モンスターハンター ≪新世界≫   作:南波 四十一

18 / 29
超大量発生!!

 カーシュナーたちと別れ、≪鉱山都市≫駐留調査団への報告に、リドリーとファーメイは急いでいた。

 坑道内を徘徊していた大型モンスターである≪尖貫虫≫(センカンチュウ)は、すでにリドリーたちの手により討伐されているため、小型モンスターの≪化け蜘蛛≫(バケグモ)の不意打ちにだけ気をつければいいおかげで、二人はほとんど走りっぱなしで移動していた。

 リドリーも、猫背のせいで分かりにくいが、ハンナマリーに並ぶほどの長身の持ち主で、長い脚を持っている。運動能力も極めて高く、当然足も速い。

 そのリドリーも、ファーメイの前では、見失わないようについて行くのが精一杯だった。

「先に行きすぎだ! パッパラパーメイ!」

 見えなくなりかけたファーメイの背中に、リドリーが呼びかける。

「だ、誰がパッパラパーメイッスか! ってか、リドが遅すぎるんッショ!」

 ファーメイが、バック走体勢に切り替えてから憤然と言い返す。後ろ向きに走っていても、リドリーとの差は徐々に開いていく。

「遅くねえよ! お前の足についていける人間なんているわけねえだろ! オレからあんまり離れるんじゃねえよ! 守り切れねえだろ!」

 リドリーが、息を切らせながら言い返す。

「おおっ! 聞きようによっては、ちょっとした告白の言葉にも聞こえるッスよ! オレの隣りにいろ! オレが一生守ってやるから! 的な! いやぁ~ん。リドってば肉食系!」

 ファーメイが頬に手をやり、くねくねと照れる。それでいてさらに加速するのだから化け物じみている。

「前半部分を無視すんなよ! 全然そんな意味につながらねえだろ! っていうかいい加減に…」

 リドリーは言葉途中でライトボウガンを身構えると、簡易照準すら定めずに発砲した。撃ち出されたLv2通常弾が、ファーメイの顔のすぐわきを通過する。

「わっ、わっ、わあああぁぁっ!! 人殺しッス~~!!」

 ファーメイの絶叫は、背後からぶち当たってきた≪化け蜘蛛≫によって中断された。擬態していた岩から姿を変えて飛び掛かったところを、リドリーに狙撃されたのだ。

 続けざまにリドリーのライトボウガンが火を噴く。つがいのもう1匹が襲い掛かったのだ。

 こちらも空中に飛び上がったところを撃ち落とされたため、もがいているファーメイにぶち当たっていった。

 素早くLv1通常弾に装填し替えると、ファーメイの上でもがく≪化け蜘蛛≫に、的確にとどめを刺していく。弾を替えたのは、間違って≪化け蜘蛛≫の身体を貫通してファーメイを傷つけないための配慮だ。もっとも、≪化け蜘蛛≫の身体を通して撃たれる衝撃を感じるファーメイはたまったものではない。しかも、弾の威力が落ちた分、撃ち込まれる弾の数は増えるのだから、恐怖倍増である。

 リドリーがライトボウガンを背負いなおしていると、声も出ない有様で≪化け蜘蛛≫の死体の下からファーメイが這い出して来る。

「だからオレから離れるなって言っただろうが」

 立ち上がるファーメイに手を貸しながら、リドリーがニヤリと言った。

「…リド。≪化け蜘蛛≫が飛んでから撃ったッショ!」

 こちらは、ジロリとにらみながらのファーメイの言葉だ。

「んんっ? 何のことだ?」

 リドリーがニヤリとしたままとぼける。

「本当はボクに飛び掛かってくる前に撃てたのを、飛び掛かるまで待ってから撃ったッショ! わかってるんッスよ!」

 ファーメイが指を突きつけて食って掛かる。

「あの一瞬でそんな余裕あるわけねえだろ」

「あるッスよ! リドの腕前なら、あの一瞬で悪ふざけを考えつけるって、ボク確信しているッスから!」

「そんな風に信用されてのな~。まあ、信頼に応えたってことで」

「キィ~~~ッ!! 言ってやりたいことはいくらでもあるッスけど、まずは報告が先ッス! あとで覚えてるッスよ!」

 本来の目的を忘れていなかったようで、なんとか自制する。そして、再び走り出そうとする。

 その首根っこを、リドリーが素早く掴む。

「ファーは、オレの後からついて来い」

 リドリーはそう言うと、ファーメイを自分の後ろに押しやった。

「おおっ!! 女は男の三歩後からついて来いってやつッスか! 亭主関白ッスか!」

「どんな脳内変換してんだよ! もう、それでいいから、黙ってついて来い!」

「了解ッス! 正直ちょっと気が焦っていたッス! 頭冷えたッス!」

「そいつぁ、なによりだ!」

 リドリーの後ろに立ったファーメイが、リドリーの背中に両手を置く。

「さあ! 行くッスよ!」

 言うが早いか、ファーメイは全力でリドリーを押し始めた。

「うわっ! バカッ! やめろって!」

 思いのほか強い力に押されて、リドリーは危うく突き倒されそうになる。ハンターではないということで、つい弱いと思ってしまいがちなファーメイだが、ハンター以上の大荷物を常に背負い、その上で≪神速≫などと呼ばれる程の足を持っているのだ。力が弱いわけがない。

