「っと!」
「ふぅ…やばかったー」
「は、離せ!!」
俺達は何とかジャネンバの包囲から脱出し大きなブロックが密集してる場所に隠れている。
「ベジータ、時間がねぇから早く伝える」
「……」
ベジータさんは背を向けたまま何も言わず無言だが、一応了承していると父さんは判断する。
「悟聖も今からする事を覚えておいてくれ。今後オラか悟飯とでフュージョンする事もあるかもしれねぇからな」
「わ、わかった」
どうやら今後役立つ事らしいのでしっかり聞こう。父さんの言う通り今後悟飯とも出来る可能性もあるしな。
「まずフュージョンは体格が近いもの同士で、2人の気を全く同じにしねぇと絶対に出来ねぇ技だからな」
「あっ…だからさっき今の俺じゃフュージョンは無理だって言ったんだ」
今の俺と父さんじゃ身長差がある。なるほど、そういうことか。だから今回は体格が近いベジータさんをフュージョンの相手に選んだわけか。
「そうだ。だがそのあと問題はフュージョンポーズだ」
「「ポーズ?」」
俺とベジータさんの声が重なる。ポーズってなに?
「そのポーズを2人が全く同じになればフュージョンは完成する」
「あの…父さん、そのポーズって一体…」
「これからオラがそのポーズをやってみっからよぉーく覚えておいてくれ」
父さんは少し離れるとその場で構えを取る。なんか凄い嫌な予感がしてきた…
「先ず2人がある程度距離を取り並んで立つ…そしてこうする」
父さんは両腕指を揃えた両手を水平に真っ直ぐにする。
「腕の角度に気をつけねぇとな。そして…フュー…… 」
横を向きながら反対側の方向へ細かく3歩歩き同時に腕を上から回すように反対側へ動す。
「腕を反対にしながら2人が近づく、こん時動かす足は三歩分だ!ジョン!」
右膝を出して上げながら、同時に手をグーに変えつつ腕を反対へ水平に動かす。
「足の角度を気をつけろ!んで最後に……ハッ!!」
上げた足を反対へ目一杯突き出し、相手の方向へ体を反らせ、また同時に手を人差し指を出した状態になる。
「こうして2人の指を合わせるんだ!またまた足の角度に気をつけんだ。特に左足をピーンッと伸ばすのを忘れんなよ!」
父さんは一通りフュージョンポーズを教えたが…こ、これは…
「べ、べ…ベジータさんが…」
「お、オレがそんなみっともない格好をするのか⁉︎」
正直、俺も同感だ。ダサい。全力でダサいっ!!そんなみっともないポーズをしないと融合出来ないのか⁉︎
「このポーズを左右対称でやるんだ。わかったか?」
「ぐぐっ…」
「と、父さん、そ、そのポーズをしないと本当にフュージョンは出来ないの⁉︎」
「ああ、出来ねぇ」
「そ、そうなんだ…」
真剣な顔で断言されこれ以上は何も言えなかった。
正直ベジータさんがあのギニュー特戦隊なみのみっともないポーズをするなんて想像もしたくもない…父さんも何とも思わない辺りその辺の感覚もどうかしてる。
「ち、因みに父さん。フュージョンが失敗した場合と合体の効果はどのくらい続くの?」
取り敢えず考えるのをやめ俺はフュージョンのメリットとデメリットを聞くことにする。
「そうだな。成功した場合2人の力が足されてとんでもなくすんげぇ力を発揮できるが、失敗しちまった場合役立たずの戦士が完成しちまう。それこそ悟聖に瞬殺されるくらいにはな。それと成功しても失敗しても合体していられる時間は30分間だけだ」
「嘘でしょ…」
失敗した場合役立たずの戦士が誕生するって…しかも成功しても失敗しても30分間は元には戻れない。
これ、フュージョンが失敗した場合がメチャクチャやばいよ。失敗したら俺1人であの大軍のジャネンバを30分間足止めしなければならない。
「時間がねぇ、早速練習してみっぞ。悟聖はオラ達のやるフュージョンポーズの確認を頼む」
「わ、わかった」
「ぐぐ…」
「どうしたベジータ?さっきのオラの説明でわからねぇ所でもあったか?」
「(いや違うよ父さん、ベジータさんが躊躇ってるのはそこじゃない…)」
ベジータさんの気持ちを察していない父さんは呑気に言うが…俺も正直、今後フュージョンはマジでやばい状況下でしか使いたくはないな。あんなみっともないポーズをせずとも、もっとお手軽な合体方法はないのか…それをしなくてもいいようもっともっと俺も強くならないとな。
「時間がねぇ…早く練習するぞベジータ!」
父さんは真剣な眼差しで言いながら構えを取った。
「く、くそぉ……サイヤ人の王子であるこのオレが…」
