剣咬の虎に入った青年 作:氷結界の龍トリシューラ
怪物の咆哮。
何か纏まりに欠ける文書だな。
フリス君のターンです。
伏魔殿のルール説明が終わり、メンバーが順番を決める番号札を引き抜く。
全てのメンバーが札を引き終えた。
各々の反応を見せる中、番号札を見た青年はそのまま審判であるカボチャの前に立った。
「なあ審判よ、もし最初の1人目が100体全て倒してしまった場合は他のギルドの得点はどうなるんだ。」
「え?、いやいや、そのようには設定されて無いのでそう聞かれましても……」
「そうか、なら、
そう言って青年は城の前に立った。
「100体だ。」
「え?」
青年はそれだけ言うと止めるカボチャを無視して城に入って行った。
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城に入ったフリスが前を向くと人より大きな魔物が大量に待っていた。1体1体が青年に牙を剥き威嚇してくる。
魔物達を見ながらフリスは昨晩のミネルバの言葉を思い出す。
「……(ギルドに来る依頼…か…。)。」
大魔闘演武は公の場。観客の他にも中継で見ている人達が大勢いる。
ここで、フリスが使う魔法によってギルドに来る依頼が変わる。
一瞬で終わらせる事も出来るが……。
グルオオオオッ
手前にいた四足歩行の魔物がフリスに飛びかかって来る。
勢いをつけて突進し、牙を剥き噛み砕かんと口を大きく空ける。
その牙が青年に迫る。
1m、30cm、あと数cm
「良し、やるか。」
直後、
ドゴオッ
破壊音と共に魔物がブロックが砕ける様に粉砕される。
その中から出てくるのは、
拳!!!
「悪く思うなよ。」
蒼闇の霧を纏った拳を打ちながら青年が呟いた。
「はあっ、」
魔力を込める。
蒼が爆発する。
観客からは闘技場の中央から蒼炎が銀河の様に広がり湧き出るような景色が見える。
会場の中心から恒星が如く光の球体が発光する。
会場が中央から光が爆発する。
ドウッ
ビリビリッ!!!!
具現化された城が半壊し、青く光る。
空が暗くなり、蒼い雷が闘技場の中央に降り注ぐ、
ガガガガガガッ!!!!
城が破壊される音。
会場全体が真っ暗に染まる中で1つ光るのは、
空中で蒼光を発する1人の青年。
青年が眼を空けるとその眼は暗青に光っていた。
そして城の中にいる魔物を見据える。
「すまんな、お前達」
魔物に向かってそう言い放つとそのまま、突っ込んで行った。
片手に蒼い闇を纏う。
その闇が静かにしかし大きく暗く黒く辺り一面に広がっていく。
ズアアアアッ
オオオオオオッ
しまいには巨大な蒼闇の渦が出来る。魔物はもとい城の外にまで浸蝕し、広がっていく。
ドオオオオオオッ
辺りを吸い込むような闇の渦。底が見えない程、濃く深い深淵の闇の渦へと変化する。
「
闇の濁流が青年の手より放たれる。
ズオオオオオッ!!!
その闇は渦の様に広がり回転し、入り込んだ魔物は勿論、触れた者を1頭残らず吸い込んで行く。
ゴオオオオオオッ
ギャオオオオオ
飛び上がった魔物も重力に吸い込まれるかのように堕ちていき、引きずり込まれ砕けていく。
巨大な魔物達も深淵の渦になすすべ無く悲鳴を上げて飲み込まれていった。
同時に城の一部までも砕け、崩れて消えていく。
「う…、」
誰が吐き気を催したか。
いつの間にか辺りは静かになっていた。
見ていた魔導士も観客も震える。
渦が消えると後ろにいた魔物達が青年に向かって来る。
ゴアアアアッ
唸り声を上げて突撃する巨大な魔物。その巨体に拳を突き上げる青年。
ドゴオオオオッ
直後、青年は向かって来た巨大な1頭を素手で破壊した。
そして、
ガシッ、ガッ
向かって来た魔物を次々と掴み上げると、
「ふっ、」
ビュウウンッ
シュッ
ドガガガガガガッ
他の魔物を捕まえては1箇所に放り投げた。後ろにいた魔物を巻き込んで壁を破壊しながら進む魔物の塊。
そして、青年は左手を上げる。
カッ!!
ピカッ!!!
空に光が集まってくる。
ズウウウウウウッ!!!!
辺り1体の光を吸い込むようにして闘技場の空に収束したエネルギーの塊。
それは太陽よりも眩しく、青く光り、クロッカスの街中を照らす。
コオオオオオオッ!!!
そして凝縮された光が光線となって今城に降り注ぐ、
「
カッ!!!
ドゴオオオオッ!!!!!
