スクール下克上・超能力に目覚めたボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました   作:鏡銀鉢

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ネタバレ!体育祭優勝!

 五分後。

 ブラの匂いを元に、桐葉が舞恋の足取りを追い、俺らはそれに続いた。

 

 どうやら、舞恋は校舎の中に入ったらしい。

 けれど、そこで桐葉の足が止まった。

 

「うーん、ダメだね。たぶん臭気除去装置を使ったんだと思う。校舎から人間の匂いが消えちゃっているね」

 

 珍しく桐葉が困った顔をすると、美稲がぽんと手を叩いた。

 

「そういえば私が坂東君に襲われた時、ハニー君テレポートで駆けつけてくれたよね? 舞恋さんのもとにテレポートってできないの?」

 

 苦しい期待に、俺は申し訳なくて喉を低く鳴らした。

 

「いやぁ……あの時は美稲を守りたい一心だったから。舞恋がピンチだったら火事場のバカ力的にできるかもしれないけど……」

「まぁ、ある意味凄いピンチだと思うけど……」

 

 美稲の視線が、桐葉の手にあるブラに向けられた。

 ノーブラであろう舞恋に、俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 

 ――舞恋にあったらまずは土下座だな。

 

「悪いけど、ボクの能力じゃここまでだね」

「私の【リビルディング】は人探しには使えないし」

「あたしの【ヒーリング】なんて論外よ」

「俺の【テレポート】も役に立たないしな」

 

 それに、匂いがないんじゃ、詩冴が動物を操って探すのも無理だろう。

 

 八方塞がりとはまさにこのことだ。

 

 この広いマンモス校を、手当たり次第に探していたら、他のクラスに先を越されるだろう。

 

 万策尽きて俺が目をつぶった瞬間、詩冴が明るい声を上げた。

 

「そうっす! シサエのオペレーションで虫ちゃんたちに探させるっす♪」

「いや、匂いはないんだぞ?」

 

 虫に探せるなら、ハチの能力を持つ桐葉がとっくに見つけているだろう。

 

「違うっす、嗅覚で探せないなら、視覚で探すんすよ」

 

 アルビノ特有の赤い瞳を指さして、詩冴は得意げに笑った。

 

「では、シサエの実力をとくとご覧あれっす♪ うぉおおお、虫の呼吸!」

 

 と、少年漫画の主人公のような声を上げる詩冴に、俺は疑問を呈した。

 

「でも、虫に人の顔なんて識別できるのか? ていうか虫って色もわからないんだろ?」

「にやりん♪ 別に人の顔を識別する必要はないっす。今日のシサエたちの格好を見るっす」

 

 今日の俺らの格好は、黒のランニングシャツにランニングショートパンツだ。

 

「どんな虫でも黒色ぐらいはわかるっすからね。黒い大型動物がたくさんいる場所を探すようお願いしたんす。それにお茶会をしているということはきっと甘いお菓子もあるっす。糖分の匂いがあれば、確定っすよね」

 

 なるほど、と俺は手を叩きたい気分だった。

 しばらくすると、詩冴のもとに一匹の羽虫が飛んできた。

 

「ビンゴっす♪」

 

 詩冴の笑顔がワット数を上げた。

 

 

   ◆

 

 

 詩冴の使役する羽虫に案内されたのは、地下倉庫に併設された給湯室だった。

 そこに、真理愛や麻弥、舞恋の三人を含めた警察班の女子たちがそろっている。

 俺が毎日警察署にテレポートさせている面々なので、全員顔見知りだ。

 

 ――男子と女子で別の部屋にいるのか?

 

「ようこそハニーさん、我々のお茶会に」

「ハニーが一着なのです」

「おめでとうハニーくん。これでわたしたちのクラスの優勝だね」

 

 いつも冷静沈着な二人と違って、舞恋は優勝が嬉しいのだろう、らしくもなく、ぴょこんと椅子から立ち上がると、小走りに駆けてきた。

 

 そして、薄手のランニングシャツ越しに、ノーブラバストが激しくたわわに跳ね揺れ弾み縦横無尽に暴れ回った。

 

 ――ふぉぉおおおおおおおおおおお!