「ベジータさん、心中お察ししますが…今だけは我慢してください。今回ばかりは俺もベジータさんと同じ気持ちですから…」
ベジータさんは俺の言葉に屈辱を受けた表情をしながらも嫌々ながら準備し、お互い横に並び立ち距離を取りポーズを取る。
「フュー……!!!!」
「ジョンッ!!!」
「「はっ!!!!!」」
父さんとベジータさんはフュージョンを一通り行いポーズが決まるがベジータさんは頬を赤くしながら表情はヒクついていた。
「ダメです。ベジータさんのハッ!の所の手がグーになっています!最後は指を伸ばしこうですよ!」
取り敢えず俺もフュージョンポーズを取り間違えた箇所をベジータさんに再度教える。うん、自分でやるのもなんだがメチャクチャ恥ずかしい…アイには絶対見せられないな。後は数回練習し、なんとか形となり本番を迎える。
2人は気を解放し、実力の差はそうないので簡単に気を全く同じに合わせる事ができた。
「よし!2人の気が同じになった!やるぞベジータ!!」
「………」
ベジータさんはもう表情を変えず無言で父さんとある程度の距離を取り横並びに立ちポーズを取る。もう何も考えないようにしているな…あの顔
「(いよいよか。一体どんな戦士が誕生するんだ…)」
俺は緊張しながら2人のフュージョンを見守る
「「フュー!!ジョン!!」」
「「はっ!!」」
二人の指が合わさった時、2人の体が光だして二人の光が重なると同時に激しい閃光が走り、目の前に現れた戦士は…
「へへっ!これで最強だな!!」
「どこが⁉︎」
そう、ドーンという効果音が似合いそうな体型の融合体の戦士が爆誕してしまった…簡単に言ってしまうと…デブだ。
「最後の『はっ!!』の所で指がずれてしまったんだよ!!どうするのさこれ⁉︎30分の間父さん達を守らなきゃいけないんだよ⁉︎」
下手したら父さん達が殺されるし…俺も無事では済まない。しかし父さん達は不敵に笑う。
「悟聖、見た目だけで判断するのはよくはないぞ。よぉーく見ておけ…えっほ!えっほ!」
確かに戦いにおいて見た目で判断するのは良くないのは言われていたが…そんなことを思いながら父さん達は走り始めたが…
「はぁ……はぁ…………」
「見た目通りだよ!!」
頭を抱えたくなる。フュージョンは2人が全く同じポーズで一つのミスがあれば出来損ないの戦士が出来上がるとさっき父さんも言っていたし…ほんとその通りだよ。
「はぁ……くそぉ!!はぁ…こんなはずじゃ……」
「仕方ないじゃん……最後の「はっ!」の所で指がずれちゃったんだし。因みにその状態じゃなんて呼べばいいの?名前はあるの?」
父さんとベジータさんが融合している為今目の前にいる人物をどう呼べばいいのわからなかった。
「名前か?そうだな…孫悟空とベジータで…ゴジータだな」
「ゴジータ…その弱い姿だとベクウの方が良くない?」
なぜかわからんが…その見た目でゴジータとは呼びたくないな。それよりも…
「(腹括るしかないな…)」
俺は拳を握り力を込めベクウさんに背を向ける。
「悟聖、何をするつもりだ?」
「何って…その状態じゃハッキリ言って足を引っ張るだけだよ。俺が時間を稼ぐからゴジータさんは何とか逃げてて…ジャネンバの気が近づいてきてる。さっき気を解放したからこっちに気づいてる」
「悟聖…お前」
「死ぬつもりはないよ…アイとの約束があるんだ。こんな所で死んでたまるもんか!それに…例え負けるかもしれないこんな危機的状況でも…やらなきゃいけない時があるんだ!!はあああああっ!!!!!」
金色のオーラと稲妻が弾ける。俺はスーパーサイヤ人2に変身しこの場から離れる。
「死ぬなよ…悟聖」
ある程度移動すると無数のジャネンバの大群が見えてきた。
「イヒヒヒヒ!」
不気味な笑い。このまま3で行っても消耗が激しい。ならば――
「この状態から限界まで引き上げる!!」
更に2の状態から気を解放する。
「はああああ────っ!!!」
雷鳴が轟き、死後の世界が震える。髪の金色がさらに濃くなり、スーパーサイヤ人3のように瞳孔が黒く開く。
「スーパーサイヤ人2……限界突破」
拳を握る。ここから命懸けの時間稼ぎだ…
「キシシ!」
「一人だからって、なめるなよ……!」
気を解放したまま不敵な笑みを浮かべるジャネンバを睨みそう告げる。
「でやあああああああああ!!!!!」
俺はジャネンバの群れへと突っ込んだ。
今回出た形態はスーパーサイヤ人3に近い今作オリジナルの変身となります。
違いは3のように瞳孔が黒く開いており、金色の髪の色の更に濃くなり、纏っているスパークは2と同じくらいになります。