「ちょっ! ちょっと待った! ファー! お前やっぱり前を走れ!」

 早くもリドリーの限界速度までスピードがあがる。ファーメイの押す力は、まだまだ限界には程遠い。足がもつれだしたリドリーが悲鳴をあげる。

「ボクに三歩後からついて来てほしかったら、ボクより三歩速く走らないとダメッスよ!」

「さ、三歩後とか、オッ、オレは言ってねえだろが! 勝手に話をすり替えんなよ!」

 リドリーの当然の抗議は、あっさり無視された。

 珍しく主導権をファーメイに握られてしまったリドリーの絶叫が、長い坑道を響いていった。

 

 

「お前ら狩場で騒ぎ過ぎだ!」

 スタミナの限界まで出し切って≪鉱山都市≫駐留調査団に合流したリドリーとファーメイに、調査団員のカミナリが落ちる。

「せ、先輩。ち、ちが、違うんッスよ!」

 ファーメイが、荒い呼吸の合間に、なんとか言葉をしぼり出す。

 眉間にしわをよせて二人の呼吸が整うのを待っていた調査団員は、初めての狩場にリドリーたちがはしゃいでいるものと思い込み、二人からの報告を始めは適当に聞き流していた。だが、事の重大さに気づくと、二人の話を一旦遮り、慌てて駐留調査団の団長を呼びに走った。近くにいた他の団員にも声を掛ける。

「ご苦労さん。二人とも悪いが、もう一度始めから話してもらえないだろうか?」

 駆けつけた駐留調査団団長が、リドリーたちに声を掛ける。

 二人の前に立つ団長は、リドリーに負けず劣らずの見事な鼻を持つ、竜人族の青年だった。

 南の大陸調査団の全体的な指導者は、5人の竜人族の老人である。5人とも、背こそ丸まり小柄だが。頑健な身体を持ち、いくらでも大陸を歩き回れるだろうが、基本拠点で調査全体の指揮を執っている。

 団長は老人たちに代わって、前線で大陸調査を行っている実働部隊の指揮を執る責任者であった。北の大陸でも、ハンターズギルドが手掛ける事案の中で、けっして表には出ないような、一般には自然災害として処理されるような事態への対応を主な仕事としている超一流のハンターだった。

 狩猟を極めたと謳われるG級ハンターの英雄たちも、彼からはいまだに教えを受けている。

 その他に集まった人たちも、王立古生物書士隊や古龍観測所に所属している兼業ハンターだった。狩場の中に留まって調査をするため、調査能力以上に自衛能力が求められるので当然と言えた。

 そのころには呼吸も整っていた二人は、獣人と出会った経緯と、その時感じた嫌な空気感について細かく説明した。

 一般的には空気感などという漠然としたものなど取り合われないが、命のやり取りで磨かれるハンターの感覚には無視できない神がかり的な鋭さがあるため、五感から得た情報と同等の価値を持って扱われていた。

 ファーメイの説明を、リドリーが時折補足する形で報告は行われた。

 聞き終えると、団長は大きく唸り、他の団員は互いに顔を見合わせる。

「この辺りに獣人種がいたのか…。この山岳地帯は、≪鉱山都市≫だけでなく、周辺地域一帯くまなく調査したつもりでいたんだが、ずいぶんと大きな見落としをしていたもんだなあ」

 団長は腕組みをして唸る。

「この地域の外側から来たのかもしれませんよ?」

 団員の一人が意見をのべる。

「それはないだろう。ファーメイたちの話を聞いた限りでは、その獣人は重傷を負っていたことになる。そんな状態で長距離の移動は不可能だ。仮に体力的に可能だったとしても、血の臭いを追われてモンスターに捕食されてしまうはずだ」

 団長の説明に、他の団員も、なるほどとうなずく。

「しかし、君たちは本当にすごいな! オレなんか周辺調査の段階からずっとこの地域にいるが、割りと多く見られるモンスターくらいとしか遭遇したことないぞ! どうだ! 4人全員王立古生物書士隊に入らんか? 君たちは絶対向いてると思うぞ!」

 王立古生物書士隊に所属している団員の一人が、興奮気味にリドリーに声を掛ける。未知の獣人種の発見に好奇心が刺激され、興奮しているのだろう。その隣でファーメイが、同意のしるしに激しくうなずく。

