【完結】映画 ドラえもんクロスアンジュ のび太と天使と竜の輪舞   作:牢吏川波実

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ED&エピローグ

♪広がる空から 光が零れて ふたつのてのひらを♪

 

 その後、大巫女と謁見した向こうの世界の人間たちは、サラマンディーネの懇願、そして今回の時空融合を止めてくれたことやアウラを奪還してくれたこと。なによりも、怒り、悲しみ、報復、その先にあるのは、滅びだけとし、これまで同胞を殺していたことについては不問、彼女たちがこの世界に永住することや、アルゼナルのある島に新たな国ーアンジュ曰く名前はこれから考えるらしいーを作ることを許可してくれた。

 

♪翼に変える 静かに流れる 時間を繋いで はじまりが続く 夢になればいい♪

 

 その後、サラマンディーネが作った決闘場と言う名前の複合娯楽施設内にあるカラオケでパーティーが開かれた。途中までは良かった、アンジュやサラマンディーネ、多くの少女たちの美声が響き渡ってとても盛り上がっていた。が、しかしジャイアンがマイクを持った瞬間、ドラえもん含めた四名が逃げ、現場は阿鼻叫喚の渦となってしまった。当の本人は何も悪気がないのが逆に辛いところである。

 

♪ありふれたこと くりかえすだけでも 胸はまた熱くなるの 止めておけない いまがなぜ♪

 

 その夜。この世界でドラえもん達が作ったお墓の前で、改めて向こうの世界から来た人間たち、そしてこの世界の人間が集まった。今度は前回や前々回の比ではない数だ。集まれるだけのこの世界の人間、つまりドラゴンが集まり、その手に持ったコムローイを空に飛ばしたのである。

 紅く燃ゆる火が、ゆっくりとゆっくりと空の闇に消える。もう二度とこの世界を焼かせない、もう二度と戦争を起こさない。その決意とともに。

 アレクトラは、これまでに自分のために死んだ人間たちの名前を心の中で呟いていく。そして、その灯はどこまでもどこまでも昇って行き、これまで上げて来たどのコムローイよりも遠くへとたどり着くのだった。まるで、今度こそ、その魂が天に昇ったかのように。

 

♪あるのか教えて 愛にふれて 抱きしめるために めぐり逢う誰かがいる 大切なものが♪

 

 同じ夜の事、アンジュとタスク、並びにヒルダがこっそりとサラマンディーネから仮で与えられた宿舎から出る様子が、サリア他数名によって目撃された。のび太などはどこにいったのかと付けて行こうとしたのだが、エルシャによって遮られてしまい、その後三人が朝まで帰る事はなかった。

 

♪心には確かに見える たった一度 たったひとり その意味に応えながら 幸せがわかる ただあなたといたい♪

 

 そして、それとほぼ同じころ、宝島ではジョン、そしてドラえもんの“スモールライト”でその身体を小さくしたアウラが、共にフィオナの墓の前に立ち、黙とうを行っていた。きっと、報告していたのだろう。

 自分たちがこれから何をするのかを。自分たちが、子供たちの未来を支えていくのだと。その姿を遠くから涙ぐみながらフロックとセーラが見守っているのであった。

 

♪何かを失い 覚えた♪

 

 二日目。ヴィヴィアンはのび太からある“ひみつ道具”を受け取っていた。その名前は“バードキャップ新型”。そう、あの戦いで使用した“ひみつ道具”であり、その背中に本当に羽が生えて、飛ぶことができる。つまり、羽を切り落とされたヴィヴィアンもまた、生身で飛ぶことができるようになれる道具だ。

 ヴィヴィアンは、それを被り、羽を大きく広げラミアと共に飛んだ。物心ついてから初めての、母との飛行だ。メイルライダー達もまた、それぞれの乗機に乗り込み、翼を広げたサラマンディーネやカナメ、ナーガ、そしてエルシャとともに飛ぶ。その横には、同じくドラえもんから借りた“バードキャップ新型”によって飛んでいるのび太を含めた四人と、それからついでに来てソレを被ることになったエマやメイがいた。

 そして、≪パラメイル≫組の何人かは、一緒に乗っている人間がいるようだ。ヒルダの後ろにはヒルダ(妹)、ナオミの後ろにはミスティ、ジルの後ろにヒルダの母親、そしてアンジュの後ろにはシルヴィアを。

