教育実習生オンボロ、銃と青春の世界へ(試投稿)   作:北アフリカ大洋

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今回投稿予定分は全6話!
メインVol.1進行前に完全捏造エピソードを挟むという暴挙を、
無事乗り越えられたらなぁ…

示唆含めて本作に登場させる予定のオリキャラ中心です。
把握しづらかったらゴメンネ。

それでは!


2-1)始まりは静かに、賑やかに

 

プラザムは、修理休眠(だみん)を貪っていた。

この世界での身分をどうするか。

そんな切羽詰まった問題よりも対応力の確保を優先し、

より満足に応戦できるまで内蔵機能による自己修理に任せよう、そう考えて

この男は修理休眠(だみん)を貪っていた。

そこへ

 

「おーい、生きてるかー?」

 

聞こえる声、ただ稼働(起き)るのがどうにも面倒臭く。

 

「おーい‥ダメだ、返事が無ぇや」

「人形じゃね? こんな大人(オートマタ)見た事ねぇし。」

 

そんな会話を尻目に集音系(聴覚周り)だけを動かしながら寝ていた。が、

 

「だな…いや寝てるだけなら試し、一発撃ってみないか? 生きてたらそう簡単には壊れんだろ」

 

聞こえてきたその一言に、彼は慌てた。

 

「どぁぁ待てコラ普通に壊れるだろ馬鹿!」

「「「うわぁ!?」」」

「ったく、ブラウン管テレビ叩く時ですら素手でやるだろうに…」

 

何をやろうとしているんだ、そう心の中で悪態を吐き…

眼灯を青色に灯してプラザムが起き上がると囲んでいたロングスカートの少女たちが飛び退いて

 

「…いやぁ、普通に生きてたわ。ってブラウン管? なにそれ。」

「あー、知らねーけど どうせアレだろ、エンジニア部とやらの新作。」

「かも。見れるんならさ、資料でいいから見てみたいよな‥って、そんなことよりさ」

 

ふと湧いた興味に話が逸れかけ、軌道修正に跳び起きた大人(オートマタ)の方を見る。

彼は信じられないものを見る仕草で指差すミニガンの銃口とそれを抱える金髪少女の顔を行き来するように眼灯を向け、

 

「…そんなモノ(ゴツいミニガン)構えて一発もクソも無ェだろうが!

オマエらさぁ、本ッ当に壊す気か!?」

「大丈夫大丈夫、入れたのゴム弾だから。」

「カートン買う時、たまに試し撃ち用で一発とか入ってるのを捨てる奴が結構居るんだよね。

そんなだからゴム弾(こいつら)ドンドン増えてく一方、無駄撃ちの罪悪感も全然無いし?」

「壁にめり込まないどころか跡形なく蒸発するのが最新型。ビバ完全犯罪。」

「そいつがよ? 自販機の下に手を突っ込んだらさ、出てくるんだわゴロゴロと。お兄さんは捨てる派? それとも取っとく派?」

 

問い詰めようにも弾の自慢を始める少女達一同に、彼は眼灯を消して項垂れ

 

「こ、小銭感覚‥じゃなくて。いや、あー。ハァ、これがキヴォトスって世界かぁ…」

 

そう呟いた。自分自身(プラザム自身)も大概 だと言われるのだが、上には上がいるものである。

 

 

 

 

 

‥ともかく。

 

「アンタら、そう言えば名前を聞いてなかったな。

俺の事はオンボロ、若しくはプラザムと呼んでくれ。」

 

そう切り出すと

 

「じゃあプラザムな。オンボロなんて自称されて呼べったって無理だから…

(ウチ)浮水(うきみず) ウツキ、恥ずかしながら無所属の浪人だ。」

 

苦い顔を作ってそう答えたのは緑ジャージに黒髪を纏めたポニーテールが特徴的なスケバンだった。

次に答えたのはその隣、白と青のセーラー服に黒い袴を何故か合わせて着こなす

鋭い目付きに染めたような金髪が特徴的な

 

角立(すだち) ハヤメ、そんじょそこらの高校2年って認識でかまわないよ。

アタイ、補習続きの学力が嫌ンなって気付けば此処通いさ。で‥」

「コッチが戒破(かいば) リツ、ど真ん中(いちねんせい)ねー?

