スクール下克上・超能力に目覚めたボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました 作:鏡銀鉢
●キャラ振り返り2 針霧桐葉(はりきりきりは)
本作のメインヒロイン。
ハチの能力をハチ以上に再現できる【ホーネット】の使い手。
本来は明るい性格だが、幼い頃に毒バチの能力を恐れられてイジメられたことで他人を信じない、無関心でクールな少女になる。
しかし、おっぱい国民の育雄が自分に恥じて慌てふためく姿を可愛く想い、気に入る。その後、育雄の協力で他のヒロインとも友達になり、明るい性格を取り戻す。
そして育雄の健全な育成を日々はばんでいる。
育雄のことをハニーと呼ぶため、彼のあだ名がハニーになってしまう諸悪の根源。
豊乳は自分の体の一部なので、豊乳を好まれるのは嬉しいらしい。また、巨乳だけが目当ての巨乳好きはダメだが、巨乳の女の子好きはOKという倫理観を持つ。
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その日の夕方。
夕食を終えた俺らは、リビングに集まっていた。
「と、いうわけで第一回! 合法的にラブハプニングイベント会議を始めるっす! ドンドンパフパフっす!」
「学校行事だっつの。で、実際のところみんなの高校って何か変わった行事あったか?」
空手チョップのジェスチャーで詩冴を牽制しながら、俺は仕切り直すようにみんなに呼びかけた。
リビングに集まったのは俺、桐葉、美稲、詩冴、真理愛、舞恋、麻弥、茉美の8人だ。
なんだかんだでこの8人で動くことが多いので、自然と集まってしまった。
ついこの前までボッチだったのに、気づけば大所帯になったものだ。
早百合局長の言う最高の学園生活は、すでに手にしているような気がする。
今更ながら、充実感が湧いてくる。
これも全てのテレポートのおかげ、いや、俺のテレポートを見抜いてくれた舞恋のおかげか?
「わたしの高校や中学にはこれと言って特別な行事はなかったけど、ハニーくんの学校は?」
件の舞恋と目が合って、俺は一瞬固まった。
「お、おう。俺も変わらないかな。修学旅行、学園祭、体育祭、球技大会」
「球技大会?」
「あれ? 舞恋のところなかったのか? 名前の通り、球技限定の体育祭だよ。逆に体育祭じゃ球技はなしな」
「へぇ、そうなんだ」
「私の中学と高校では演奏会がありました。私はピアノとヴァイオリンを担当したことがあります」
みんなに紅茶を配膳してから、真理愛はしっかりと俺の隣に座った。それも、肩が触れ合う至近距離に。ちょっとドキドキする。
「演奏会って、真理愛ってお嬢様高校だったのか?」
「いえ、男性も通っていましたが、挨拶は『ごきげんよう』でした」
――お嬢様学校じゃねぇか。
なんていうか、前はポンコツ可愛いとか思っていたけど、この数日間で真理愛に対するイメージが急激に変わりつつある。
――毒親のこともあるけど、本当は世間慣れしていないお嬢様なんじゃ? ポンコツとか思ってごめんなさい。
「あたしの中学には格技大会があったわよ。一年でなくなったけど」
「それってやっぱり危険だからか?」
「いや、あたしが空手部の主将をワンパンで倒しちゃったから」
「お前なにもんだよ?」
「正義の味方よ」
にやりん、と茉美は不敵に笑った。
「ボクが四月までいた高校、入学してすぐに救急指導ってのがあったよ。行事とはちょっと違うけど、異能学園でもあったほうがいいと思う」
「へぇ、どんなことするんだ?」
何の気なしに、平坦な口調で話す桐葉に、俺は無警戒に尋ねてしまった。
「それは当然。心臓マッサージと人工呼吸の仕方だよ」
――え?
