【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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6_沼地へ

 

 人が暁と呼ぶ空の下、耳をくすぐってばかりの囁き。

 この地に住んでいる限り決して逃れ得ぬ季節の力。

 シエルは、天命山脈の向こう側──故郷には無いものだと言っていた。

 

 五月蝿いというところに目を向ければ雷季の方が厳しいけど、こっちは人の声っぽいところが実に卑しい。

 人によって聞こえ方に差異があるらしく、ハッキリ聞こえるやつもいるみたいだ。

 コマちゃんは囁きと会話できるとか言ってたけど、まあ流石にな。

 

「──そろそろだぞ」

 

 ボーッとしていたらいつの間にか到着したらしい。

 まさか、この世界に生まれて動物の引く車に乗る事になるなんて思わなかった。

 利用者のことをまるで考えない揺れが収まり、足を下ろしたのはややぬかるんだ大地。

 霧の季節でも雨が降ったわけでも無いのにこんな事になっているのは、元来の地形ではなく強大な異能が発動した余波だそうだ。御者が教えてくれた。

 

「んんー!」

 

「やっとか!」

 

 乗り合った探索者パーティーは、窮屈だった幌車から降りれたと嬉しそうに伸びをしている。

 移動中はチラチラと俺のことを気にしているようだったけど、話しかけてはこなかった。

 

「なあアンタ」

 

 このタイミングで、らしい。

 

「仲間、置いてきたのか?」

 

「俺は1人でやってるんだ」

 

「ひ、ひとりって……何言ってんだ? こいつ」

 

「そっちこそ、わざわざこんなところに来といて人の正気を疑うなんて変なやつだな」

 

 ミツキやアリサはいない。

 今回は完全に俺一人だ。

 コマちゃんすらいないので、方角には気をつけなきゃな。

 と考えつつ、真っ直ぐ目的地へ進むことにした。

 寄り道する場所もない。

 すると、3人もついてきた。

 野営地までは一緒だから良いんだけど、1人と3人で微妙に近いと物凄く気まずい。

 しかも後ろにいられると気が気じゃない。

 

 仕方がないので止まって一旦時間を潰すことにした。

 先行ってね(はあと)

 

「…………」

 

 全然先行かないの。

 ちょっと進んだところでヒソヒソ話しながら止まってるの。

 なんなの。

 

 試しに少し戻ってみることにした。

 

「…………」

 

 ついてくる。

 これは──

 

「もしかして行き方知らないのか?」

 

「……いや?」

 

「じゃあ先に行ってくれよ。こっちとしては1人で気ままに行きたいからさ」

 

「…………」

 

 3人は話し合い始めたので先へ進むと、話しながら付いてくる。どんだけだよ。

 

「もう素直に言っちゃおうよ」

 

「ばか! 恥ずかしいだろ!」

 

 このまま日が暮れるまで同じやり取りをするのはイヤだったので、先に提案した。

 一緒に行こうぜって。

 

「え!? いいの!?」

 

 やっぱり道が分かってなかったらしい。

 探索者として余りにも未熟で、良くここに来る気になったなって感じだ。

 

「いやー! これもおれのじんとく? のなせるウンタラだな!」

 

 特に元気なアホの子、きっとコイツがリーダーだな。

 何をしにきたか分かってるのだろうか。

 

「金貰えんだろ?」

 

 うーん、非常にポストアポカリプス。

 探索者だとしてもなかなかの逸材だ。

 見てる分には面白いタイプだろう。

 まあ、それもほんの数時間の話だ。

 目的地に辿り着けば関係なくなる。

 しかし、既に1時間ほど歩いている。

 何故、俺たちは直接目的地まで車に載せていってもらえなかったのか。

 

「あ」

 

 ここら辺に近頃多く出るというゴーストやアンデッドではなく、以前から確認されていたスポアドレイク。

 ニョキっと地面から突き出した上半身は不気味なイバラをまとった無貌の人型。放っておけばどんどん増殖してしまうだろう。

 既に蔦をしならせて空気を弾けさせている。

 攻撃体勢だ。

 

「なにこいつ!?」

 

「とりあえず倒そうぜ! ……あ! 先に倒した方が魔石ゲットな!」

 

 すごい。

 未知に対する恐怖とか分析とか、おおよそ理性的な行動は置いてまず討伐。

 探索者に向いてるのかもしれない。

 あそこまで考え無しのタイプはあまり見たことないけど、何か自信があるのかしらね。

 任せよう。

 レベル30くらいあれば倒せるはずだから。

 

「うわー!」

 

「助けてー!」

 

 何してんだ! 