「おい、おい、王立さん! 抜け駆けはよしてくれ! リドリー君たち4人のはうちだって目をつけているんだぜ!」

 古龍観測所所属の団員が口をはさんでくる。

 カーシュナーが、ハンターに専念すると宣言したのでいまのところは落ち着いているが、一時カーシュナーたち4人の勧誘合戦はとんでもない盛り上がりをみせていた。彼らの生い立ちと、それを乗り越えた心の強さ、人柄、何よりずば抜けたその能力を、彼らは正確に理解し、評価していたのだ。

 勧誘合戦が再燃しかけた時、団長が苦笑いしながら割って入る。

「いい加減にしないか。下手に彼らがどこかのギルドに所属したら、それ以外のギルドの長老たちが大騒ぎするだろ!」

 団長の言う通りで、カーシュナーにべた惚れな竜人族の老人たちが、カーシュナーの独占を許すはずがないのだ。独占に成功した一人が、他の4人に自慢しまくり、嫉妬の炎に油を注いで回る光景が、その場にいる全員の脳裏に、まるでいま目の前で起こっているかのような鮮明さで映し出された。

「確かに、大騒ぎになるッスね~。ギルドマスターたち、そういうところは大人気ないッスからね~」

 ファーメイがうんざりしながら唸る。

「商業ギルドのばあちゃんも、カーシュのことになると、案外見境ないからなあ」

 リドリーも、ファーメイの言葉にうなずき、うんざりする。

「そんなことよりも、今後の対応を検討しよう」

 団長が、一つ手を打ち鳴らすと、途端にその場の空気が引き締まる。厳しさを表に出すことはない人だが、くぐってきた修羅場の数と質が段違いであるため、ごく自然に周囲をまとめてしまうのだ。

「遺跡の調査は中断して、カーシュ君たちの支援に向かうべきじゃないですか? 白い獣人以来の、意志疎通が適うかもしれない知的種族の発見なんですから、出て来るかもわからない遺跡の資料は、後回しでいいでしょう」

 団員から意見が出る。

「そうだな。念のため一部の者を≪鉱山都市≫の守備に残して、カーシュ君たちの支援に向かおう。周辺調査に出ている調査団員を呼び戻せば、守備人員は足りるだろう。例の卵塊も気にはなるが、いまは人命を最優先にする」

 団長の判断が下る。

「卵塊ってなんッスか?」

 好奇心の塊であるファーメイが口をはさむ。

「そうか! お前さんたちは初耳か! 実はこの周辺の谷で、それまで見かけなかった巨大な袋状の物体が発見されたんだ。始めはそれが何なのかさっぱりわからなかったんだがな。実は卵塊だったんだよ」

「卵塊って言うと、ギギネブラが産み出すやつみたいなものッスか?」

「あんな規模じゃない! 初めて見た時は、中にグラビモスでも入っているのかと思ったくらいでかいんだ!」

「ええっ!!」

 黙って聞いていたリドリーまで、思わず声を上げる。

「でっかいモンスターの卵が入っているんッスか? それとも、たくさんの…」

 ファーメイが恐る恐る尋ねる。

「たくさんの方だ」

「やっぱりいいぃ!!」

 ファーメイが青ざめながら絶叫する。どうやら、ギィギが超大量に生まれてくるところを想像したらしい。北の大陸で、初めて狩場の調査に出た際、ギィギにさんざん吸いつかれてひどい目にあったことがあるらしい。

「それって、ヤバくないんですか?」

 リドリーが説明してくれた団員に尋ねる。

「正直なんとも言えんなあ。一度に大量に孵化するタイプの生物は、モンスターに限らず、共喰いすることが多いからね。生まれてきたモンスターのすべてが、我々の脅威になる可能性はかなり低いと見ているよ」

「なるほど! じゃあ、いまは単に生態観察している状況なんッスね?」

「ああっ。だから、いま卵塊のところにいるのは、護衛のハンターと王立古生物書士隊の隊員の二人だけだよ」

 二人だけと聞いて、ファーメイとリドリーの表情が曇る。先程坑道内で感じた嫌な予感がよみがえったのだ。

「だ、団長~!!」

 ≪鉱山都市≫の入口から、絶叫が響く。

 思わずリドリーとファーメイは顔を見合わせた。予感的中である。

 全員≪鉱山都市≫の入口へと駆けつける。

「今日はいったいなんなんだ! いま話したばかりの書士隊員だよ!」

 走りながら先程の団員が説明してくれる。

「一人きりか…」

 リドリーがつぶやく。

 ≪神速≫のファーメイが真っ先に駆け寄り、ふらつく先輩書士隊員を支える。

 リドリーの脳裏に、背中を切り裂かれた獣人の姿がよみがえったが、幸いにも大きな負傷はしていなかった。

「状況は?」

 無駄な会話は一切省き、団長が尋ねる。

「ふ、孵化が始まってすぐに、どこからともなく、≪拳虫≫(コブシムシ)の大群が現れました! 孵化したのは鋏角種モンスターで、≪拳虫≫は孵化したばかりの鋏角種に次々と襲い掛かりました!」

