超古代出身最強魔女のダンジョンブレイカー!   作:龍翠

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魔女と女神の関係

 

 ドラゴンを仕留めた後は、お弁当の時間。草原にシートを広げて、ランチタイムだ。なお当たり前だけど深層ど真ん中です。

 

「なんだこれ」

 

 そんなユアちゃんの感想は当たり前のものだと思う。

 普通ならこんなところでご飯なんて正気じゃない。襲われる可能性だってあるんだから。でもそこはリンネちゃん。確かにたまに魔物が寄ってくるけど、適当に杖を振って倒していた。さすがというか、怖い。

 

「凪沙。ご飯。ご飯」

「うん。ちょっと待ってね」

 

 自分のアイテム袋からお弁当を取り出す。リンネちゃんが作った特別製のアイテム袋で、閉じている間は中の時間は経過しない。だから、お弁当はほかほか作りたての状態だ。

 お弁当箱のふたを開ける。中に入っていたのは、ドライカレー。市販のやつだとリンネちゃんにとっては辛さが足りないらしくて、仕方なく私がレシピを見ながら作った一品だ。激辛だよ。

 

「わあ……」

 

 それを早速一口食べる。とっても美味しそうに目を細めていて、作ったかいがあったというものだ。

 

「へえ……。美味しそう。あたしにはないの?」

「辛さ控えめにしてあるものもあるよ。それともリンネちゃんのものぐらいがいい?」

「…………」

 

 ユアがリンネちゃんのドライカレーを見る。とっても明るい黄色で、辛い香りがここまで届く。香りで分かるほどの辛さだ。鼻がひりひりするぐらい。

 

「控えめの方で」

「了解」

 

 というわけで、ユアちゃんにもお弁当を渡す。中は辛さが違うだけで、やっぱりドライカレーだ。

 ユアちゃんは早速食べてくれて、へえ、と驚いていた。

 

「美味しい……。凪沙、料理上手だったんだ……」

「どういう意味かな?」

 

 いやでも、人並み程度だけど。上手、というほどじゃない。レシピ通りに作れば誰でもある程度は作れると思うから。

 

「辛さは……正義、です」

 

 リンネちゃんの世迷い言は無視する方向で。私が言うのもなんだけど、本当に辛すぎるからね。

 

 

 

 お昼ご飯の後は、今度こそ最深層だ。ついに女神とご対面ってね。

 

「本当にあっという間ねー……」

「だねー……」

「ねえ、女神に会ったらどうするの? 女神が使ってる体は凪沙の妹のものだって話だけど」

「うーん……」

 

 ユアちゃんにも同行してもらう関係上、私と女神のちょっとした関係については話してある。ユアちゃんはかなり驚いていた。まあ一般人がそんな変な関係があるとは思わないよね。

 

「正直、かなり悩んでるよ」

 

 許せない気持ちは当然ある。大事な妹の体だ。返してほしいとも思ってる。

 でも、それ以上となると、特に何も思ってない、というのも事実なんだよね。いやもちろん、全力で殴りたいとか、そういうのは思ってるけど……。

 その対象は、妹の体だから。さすがにそれを殴ろうとは思えない。

 うん。だから……実はちょっと困ってる。

 

「どうしようかな……」

「きっと、直接会えば……何か、分かる、です」

 

 前を歩くリンネちゃんの声。なるほど確かに、直接会ったら何か違う感情を抱くかもしれない。それなら、女神と会ってから考える、でもいいかな。我ながら行き当たりばったりすぎるとは思うけど。

 

「それじゃあ……ご対面、です」

「え」

 

 リンネちゃんが見つめる先、そこに、人影があった。

 白いローブの女の子。かなり幼く見えるものの、私の記憶よりも少し年を取ったようにも見える。それは間違い無く私の妹で。

 つまりは、目の前のこいつが、自称女神。リンネちゃんの元パートナー。

 そしてその自称女神様は、それはもう本当に嫌そうな顔でリンネちゃんを見ていた。

 

「何しにきたの、お姉様」

 

 そんな女神の言葉に、リンネちゃんがわずかに目を瞠ったのが分かった。

 

「驚いた、です……。そう、呼んで……くれる、ですね」

「あの時はお姉様、配信していたもの。わたしにも威厳というものがあるよ」

「ふむ……。その、体を……選んだ、時点で……。威厳も、何も……ない、です」

「ほっといて」

 

 拗ねたように顔を背ける女神。うん。なんか、険悪な雰囲気ではないような……。

 

「ねえ、もしかして、仲が良いの? あたしはてっきり、世界崩壊レベルの戦いを覚悟してたんだけど……」

「どちらでも……ない、です。普通……?」

「ひどい! わたしはお姉様のことを敬愛してるのに!」

 

 あ、あれ? なんか、本当に、関係性が分からない。リンネちゃんにとって女神は仲が良くも悪くもない相手だけど、女神にとってはリンネちゃんは大好きな姉……?

 

「え、その敬愛する相手を封印したの? 何千年も?」

「だって! お姉様、やり直しましょうって生物を全部殺そうとしたから!」

「待って」

 

 え、なにそれ聞いてない。リンネちゃんを見る。勢いよく目を逸らされた。おい。

 

「ね、ねえ凪沙」

「うん」

「あたしね、てっきりリンネはいい神様で、世界を守ろうとしていたんだと思っていたんだけど……」

「私もそう思ってた」

「これ……逆じゃない? リンネが滅ぼそうとしていた側で、女神は守ろうとしていた側……?」

「…………。らしいね!」

 

 衝撃の事実だよ! 本気でびっくりだよ! そうだよそもそもとして女神も別に人間を滅ぼそうとしていたわけじゃないよね! やり方がめちゃくちゃ悪いだけで、むしろ女神としては戦争をなくそうとしていただけだからね! 結果としてより多くの人が死んだけども!

 

「一つ聞きますがリンネさん。今も生物を滅ぼす意志がおありで……?」

「ないです!」

 

 私の質問に、リンネちゃんが勢いよく振り返って叫んだ。よかった、さすがに今はそんなことは考えてないみたい。

 

「確かに……以前は、生物が多すぎて……減らす、べきだと……思った、です。でも……でも今は、考えてない、です。みんな、大好き、なので……」

「ああもうリンネちゃんはかわいいなあ!」

「わぷ」

 

 嬉しいこと言っちゃって! もう! 撫でちゃう! たくさん撫でちゃう! なでなで!

 




壁|w・)封印されるだけの理由があった魔女でした。
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