〜現代〜
「ふー……誕生日ライブ疲れたー!」
「お疲れ様ですマリンさん!」
「あっ、どうも鳥居さん! 見てくれたんですか! ありがとうございます!」
「新曲凄かったですよ! MV凄すぎてもう鳥肌立ちましたもん! 鳥肌が立ちすぎて鳥になっちゃうかと思いましたよ!……ま、既にワイは『鳥居』ですけどね!」
「………」
「………無言やめてくださいよワイが悪かったんで」
「………ああ、すみません気を失ってました」
「!?!?!? だ、大丈夫ですかマリンさん!」
「昔のこと思い出したらちょっと体力使っちゃって……すみません仮眠室借ります」
「どうぞ! どうぞ! 何か欲しかったら言ってください。作ったり買ってくるんで!」
「ありがとうございます……ふぁーあ。ねむい……」
マリンさんはトコトコと仮眠室へと向かっていった。
「よう鳥居さん」
「うわぁびっくりしたぁ!」
急にレインボー色の一味が話しかけてきた。
彼は体が虹色に光る一味、通称七味だ。
「船長の新曲! アレめっちゃ良かったですよね!」
「えぇ、考察の幅があるというか、なにか不思議と引き込まれる感覚がありましたよ」
「まあたぶんあれ実体験ですしね」
「本当ですか!! って、なんで知ってるんですか?」
「……なんとなくですよ」
「なんとなく? ですか?」
「あの、鳥居さん。船長は今どこに?」
「マリンさんですか? マリンさんはいま仮眠室に居ますよ」
「ん……今誰か船長のこと呼びましたか?」
ちょうどいいタイミングでマリンさんが目をこすりながら現れた。
「あ! 船長!」
「げ! 七味くん…」
「船長、アクアマリンって今身につけているもの以外にありますか?」
「え、えぇ、肌身離さずもう一つ持っていますけど……なんでですか?」
「ちょっとだけ見せてもらえませんか?」
「別に大丈夫ですけど……壊さないで下さいね?」
七味……いや、『ジャック』さんは宝石をとても大切そうに眺めていた。
「大切にしてくれてたんだなぁ……」
どこか懐かしそうな顔をしてアクアマリンを見つめていた。
「……ありがとうございます、船長」
「い、いえ別にそんなおおそれたことじゃありませんから……」
ジャックさんはいつになく真面目な顔で。
「……マリン。前はできなかったけど、今度は一緒に旅をしましょう」
そしてとても優しい声でマリンさんに語りかけた。
「………マリン?」
あっ(察し)
「あっ(察し)」
「マリン「船長」だろぉおおおおおん!?!?!?!?」
誕生日ライブ後だと言うのに、マリンさんは今日もキレッキレだった。