二人ともああ言ってるけどね、何だかんだここが楽しそうで羨ましいから着いてきたんだー。

ちゃんと楽しいからおっけーかなー

で、この3人で引っ括めて通称“路地裏自習組(ろじうらじしゅーぐみ)”ね。

他の連中(らいばるたち)がそう呼んでるから、せっかくだから私も言ってるだけなんだけどさー」

 

最後に答えた、のんびりとした雰囲気を纏う比較的小柄な青い髪留め(カチューシャ)の彼女はよく見ればキッチリとした制服を隠すように濃紺の特攻服と白いシャツを羽織っており、しかしその隙間から黒いベルトと薄空色の制服が微妙に覗いていた…ともかく。

 

「路地裏、自習組か。まぁ、呼びたくなるのも分からんでは無いわな。」

 

そう言い、3人の鞄に目を向ければ覗くのは白い表紙の教材だった。

リツのものだけは1冊ほど金色の表紙のものが混じっているが

 

「で、強いて言えばリツが教える側、と。」

「フフン、みんな可愛いからね。それにさ、この場所(裏路地)ならではの面白い話がたまに舞い込んでくるからWin-Win(うぃんうぃん)。かわいい。」

「かわ、いい? のかは分からんけど、勉強に関してはリッちゃん様々だね。で、それ以外に関して。

ココらのスケバン連中には一応縄張りみたいなンがあるんだよね。そっちの付き合いに関して頭目(ヘッド)の役割を買って出てるのがウツキ。

私は参謀だね。策とか捏ね回すのが性に合ってるのさ。それが勉強に応用できたら良かったんだけど‥うわぁ!?」

「ハヤちゃん最近成績上がってきたぞーえらいえらい。寂しいけど嬉しいなー」

「引き寄せて丸めるな戒破リツ(オマエ)、縁側でネコなでる婆ちゃんじゃねぇんだぞ。」

 

そう言ってプラザムは呆れ、引き抜いた教材で軽くリツの頭を(はた)く。

そそくさと抜け出すハヤメを名残惜しそうに手だけを伸ばし、恨めしそうな目線を彼に向けると

 

「むぅ…まぁ、そういうこと。じゃ、せっかくだから今日もやる? やろう?」

 

渋々と話を切り、教材を取り出した。それに続き

 

「まぁ、整った場所で自習(ベンキョ)出来ることの方が珍しいし、

満足はしないけどこんな場所でも…」

 

呟きながら2人がリツに(なら)って教材を取り出しかけたその時である。

 

カラン、コロコロ‥

 

飛んでくる手榴弾。当然

 

「ん?…げ、やっべ!!」

 

ピンは抜かれた後であり。

気付いたウツキが慌てて遠くへ蹴飛ばすと手榴弾(ソレ)はゴミ袋の山へ消えてゆき。

 

片付(かた)せ、伏せろ!」

 

その号令と共に3人は教材を鞄へ突っ込み、頭を鞄で覆う。

直後漏れる閃光、次いで飛び散る紙コップや包み紙の塊などに打ち付けられ

そして手榴弾の飛んできた方向に見える影、

 

「出て来いよ、自習組のヘタレ共!」

「ヘナチョコ弾のゴム撒き娘なんざアタイらの敵じゃねェんだよ!」

 

口々に挑発する別勢力(他のスケバン)たち、横殴りに降る弾丸(たま)の雨。

構わず、いの一番に顔を出した小柄な少女(戒破リツ)は慣れたような表情を浮かべており。

口を開くには

 

「うーん、これは別の区画の人間! みんな元気だよね。」

「いや、そんな日常茶飯事みたいな反応…」

 

「ウチら、路地裏界隈(このあたり)の実力主義的な価値観からは浮いた動機でグループ組んでるからさ。

間違いなく狙われる(こういう)のも日常茶飯事なワケ。

ま、いきなり手榴弾(ここまで)なんて久々だけどさ…」

「それはともかく、銃弾一発で壊れてたらこの世界(キヴォトス)じゃ保たないよ。路地裏(こっちの)界隈なら尚更(なおさら)ね。

…それでも買った弾使うのもバカバカしいケンカしか最近経験して(遭って)こなかったから正直少しビビってるが。」

「コンビニ感覚みたいに言うけど、本当にコンビニとかに売ってるんだろうから何も言わん。

バカバカしいケンカの基準はまだピンと来ないんだが…」

 

そう呟くと笑顔一名、他真顔で

 

「『オマエ、警官(ヴァルこー)みたいだな』って言って絡まれたなー。」

「平均して『弁当に苦手なモン入ってた、(ツラ)貸せ』だな。」

「『蜂に追い回されて疲れたからオマエ蜂の巣な?』って言われたことはある。」

 

返ってきたそんな答えに、彼はそれ以上の疑問を持つのを辞めた。そして

 

「まぁ、居合わせた(よしみ)で手は貸す。

整備不足ながら戦えないレベルの不調ではないから、な!」

 

そう言い、銃を取り出した3人に見守られながら彼は立ち上がる。

腕を立てて反対側の肩まで左肘を引き…

 

腕載対武器兵装(プラズマアーム)、起動!

 

反動をつけて真横に振り抜かれた腕が電気を帯びる。

ハヤメは気付く。

 

「え、オジサン、銃無し(ステゴロ)で戦うの!?」

「適当に見繕っても良かったが、防御(受け)の加減が分からん以上手は抜けないからな。

馴れた態勢(スタイル)の方が幾分か安心だ。」

「あっそ。じゃあウチらはいつも通りの布陣で行くから適当に陣取っといて」

 

言うなり先行する緑ジャージ(浮水ウツキ)の後ろ、特攻服(戒破リツ)に並んで駆け出す。

 

「おい待て、啖呵切った俺のメンツはどうでも良いのかお前ら!

