ドラゴンボール 双子のハーフサイヤ人   作:狼ルプス

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最強のフュージョン

「行くぞ!!」

 

「ああ!!」

 

二人のサイヤ人が同時に地面を蹴った。

 

「でやぁぁぁぁっ!!」

悟聖は正面から迫るジャネンバへ拳を叩き込む。

 

「ギィッ!?」

 

吹き飛んだ個体を追い越し、次の敵へと飛び込む。

 

「せぇいッ!!」

 

回し蹴りが炸裂。さらに金色の雷光を纏った拳が、別のジャネンバを吹き飛ばした。

 

「邪魔だぁぁぁッ!!」

 

その直後、バーダックが横から飛び込む。

 

「オラァッ!!」

 

ドゴォォン!!

 

拳の一撃で複数のジャネンバがまとめて吹き飛んでいく。

 

「……す、すげぇ……!」

思わず声が漏れる。俺一人では、あれだけの数を相手にするだけで精一杯だった。だが、バーダックが加わったことで状況は変わった。

俺が分身体を引きつけ、バーダックがその隙に本体へ攻撃を仕掛ける。

逆にバーダックが群れを蹴散らせば、俺が本体へ追撃を叩き込む。

初めて組んだ相手とは思えないほど、動きが噛み合っていた。

 

「おい、悟聖!」

 

「はい!」

 

「本体の動きを止めろ! オレがぶち込む!!」

 

「了解!」

 

俺は地面を蹴り、ジャネンバ本体へ一直線に突っ込む。

 

「はぁぁぁぁっ!!」

 

ジャネンバが拳を振り抜く。

 

「遅い!」

 

身体を捻って回避。そのまま懐へ潜り込み、腹部へ拳を叩き込んだ。

 

ドゴォン!!

 

「キィッ!?」

 

ジャネンバの身体が僅かに浮き上がる。

 

「今だ、バーダック!!」

 

「おう!!」

バーダックが一気に距離を詰める。

 

「くたばりやがれぇぇぇッ!!」

 

黄金の拳がジャネンバの顔面を捉えた。

 

ドゴォォォォン!!

 

「キィィィィィッ!!」

 

ジャネンバの身体が地面へ叩きつけられる。

 

「よし……!」

 

思わず拳を握る。これなら――

 

「……!」

 

その瞬間、背後から嫌な気配が膨れ上がった。

 

「しまっ――!」

 

振り返る。そこには、無数のジャネンバがいた。

 

「キシシシ……!」

 

「なっ……!?」

 

倒したはずの分身体が、再び姿を現していた。しかも、その数は先ほどよりも増えている。

 

「くそっ……!」

 

俺はすぐさま身構える。

 

「バーダック! まだ来る!!」

 

「分かってる!!」

 

バーダックも気づいたらしく、ジャネンバ本体から距離を取る。

だが――

 

「キィィィィィッ!!」

 

分身体が一斉に動き出した。

 

「チッ……!」

 

バーダックが舌打ちする。

 

「こいつら、いくら倒してもキリがねぇな!」

 

「本体を倒さない限り、無限に増えるみたいです!」

 

「だったら、さっさと本体をぶっ潰すだけだ!!」

 

バーダックが再び突撃する。

 

「ああ!!」

 

俺もその後に続いた。

 

「でやぁぁぁっ!!」

 

拳を振り抜く。

 

一体。二体。三体。次々と分身体を吹き飛ばしながら、本体へと迫る。

 

「そこだぁぁぁッ!!」

 

バーダックの拳がジャネンバ本体へ迫る。だが――

 

「キシシシ!」

 

ジャネンバの身体がパズルのように分解した。

 

「なにっ!?」

 

拳が空を切る。

 

「バーダック、上だ!!」

 

「チッ!」

 

空間が歪み、ジャネンバが頭上から出現する。

 

「キィィィッ!!」

 

振り下ろされた拳を、バーダックは両腕で受け止めた。

ドゴォォン!!

 

「ぐっ……!」

 

「バーダック!!」

 

「気にすんな! テメェは分身体を――」

その時だった。

 

「キシシシシ……!」

 

「……!」

 

嫌な笑い声。振り向いた瞬間、視界いっぱいに紫色の光が広がった。

 

「しまっ――!」

 

無数の気弾。それが、俺目掛けて一斉に放たれた。

 

「くっ……!!」

 

咄嗟に両腕を交差させる。

 

ドガガガガガガガッ!!

 

「ぐあああああっ!!」

 

爆発。衝撃で身体が吹き飛ばされる。

 

「悟聖!!」

 

バーダックの声が聞こえた。

 

「くっ……!」

なんとか空中で体勢を立て直す。だが、その瞬間――

 

「キィィィィッ!!」

 

「なっ!?」

 

左右から分身体が迫っていた。

 

「くそっ!!」

 

拳を振るう。一体を吹き飛ばす。しかし、もう一体の攻撃を避けきれなかった。

ドゴォッ!!