 書士隊員はここで息がきれ、差し出された水筒から、浴びるような勢いで水を飲んだ。

「そこまでは予測の範疇だったんですが、どうやら我々が発見出来なかっただけで、鋏角種の卵塊は他の場所にも大量に産みつけられていたらしく、≪鉱山都市≫周辺は、数千匹の鋏角種の幼体と、それを狙って現れた数百匹の≪拳虫≫によって囲まれています!」

「!!!!」

 衝撃の事実に、団長すらも声が出ない。

「≪拳虫≫ってなんだ?」

 その中で比較的冷静さを保っているリドリーが、初めて聞くモンスターについてファーメイに尋ねる。

「あ、≪拳虫≫ッスか! 大陸の中部以南によくみられる中型モンスターで、頭部が人間の握りこぶしのような形状をした外甲殻に覆われているのが特徴ッス。モンスターの区分は、本来小型と大型の二つなんッスけど、この大陸では、3メートル前後の甲虫種が多いため、北の大陸でハンターたちが、ドスランポスなんかの大型モンスターに分類されているんッスけど、飛竜種なんかの大型モンスターとは明らかに一線を異にする実力のモンスターを指すのに用いていた俗称を正式に採用して、新しく設けられた中型に分類されるモンスターなんッス。特別際立った攻撃方法はなくて、突進、かみつき、腐蝕液による防御力の低下など、大抵の甲虫種にみられる攻撃のみッス。群れを作る習性はなく、基本単独で行動するッス。他のモンスターと異なる点って言えば、個体ごとの体色が違い、同じ色、同じ模様の個体は存在しないって言いてもいいくらい多種多様な色をもっていることぐらいッスかね」

「それでも同じ種類のモンスターなのか?」

「正直断定できないのもいくらか混じっていると思うッス。同系異色の個体しか発見できないから全部の個体を細かく解剖でもしない限りは本当のことはわからないと思うッスね」

 リドリーは、なるほどとうなずいて納得した。

「1個体の実力はたいしたことがなくても、数百匹もいたらどうにもならねえな~」

 リドリーがお手上げの仕草をする。

「一緒にいたハンターはどうなった?」

 我に戻った団長が尋ねる。

「途中までは一緒だったんですが、大量の≪拳虫≫に遭遇した際に、オレを逃がすために囮になって、そのままはぐれてしまいました」

 書士隊員がうなだれて報告する。

「気に病むな。よく無事に戻ってくれた。ご苦労さん」

 団長はそう言って、励ますように書士隊員の肩を叩いた。

「あいつなら大丈夫でしょう。上手く≪拳虫≫どもをまいたら、そのうちひょっこり戻ってきますよ。それよりも、周辺調査に行った連中のほうが心配ですね」

 囮になったというハンターの知り合いらしい団員が気軽に請け負う。強がっている様子はなく、どうやら本当にそれだけの実力の持ち主なのだとわかる。むしろ何も知らないでモンスターの大群と遭遇するであろう他の団員の方が心配なようだ。

「団長、これはオレの推測なんですけど、≪拳虫≫に追い立てられた鋏角種の幼体は、ここに逃げ込んでくるかもしれないです」

 書士隊員が不安気に自分の予測を報告する。

「あり得るな。囲い込むように追われているとなると、ほぼ確実にここに押し寄せてくるだろう。鋏角種の幼体だが、その大きさと能力はどれくらいのものだった?」

「モスくらいの大きさで、幼体とはいえ、充分小型モンスターと言えるだけの力がありました。ただ甲殻が未発達なようで、≪拳虫≫に簡単につぶされていました。姿は頭部とアゴが特徴的で、甲殻が変形したのか、頭に2本の角のようなものがあり、おまけにテツカブラやアカムトルムのような大きな牙を持っています」

「なんか東方の物語に出てくる鬼みたいッスね」

 ファーメイが何気なく感想を漏らす。

「鬼!!」

 意外なことに、ファーメイの独り言のような感想に、団長が食いつく。

「…可能性はある。まずいな」

 自分の考えに没頭しながらつぶやく。

 全員が沈黙し、団長の邪魔をしないように気をつけて待つ。さして待つことなく、団長は決断した。

「最悪の状況を想定して行動する。事態がこうなってしまっては、もう、カーシュ君たちの支援に向かうことは出来ない。向こうでどんな状況に陥っているかわからないが、無事でいることを願うしかない。そして、カーシュ君たちが何らかの決断を下し、戻ってくるとしたら、ここ≪鉱山都市≫になるはずだ。となれば、我々は≪鉱山都市≫を放棄するわけにはいかない。彼らが戻るまで、何としてでも死守しなくてはならない」