刹那、俺の脳裏には、桐葉とのキスと桐葉の豊乳を揉むイメージが浮かんだ。
桐葉の顔に、邪悪な笑みが広がった。
「ハニー、今なに想像しちゃったのかな?」
「な、なにも想像してないやい」
桐葉に顔を覗き込まれて、俺は顔を背けた。
「シサエの中学校は長距離遠足があったっす!」
なぜかナナメ70度のバンザイポーズをしてくる。
ゆるふわ日常ギャグマンガのキャラがよくするような感じで。
「長距離? 普通の遠足とは違うのか?」
「違うっす。遠足はお弁当を持って大自然の中をキャッキャウフフと歩きながら、あわよくば好きな子のハートを狙う青春行事っすよね?」
「偏見にまみれた遠足だな」
「長距離遠足は真夏の炎天下の中、14キロの山道を延々と登る死の行軍っす!」
「んな行事あるわけねぇだろ!」
「嘘じゃないっす! 毎年多くの生徒が道半ばで飲み水が尽きて熱中症と日射病で意識を失うデッドオアアライブっす! 飲み物を多めに持ってきている生徒はボッチで陰キャの三軍チー牛くんでも一日リア充になれるぐらい重宝されるっす!」
自信たっぷりに大きな胸を張りながら力説するところから、詩冴の本気度がわかる。どうやら、実在の行事らしい。
「おい、お前それ生徒の何を養うのが目的で開催されているんだよ?」
「目的は特にないっす」
「ねぇのかよ! なんだその理不尽行事!」
「ゴールするとバナナがもらえるっす♪」
「嬉しくねぇ……」
「ちなみに山頂に着いた生徒からバスで下山して家に帰れるから、みんな放課後のカラオケに行きたくて頑張って登るっす」
「元気だな北海道の学生」
まさか北海道の学生ってみんな詩冴みたいなのじゃないだろうな、と一瞬でも思ってしまったので、道産子のみんなに謝っておく。
「ただ詩冴は山のエゾヒグマをオペレーションでライドオンして楽しているのがバレて先生と猟友会の人に叱られたっす」
「事案だろ!」
「というわけでシサエは異能学園でも長距離遠足の開催を熱く希望するっす!」
「今の話に開催要素があると何故思えた!?」
「なら代わりに水着審査ありのミスコンを熱望するっす!」
「なんの代わりだ! ていうかほら、桐葉が出たらR指定になっちゃうだろボリューム的に!」
「嫌っす、ミスコンでこの6人で出るっす!」
「6人? 7人だろ?」
「いや、シサエは審査員なので」
急に声をひそめながら、ありもしない眼鏡をずり上げる仕草をする。
「いや、お前も美少女なんだから出ろや」
「え、びしょ、ハニーちゃんてば、シサエはそんなチョロインじゃないっすよもお♪」
ひとりでキャーキャー騒ぎながら、詩冴は俺の肩をばしばし叩いてきた。
こいつはいつも楽しそうだなぁ。
「言っておくけどあたしも出ないわよ」
「それは殺生っす! シサエはマツミちゃんのFカップを拝みたいっす!」
「ああもう抱き着くんじゃないわよ! ていうか男子のいる場所で人のバストサイズバラすのはセクハラよバカ! ぐっ、振りほどけない?」
「ぐへへへへ、シサエは柔道黒帯っす♪ シサエの寝技から抜け出すなんてサメ相手に海中で挑むようなものっすよ?」
「柔道には打撃ぃ!」
「うっ…………っす」
茉美の鋭利な延髄打ちがクリーンヒット。
詩冴の意識は海底へと沈んだ。
詩冴はまるでマグロ市場のマグロのように床に転がされた。
茉美がイラついた顔で手を叩いた。
「さっ、バカもいなくなったし、会議を始めるわよ」
――再開じゃないんだ。
詩冴の存在は消されたらしい。
こうして、会議はただのバカ騒ぎとなりながら、お開きとなった。
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シサエの長距離遠足は札幌の某高校に実在します。
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