 

「がはっ!!」

 

脇腹に衝撃が走り、身体が横へ吹き飛ぶ。

 

「ぐっ……!」

 

そこへ、さらに別の個体が飛び込んできた。

 

「しまっ――!」

 

「キシャアッ!!」

 

「ぐあああああっ!!」

 

地面へ叩きつけられる。砂埃が舞い上がった。

 

「……っ、くそ……!」

 

俺は歯を食いしばりながら立ち上がろうとする。だが――

 

「……あれ?」

 

脚に力が入らない。いや、正確には力を入れようとしても、身体が思うように動かなかった。

 

「……まだ……だ……」

 

無理やり立ち上がる。限界突破2の金色のオーラは、まだ身体を包んでいる。だが、先ほどまでの勢いはない。雷光も弱まり、身体のあちこちに痛みが走る。

 

「……はぁ……はぁ……」

 

まずい。このままでは――

 

「悟聖!!」

バーダックの声が響く。

 

「キシシシ……!」

 

ジャネンバ本体が、ゆっくりとこちらへ顔を向けた。

 

「……!」

 

濃密な邪気。そして、その手の中に巨大な紫色のエネルギーが集まっていく。

「……バーダック……!」

 

「……チッ!」

 

バーダックがジャネンバ本体を睨みつける。

 

「こいつ……!」

 

ジャネンバが腕を振り上げた。その狙いは――俺だった。

 

「……っ!」

 

避けられない。身体が動かない。バーダックも分身体に囲まれている。

 

「……くそ……!」

 

拳を握る。だが、力が入らない。

 

「……まだ……だ……!」

 

それでも立ち上がろうとする。

 

「俺は……まだ……!」

 

ジャネンバの腕が振り下ろされる。

 

「キィィィィィィッ!!」

 

巨大な紫色の光球が、俺へ向かって放たれた。

 

「――ッ!!」

 

俺は咄嗟に両腕を交差させる。だが――この一撃は、防げない。

 

 

「……アイ……すまない」

 

その言葉が、口から零れた瞬間だった。

 

「――悟聖ッ!!」

 

「……ッ!?」

 

聞き覚えのある声が響いた。直後――

 

ドゴォォォォォンッ!!

 

「……え?」

俺へと迫っていた紫色の光球が、突如として横から放たれたエネルギー波によって弾き飛ばされた。巨大な爆発が巻き起こり、ジャネンバの群れを飲み込んでいく。

 

「キィィィィィッ!?」

 

「イヒッ!?」

 

「……な、なんだ……?」

何が起きたのか理解できず、俺は呆然と爆発の中心を見つめる。

その時――

 

「悟聖!!」

 

「……!」

 

聞き覚えのある声。振り向くと、そこには二人の男が立っていた。

 

「父さん、ベジータさん……!」

 

「悟聖!大丈夫か!?」

 

「カカロット! 余所見をするな!!」

 

「分かってるって!」

 

父さんとベジータさん。二人がいると言う事は…フュージョンが解け30分経過したと言う事になる。二人とも、まだ戦える状態だった。よかった、あの様子だと分身体のジャネンバは父さん達の元には行っていなかったようだ。

 

「……そうか、もう30分経過していたのか……」

 

思わず安堵の息が漏れる。だが――

 

「キシシシ……!」

 

ジャネンバ本体が、不気味な笑い声を上げる。その手には、再び紫色のエネルギーが集まり始めていた。

 

「……っ!」

 

まだ終わっていない。むしろ、今の攻撃でジャネンバの敵意がさらに強まったように感じる。

 

 

「バーダック!」

 

「……あ?」

 

いつの間にか、バーダックが俺の傍へ来ていた。

 

「少しだけでいい、時間を稼いでくれないか?」

 

「……何をするつもりだ?」

 

バーダックの問いに、俺はニッと笑う。

 

「決まってるだろ!」

 

そして――

 

「あいつらをぶっ倒す準備だ!」

 

「……!へっ」

 

その言葉を聞いた瞬間、バーダックは不適な笑みを浮かべジャネンバの軍団に突っ込んでいく。

 

 

「悟聖…あいつはいったい」

 

「今は味方と思っていても問題ないよ。それよりも父さん、ベジータさん。今の内にフュージョンを!」

 

 

 

 

 

「…………ベジータ。準備はいいな?もう失敗は許されねぇぞ」

 

「……ふんっ」

 

父さんとベジータさんはある程度この場から離れると、どちらが合図するわけでもなくフュージョンポーズに入る。バーダックはやる事を察したのかジャネンバを足止めする。

 

 

「(二度あることは三度あるにはならないでくれよ…)」

 

 

「「フュー……!!!!」」

 

「「ジョンッ!!!」」

 

 

 

 

「「はっ!!!!!」」

 

 

 