 団長の言葉に全員がうなずく。ここにいるハンターは、リドリー以外全員が、北の大陸では二つ名を持つ強者ばかりだ。ハンターではない者も、幾多の修羅場をくぐり抜けてきた猛者ばかりである。新米のファーメイも腹を決め、かけらほどの怯みもみせない。

「幸い、≪鉱山都市≫は堅固な岩盤のなかにあり、瓦礫にほとんどふさがれている北の入口と、狩場である坑道口を固めればモンスターの侵入を防ぐことが出来る。この両方に防護柵を築き、モンスターの侵入を防ぐ。ただし、我々は少数だ。外にいる全員と合流できたとしても、30人程度しかいない。守るにしても限界がある」

 団長はそこで言葉を切ると、ファーメイに視線を移した。

「この事態を北の拠点に報告し、救援を求めなければならない。ファーメイ。君に行ってもらいたい。もちろん危険な…」

「まかせてほしいッス!!」

 団長の言葉を遮ると、ファーメイは腹の底から声を出して答えた。気合がこもっている。そして何よりばかでかい。

 団長は思わず口元をほころばせた。

「リドリー。君にはこのまま継続してファーメイの護衛にあたってもらいたい。カーシュ君たちのもとへ向かいたいだろうが、状況を大局的に判断してほしい」

 リドリーが、団長の言葉にニヤリと笑みを返す。

「別れ際にカーシュのやつと約束をしたんですよ。出来ることをやりきろうってね。誰かが救援を求めに行かなきゃ、オレたちは全滅でしょう。この中じゃあ、一番装備が貧弱なオレが残ったところで出来ることなんてたいしてありゃしない」

 リドリーはここで得意のニヤリ笑いを納めると、真顔になって頭を下げた。

「必ず救援を連れて戻ります。カーシュを、あいつらをお願いします!!」

 4人の中でも特に、普段周囲に対して斜に構えていることが多いリドリーの真摯な姿は、団長や周囲の大人たちを笑顔にした。同時に気合がみなぎる。幼いころから苦汁を舐め、大人に対する不信感を持って育った男が示してくれた信頼に、応えられなくて何が大人かという話である。

 リドリーの隣りで、ファーメイも頭を下げている。短いつき合いではあるが、濃度が違う。カーシュナーたちはファーメイにとって、もはや家族以上のつながりなのだ。

「まかせてくれ」

 二人の想いを受け止めて、団長が答える。短い言葉に不退転の決意がこもる。

 団長の言葉を受けて二人は頭を上げると、それ以上の言葉は一切きかず、水と食料の準備に入った。

「私もリドリーたちに途中まで同行する。可能性でしかないが、事態はまだ、最悪の一歩手前だ。最悪の一手が我々に迫っているのかを知るために、外部の様子の確認と、リドリーたちのモンスターの囲みの突破を手助けしてくる。他の者はその間に防護柵の準備に取り掛かってくれ!」

 団長の指示に、団員たちから気合の乗った答えが返ってくる。

 ≪鉱山都市≫を取り巻く事態は急転し、予測不可能な方向へと転がり始めた――。

 

 

「団長!! なんッスか、あれ!!」

 ファーメイの呆気に取られた声が響く。

 北の拠点へ救援要請へと向かうリドリーとファーメイの二人の前に、無数の鋏角種の幼体と、それを捕食しようと躍起になって飛び回っている≪拳虫≫、そして、その≪拳虫≫を捕獲してまわっている、2匹の巨大な鋏角種の姿があった。

 2匹の巨大な鋏角種は、それぞれが尻尾のないアカムトルム程の巨体を誇り、どちらも頭部に威圧的な2本の角を持ち、下アゴからはアカムトルム以上の長さと鋭さを持った2本の牙が、敵意むき出しで伸びている。サイズこそ違うが、その姿は≪拳虫≫たちに追い回されている鋏角種の幼体と瓜二つであった。

