教育実習生オンボロ、銃と青春の世界へ(試投稿) 作:北アフリカ大洋
と言うわけで今回は先生の出番からスタートです。
ミレニアム生のアンズと一緒に趣味探し散歩へ出掛けていた先生は…
「“本当に、ここが近道なの?”」
「近道というか、ちょっとしたお店を好んで開く人もいるので比較的安全なんです。
そんな会話をしながらとある路地裏を進んでいた道中、ふと目についたのは
(ゴミが、散乱している? いやこれは…)
黒く焦げた一角、弾けたように散乱しているそれらは飲食店のものだったのだろうか、やや腐ったような異臭を放っていた。
二人して思わず鼻を摘みながら、アンズもしゃがみ込んで辺りを調べつつ
「爆発、でしょうか。ところどころ焦げた後が…あれ?」
見つけた冊子。特徴的な白い表紙には覚えがあった。
「“D.U.地区で出回っている初級の教材だね。結構先まで予習が済んでいるみたいだけど…
いや、書き込みを見る限り既に全部目を通してそうだね。”」
最後まで目を通し、表紙の汚れをはたき落とすと見えた情報。そこには
ヴァルキ⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎察学校 1年生 澄溜 ⬜︎⬜︎
「ヴァルキューレ、ですか。しかしなんで…」
「おう、オマエら
拾った教材を検分していた二人へ掛けられた声。振り向けば
「痛っ!? いきなり何を…」
「ま、オマエらの正体なんざどうでもいい。
先程から、ウチらサバンナ連合の
まぁ、どっちにしろ顔に傷付ける以上の罰は受けてもらうか。少なくともな?」
「お、侵入者か? 丁度良い。 ‥コイツらをさ、ヴァル公への見せしめにしようぜ!」
集まり来るスケバンたち。
撃たれていた弾はアンズの制服の肩に裂け目を作り、一方先生の方は
(あれ?傷一つ、ない?)
『先生、大丈夫です! 先生の安全はこのスーパーアロナが守りきってみせます!!』
鞄から聞こえる
シッテムの箱を忘れてシャーレを出ようとした際、アロナが
もしかして
「”アロナ、もしかしてこれを見越して?“」
『キヴォトスでは銃撃戦が日常的に起こり得るんです。それに出会したら、耐性のない先生は誰が守るんですか!』
そんな彼女の主張に(”確かにそうだ“)などと考えつつ、鞄越しながらシッテムの箱を撫で…
「先生は下がってください。 私はキヴォトスの出身なので多少なら…」
スケバンとの間に割り込む形で前に立つアンズ。
しかし後ろを振り向くも、そちらからも
「ぐあぁっ!?」 「ごふぅ…」 「!?」
倒れ、或いは宙を舞う前方の取り巻き、数人。
呻き声に気付き、振り向いた
「誰ッ」 ガッ 「…ん!」
その頭部を正確に蹴り抜き宙を舞わせる一人の影。
銀の長髪と多少時期はずれのマフラーを逆光に靡かせながら上げた足を悠々と下ろす
少女は堕ちゆく
「…その制服、連邦生徒会の? いや、もしかして。」
「はい、連邦捜査部の顧問を受け持ってくださっている、『先生』です。
…また助けていただき、ありがとうございます。砂狼シロコさん。」
見えた姿と声に安心してアンズはスカートを押さえて恥ずかし気にこちらを見る少女、『砂狼シロコ』と呼んだ彼女の方へ駆け寄る。
が、その後ろから
「貴ッ、様!!」
銃を構え、少女二人へ狙いを付ける後方の不良たち。
「"アンズ、危ないッ!"」 「先生‥!」