 パワーが足りてないのに真正面から突っ込むバカがいるか! 

 いけ! ただの黒炎(邪王炎殺黒龍波)! 

 

「た、たすかった……」

 

「もうダメかと思ったよお……」

 

 全然頑張る気配がなかった。

 ダメかと思ったらすぐ撤退するタイプってことは、確かに生存率というか逃走率は高そうだな。

 強くはなれなさそうだけど……見た目通りの年齢くらいなのか? 

 三船君達と同じくらいの。

 

「け…………」

 

「け?」

 

「結構やるな! 俺も油断してなきゃ全然いけたけど!」

 

「お、おう。油断しない方がいいと思うぞ」

 

 アホの子なだけかも。

 

「さっきのは異能?」

 

「秘密」

 

「ケチケチすんなよ! 一緒に戦った仲間じゃねーか!」

 

「仲間なら異能から身体の情報から何から全部教えるのか?」

 

「か、からだ!? テメェなんのつもりだ! まさか俺たちの身体目当てか!」

 

 訳のわからない理屈で激しく抗議してくる。

 もうこれはアレだ。

 思春期だ。

 まともに付き合っていると日が暮れる。

 

「あ、おい待てよ!」

 

 結局、その後もついてきた。

 空の色が変わる頃、やっと目的地に辿り着いたけど3人はヘロヘロだ。

 諸々の手続きは明日ということで話をつけて野営を開始すると、許可も得ずに寄ってくる。

 

「火……火だ……」

 

「飯の匂い……」

 

 そこらへんの準備すらできないようなレベルのやつでもここにくる。恒常依頼として作られてはいたけど、現実を見るとなかなか厳しいな。

 軍隊じゃないから規律も何も無い。

 自己防衛が出来ないと立ち回れないし、自分でやること見つけられなきゃ無駄骨だ。

 

 討伐数に応じて金が得られるなんて、そこだけ見て集まってきた探索者もいるんだろうな。

 

「俺はリタ! こっちがイズミでそっちのがメイ!」

 

「俺は加賀美明宏。もう夕暮れだけど、野営の準備しなくていいのか?」

 

「やえー? ……あー! 何とかなる!」

 

 と言って笑顔で指差すのが俺の焚いた火なんだ。

 

「人様に寄生するのは何とかするのうちに入らないけどな」

 

「ダメ?」

 

「今はいいよ」

 

「よし! 焼こうぜ!」

 

 と言って取り出すのが大量のワームの干し肉なのだからあり得ん。

 臭いんだよね、ワームの肉って基本的に……ほら臭い。

 たまに食うぐらいなら酒さえあればイケるけど、この量は普段から食ってるやつのそれだろ。

 

「弱いから取りやすくてさ。……それ美味そう!」

 

「ああ、美味いぞ」

 

「じー……」

 

「はあ……」

 

 何をやっているのかと悲しくなりながら干し芋を分けた。

 少し炙ると甘みが増すので、肉やらに飽きたタイミングで食うのがちょうどいい。

 

「どっからきたの?」

 

 何でこんな馴れ馴れしいんだろう……

 

「──ぐがー、すぴー、ふしゅー」

 

 朝、目を覚ますと朝露がテントに垂れていた。

 しかもリタが侵入している。

 酒は呑んでいなかったはずだけど……男のネグラに入ってくるとかエグいな。

 あるいは慣れてるのかもしれない。

 女だけのパーティーだとそういうこともしなければならないと噂では聞いたことがある。何とも世知辛い話だ。

 

「しかし俺はマトモな大人なので、早く出て行って欲しいもんだネ」

 