‥いや、盾にされるのもそれはそれで、か。ったく…」

 

 

 

 

 

そんなわけで始まった迎撃。

敵を撒き、束の間 索敵に集中し出す相手に

 

 

「ハイ、お出迎えっと!」

 

黒髪のポニーテールと前を開けたジャージの裾を靡かせ、

走り寄るなり白色のショットガンを低姿勢から相手の手元を目掛けて振り上げる。

その砲身は抱えていた銃を打ち上げ

 

「だぁッ‥出てきたぞ!路地裏ァッ…」 ダァン

「ひッとりめ! っと、次は?」

 

銃口を下げるなり空いた顎を撃ち抜き、崩れおちるスケバンに射線を追わせて辺りを見回す。

しかし、その背後(彼女の死角)で動く影…

 

(隙有り…) スチャ「!!」

 

気配に気づき、振り向けば向いている銃口。ただ

 

ダダダダダ 「うぎゃあ!?」 ドサッ

 

火を吹かせる前に撃ち手を殴る弾の雨。

ウツキがその主の方を見れば

 

「ンな事だろう(こったろう)よ、バーカ。

いかにも過ぎるゴミ箱なんざ奇襲手段としても使い古させてるっての。

先入観で確認忘れてるリーダー(浮水ウツキ)もどうかと思うけど」

「ッとけよ。くっそう…」

「ウッちゃんの不注意は兎も角さ。

いやー、爆弾でもビックリ箱でもないパターンなんて久々だね。

ま、実弾通せば大抵は見破れ(なんとかな)るんだけどさ?」

「だからほっとけっての…」

 

煙を吐くマシンガン片手に歩み寄るハヤメ、両手を頭の後ろに組みながらアサルトライフルを背負ってリツが後に続き…

 

「ビックリ箱て‥いや、それ数人組同士の抗争(ケンカ)のやり口の話だよな?」 キュゥッ、カァッ

 

呆れ気味に聞き返すプラザムの頭部には跳弾の火花が舞う。

…いや、火花が舞うと言うことは

 

「しまった、そうだ後ろからも!」

 

振り向き、帯電していた左腕を向けると右手で上腕部を支える。

次の瞬間。

 

スパァッ 「アババババ!」

パァァン 「グウッ…」

 

拳の形を取って飛ぶ、雷撃二閃。

マトモに食らったスケバン二人は銃を手放して痺れながら地面に崩れ

 

「筋弛緩的な調整だけど、対人間調整でもなんとかなるって感じか。こりゃ威力の再調整が楽になりそうだ…」

「ほえ〜、銃無し(ステゴロ)なのは見た目だけのタイプなんだ。

でも体裁用で持っといた方が余計な面倒がなくて良いと思うんだけど…」

「絶賛余計な面倒に首突っ込んでる最中なんだよな!

オッケ、考えとく!」 スタァン、トォォン…

 

同じ方向から増えゆくスケバンを迎撃しつつ、返事を返す。

後方からもこの調子である。当然

 

「もうすぐリロード入れるわ、カバーお願い!」

「ウツキほど少なくはないけどこっちもだわ。終わったら交代な!

ックショウ、今回ケンカ吹っかけてきた奴ら何者(ナニモン)だ!?」

 

ウツキとハヤメの前にも増えるスケバン。

ハヤメは考え、そして

 

「一点突破掛けて逃げた方が良さそうだな。

暫くリロードの暇も潰すけど、残弾とか今のうちに突っ込んどけよ!」

「ウツキ了解!」 「リツ、りょうかーい」

「…俺ぁ前準備のしようが無いんでいつでも。

ってオマエらさぁ!?」 「「「うん(、なんだ)?」」」

 

プラザムの影に隠れ、装填(リロード)に勤しむ3人。そして

 

「‥ヨシ!」 「じゃねぇ、ったく赤の他人(アンドロイド)を楯扱いしやがって…」

 

火花を散らす物陰(かれ)から顔を出し、タイミングを図ると

 

「っしゃ今だ、全員突撃!!」

「「おう!(おぉー!)」」 「俺、遮蔽物としての保証そんなに無いからな!?」

 

呆れる彼をよそに、突撃を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん、不良はこの前片付けたはず…

もしかして、アビドスの方が平和だったり?

…ん、様子を見に行った方が早いね。行こう。」

 




続投含めてまず4人。
本作で初めての3人は以降のエピソードにも絡んでもらおうと考えており…
と言うより先に本エピの完結が先ですね…


追記
読み直して分かりにくそうな部分を加筆しました。


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群狼が舞う路地のかど
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