ダァァン…
響く銃声、火を吹いたのはその場の誰のものでもなく…
「アイツら、
ま、どっちみち知らなくても鼻の効く
「知ってるかどうか、よりにもよってそいつに
包囲したのとは違う派閥らしいスケバンが倒れる少女たちの後ろから姿を現した。
銃を下ろすと一掃した
「まぁ、実際そこまで
って連邦生徒会じゃねぇか! なんでここに!?」
「“‥やぁ、
先生、次いでシロコの姿を見つけて
「“(…
「あー、そういう? まぁ、いつも通りって規模じゃ流石に無くなってるし、手を借りても良いんじゃね?」
「この前の反乱も楽しかったけどさ、流石にノリで便乗してそのままってのは不都合出てくるよな?いっそ恩売るのアリじゃね?」
始まった雑談に、少し聞き逃せない情報が混じる。思わず
「“恩を売るというか、罪を滅ぼすというか…”」 「あ、やっべ」
「「ほっほぉ!?」」
そう呟けば、慌てて手で口を塞ぐ
シロコを引き連れてこちらに歩み寄ってきたアンズがそんなスケバンたちを見て、ハッとした顔をする。
彼女たちの一人を指差すと
「その声、確かユウカ先輩が戦ってた
「嘘ッ‥ホ、ホントにあんなこと考えてる訳無ぇだろ!煽られてテンション上がってたんだよあの時!!」
「はい墓穴。」 「行ってらっしゃ〜い矯正局。ヘンな
盛り上がる
「“うーん、この分だと全員居てもおかしく無いのかな?”」 「「…」」
そんな一言がその場に静寂をもたらすのであった。
路地を駆けるスケバンたち。
立ち止まり、膝に手を付いて呼吸を整える一人が顔を上げると
「いたか!?」
「いや、消えた。まぁ大方…」 ジャコ‥
しかし、それが火を吹く前に彼女の手を離れ‥
走り寄る濃紺の小さな影。
「しまッ!?」 「振り向くな‥」 タァァン
それを追って振り向いた彼女の後頭部を殴る一条の鉛。
意識を失い、地面へと崩れ始める身体の側で立ち上がる特攻服の少女は
(自習組員、戒破ッ) 「せ〜の?」
無邪気さを感じさせる笑みを浮かべながら大きなクラッカーを両手に構え
「がれきくらっか〜」 ドォォン
「ぐわぁぁ!?」
紐を引くと飛び出したのは紙吹雪ではなく、瓦礫と火花の奔流であった。
緩い掛け声とは裏腹に響く轟音、伴って吹き出した石火の嵐は追いかけてきた
残った
「難しいよね、逃げながら然りげ無くちょっとだけ目立つってさ?」
「ったく、しっかり難しい注文をしっかりやってのけるのが凄いよホント。喧嘩売る気がますます無くなるっての。
っと、レッコから? ‥はいぃ!?」
スマホを見て、思わず声を上げる彼女。リツが訳を聞くにはこういうことである。
ーシャーレの先生と賞金獲りに会い、仲間に引き入れられた。
「‥ということなんだけどさ。どう思う?」
「うん、プラザムに連絡だね。合流するか、第三勢力が増えたと考えるかはそれからでも…あ、噂をすればだ。」
ふと視線を下ろした遠目の場所へにゴォンと音を立て、転がり込んでくる楕円状の鉄の球。
それは青い眼灯をチカチカと点滅させながら
「予備の、手足が、ギリ修理間に合わん…!」
そんな恨み言を放ちながら転がり込んできた。
リツが
「一人分にしては軽いけど抱えて走る分にはクソ重ェんだよ‥投げても飛ばねぇし。」
「ギリって言えないくらい顔だけ状態になってから時間経ってるからな!? そもそも、なんでケンカの最中にアメフトしなきゃいけねぇんだよ!!