 ズルズルと引きずって2人──イズミとメイが寝ている場所に捨てといた。

 2人は2人で、布を被るだけ。

 とても野営とは呼べないし、これでは英気を養うのも限界がある。

 つくづくロープの扱いに慣れていて良かったと思う次第だ。

 

 

 ──────

 

 

「──というわけで、この沼地方面を担当してもらいたい」

 

 俺が来たのは、西の部族によって壊滅させられたセクターの近くだ。

 商工会主導で、セクターを取り戻す作戦……依頼? を受けた。

 西の部族を殺せば殺すほど金が貰える最低最悪の依頼だけど、やらないといずれ俺たちのセクターにも辿り着くのでやらざるを得ない。

 

「それにしても、まさか話をちゃんと聞いてくれる探索者が来るとは」

 

 職員の言ってることがとんでもなさ過ぎて脱力しそうだけど、層を考えるとそんなもんかと納得してしまう。

 職員本人は当たり前のように受け止めて探索者達に対しても気負いがないのは、彼自身がきっと元探索者なのだろう。

 

「そうだな、俺も前は探索者やってた。足を洗ったかと思ったら、もっとヤベェとこに来ちまったけどな! ガハハ!」

 

 一斉攻撃とかはしない方針らしい。

 探索者が作戦なんか理解できないし、パーティー毎の排他性・信用度の問題もある。

 協力は実質不可能。

 それなら逆に流れは全部探索者に任せてしまおうという訳だ。

 

 戦争に詳しい訳じゃないけど、何から何までひどすぎるような気はする。

 命の価値が紙屑くらいしかないよねコレ。

 

「そりゃ探索者の命なんて安いもんだろ」

 

 中位探索者を集めて部隊編成してくれよと思うんだけど、基本的にどこの探索者も街の防衛で忙しいらしい。

 俺だって近場を壊滅させてなかったら来るか微妙だったから、それは思うだけ。

 

 …………そもそも商工会にそういう作戦を練れる人材がいないんじゃないか? 

 

「そろそろ西の部族どもが動き始める時間だ。上手くやってくれよ」

 

 西の部族は夜間の活動をしない。

 昼間にどれだけ激しい戦闘を行っていたとしても、夕暮れに差し掛かればどこかに帰る。

 朝日と共に目覚め、少し時間が経てば襲ってくるというわけだ。

 ちなみにあの3人も沼地担当になった。

 その時点で嫌な予感がしていたけど、往々にしてそういう予感は当たるんだよねえ。

 

「ひ、ひいい!」

 

「跳ね回って……!?」

 

 沼地に入って早々、敵との遭遇が俺たちを待っていた。

 俺も初めて見る、大型のマントヒヒのようなモンスター。

 猿型のモンスターは山奥にいるせいかあまり見ないな。

 強靭な脚力を解放して飛び上がったかと思えば、腕から脇腹にかけて大きく広がった飛膜で滞空。背に乗った西の部族がそこから氷の礫を飛ばしてくる。

 ヒヒも空を引っ掻いて炎の斬撃を飛ばすという、なんとも惚れ惚れするような連携だ。

 

 西の部族はオス。

 目がギョロギョロと大きく、厳しく曲げられた口には何かが咥えられている。背には槍。白く、何かの骨を丸ごと削り出したようにも見える。

 腰蓑、そして上半身に纏う毛皮。

 髪がいがぐりの如く尖り出て、触れただけで出血しそうな印象をもたらしていた。

 時折犬歯を剥き出しにして強く唸ると、ひときわ礫の勢いが強まる。

 

 対してこっちは……

 

「と、とりあえず石投げようぜ!」

 

「えい!」

 

「やあ!」

 

 どっちが猿かわかったものじゃなかった。

 こいつらを守りながらってマジ? 

 本当にただのお荷物だよ? 

