スクール下克上・超能力に目覚めたボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました   作:鏡銀鉢

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ポンコツ可愛い真理愛

 ●あらすじ4 31話~34話

 多くの仲間ができて仲間のいることの楽しさに目覚めた育雄と桐葉。

 だが、変わったのは美稲も同じだった。

 勝ち組になった育雄にクラスメイトたちが群がったり、旧リア充グループが育雄に絡んでくると、愛想のよいはずの美稲が論破して育雄を助けるようになる。

 両親から冷遇されてきた美稲は、自分の居場所を作るために八方美人になっていた。しかし育雄たちと出会い、もう嘘の自分はいらないと、美稲は本当の自分になれたのだった。

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 あれから桐葉にたくさんハグされて元気を出してから仕事を終えた俺は警察署へテレポート。

 警察班のメンバーと一緒に、総務省の講堂へ戻ってきた。

 

「お帰りっすハニーちゃん」

「ただいまっていうか、さっき一緒に帰ってきたばかりだろ?」

「シサエは出会った分だけ挨拶をしたい子なんすよ♪」

 

 何が嬉しいのか、両手で目の上にスリーピースを掲げながら、謎のポーズをキメる詩冴。

 

「それよりちょっと思ったんすけど、別に現地まで行かなくても、総務省からアポートで警察署のみんなを呼びせればいいんじゃないんすか?」

「向こうの都合を確認してからじゃないとトイレ中の奴がいたら大惨事だろ?」

 

 具体的に想像してしまったのか、俺のジト目攻撃に、詩冴は頬を赤らめた。

 

「お望みながら毎朝決まった時間にお前を学校にアポートしてやるぞ? ん?」

「そそ、それはアウトっすよハニーちゃん。朝シャン中のシサエが衆目に晒されちゃうっす。シサエは貞淑なんすよ? 愛する旦那様にしかこのシミひとつないアルビノ純白ボディを見せないんすよ?」

 

 言いながら、また手足をのたくらせて謎のダンスを踊りやがる。

 ――その動きどこで覚えた?

 

「そう言う割には毎日俺に肌色率の高い自撮り画像を送ってくるよな?」

「ピンク地帯が無事ならセウトっす」

「アウトじゃねぇか!」

 

 親指を立ててウィンクを飛ばしてくる詩冴相手に、俺が空手チョップのジェスチャーを作ると、背後から男子の声がかかった。

 

「お楽しみ中のところ悪いけど、ちょっといいかな?」

 

 振り向くと、そこには伊集院が呆れ顔で立っていた。

 うち内輪ノリで騒いでしまったが、他人に乱痴気騒ぎを見られて、ちょっと恥ずかしい。

 

「うおう、どど、どうした?」

 

 俺の慌てぶりに、伊集院の呆れ顔が深まった。

「わからないなぁ、君はどうやって有馬さんの信頼を勝ち取ったんだい? こう言っては悪いけど、君が有馬さんに気に入られる理由がわからないんだ」

 

 ――どうしよう、反論できない。

 

 完膚なきまでの敗北感に、俺は打ちのめされた。

 

「そりゃあハニーちゃんの魅力はなんと言っても鋼の理性っすよ。何せバインボインの剥き卵美少女、キリハちゃんと同棲しておきながらキリハちゃんが未だにユニコーンライダーなんすから!」

「ボクはいつでもバイコーンライダーになってもいいんだけどね」

 

 詩冴に左腕を、桐葉に右腕を取られながら、俺はもがいた。

 

「こら、嫁入り前の娘が下品なことを言うな! ハッ!?」

 

 伊集院の視線が、呆れを通り越して侮蔑の域に達していた。

 アルビノ巨乳美少女と亜麻髪豊乳美少女に挟まれながらモチャモチャする俺。

どんな言葉も、こんな状況では説得力がないだろう。

 

 ――ほんと、真理愛は俺のどこがいいのかね。

 

「おい真理愛、ちょっと来てくれないか?」

「お呼びでしょうか」

 真理愛が真横に現れた。

「早!?」

「私の名前が聞こえたので、近くに控えておりました」

「あ、そうなんだ。なんか悪いな」

「いえ、それで私に何の用でしょうか?」

「おう、真理愛って俺の何がよくて信用しているんだ?」

「はい。名前は明かせませんが、とある人がハニーさんのことが好きで、その人からハニーさんが誠実で素敵な人だと聞いたので」

 