 これまで何度も飛んできた空だ。でも、ここまで心さわやかに飛んだことは今までなかった。そう、元向こうの世界の人間も、こっちの世界の人間たちも思った。特に、今回初めて≪パラメイル≫に乗る人間たちもまた、その風を気持ちよく浴びていた。

 

♪涙に 弱さを知るほど まだ強くなれる 変わってしまう 季節の中にある 決して♪

 

 一方そのころその場にいなかったドラえもんやクルト、ジャスミンやマギー、そしてタスクは何やら図面のような物を取り出していた。どうやら、病院の設計図、それから喫茶店の設計図であるようだ。タスクが提出したその喫茶店の名前を見て、ドラえもんとクルトは少し汗をかいていた。この人どこまでアンジュの事を好きなんだろうかと。感心にも近い、そしてある意味で清々しいことに対する尊敬もあった。

 

♪変わらない記憶 その微笑みを 守れる優しさを知りたい 愛にふれて♪

 

 その後、再び昨日地獄を見たあの娯楽施設にやって来たアンジュたちは、そこにある物を見つけた。そう、≪ラクロス≫のフィールドである。それに使う道具やルールはどこか向こうの世界で行われていた≪エアリア≫に似た物があり、≪エアリア≫の地上版と言っても過言ではなかった。そんな施設まで作っているなんてサラマンディーネの博識ぶりにうならされるが、とにかく、そこでアンジュとミスティによる選抜メンバーの対決が行われた。その対決をしている時の二人の表情は、まるで向こうの世界で何も知らずに≪エアリア≫による戦闘を繰り広げていた時と全く同じものであったと、モモカは語っている。

 

♪抱きしめるために めぐり逢う誰かがいる さみしさも癒す あたたかい声が聴こえる きっと一度 ずっとふたり その意味を♪

 

 三日目。その日は元≪アルゼナル≫幼年部の子供たちとついでにヒルダ&ヒルダ(妹)、そしてこっちの世界の子供たち、つまりドラゴンの子供たちの初顔合わせ。最初はどうなる事かと心配だったエルシャだが、子供と言うのはとても順応性が高いようで、すぐに仲良くなって一緒に遊び始めた姿を見て、涙ぐんでしまう。

 その姿を隣で見ていたアンジュとナオミ、静香、そしてのび太は口々によかったねと彼女のこれまでの苦労をねぎらい、そしてヒルダの母親もまた、これまで見たことがなかった二人のヒルダが仲良く遊ぶ姿を見て、涙ぐむのであった。自分に、そんな資格ない。そう思っていたのに。隣に偶然いたジョンは、そんな彼女にハンカチを手渡すのであった。同じ子を持つ大人として、そして一度子供と仲たがいをしてしまった人間の先輩として。

 

♪信じながら 幸せになれる ただあなたといたい♪

 

 そして最後に、あの大巫女が住む宮殿の前に全員が集まった。始祖アウラと大巫女の前でこちらの世界の代表であるサラマンディーネ、向こうの世界の≪元ノーマ≫を代表してアンジュ、並びに≪アルゼナル≫の運営に関わっていた人間の代表でミスティ。そして過去の世界の代表者であるドラえもん、のび太、エンブリヲの共同研究者としていくつもの苦労を重ねて来たジョンの六人が、共に握手を交わし合い、ドラゴンと人間の全面的な和解を決定づける式典を行ったのであった。

 その後は、全員で記念撮影。向こうの世界の人間、こちらの世界の人間、過去の世界の人間全員を合わせた記念撮影だ。その中心にいたのは、アンジュでその両隣にいたのはのび太とドラえもん。アンジュは二人の身体を抱き合わせる。まるで、三人で一緒に真ん中で映ろうと言わんばかりに。

 

♪消えていかない いまがなぜあるのか教えて 愛にふれて♪

 

 最後に、アンジュが“フエルミラー”を使って母の形見の指輪、ヴィルキスの指輪を増やし、過去の世界へと帰るドラえもんやフロックたちに渡した。自分たちと出会った、その思い出として。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪抱きしめるために めぐり逢う誰かがいる 大切なものが 心には確かに見える♪

 

 過去の時代に帰るドラえもんたちを見送るために、メイルライダーの乗った≪パラメイル≫が、ドラゴンが、人間の姿のエルシャやラミアが、そしてメイルライダーではない人間達をその背中に乗せた始祖アウラが飛んだ。なお、余談だが、向こうの世界の軍人達は全員海賊が引き取ることになったらしい。

