これは偶像が肥大化しすぎた男の話

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呪いの王者

 

 Q:最強の術師は? 

 

「五条さんでしょう。あれほど理不尽な人間もいませんよ。……いえ、そういえば『もう一人』いましたね。とびきり理不尽なのが」

 

「そりゃあ僕でしょ! ……って言いたいところだけどね。『あの人』とは戦ったことがないから、ぶっちゃけ断言はできないんだよね。いつか戦ってみたいなぁ」

 

「いきなり難しい質問をするんだね。私としては五条君を推したいところだけど、『彼』もまた底が知れないからね」

 

「みんなは何て答えたんだい? 私の予想では『彼』と悟で票半々だと思うんだけど。私の意見を聞きたい? 困ったね。正直どっちが勝ってもおかしくないと思うよ」

 

「あ一、『あの人』じゃね? 五条もそりゃ強いが、一応は理屈があってそうなってる。訳も分からず次の瞬間に倒さんのに比べりゃまだ可愛げがある。どっちにしろ、戦うのはごめん被るけどな」

 

「ふっふっふ……よくぞ聞いた! それはズバリ! 『あの男』だ! 俺はその戦いを間近で見た。IQ53万を誇るこの俺の脳内 CPU を以ってしても、さっぱり何もわからなかった。それほどまでに規格外という訳だ。師匠(マイティーテャー)九十九由貴を含め、一般的なものさしで測ることができない人間は数多く存在するが、あれはその中でも突出している」

 

「特級という立場にいる者として言わせてもらうけど、『彼』が最強だよ。誇張でも何でもなくね、私にも分からないんだ。彼がどのくらい強いのか。呪霊を実際に討伐するところを覗き見、いや、観察してた時期があったんだけどね。どんなに目を凝らしても、攻撃の瞬間が見えなかった。呪霊は対峙したら次の瞬間には消えていたんだよ。五条悟にだってできない芸当だ。どんな女がタイプが聞きたいけど、あの威圧感の前ではちょっと聞きにくいな」

 

 七海建人、五条悟、冥冥、日下部篤也、東堂葵、九十九由貴、この名だたる者たちの回答には必ずある男の存在が含まれている。

 

 

 

 

 

 一体、いつから呪術師側にいたのか不明。本名も不明。ただ『キング』と、霊長類最強という意味を込められた一つの通り名で呼ばれている。

 

 曰く、クレーターはキングが月をサンドバッグにして鍛錬をした結果発生したものである。

 

 曰く、彼の左目にある3本の傷は史上最強の術師『両面宿儺』との熾烈な戦いのさなか、世界を断つとも言われる斬撃を受けた結果できたものである。

 

 曰く、五条悟であっても彼と正面切って戦うということは、死を覚悟しなければならないほどの一大事である。

 

 これらは彼の功績からいつのまにかできた単なる噂にすぎない。中には彼の偶像が肥大化した結果、事実とは異なることが伝わっている場合もあるだろう。

 

 しかし、彼にはそれは全てが真実だと思わせるほどの凄みがある! 

 

 

 

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続かない

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