異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

最後の投稿3/29……えっと今は8月末*1
いやぁ、本当に時間無くて…最近は少しずつ余裕が出てきましたが、これもいつまで続くことか…

そういえば、原作の方も2年ぶりに更新されましたね!先生、待ってました!!!
最後まで応援しております!

と、思いのたけを綴った所で本編をどうぞ。

*1:
執筆当時




ヒノマワリ攻撃

―ヒノマワリ王国 王都 ハルナガ京

21:00を過ぎた頃、グラ・バルカス帝国の外交官 ダラスは仕事を終え、制統府から宿泊先のホテルへ向かって歩いていた。

ハルナガ京は人工的な明るさこそ少ないが、月明かりが周囲を照らしており、遠くでもよく見える。

 

「明かりが少なすぎる、これが首都か。全く、早く帝都の本省勤務になりたいものだ」

 

そう独り言を呟きながらダラスは後ろを振り返る。

王城と見間違える程の大きさと迫力を持っている建物が一つ、ヒノマワリ王国における支配の象徴である、グラ・バルカス帝国の制統府。

 

「やはり帝国は凄い。周囲の建物よりも遥かに重厚で品がある」

 

流石は帝国の技術力だ、と制統府の放つ威厳を感じでいた、その時だった。

突然制統府が光った…ように見えた。

 

ドガアアアアアアン!

 

「うわ!な、何だ!?」

 

光の直視に耐えられず一瞬だけ目をそらしてから、再び制統府のあった場所に視線を戻したが…そこには半壊し、燃えながら崩れていく制統府があった。

 

「な、何てことだ!?」

 

ついさっきまで制統府で残業していた。あと数分、十数分ずれていたら…

 

ドオオオオオン!

 

東の方向からも爆炎が上がった。

あの方向には…ヒノマワリ王国を統治するための兵舎があったはず!

夜番以外の寝ていた兵が一瞬で失われてしまった。

 

町のあちこちから閃光と爆炎が連続してあがる。

何が起こっているのか理解出来ず人々は混乱し、家から飛び出して右往左往する者、机の下に潜る者、はたまた火事場泥棒を企む者。

町中がパニックになっている中、ダラスはとある事に気づいてしまった。

 

「ばかな、ばかな、ばかな。」

 

サーチライトが空を照らし、対空火砲が夜空に線を引く。

第2文明圏が使うワイバーンであればすぐにでも見つけられる索敵能力と、撃墜能力。

しかし今は敵を見つけられず闇雲に撃っている様に見える。

 

日本は誘導弾を使うそうだが、月が照らしているとはいえ肉眼で高空から地上の特定の建物を狙い、爆撃出来るなど絶対に出来るはずがない。

 

そうダラスは考えていたが、現実は想像を遥かに凌駕していた。

 

今回F-2が積んできた爆弾はGPSで誘導されるJDAMと、航空機からレーザーで誘導されるLJDAMの2種類。

予め分かっていた制統府や弾薬庫にはJDAM、住宅街に近い兵舎やフレイア王女からの情報によって新たに発見された建物にはLJDAMを使う事となっていた。

勿論F-2には暗視装置も設置されており、町の様子も闇夜の中だがよく見える。

 

ガアアアアアン!

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 

あまりの恐怖に走り出す。何処に行こうかなんて考えず、ただひたすらに走り続ける。

考えていたことはただ一つ、死にたくない! それだけだ。

 

死の恐怖というものは想像以上に恐ろしい。

心臓がはちきれんばかりに拍動し、息が上がって胸も苦しい。

 

(貴国と我が国の文明には80年以上の開きがある)

(もしも戦争になったら、あなた方は自衛隊に手も足も出ず敗北する!)

 

日本の外交官 朝田の顔が頭から離れない。

 

「うるさい!うるさいうるさいうるさい!」

 

耳を塞ぎながら走り続ける。それでも朝田の顔が、声が離れない。

石ころに躓き無様に転げまわる。全身が痛い。胸が苦しい。

それでも恐怖から逃げるために立ち上がり走り続ける。

 

 

―ヒノマワリ王国 制統府 地下司令室

「制統府、崩れました。おそらく全壊だと思われます」

「第1から第18対空陣地、沈黙」

「兵舎、爆撃を受けました。被害甚大」

「ぐっ!何故このタイミングで…」

 

地下司令室にて制統府の当直主任 オル・ブーツは焦っていた。

既に幹部官舎も爆撃を受けて崩壊しており、制統府の責任者とは連絡が取れない。

対空陣地も全て沈黙してしまい反撃能力は失われた、だからといって応援を呼ぼうにも電波塔も破壊されてしまった。

現状残っている戦力は、夜番などで兵舎に居なかった230名と暗殺部隊50名、計280名。

 

こんなこと、グラ・バルカス帝国の精鋭部隊ですら不可能だ。

敵は間違いなく強い。

そしてこの窮地、最高責任者である自分が乗り越えなければならなかった。

 

が、このオル・ブーツという男、とんでもなく卑劣な人間だった。

適当に仕事をやりつつ、帝国兵の地位を巧みに利用し様々な属国や植民地で金や物品を巻き上げ、現地の女を使って欲望を満たした。

そして、金と飽きた女を使って上司に媚び、同僚を蹴落とし、部下を部品の様に使い潰して出世した。

結果、夜間の当直時間帯に主任を任される地位にまで昇った。

 