2人の指が触れた時、2人の体が光となった。悟空の体はオレンジ色の光に、ベジータの体は青色の光に変化して交差する。やがてその2つの光は混じり合って激しい閃光と共に新しい体を構築した。

 

 

「こ、これは⁉︎」

 

あの時の失敗した奴とは明らかに違う⁉︎目の前で起きている光景に、俺は思わず目を見開いた。二つの光が混じり合い、やがて一つの人影を形作っていく。

 

そして――

 

「……!」

 

光が弾けた。そこに立っていたのは、父さんでもベジータさんでもない、一人の戦士だった。ベジータさんに似た天に逆立っている黒い髪。見慣れない服装。そして、全身から感じられる圧倒的な気。

 

「……成功した……!」

 

思わず声が漏れる。父さんとベジータさんの二人が、再びフュージョンした。しかし、以前の失敗した姿とは明らかに違う。無駄のない身体つき。隙のない立ち姿。そして――

 

「……なんて気だ……」

 

俺は息を呑んだ。父さんとベジータさん、二人の気が一つになっている。

だが、単純に二人分の力と気が足され、合わさっただけじゃない。それぞれの気が完全に調和し、さらにその上へと引き上げられているような感覚。

まるで、二人の力が一つの存在として完成したかのようだった。

 

「……あれが……」

 

その時。

 

「キシシシ……!」

 

「ぐああっ!!」

 

「バーダック!!」

 

バーダックが本体に吹き飛ばされてしまう。ジャネンバ本体が、不気味な笑い声を上げた。周囲の分身体も一斉に動きを止め、新たに現れた戦士へと視線を向ける。まるで、本能的に警戒しているかのように。

 

「……」

 

戦士はゆっくりとジャネンバへ顔を向けた。その表情には、焦りも恐怖もない。ただ静かに、目の前の敵を見据えている。

 

 

「……」

 

俺は確信した。この人は――父さんでも、ベジータさんでもない。二人がフュージョンして生まれた、まったく新しい戦士だ。

 

「……あの……」

 

俺が声を掛けようとした、その時だった。

 

「キィィィィィッ!!」

 

ジャネンバが雄叫びを上げ、無数の分身体と共に一斉に襲い掛かる。

 

「……!」

 

思わず身構える。だが、目の前の戦士は微動だにしなかった。

そして――

 

「……ふっ」

 

僅かに口元を吊り上げる。

 

「随分と歓迎してくれるじゃねぇか」

 

次の瞬間。ジャネンバの群れが一斉に飛び掛かった。

 

「キィィィィィィ!!」

 

「……」

 

戦士の姿が消えた。

 

「……え?」

 

次の瞬間、ジャネンバの群れの中心で衝撃が弾けた。

ドゴォォォン!!

 

 

「ギィィッ!?」

 

目の前分身体のジャネンバが消し飛ばされた。その直後、他のジャネンバの分身体が全て消失した。

 

「なっ……!」

 

俺は目を見開いた。速い。いや、速いなんてものじゃない。先ほどまで俺やバーダックが苦戦していたジャネンバの群れを、一瞬にして殲滅した。まるで相手にしていない。そして、戦士は再びジャネンバ本体の前へ姿を現した。

 

「キシシシ……!」

 

ジャネンバが拳を振り抜く。だが――

 

「……」

 

戦士は敢えてその拳を受けるが微動だにしない。

 

「ふっ!」

 

ドゴォォォン!!

 

拳が炸裂。ジャネンバの身体が大きく吹き飛び、地面を削りながら転がっていく。

 

「……す、すごい……」

 

思わず呟いた。あれだけ苦戦していた相手を、こうも簡単に……。

 

「……!」

 

その時、戦士がゆっくりとこちらへ振り返った。

 

「ここまで……よく頑張ったな」

 

「……!」

 

その言葉に、思わず息が詰まった。どこか父さんに似た、優しい響き。だが、その目には父さんとは違う、戦士としての鋭さが宿っていた。

 

「……あ、ありがとう……」

 

俺がそう答えると、戦士は僅かに笑った。

 

「さて……」

 

ゆっくりと拳を握る。

 

「そろそろ決着をつけるか」

 

「ウ、ウググ……!!ウガァァァァァァーーーッ!!!」

 

 

ジャネンバが怒り狂ったように叫ぶ。その身体から、凄まじい邪気が噴き上がった。だが、戦士は一歩も退かない。

 

「……」

 

そして、静かに口を開いた。

 

「オレは悟空でもベジータでもない……」

 

一瞬の静寂。戦士の気が、さらに膨れ上がる。

 

 

「オレは……キサマを倒す者だ!!」

 

 

その言葉と同時に、黄金の気が爆発した。

 

 

「……ッ!!」

 

思わず腕で顔を覆う。大地が震え、空間そのものが激しく揺れる。

 

そしてゴジータはノーモーションでジャネンバに接近し目に見えない打撃を与え、ジャネンバの胴体が陥没する。

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