「知っているかい。香の匂いは、不死を成仏させるのさ」

マノは出会ってしまった。
幼い頃に一度だけ至った、全てを貫く一閃。あの日以来、一度も再現できていない絶技。それを易々と為した女に心を奪われるのは必然のことで、誰もマノを責めることはできないだろう。

しかし、敢えて此処でひとつ、彼の失敗を挙げるとするならば。

それまでマノが慕っていた『彼女達』に、その浮気じみた乗り換えを一切言わなかったことくらい。

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