 

「アンタもなんかしろよ!」

 

「これは……」

 

「うわあ! は、はやくう!」

 

「助けるしかないな」

 

「なにい!? 聞こえねえよお!」

 

 下心などではなく、至極真面目な話だ。

 このまま真っ直ぐに進んだら、俺の目の前で死体が三つ増える。アホだけど悪い奴らってわけでもなさそうな少女3人分の死体。

 この先、気分良く寝られるかどうにも関わってくるだろう。それに三船君にも悪い。

 誰かを、何かの理由で直視できなくなるような事は減らした方がいいに決まってるんだ。

 

「ひいい!」

 

 飛んでくる氷の礫は、そこら辺の木の樹皮を弾き飛ばしてツルツルとした内皮部分を抉る程度の威力を持っている。

 推定10レベル前半程度の実力しかなさそうな彼女達には致命傷となりうるな。

 斬撃に至っては地面をボヂュボヂュと抉っているので普通に致命傷だ。

 掠った盾の端が切れている。

 

「ず、ずるいぞ! 空にずっと!」

 

「んべえ!」

 

 空を飛んでいる彼方に対して、こちらはベチャベチャした泥濘に足を取られる地表。

 イズミは顔面から泥に突っ込んだ。

 

「イズミ! ──うぐっ!?」

 

 イズミを庇うメイは、上向きに構えた盾で礫を防ぐ。

 1発当たるたびにゴガンと鈍く激しい音が鳴っていて、衝撃で盾は揺れている。

 その上で、狙いを集中させたヒヒの斬撃が殺到した。

 

「あ──」

 

「立て」

 

「うわあ!」

 

 首根っこを掴むと小柄な体は泥の中からズルリと引き抜けた。どろんちょになっているので水溜りに放り投げる。

 この間にも降り注ぐ氷は大地に突き立てた黒炎で溶かし、斬撃は右手の銃で吹き飛ばした。

 

『Grrr!?』

 

 異常に気付いた西の部族1は一唸りした。

 いつまで浮いでんだよと突っ込みたくなるぐらい空中にいたのから一転して、少し離れた場所に降りてくる。

 

『rrrrrrrrr!』

 

 油断なく背から降りると、文字通りに何らかの骨を骨材に用いたであろう槍を取り出した。

 ヒヒは地面を掘り始めている。

 始まるまでの時間は長くないぞ、俺。

 

「人間と戦った経験は?」

 

「──ケ、ケンカ! ケンカならよくする!」

 

「殺し合いは?!」

 

「するわけないじゃん!?」

 

「部族の相手はできるか!」

 

「う…………で、できらあ!」

 

「…………」

 

 単騎蹂躙される可能性は高い。

 だけどここは沼地の端っこ、入り口、まだ本格的な戦地というわけじゃない──ということは恐らく、この二匹は漏れてきた敵だろう。

 経験値を積ませるチャンス。

 それか現実を思い知らせるタイミングのどちらかだ。

 

「お前らはアイツをやれ!」

 

「わ、わかった!」

 

 

 ──────

 

 

 木陰より覗く。

 

「はああああ!」

 

『Giaaaaaaa!』

 

 最初の一幕の時点で、ヒヒの方が西の部族1よりも威力に優れている事はわかっていた。

 戦いを組み立てるのが上手かったとしても、圧倒的な戦力差を覆す事はできない。

 だから部族を任せた。

 

 間違いではなかった。

 

『…………』

 

 俺の相手は上半身が爆散して倒れている。

 種族名すら知らず、チカラの詳細すら観察せず、空気弾で沈めた。

 やや移動して戦っていたから3人は気付いていなかったけど、西の部族1はしっかりとコチラを意識していたらしい。

 俺たちの間に存在する差が生存を絶望的なものにしていることは悟っていた。諦めたような雰囲気を漂わせつつ、獣のように四足移動にて襲いかかっている。

 

『rrraaaa!』

 

「ううっ!」

 

 リタは頭上からの串刺しを大きく後ろに飛んで避けようとした。

 視覚・反射能力の差で軌道修正されて膝先を失いそうになったけど、剣が偶然そこにかざされていたおかげで逃げ切った。

 

 そして、着地の瞬間には隙が生まれる。

 

「いけえい!」

 

 掛け声が抜けているものの目敏いのはメイ。

 銃──実弾仕様──の照準を合わせて放った。

 反動も探索者らしく抑え込んでいる。

 

『Giii……!』

 