ってか今更だけどそんな雑に扱って大丈夫なのか?」
「大丈夫‥って他人を遮蔽物扱いして悠長にリロードしてる時にその疑問持てや
「お、今からガス抜き戦すっか!? ‥って言える状態じゃねぇなアンタ。悪い」
「あ、アメフト? じゃあトライ「しないでね!?」‥まぁ、冗談はコレくらいにして。
そういえば身体は回収しに行った方が良い?」
「変な光り方して消えた。多分その頭ン中に収納されてるんだわ‥キヴォトスでも見ないタイプの
「それはウチらも見たわ。あとブラウン管は技術方面的に逆な? ゴツい箱のブラウン管を経て今のモニタがあるわけ。ミレニアムに旅立った元同級生の受け売りだけど。」
「私のガッコ、とかの昔の倉庫にたまに置いてあるんだよね、ブラウン管テレビ。ちゃんと写ってるとこ見たけど昔って感じだったなぁ…」
「そうなんだ…って知ってたんなら訂正してよリツ! なんで聞いて一番になにそれって言ったんだよあの時!!」
「ゴツい箱で思い出したんだよ。 で、ちょっと共有しといた方が良い情報がさっき流れ込んできてね。」
「ブラウン管が古いって話?」
笑顔でアサルトライフルを構えるリツから、ハヤメがバツの悪そうな顔で目を逸らす。
そんな路地裏自習組の様子に、
「…自習組ってさ。
「今更実感することでも無いけどな。
「あ、やっぱそなの「ごめん、みんなに共有したいんだよね(リロード音)」、ね…」
「あとさ、砂っぽいところを避けて置くとかの配慮は無いわけ? ‥続けてクダサイ。次からで良いので。」
「“プラザムが!?”」
「あぁ、そう言ってたよ。なんなら自習組率いて飛び回ってるって。
…あ、合流したみたい。」
「“今すぐ場所教えて! みんなは自習組に付く予定なんだよね!?”」
「まぁ、そうなんだけどさ…」
事情を聞くなり、元治は彼女達に頼み込む。
初めて遭遇する混乱である。短い付き合いとはいえ、それなり程度でも頼りになる仲間が彼には必要であった。
「まぁ、会うだけ会おうってことにしといたわ。まぁ、向こうさんが大々的に狙われてるっぽいから
「まかせて。私が先に行くから、みんなは先生を。」
「“わかった。その代わり
「‥先生。私も前線に出ます! 近づかれた時の対処法は小さい頃に教えられているので…」
「うお、頼もし…ミレニアムからあぶれた時は
「ん、それならアビドスに‥「”よし、出発!“」‥じゃあ先生、よろしく」
集中する視線からアンズが隠れ始めたのを察し、割り込むように号令をかける。
そうして二つのグループが合流に向けて動き出した。
「あのガキどもは、予定通り混乱を起こしているんだろうな?」
「
本来の予定とはだいぶ違いますが、予定通りには事が進むかと。」
「この作戦が失敗したら、機会を待ち直すところから始めなければならん。不安は他にあるか?」
「…連邦捜査部
「フン、それなら問題ない。ゆっくりではあるが、動かし始めている対策がある。すぐには実らんだろうが、必ず息の根は止めてやる。かの
「それ、まだ遂行中の計画「確かに目処がようやく立ったに過ぎんが、そこで思い上がるか引き続き冷静に事を進めるかで結果も変わろう。」…はッ!」
「…フン、それにしても今度は『大人』を用意した、か。シンプル、且つ厄介な手ではあるが‥
所詮はたった一つの頭数、どれだけ飾ろうとも、だ。緩めず攻めれば限界は見えてくる。そしてその、弱点は、探ればいずれ…」
ザザッ
『
『オッケ、じゃあ
『んじゃ、アタイらが続くよ!良いね?』 『うん、りょうか〜い!』
ザザッ
『ウツキ組へ、この先
「了解、‥ハヤメの獲物だね。ミニガン持ちなら居るけど…頼める?」
「任せな…味方に回すと頼もしいよな、自習組。徹甲弾仕込みのゴミ箱、この前ウチらが仕込んだのにもうバレてんのオカシいだろ‥」
「ゴミ箱入れ替えろって言われて半信半疑で実行したら決め手になった
響く
しかし、彼女たちはこちらを一瞬振り向くや、その身体は力を失ったかのように崩れ落ち…
「第二陣、襲撃…じゃ、ない?」
「“知ってる人?”」
「
『お、先生と合流?オッケ、ウツキ組合流確認、場所を共有して今すぐ他の組に連絡!』
「オッケ、ってことで、だ。」
ウツキは銃口を下げ、彼女たちの前に歩み出す。そして
「プラザムとかから話は聞いてる。初めまして、になるのかな‥『
「“緑のジャージにロングスカート…ということは、自習組リーダーのウツキ、で良かったかな?”」
そんな青年の問いに、ウツキは笑みを浮かべたグッドサインで返すのだった。
取り敢えず投入、原作より砂狼シロコ。
こう言う理由なら合流してもおかしく無いかなぁ、なんて。
あと、本エピのスケバン、まさかのところから。
アウトローよりの性質なのでこんな気質でもええかな、と思い繋げてみましたが…
キヴォトスだからで飲み込んでもらえたら、嬉しく…
Next.(8/15 更新予定)
邂逅・路地裏自習組