 俺の目を見つめながら、真理愛は迷いなく、滔々と語った。

 俺には桐葉がいるけど、好きだと言われて、少し気になった。

 

「俺のことを好きって、そいつ桐葉じゃないよな?」

「ボクなら名前を伏せないよ。だって毎日好きって言ってるもん」

 

 ストレートに言われて、俺は照れ隠した。

「ちょっ、恥ずいから。それにしてもそいつは俺なんかのどこが好きなんだろうな?」

「はい。名前は明かせませんが、自分を疑うことなく毎日サイコメトリーを受けてくれるからと言っていました」

「真理愛ぁああああああああああ!」

 

 水平にカッ飛んできた舞恋のアメフトが真理愛の腹に直撃した。

 

 が、意外にも真理愛はレスリング選手並みのバランス感覚と粘り腰でやわらかく受け止めた。強い。

 真理愛のお腹に顔を埋めたまま、舞恋が叫んだ。

 

「なんで言っちゃうのぉおおおお!」

「はい。言われた通り、【舞恋さん】の名前はきちんと伏せました」ガッツポーズ。

「台無しだよ!」

 

 ――昔こんなとんち話があったなぁ……。

 

 俺が一人納得していると、舞恋が顔を上げた。

「あの、ちがうから、えっとその、友達として好きって意味だから」

「わかってるわかってるわかってる。ていうか俺彼女いるし」

 

 俺の隣、桐葉の表情が5ワット明るくなった。

 舞恋は胸をなでおろしながら、なんだか残念そうな顔になる。なんで?

 

「そんなこと言って、本当は両手に花がいいんじゃないのかい?」

 

 伊集院が、少し意地悪な顔で俺の顔を覗き込んできた。

 一瞬、桐葉と舞恋にサンドイッチされる光景を考えるも、すぐに断った。

 

「桐葉を悲しませることはしねぇよ」

「ふうん……」

 伊集院は、ちょっと何か考える様子だった。

 

 ――こいつ、真理愛の前で俺の株を下げようとしているのか?

 

 だったら、やっぱりこいつに真理愛は任せられないな。

 とか、何故か父親目線の気持ちが湧いてきた。

 

「ところで奥井、さっき、気になる予言が出たんだ」

「予言?」

「ああ。僕ら四天王に危機が迫っている」

 

 その一言で、俺は自然と背筋が伸びた。

 

「詳しく聞いてもいいか?」

 

 周りに桐葉、美稲、詩冴、真理愛、舞恋、麻弥、いつのまにか茉美も集まってきてから、伊集院は真面目な口調で言った。

 

「今、言った通り、僕、奥井、内峰さん、枝幸さんのユニークホルダー四天王に危険が迫っているって予知が出たんだ。僕の予言は24時間以降のことは極端に精度が下がるから、詳しいことはわからない。けど、逆を言えば24時間は大丈夫ってことだ。それに、誰か一人じゃなくて、四天王まとめてってことは、能力がらみなのは間違いないだろうね」

 

 その説明に、俺は否応なく緊張感が高まった。

 四天王でひとくくりにされている俺ら四人に危険が迫っている、ということは、やはり政治がらみだろうか。

 

 早百合局長との会話を思い出して、桐葉や真理愛たちのことも気にかかった。

 

 俺に危険が迫っているなら、側にいる彼女たちも巻き込んでしまうかもしれない。

 

 テレポートを運用すれば、安全地帯へ逃げることも、敵を遠くへ飛ばすことも可能だろう。

 

 けれど、いざという時、俺は適切に動けるだろうか。

 

 自分のせいで桐葉たちが傷つくことを考えると、それだけで皮膚が粟立つような悪寒があった。

 

 そんな不安が冷たく胸をよぎったとき、早百合局長の声がかかった。

 

「皆、少し困ったことになった」

 

 その語調には焦燥感がにじみ出ていて、俺の不安は加速した。

 

「OUが国連に、異能者管理局を作るよう働きかけている!」

 

 その一言で、俺の胸には冷たい痛みが走った。

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