったまま答え…
「この大人が奴らを操る…」
「やれ」 スチャッ
その姿を確認するや、構えられるロケットランチャー。
「“危ないッ”」 「‥ん!」
予想外の行動に一瞬固まる先生を他所に、シロコは握っていた手榴弾のピンを抜いて振りかぶり…
勢いよく投げ放たれた手榴弾、同時に弾頭が勢いよく飛び出し… 「「!?」」
炸裂する火煙の奥、こちらへ攻撃を仕掛けようとした大人たちに走る動揺。
狙ったか、重力の影響を僅かに受ける程度の速度を伴った手榴弾は奇跡的に弾頭を正面から受け止めたのである。
そこへ
「先生、何事…貴方たちは!」
「”リンちゃん!“」 「誰がリンちゃんですか、ったく」
先生の後ろから合流する七神リン。
その姿を見るや、急いで撤収する大人たち。
一連の出来事にため息をつくと
「確かに、状況の深刻さは思った以上のようです。
聞けば既に不穏な勢力に対抗する生徒たちとは手を組んでいると聞きます。私たちは生憎行政の立て直しがまだ完了していませんが、可能な範囲でお手伝いいたします。」
「”わかった、任せて!“」
「それまで、続きは保留とさせていただきます」 「”ハイ“」
そんなやりとりを経て、
とある無人ビル、ドアノブに掛かる手‥
ガチャ 「さぁて、みんないるか?」
「
部屋の中では地図を広げた机を前に、
つまらなそうにスマホを耳に当てるスケバンがこちらに気付いて声をかける。
タミエと呼ばれた少女は申し訳なさそうに肩をすくめると
「
「…なんて言ってるタミエさんが困ってるようには見えないようだけど?」
「実際、面倒なんて思える状況じゃないからね。大好物さ、この状況は。アンタらだって気兼ねなく暴れたい気分だろ?ここ最近の閉塞感にたまった鬱憤をそろそろ持て余す筈だ」
口端に笑みを浮かべて答えるタミエ。
同意するようにスケバンの少女も持っていたスマートフォンを放り出してタミエの方を向くと手を広げ
「とっくの昔にみんなそうだよタミエさん。でなきゃあんな祭りの皮を被った妨害行為に手を貸す訳がない。」
「根本的に自治に不満持って、みたいなのは無ぇのか。スケバンやってても性根はD.U.市民なんだな、イッパシの。」
「そもそもアタイら、指名手配なんて面倒な身分にまで堕ちるほど肝も据わっちゃいねぇよ。精々ストレスを吐けたら充分さ…
で、どうします? 先遣はもう勝手に出て行きましたよ?」
「場所を割って状況を整える。回す場所が増えたら都度で飛び出しな、ただ、相談はキッチリやっとけよ? 揉めてストレス貯めるなんざ本末転倒だろ」
「了解!」
そう言い放ち、彼女の隣に腰を下ろすと広がっている地図を眺め…
「まぁ、昨日の事なんざいつかは来ると思ってたんだ。利用の算段も付いてるさ‥行くか、改めて。」
愉しげに呟いた。
ということで敵の内情でした。
ちょっと先生のキャラを立てすぎたかな、と思いつつ…
本作はこういう方針で行きます。
本編先生と比べて青さの残る感じを目指しつつ、本編に食らい付く様を描ければ、と。
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襲撃! 駆ける緑衣の手練れ