「最悪の一手は、もう指されていたみたいだな。どうも、今回は厄介ごとが連れだって≪鉱山都市≫を訪問予定だったみたいだ」

 人格が変わると言うほどではないが、モンスターを前にして、若干テンションが高くなった団長が、事態の悪化を皮肉る。

 その間にも巨大な鋏角種は≪拳虫≫を捕獲し、≪拳虫≫は鋏角種の幼体を捕食してまわっている。

「あの2匹はG級に属するモンスターだ! 二人は手を出すんじゃないぞ!」

 囲みを突破できる場所を探しながら、団長がリドリーたちに警告する。

「…そんなことだろうと思ったぜ」

 リドリーがため息を漏らす。

「こんなに凄いことが起こっているのに、じっくり観察できないなんて~~!!」

 ファーメイが、王立古生物書士隊隊員らしい不満を口にする。何気に生きるか死ぬかの瀬戸際であるにもかかわらず、たいした胆力である。

「団長! ここしか突破する道はないんじゃないですかい?」

 そう言ってリドリーが指し示した場所は、2匹のG級鋏角種が陣取る一角だった。

 そこだけは、当たり前だが他のモンスターはいない。この2匹を突破出来れば、後は豊かに葉を茂らせた森林地帯が広がるだけだ。

「あ、あそこッスかあ!!」

 ファーメイが悲鳴を上げる。

「…そうだな。一番な危険な場所だが、一番確率の高い場所でもある」

 G級の鋏角種は、自分たちの子供を守るために≪拳虫≫を捕獲している訳ではない。あくまで幼体に群がる≪拳虫≫を、せっせと捕獲してまわっていた。

「ちなみに、あれはどういうことなんだ?」

 G級鋏角種の行動がいま一つ理解できないリドリーがファーメイに尋ねる。

「たぶんッスけど、自分の子供をエサに≪拳虫≫を集めて、一気に食料を大量確保しているんじゃないッスかね」

「おそらくそうだろう。もっと言えば、食料として確保している≪拳虫≫を利用して、子供たちのふるい分けをも行っている可能性がある」

 ファーメイの意見にうなずいた団長が、情報を補足する。

「G級に関する情報なのであまり多くは説明してやれないが、白い獣人殿から警告を受けているモンスターが4体いる。あれはおそらくその内の1体である≪鬼蜘蛛≫(オニグモ)だろう。雄の個体は全体的に青みがかった体色をしていて、雌は赤みがかった色をしている。個別に≪青鬼蜘蛛≫(アオオニグモ)、≪赤鬼蜘蛛≫(アカオニグモ)と言ったりもする」

 団長の説明通り、目の前にいる2匹の鋏角種は、青と赤の体色をしていた。白い獣人が事前に警告するだけあって、中型モンスターである≪拳虫≫が、次々と糸にからめ捕られていく。まるで農作物を収穫するかのような容易さだ。≪拳虫≫の抵抗など、あってないようなものである。

「二人とも、≪鬼蜘蛛≫の糸には絶対にからめ捕られないように注意してくれ。糸そのものに猛毒が染み込んでいて、捕らえられると回復することも出来ないまま、一気に体力を削り取られてしまうからな」

 リドリーとファーメイは、思わず顔を見合わせた。

「ヤバ過ぎるッスよ!」

「…団長。よく考えたら他にも囲みを突破出来る場所があるんじゃないですかい?」

 リドリーが、無意味と知りながら提案する。

「いや、どこも事態の流れが本能的過ぎて予測が立たない。あの2匹を突破するのが一番確実だろう」

 リドリーの意見を、予想通り団長がさくっと却下する。

「…ですよねえ」

 リドリーは情けない声で引き下がった。

 口では怯えているように見せているが、実際にG級モンスターを目の前にしても、かけらも気圧されてはいない。この期に及んで、また悪ふざけしているのだ。もちろんファーメイもそれに乗っかっているだけである。

 リドリーたちなりの、緊急時に平静さを保つ方法に、団長は頼もしさを感じた。北の大陸に戻ればハンターは数多くいるが、この事態に直面して、平静を保てるハンターがどれ程いるだろうか。最後に立ち寄った港町で、これだけの人材と出会えた事実が、今回の調査団派遣に人知を超えた存在の祝福を感じる団長だった。

「戦う必要はない。とにかく気取られずに君たちは突破してくれ。注意は私が引きつける」

「無理はしないでくださいよ。あんたはこの調査団になくてはならない人なんですからね」

「君だって同じくらい必要だ」

 そう言って笑うと、団長はリドリーにこぶしを差し出した。リドリーはいつものニヤリ笑いでこぶしを返す。

「それじゃあ、行くッスよ!!」

「お前が指揮執るのかよ!」

 リドリーのツッコミを合図に、3人は≪鬼蜘蛛≫へと突進した。

 

 甘くはなかった。

 さすがはG級に列せられるだけのことはある。≪拳虫≫の捕獲の隙を突いて突入を図ってみたが、あっさりと阻まれてしまった。

 とにかく視野が広い。そして、2匹いることが思いのほか厄介だった。片方の隙を突くことに成功しても、もう1匹が行く手を阻む。

「≪拳虫≫だけで満足してろよ! なんでオレらまで捕まえようとするんだよ!」

 理不尽に怒りながら、リドリーが怒声を投げつける。≪鬼蜘蛛≫からすれば、≪拳虫≫もリドリーたちも、等しく食料なのである。

 ≪鬼蜘蛛≫に追われた≪拳虫≫こそいるが、無数に存在する≪鬼蜘蛛≫の幼体がいない分立ち回りやすいが、いかんせん隙がない。下手に攻撃して注意を引きすぎると、突破どころか最悪撤退することすらままなくなる。