巨大な蒼光の柱が城に降り注ぐ。
それは、正に恒星を体現したような輝きだった。
触れた魔物は光殺され、城の壁如きは破壊され、一部を残して消滅していた。
スウウウウウウッ
城を破壊した光が地には堕ちずに横に流れて再び青年の手元に集まり凝縮される。
ガガガガガガッ
雷が降り注ぎ、魔物が破壊される。
光による殺戮。目の前の魔物は次々と砕けて行った。
そんな中、青年の足元に小さな魔物が隠れていた。
青年は足元の魔物を見て見ぬふりをした。
可能性を秘めたる魔物。しかしそれ如き青年が見る価値も無かった。
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妖精の尻尾Aー選手席
「何だアレ、」
「何だろうね」
上の方からか何処からか声が聞こえたのはルーシィにも分かった。
次々と入れ替わる目の前の景色を見て、観客席から何とか声を発した者がいた。
「俺達は夢でも見てるのか…」
隣にいたグレイが漏らした。
辺りが光ったと思えば、闇の渦が広がり、空から雷が降り注ぎ、中央から真炎の光が爆発し、まるで幻のような現象を魔導士と観客は見ていた。
「魔物が、城がゴミみたいだ。」
誰かが掠れ声を上げる。
魔物も城も蒼い光に消され、青雷に破壊され、蒼闇に飲まれていく。会場には蒼の景色が溢れていた。
極地のオーロラと言うには、それはあまりにも暴力的でかつ爆発的、破壊的、破滅的なものだった。
光のコロナ、深淵の闇。
恐ろしい何かを会場は見ていた。
そんな中、それを眺めている者の1人、
妖精の尻尾の魔導士である1人がボソリと声を発する。
「
ビクリッ
ルーシィの肩が揺れる。
ナツがボソリと漏らした言葉でルーシィの脳裏に2つの光景が思い浮かぶ。
1つは天狼島でのあの日、絶望の時。漆黒の翼。巨大な身体。天から降り注ぐあの破壊光線に島ごと飲み込まれた。
圧倒的な力だった。
魔力の暴力。
魔力、魔界、魔物。ともかく魔の竜を体現したようなあの漆黒の絶望……
もう1つは…、大会前のあの夜の光景。
竜の匂いと喧嘩の騒動を頼りにナツと共に近づき、出会った2人の青年。
金髪と黒髪の2人のやや長身の男。光と影を体現したような2人はナツを視界に入れこう言った。
「
『俺達だったら必ずアクノロギアを倒す。』
ナツに向かってそう言い放った2人の
ルーシィは最初信じられなかった。アレを見たことが無いからそう言えるのだと。2人の思い上がりだと。
人間が
しかし、目の前の光景は………。
まるで、竜そのもののような…
『アクノロギアを倒す。』
思い返したその言葉にドクンと胸が高鳴った。
城を消し去り、99体の魔物を消し去った蒼髪の青年は、
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空高く投げた魔物が広がっていく。一直線に吹き飛び、遠くなっていく姿。
しかし徐々にその身体を変化させ、小さかった姿はやがて巨大なものに変わっていく。
頭部からは角が生え、人型になり、鎧のような外骨格を形成していく。
そして、
これが伏魔殿の真骨頂。
Sランクの魔物が最後の1体となった時、その強さが3倍になる。
青年は空に向かって両手を構える。
より大きく、より幅広く、より鋭角的になった黒い巨体目掛けて、青年は照準を定めた。
蒼い魔力が集まる。轟音と共に轟く雷を纏い、蒼く強く、強い光を発し、爆炎のように大きく燃え上がり、漆黒の黒い闇を纏い。
それらが全て青年の身体の周りに集まり、やがて光のコロナが収束した。
そして、空に向かって
カッ!!!
会場が光る。
次の瞬間、
ドゴオオオオッ!!!!!!
光が解き放たれた。
余波の暴風が一気に吹き会場が荒れる。
それは巨大な一本の柱となって闘技場の中央から空に延びていく。
やがて魔物に追いつき、
ガアアアアッ
オオオオオオッ
一気に消滅させた。
飲み込まれた魔物は声を上げる間もなく消え去った。
天に向かって放たれた一撃は暴風を発しながら小さく細くなり、やがて天に吸い込まれるように消えていった。
最後の一撃が終わり、光が収まっていく。
闘技場に残っているのは7人の魔導士と審判のカボチャと、
そして、
無傷の青年だけとなった。
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大魔闘演武3日目
競技パート伏魔殿、私はこの日を忘れない。
一度堕ちたはずの虎が再び咆哮した。
王者が再び這い上がって来た。
凄い光景だった。
これが私達のライバル。
これが現最強のギルド。
剣虎の王ここに復活。
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静まる会場。誰も声を発さない。
「き、き…」
実況の声が、少しずつ発される。
「き、き…、
決まりましたー!!!!、倒した!!!、倒してしまいましたー!!!!、剣咬の虎、フリス・スウェード、伏魔殿制覇!!!10pt獲得ー!!!!」
「「「「「「うおおおおおおおおっ!!!!」」」」」」
瞬間、会場が嵐のように湧いた。ある者は吠え、ある者は驚き、ある者は歓声をあげた。
「凄い、凄いぞ!!!、何とフリス無傷で100体の魔物を突破ー!!!!