 誰もが、涙ぐんでいた。永遠の別れになるのだ。当然だろう。しかし、誰も後ろ向きになんてなっていない。未来を、見据えたさよならだから。

 絶対に辿り着かない明日。でも、それでも進んでいくそれぞれの道。人はソレを人生と呼ぶ。

 出会いと別れを繰り返し、少年少女たちは大人となっていくのだ。これまでも、そしてこれからも。

 のび太達はその手に、アンジュからもらった指輪のコピーをはめて、絵が得意なイルマが書いてくれたスケッチを手にして、この世界で作ったたくさんの思い出を写真の中に収めたアルバムを手にして、宝島の端に出て手を振る。

 のび太は叫んだ。

 

♪たった一度 たったひとり♪

 

「皆ぁ! 元気でぇぇ!!!!」

 

 それに応えるように、アンジュも叫ぶ。

 

♪その意味に応えながら 幸せがわかる ただあなたといたい♪

 

「貴方たちも! 元気で!! 私たちも、少しずつ頑張るから!!! この世界で!!!」

「さようなら! アンジュさん! 皆!!」

「えぇ、ドラえもん!! 貴方たちに会えて、本当に……本当によかった!!」

『ありがとう!!!』

 

 そして、タイムマシンは、宝島は光に包まれて消え去った。

 その時、光の粒がまるでシャワーのようにアンジュ達に降りかかった。

 まるで、彼女達を祝福するかのように、広がる空から、光が、零れたのである。

 こうして、二つの世界をまたにかけた一つの冒険が、彼らの冒険がまた一つ、その幕を閉じたのであった。

 

♪広がる空から 光が零れて♪

 

『ドラえもん』

ドラえもん

野比のび太

源静香

骨川スネ夫

剛田武

野比玉子

 

『映画ドラえもん のび太の宝島』

フロック

セーラ

クイズ

ビビ

マリア

ジョン

フィオナ(特別出演)

 

『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』

クルト

 

『映画ドラえもん のび太の新恐竜』

キュー(特別出演)

ミュー(特別出演)

 

『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』

アンジュ

エルシャ

サラマンディーネ

タスク

サリア

ヒルダ

モモカ・荻野目

ヴィヴィアン

ロザリー

クリス

ゾーラ・アクスバリ(特別出演)

ココ・リーブ(特別出演)

ミランダ・キャンベル(特別出演)

ターニャ

イルマ

メアリ

マリカ

ノンナ

ジル

エマ・ブロンソン

マギー

ジャスミン

メイ

パメラ

ヒカル

オリビエ

ソフィア・斑鳩・ミスルギ(特別出演)

シルヴィア・斑鳩・ミスルギ

ミスティ・ローゼンブルム

リザーディア

ナーガ

カナメ

ドクター・ゲッコー

ラミア

大巫女/アウラ・ミドガルディア

ヒルダ(妹)

ヒルダの母

アウラ

≪アルゼナル≫にいた人間達

幼年部の子供達

エンブリヲ

 

『クロスアンジュ天使と竜の輪舞tr.』

ナオミ

 

『真マジンガーZERO VS 暗黒大将軍』

マジンガーZERO(友情出演?)

 

OP

 

『夢をかなえてドラえもん』 歌:mao コーラス:ひまわりキッズ

作詞・作曲 黒須 克彦

編曲 大久保 薫

 

ED

 

『Necessary』 歌:水樹奈々

作詞 松井五郎

作曲 Zetta

編曲 EFFY

 

挿入歌

 

『永遠語り~光ノ歌~』 歌:アンジュ(水樹奈々)

作詞 Hibiki

作曲 志方あきこ

 

『ひとりじゃない ~I'll Be There~』 歌:KONISHIKI with 新山千春

作詞・作曲 BANANA ICE(下町兄弟)

編曲 沢田完

 

『笑顔はひみつ道具』 歌:千秋

作詞 マイクスギヤマ

作曲・編曲 沢田完

 

『凛麗』 歌:喜多村英梨

作詞・作曲 山口明彦

編曲 PHA、山下洋介

 

『友達』 歌:木村昴

作詞・作曲 多田慎也

編曲 NAOKI-T

 