「≪拳虫≫邪魔ッスねえ! せっかくそれた注意も、こいつらがうろちょろするせいで、全然突破出来ないッスよ!」

 ファーメイも癇癪を起す。それも無理のない話で、隙を突いて飛びしたら、近くにいた≪拳虫≫が派手に暴れて注意を引き、その巻き添えで≪鬼蜘蛛≫に発見されるということが再三続いたからだ。

「団長! こりゃあ賭けに出るしかないですよ!」

 リドリーが提案する。

「勝算はあるのか?」

 団長が大声で返す。≪鬼蜘蛛≫と≪拳虫≫の暴れまわる音がうるさすぎて、怒鳴らないと声が届かないのだ。

「まず、オレと団長の二人で2匹の注意を同時に引いて、その間にファーメイを突破させます!」

「護衛の君なしでは意味がないぞ!」

「このまま団長が2匹の注意を引いて、その隙にオレたち二人が突破するのを待っていたら、いつになるかわかりませんぜ! 遅くなり過ぎれば団長が戻る前に≪鬼蜘蛛≫の幼体が≪鉱山都市≫に辿り着いちまいます。北の入口が封鎖できなければ≪鬼蜘蛛≫の幼体が入り込んじまうし、幼体が入り込めば≪拳虫≫も追って中に入ろうとするはずです! そうなればここで暴れている≪鬼蜘蛛≫も入口に向かっちまう! いくら瓦礫でふさがれているって言っても、これだけのモンスターが本気でほじくり返したら防ぎきれないですよ!」

「・・・・」

「ファーメイの足なら絶対に突破できます。オレもファーメイを守りながらでなければ、1匹引きつけながら、なんとか逃げ切ってみせますよ!」

「わかった! 無茶をさせてすまん!」

 リドリーは、離れているため、いつものニヤリ笑いが届かないので、あえて声を上げて笑ってみせた。

「こんなもん、無茶の内には入りませんよ!」

 リドリーに応えて団長も笑う。

「よし! その策で行こう!」

「ウィッス!」 

 答えるリドリーの声に、負けじとファーメイの馬鹿笑いが加わってきた。根本的に声がでかいので、周囲の喧騒をついて響き渡る。

「お前は笑うな!! なんで隙突いて突破しなくちゃならねえやつが、人一倍注意引いてんだよ!」

「ここは、ボクも笑うべきかと思って!」

「思うなあぁ!!」

 またもやリドリーのツッコミを合図に、突破が開始された。

 

 作戦は見事に功を奏し、ファーメイはモンスターの囲みを見事に突破した。後はリドリーだけである。

 ここまで、リドリーは騒ぎつつも、冷静に≪鬼蜘蛛≫の動きを観察していた。小山のような巨体がウソのような俊敏さに、狡猾とも言える冷静さを持っている。≪拳虫≫の大漁に浮かれるでもなく、包囲の外に出さないように幼体の方に追い立てつつ、手近な≪拳虫≫を捕獲している。優秀な狩人だ。常に狩る側であり、狩られる側にはいない。絶対者の自信のようなものが感じられる。つけ入る隙があるとすれば、そこだろう。

 リドリーは、赤い体色をしているので雌だと思える≪鬼蜘蛛≫の注意を引いたまま、≪鬼蜘蛛≫目掛けて突進した。逃げるものを追うことに慣れていた≪鬼蜘蛛≫が、一瞬虚を突かれて逡巡する。

 凶悪な顔面を押し退けながら隙間を抜けると、リドリーは何とか突破に成功した。

 と、思った刹那。もう1匹の≪鬼蜘蛛≫が無意識に繰り出した大木ような脚が、リドリーの身体を横殴りに弾き飛ばした。不意を突かれたため、受け身も取れず倒れ込む。

「リドッ!!」

 ファーメイの悲鳴が響く。

 ≪赤鬼蜘蛛≫の糸がリドリーに襲い掛かろうとした瞬間。≪赤鬼蜘蛛≫の頭部で爆発が起こった。

 その隙に、リドリーはすばやく立ち上がると、一気に突破してみせた。そして振り返る。

 そこには、自身も≪青鬼蜘蛛≫の注意を引いているにもかかわらず、≪赤鬼蜘蛛≫に≪爆裂投げナイフ≫を投げつけた団長の姿があった。それは、当然大きな隙を作ることになる。それを見逃す≪青鬼蜘蛛≫ではなっかた。