 

「?」

 

 きょとんとする舞恋に、美稲が困り顔でこっそりと近づいた。

 

「あのね、舞恋さん、これ」

 

 美稲はシャツの中に隠していた赤いブラを、ひっそりこっそり手渡した。

 舞恋はぎょっと目を丸くしながら赤面。

 シャツ越しに自分の胸を触り、顔の赤みが秒ごとに増して、ブラの色と酷似した。

 

「ふゃん!」

 

 ブラを抱きかかえながらしゃがみこんだ。

 俺は静かに、土下座の準備を始めた。

 

 

   ◆

 

 

『体育祭優勝おめでとう!』

 

 放課後。

 俺ら1年1組は近くのファミレスを貸し切って打ち上げをしていた。

 

 俺のおごりでみんなで好きに料理を注文して飲み食いしながらハメを外して騒いだ。

 

 ただし、さんざん恥ずかしい思いをした舞恋は肩を縮めてチビチビとジュースを飲んでいた。

 

 真理愛と麻弥は左右から舞恋を挟み、頭をなでまわして慰めていた。

 

 三人の仲睦まじい姿に俺が癒されていると、急に男子たちが俺の肩をつかみ、持ち上げた。

 

「え? おわ!?」

「そうら、今日の主役の胴上げだぁ!」

『わーっしょい! わーっしょい! わーっしょい! わーっしょい!』

「おい、ちょっ、お前ら、はは、まいったな」

 

 背中や腰、脚を無数の手に支えられながら、俺は何度も蛍光天井近くまで胴上げされた。

 

 空中に放り出される時はけっこうスリルがあるけど、なんだかんだで嬉しい。

 

 気後れする部分もあるけれど、クラス中のみんなから賞賛されるっていうのは、案外悪くない。

 

 違う通路では、詩冴が女子たちから胴上げされていた。

 

 ファイナルゲームで勝てたのは彼女のお陰だ。その功績を考えれば、当然だろう。

 

 俺は床にテレポートして胴上げを切り上げると、詩冴に感謝した。

 

「ありがとうな。お前がいなかったら、最後の勝負で勝てなかったぜ」

「むっふふーん! そうっすよそうっすよハニーちゃん! と、いうわけでご褒美にハニーちゃんのハーレム、略してハニレムにシサエを入れて欲しいっす」

「それは断る」

 

 俺は桐葉と美稲の肩を抱いて、くるりと背を向けた。

 

「差別っすぅ~!」

 

 みんなに胴上げされながら両手を頬に当てるも、詩冴は少しも残念そうではなかった。

 

 24時間かまってちゃんな詩冴にとって、今この時間は最良の瞬間に違いない。

 もちろん、俺にとってもだ。

 左右から、愛する恋人と友人が言って来る。

 

「もう、ハニー君てばいじわるなんだから。詩冴さん可愛いよ?」

「詩冴なら、ボクはOKだよ?」

「いや、みんなの貞操の為にも、詩冴だけは駄目なんだ」

 

 俺は、断固たる決意を固めた。

 

「ねぇハニー」

 

 肩に抱き着いてくる桐葉へ首を回すと、そこには満開の笑みがあった。

 

「体育祭、楽しかったね♪」

 

 この笑顔を作れたことに、俺は万感の幸せを感じられた。

 

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 今回のサブタイトルは

 果たして全宇宙の運命やいかに!機動武闘伝●ガンダム最終回!ゴッドガ●ダム大勝利! 

 なイメージです。

(城之内死す トカ 白ボンの敗北 トカ ネタバレ予告って面白いですよね)

 

 

★本作はカクヨムでは458話まで先行配信しています。

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