つまり、本来彼にこの状況を、いや普段の職務ですらこなせる程の能力はない。

 

「現在も被害拡大中。動ける者達は戦闘準備を整え待機中です」

「何故攻撃を事前に察知できなかった!歩兵でどうやって爆撃機に立ち向かうと言うんだ!小銃で航空機は落ちんぞ!レーダー担当責任者は誰か!」

 

攻撃とほぼ同時にレーダー塔は崩れ落ちている。

死人に文句を言ってもどうしようもないのだが、無能な彼は誰かの責任にせずにはいられなかった。

 

彼が怒った勢いでごまかそうとしているのを周囲が呆れ返っている間、彼は空っぽの頭で精いっぱい考える。

 

(既に対空陣地は壊滅、地上にあった制統府も崩壊した。

今動かせる戦力は歩兵230名と暗殺部隊50名、武器は歩兵の持てる小銃のみ。

空爆は防ぎようがないが、ここ地下指令室は耐えられるだろう。)

 

軍は既に全滅状態、敵は今までの奴らに比べても信じられないほど強く、前世界のライバルであったケイン神王国を遥かに超えるレベルだと本能が訴える。

迫りくる死の恐怖の中、必死に思考を巡らせる。

 

(そうだ!)

 

ふと彼は閃く。

 

「空爆を受け空に対する反撃能力は失われた。しかし、我々はこのヒノマワリ王国の支配を手放す訳にはいかない!次の手として地上軍の侵攻が予想される。ハルダール川にかかる14本全ての橋に爆破装置を仕掛け、地上軍の侵攻に備えよ!暗殺部隊は敵特殊部隊の侵攻に対処せよ」

「はっ!」

 

珍しくまともな指示を出すオル・ブーツに多少驚きながらも、各員は直ぐに指示を伝え始めた。

 

「なんだって!?」

 

突然通信員が大声を上げ、必死にメモに何かを書き留めている。

 

「どうした!」

 

不安に駆られたオル・ブーツは通信員に声をかける。

 

「東の空に星の信号弾を認めたとのこと!弾数5!」

「ご、5発!?星の信号弾が5発だと!?」

「はい、間違いありません」

 

猛烈な輝きと爆裂音を出す星の信号弾は、通信系統が遮断された場合等の非常事態のみ利用されていた。

国境付近から目視できる範囲で上がり、目視した各基地から新たに信号弾が上がる。

そうやって信号が中継されていく。

やがて、指令室周辺からも見える位置で上がり始めた。

 

敵地上部隊の大規模侵攻の合図。

具体的な位置や規模は、無線が使用できない為に分からない。

情報があまりにも不足しすぎている。それが更に不安を煽る。

 

「バ、バカな!?早すぎる!空爆と同時進行で…いや、攻撃以前から出ていたというのか!?そんな作戦は…!」

 

よほど戦力差があり、空爆による敵の無力化に相当の自信が無ければ、できない作戦だった。

 

(もうダメだな…)

 

万策が尽き、命の危機がすぐそこまで迫っていると考えたオル・ブーツはすぐに決断した。

 

「現有戦力では敵の大規模侵攻に耐えられない。無線塔が破壊されてしまった今、直接援軍を求めに行く必要がある。幸いにして緊急用の偽装滑走路と緊急連絡用の機体は破壊されていない。大規模侵攻であれば援軍も相当数必要になるため、ある程度権限のある者が行かなければならないが……仕方がない。私が行こう」

「!!!!!!」

 

部下たちの顔が引きつる。

オル・ブーツ(こいつ)は現在この場の最高責任者にも関わらず、責任を放り出して離脱しようとしているのだ。

 

「緊急連絡用の機体『スタークラウド』であれば、敵を振り切って味方の元に辿り着くことが可能だ。すぐに帝国の戦闘機が空を埋め尽くし、敵を排除するだろう」

 

スタークラウドは最高時速695kmも出せる、帝国でも相当な速さを誇る機体。速さに自信があるからこその振り切れるという判断だろう。

 

皆、反論したい気持ちを抑え、オル・ブーツの指示に従う。

オル・ブーツは静かに指令室を後にした。

 

 

―ヒノマワリ王国 国境付近

ヒノマワリ王国の国境付近に建っている国境監視塔、そこから見える位置に、第二文明圏連合国軍特務隊が展開していた。

 

しかし、彼らはヒノマワリ王国を攻撃する為に展開している訳ではなかった。

薄く広く展開している彼らの陣地には多くの旗が並び、無人の松明が幾つも焚かれている。

後方では何頭もの馬が枯れ草を引き摺り土煙を立たせており、光源が松明しか無い為か見た目より数倍もの規模に見える。

 

これらを大規模侵攻と誤認したグラ・バルカスの見張りが信号弾を上げてしまったのは仕方のない事だった。




いつの間にかスマホからの執筆がしやすくなっていますね。ありがたい…
え?スマホから執筆しやすい=投稿頻度が上がるは違うって? ナ、ナンノコトカナ…

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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