強い!!!これが現最強王者ギルド、剣咬の虎だー!!!!!」
「凄いねー。」
「こ、こんな事が…」
実況席のラハールは愕然としている。
「うおおおおっ!!!強えー!!!」
「凄えぞ!!!全部を倒しちまうなんて!!!!」
「城が、消えたー!!!!」
「蒼の王者だー!!!!!」
「フリス!!!、お前が最強だー!!!!」
「俺と勝負しろー!!!!」
「あ、あ、…ああ、やべえ、やべえよ…。」
「「「「剣咬の虎!!!!、剣咬の虎!!!!!」」」」
最初のブーイングと打って代わって剣咬の虎コールが止まない。震えてる者が一部いるが。
皆、興奮し、熱が止まない。湧き荒れる会場。
フリスはその中で静かに左手の拳を上げた。
一度は大衆の侮辱の対象になったギルド。
しかしそれは強く、大きく、自力で立ち上がった。
剣咬の虎が再び咆哮した。
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剣咬の虎ー応援席
「……。」
「…はっ、…フリス様…、凄い!!!」
静まる中、ユキノが復活し、称賛を送る。その横で固まっている者が1人。
「……。」
「見ましたかっ、ミネルバ様、あれがフリス様ですっ!!」
「……。」
「ミネルバ様?」
「……うえ?、…はっ、妾は何を見ていたのか?」
「…大丈夫ですか?」
ユキノにグラグラと揺らされてミネルバはようやく復活した。信じられないとばかりに会場を、青年を見ている。
「っ…、何者っ、ユキノ、あれ、何処から持ってきた!!!妾にも教えよ、!!」
「え、雪山ですけど、」
「雪山、雪山か、…メモしておこう。」
ミネルバは驚いた。こんな奴がこの世界にいるなんてと。そして、それが今、自分のギルドにいることが整理出来ない。
「…フロー、何見てたのー」
「…分かりません、」
2匹のエクシードも口を半開きにして動けない。
「何だ、ありゃ、」
ドーベンガルの呟きに答えるものはいなかった。
自分のギルドが活躍したにも関わらず、剣咬の虎の応援席は静かだった。
「……凄い、凄いぞ!!」
「あ、ああ!!!」
「や、やったぞー!!!!」
「フリス、ヤバいな…。」
しかし、少しずつ、彼らの中からも拍手が、称賛の声が、ポツリポツリと出て来て、やがて大きく湧き上がった。
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妖精の尻尾ー応援席
「何だよアレ…。」
「な、何だろうな…」
おっさん魔導士のマカオとワカバがボソリと呟く。
「え、アレ無理じゃない…」
「こ、これが剣咬の虎なのか……。」
「……。」
ビスカとアルザックが半分口を開けて声を出す。その隣ではウォーレンが閉口している。
「……っ、ナツ兄なら、いけるよ!!!」
「「「「……。」」」」
ロメオがハッとしたように皆を鼓舞するが皆黙っている。
そんな中現マスターのマカロフが首を曲げてある人物を見やる。
「しょ、初代…どうでしょうか…。」
「……。」
マカロフが何とか口を開き、妖精の尻尾の初代マスター・メイビスに話しかける。
「…初代…」
「……。ハッ、私は1体何を、
そ、その、おほんっ!、
落ち着いてくださいっ、解決策はあります!!」
「「「「おおおおっ!!!」」」」
ハッとしたように、しかし解決策があると言う、メイビスに皆期待の視線を向けた。メイビスはない胸を張って言った。
「解決策は、
ま、まあ、その、
て、敵にしなければ良いのではないかと思われます!!!」
「「「「……。」」」」
「……敵だぜ、一応…。」
静まる一同。ビッグスローが呟くと皆うんうんと頷く。
メイビスはあたふたとしながら何とか皆を鼓舞しようと声をあげる。
「だ、大丈夫です!!彼からは悪いものは特に感じません!!
皆、私を信じてください!!」
「「「「……。」」」」
「相手頼りだな…。」
メイビスの言葉にフリードが呟いた。
メイビスが胸を張るが、より一層不安を煽るばかりだった。
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大鴉の尻尾ー選手席
「な、何だアレは……」
「「「…。」」」
大鴉の尻尾のマスター、アレクセイに化けたイワンは目の前で起きた光景に戦慄していた。他の者は声すら出せない。
「こんな馬鹿なっ!!!、同じ人間だぞ!!!、あんな奴がいて良いものか!!!」
「……。」
「……。」
「…もう、戦い、たくない……。」
イワンが汗をかき、吠える中、フレアが震えて泣き声を出した。
「く、くそ、だが、奴と戦う必要は無いはずだ…。」
イワンは尚、闘技場に目を向ける。
その視線の先にいるのは、金髪の男。
「待ってろよ…。その前にお前が恥をかくか見てやるがな…。」
イワンは何とか気を持ち直す。
しかし、イワンは知らなかった。
自分の子供である青年、ラクサス・ドレアーが魔導士として大きく成長し、とっくに自分を超えていた事を。
イワンがそれを知るのも直ぐ先だった…
戦闘?描写が難しすぎる。
圧倒的な火力が表しにくい。