 銃弾は右肩にめり込み、そしてポトリと落ちた。

 西の部族1は顔を顰めた程度。

 纏っている毛皮が威力を吸収したみたいだ。

 アレも間違いなくモンスターの素材。

 

「うっそ……」

 

 初めて隙を貫いた一撃が意味をなさなかったことにメイは呆然としている。

 

「──いくよ!」

 

 既に飛び出していたイズミ。

 さっきは泥だらけの犬みたいだったけど、どうやら瞬時に出せる速度では3人の中で最も優れているらしい。

 レベルか、異能か、あるいは才能か。

 いずれにせよ、剥き出しの腹目掛けて突き出された斧槍は狙い通りに皮を貫いた。その下にある脂肪を掻き分け、筋肉までを貫こうとして──

 

「!」

 

『urrrrr……rrraaa!』

 

「キャッ!」

 

 真紅の、しかしどこか紫じみた血が滴っていく。

 腹と手。

 出血を厭わない握り力によって止められた斧槍の穂先は徐々に持ち主の元へ押し戻されていき、踏ん張る少女をそのまま葬らんと逆の手に握られている骨槍が乱雑に振られた。

 

「イズミ!」

 

 骨槍は先程、容易く細木を切ってみせた。

 だけど柄の部分は尖った節こそ付いているものの何かを切ることには向いていない、当然。

 

「だいじょーぶ! いてて……多分みみず腫れくらいにはなってるだろな……!」

 

 うまいな。

 咄嗟に手の力を緩めて接近することで切り裂かれるのを防いでいた。

 

「やれるよ! と言っても……」

 

「勝てない……!」

 

「アレを一撃もらったら終わり……ううっ!」

 

 ブルリと一つ。

 再び睨み合いだ。

 

「あの人とモンスターも戻ってこないけど……」

 

「まさかやられた?」

 

 イズミとメイが弱気を出すと、最前のリタは振り向かずに声を荒げた。

 

「気持ちで負けるな! 倒すんだよ!」

 

 感心した。

 強敵を前にしても勝つことしか考えていない。

 中々お目にかかれない類の人間だ。

 惜しむらくは、リタの運動神経がそこまで高くないこと。

 でも欠点はそれだけだ。

 

「イズミ! 2人で行くぞ! メイはどんどん撃って!」

 

 先程、泥の中でわちゃわちゃして石を投げていた体たらくは何だったのか。メイの援護射撃を受けながら2人は突き進む。

 毛皮を狙って失敗したことを活かして、狙いは露出した部分。しかし銃弾を標的に当てるのは想像の100倍くらい難しいため、命中はしていない。

 牽制としては十分だ。

 

「一気にやるよ!」

 

「ああ!」

 

 たとえ実力差があろうとも、勢いが全てをひっくり返す事はある。本人たちも感じているはずだ、その『勢い』が今だと。

 

「弾が無くなる前にお願いね!」

 

 だけど、その高揚は認知能力の低下を招く。

 視野が狭まり、一つの目的に対して集中してしまう。

 

『…………AAAAAAAAAA!!』

 

「っ!」

 

 気配が変わる。

 肉体が、変わる。

 骨槍が部族の左腕と()()()した。

 削岩機のように歪な形状となり、肘先から白い柄が長く飛び出す。

 瞳も赤い。

 その背に氷の礫を生成し、再び四つん這いの姿勢へ移行した部族は先ほどとは比べ物にならない俊敏性を発揮していた。

 

「い、いきなりなんなの?!」

 

 その悲鳴が合図となったか。

 礫が射出された。

 

「うわああああ!」

 

 左右前後、少しでも集中を途切らせれば防御が間に合わない。3人は縮こまり、背中を預けて盾の後ろにいる事しか出来なくなった。

 

「──詰み、か」

 

 レベル差による蹂躙が始まる。

 

 




https://x.com/goldmg3?s=21

↑Xのアカウント

マンガ出ました。
マンガがうがうで読めるので是非、この機会にアプリを入れて読んで欲しいです。
よく分かりませんが、今なら読んだらポイントもらえます。


タイトル:焼肉スコスコ、スコアアタック!~焼肉食べ放題生活目指して、ダンジョン攻略!~

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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