 小振りな撃龍槍程もある≪青鬼蜘蛛≫の牙が、団長に襲い掛かる。

 リドリーは流れるような動作でライトボウガンを構えると、簡易照準も出さずに引き金をしぼる。

 撃ち出された銃弾は、狙い過たず、≪青鬼蜘蛛≫の牙の先端を、連続してとらえた。

 巨大な牙の軌道がわずかにそれ、串刺しにするはずだった牙は、団長の防具の表面を、火花を散らして削っただけに終わる。

 直撃は避けられたものの、団長の身体は強力な牙の一振りで弾き飛ばされる。かなりの勢いで飛ばされたにもかかわらず、団長はきれいに受け身を取るとすばやく立ち上がり、それ以上の追撃をくわえる隙を与えない。

「あいつ…。G級を極めたハンターのみが開眼すると言われる秘伝の扉を、上位に上がったばかりで開くかよ」

 団長は、自分に強烈な一撃を叩き込んだ目の前の≪青鬼蜘蛛≫すら目に入らない様子でつぶやいた。

 リドリーが咄嗟にしたことは、技術極まるハンターの、それぞれの個人差によって現れる神技のようなものだった。訓練を積めば誰にでも出来るというものではない。持って生まれた才能の、一つの昇華と言える。

 ハンターたちは、非公式にこう呼んだ。≪個人技・極み≫(コジンギ・キワミ)と――。

 リドリーが行ったものは、その中の一つで、ボウガン個人技・極み≪針穴穿弾≫(シンケツセンダン)というものだった。これは、ライトボウガン、ヘビィボウガン、弓、の3種類の武器を使用する、いわゆるガンナーの間で発現される業である。読んで字のごとく、針の穴を貫き通す程の正確さを持つ狙撃のことで、スコープなどを利用した照準合わせを一切行わず、感覚のみで照準を合わせ、高速で動くモンスターの一点を、正確に集中攻撃する業であった。

 そんなことは何も知らないリドリーが、さらに援護しようとしたとき、救いの手が突進しながら現れた。

 ≪青鬼蜘蛛≫の顔面に、強烈な突進攻撃が突き刺さる。

「大丈夫ですか、団長!!」

「おおっ! 無事だったか! 助かったぞ! それと、君が逃がしてくれた書士隊員は、無事≪鉱山都市≫に辿り着いたからな!」

 どうやら≪鉱山都市≫に急を知らせてくれた書士隊員を護衛していたハンターのようだ。

「本当ですか! よかった!」

 バックステップで距離を取りながらハンターが答える。

 リドリーは危機が去ったと判断し、ライトボウガンを素早く背負い直すと走り出した。団長の危機は去ったが、リドリー自身はいまだに≪赤鬼蜘蛛≫の目の前にいるのだ。

「ファー! 先行してくれ! オレは途中までこいつを引っ張っていく!」

 自分を待って必死に手招きしているファーメイに、指示を出す。リドリーを追う≪赤鬼蜘蛛≫は、おそらく一定以上の距離は追ってこないはずだ。≪鬼蜘蛛≫2匹が作る包囲網に隙間が出来れば、幼体と、それを追う≪拳虫≫の群れが、無秩序に拡散してしまい、捕獲効率が極端に悪くなるからだ。

 リドリーは時に逃げ足を緩め、隙があればわざと引き返すなどして≪赤鬼蜘蛛≫をさんざん引きずり回して時間を稼いだ。

 角笛の音が、混雑した生存競争の場に鳴り響く。

「よっしゃ。頃合いか…」

 リドリーはつぶやくと、≪赤鬼蜘蛛≫を引きずり回すのをやめ、その場を離脱する。角笛の音を、団長が退却した合図と判断したのだ。

 予想通り、≪赤鬼蜘蛛≫はリドリーを深追いしたために生じた包囲のほころびから≪拳虫≫たちが飛び出してくると、リドリーの追跡を諦めて引き返して行った。

 巨大な背中を見送って、リドリーは一息つく。

「団長、角笛なんか吹いて大丈夫か?」

 角笛は、離れた場所にいる仲間に合図を送るときなどに使われることがあるが、基本はモンスターの注意を自分に引きつけるためのアイテムだ。モンスターだらけのあの場所で、そんなアイテムを使用すれば、どんな事態が引き起こされるか想像もつかない。

「まあ、あの人のことだから大丈夫だろう。自分の面倒が見られないような人じゃねえからな」

 リドリーはファーメイと合流すると、北の拠点へ向けて出発した。

 

 二人の背中を、竜人族の優れた視力で見送りながら、団長は微笑した。

「…まったく。頼りになるやつらだ」

「団長! 何か言いました?」

「いや、何でもない。周辺調査に出掛けていた連中を探そう」

 ハンターの問いかけに、団長は表情を引き締めて答えた。

 事態はまだ何も好転してはいない。むしろ、混迷はこれからさらに深まるのだった――。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。