『僕の心をつくってよ』

歌・作詞・作曲 平井堅

編曲 亀田誠治

 

『未来のミュージアム』 歌:Perfume

作詞・作曲・編曲 中田ヤスタカ

 

『永遠語り~El Ragna~』 歌:アンジュ(水樹奈々)、サラ(堀江由衣)

作詞 Hibiki

作曲 志方あきこ

 

『禁断のレジスタンス』 歌・作詞:水樹奈々

作曲・編曲 加藤裕介

 

『終末のラブソング』 歌・作詞:水樹奈々

作曲 吉木絵里子

編曲 藤間仁

 

『ドラえもん』 歌・作詞・作曲・編曲:星野源

間奏作曲 菊池俊輔

 

『真実の黙示録』 歌・作詞:高橋洋子

作曲・編曲 大森俊之

 

『Love you close』 歌:知念里奈

作詞 森浩美

作曲 上田知華

編曲 大坪穂稔

 

『この星のどこかで』 歌:由紀さおり・安田祥子

作詞 上村美保子

作曲 大江千里

編曲 山下康介

編曲監修・ピアノ 羽田健太郎

 

『夢をきかせて』 歌:ドラえもん(水田わさび)・森の木児童合唱団

作詞 マイクスギヤマ

作曲・編曲 沢田完

 

 

 

 

 

 

 

 

Special Thanks

読者の皆様方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ってしまわれましたね……」

「えぇ、あの子達の未来がどうなるのか、楽しみだわ」

「見てみますか? 私の集めた資料で」

「やめとくわ。あの子達がこれから歩く未来を、先に見るのは……ズルいでしょ?」

「……そうですね」

「さぁ、イキましょう! 私達も、私たちの未来に向けて……まずは、喫茶『アンジュ』を建てることから、始めましょう……ここから、明日を!!」

『イェス・マム!』

 

 こうして、戦いから解放された戦乙女たちの人生は、続いていくのであった。はるか未来まで向けて、その時、アンジュは指輪をはめた手を空に掲げて見上げた。

 澄み渡るような、青い空を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだか、長い夢を見ていたみたいだなぁ……」

「未来の世界の一つのパターンを見た。そう、思えばいんだよ……」

「ねぇ、ドラちゃん。本当に、未来は変わったのかしら?」

「それは、これからの僕たちが確かめていくんだ……」

「これからの、俺たち? どういう意味だそりゃ?」

「僕たちが、一歩ずつ前に進んでいく……ただ、それだけでいいんだ」

「たったそれだけ? 本当に良いのかなぁ?」

「少なくとも、サラマンディーネさんは、こっちの世界の住人だったんだし、未来世界のサラマンディーネさんが戦わなくていい様な、素晴らしい未来を創っていこうよ」

「うん、そうだね! アンジュさん……僕、頑張るよ! どれだけどんくさくても、一歩ずつ、未来に向かって!」

 

 裏山の草原で寝転がっている四人と、ドラえもんはその手に持った指輪を空に掲げた。その先には、とても真っ白く、どこまでも続くような飛行機雲があった。

 そして、その先には未来と同じ、澄み渡るような青い空があった。

 夏は、まだまだ続いていく。

 ゆっくりと、確実に、未来に向かって。

 

おしまい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラえもん「皆! 面白かった?」

 

アンジュ「ドラえもん!」

 

ドラえもん「あれ? アンジュさん?」

 

アンジュ「ヴィルキスの指輪、作りすぎたみたい。これ、どうしようかと思って」

 

ドラえもん「う~ん……そうだ! それはこの映画を見てくれたみんなにプレゼントしよう!」

 

アンジュ「ふふっ、それはいいわね。そうね、この指輪は皆に……私たちの冒険は終わるけど、でも……今度は……!」

 

ドラえもん「皆が! 物語を描く番だ! 僕たちやアンジュさんたちだけじゃない、思い思いの、楽しい冒険を!!」

 

アンジュ「もしも困ったのなら……」

 

ドラえもん「ボクたちが、すぐに駆けつけるからね!」

 

アンジュ「それじゃ……」

 

 アンジュ、指輪を画面に向けて放り投げる。

 

ドラえもん・アンジュ「「皆、またね!!」」

 

 ドラえもんとアンジュは≪パラメイル≫に乗って遠ざかっていく。

 そして、指輪を拾ったのは―――。

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