ポアロで起きた殺人事件に、コナンが名推理で挑む!
今、帝丹小学校の校門から一人出てきたのは、
コナンはまっすぐ工藤邸に向かう。
彼はここ、
工藤 新一とは、帝丹高校の生徒であり、世間では高校生探偵として人気を博している。しかし、それは表の顔に過ぎず、実際はコナンの推理と、隣人の阿笠という白髪でふくよかな体系をした男性の科学者が開発した蝶ネクタイ型
コナンは自室に行き、ランドセルを置くと、部屋を出て書斎へ移動する。
「あれ?」
コナンは書斎にいる新一の父、優作に気づく。
「優作おじさん、帰ってきたの?」
推理小説家の優作は、妻の有希子と共に新一を置いてアメリカに渡航し、たまに日本に戻ってくるというライフスタイルを送っている。
「おお! お帰り、コナンくん」
「新一兄ちゃんは?」
「新一なら毛利くんのところへ行ってるよ」
「わかった。僕も行ってくるね」
コナンは工藤邸を出ると、ポアロという喫茶店の上階にある毛利探偵事務所に足を運んだ。
「コナンくん、いらっしゃい」
出迎えるのは帝丹高校の
蘭はこの毛利探偵事務所の
探偵の娘だからと言って、推理力があるというわけでもない。
「なんだあ? コナンが来たのか」
と、真昼間から酒に溺れている小五郎。
「ちょっとお父さん! 飲みすぎよ!」
「うるせえ、飲まなきゃやってらんねえっての。ヒック……」
「全くもう……」
「蘭姉ちゃん、新一兄ちゃんは?」
「来てないわよ?」
「え?」
(どこに行ったんだ?)
コナンはスマホを取り出すと、新一にメールを送る。
新一からは、すぐにポアロに来てくれ、と返ってきた。
コナンは階下のポアロに向かった。
「新一兄ちゃん、こんなところでどうしたの?」
「うん?」
警視庁捜査一課の目暮警部がコナンを見る。
「こらこら。ここは殺人現場なんだ。子どもが入ってきちゃいかんよ。全く、表の警備はどうなってんだ……」
(殺人事件だって?)
コナンは現場を観察する。
「それで工藤くん、君の見立てはどうなんだい?」
(と言われても、俺には
そう、新一はコナンなしでは、ただの高校生である。
「あ、えっと、コナンくんにも状況を説明してもいいですか? 何かヒントになることを思いついてくれるかもしれませんし……」
「まあ、君が言うなら構わんよ」
新一はコナンに事件のあらましを説明する。
事件は新一がポアロの上階への階段を上がろうとしたところから始まる。
パトカーが数台現れ、目暮警部が降りてきて、新一をポアロに連れ込む。
何が何だかわからないうちに、話は進み、ポアロで四人の客のうちの一人が毒殺されたことがわかった。
存命の容疑者三人から話を聞いたところ、被害者と共に四人で入店して 最初にAがトイレに立った。その後、Cが用を足しに行き、続いてBがお手洗いに。
そして、最後に被害者がトイレに行く。
全員がトイレを済ませたところで、注文したサンドウィッチを食べたところ、被害者が苦しみだして倒れ、絶命した。
使われたのは、シアン化合物のようである。
鑑識が店内を捜査したところ、トイレのドアノブからシアン化合物が検出され、Bが重要参考人として浮上しているが、決定打がなかった。
コナンが新一に伝える。
「どうした?」
「おしぼりについて訊ねてくれる?」
「目暮警部、この店はセルフです。おしぼりは誰が取ったんでしょうか?」
「ああ、それは俺だ」
Aが答えた。
「トイレから出てきたときにそこから取って、みんなに渡した」
コナンが変声器を使って新一の声で言った。
「犯人はあなたですね?」
狼狽えるA。
「なんで俺が?」
「あなたはトイレに入る時、おしぼりを一つ取り、トイレの中でおしぼりに毒を仕込んだ。そして、出るときに最後にトイレを利用した者に容疑を向けるため、ドアノブに毒を塗り、席へと戻る。その時に何もついてない新しいおしぼりと、毒付きおしぼりを持って、毒付きを被害者に渡した。被害者はそれに気づかず、毒が手につき、サンドウィッチを手に取って食べ、絶命」
「永太、お前?」
「待ってくれ。だとしたら、他の二人はどうなんだよ? トイレのドアノブからも毒が出てるんだろう? だとしたら、他の二人の手にも毒がつくだろう!」
「二人の手についた毒はおしぼりで拭き取られますよ。目暮警部、被害者の手とみなさんの手を調べてください。それが証拠です」
容疑者の手と被害者の手を調べたところ、被害者の手から毒が検出された。容疑者の手からは何も出なかった。
おしぼりに関しても調べてみると、二人が手を拭いたおしぼりから毒が検出された。
Aは四つん這いになった。
「悪いことはできねえな。ああ、俺がやったんだよ。あいつ、俺の妹の自殺の原因を作ったんだ。あいつ、中学が一緒だったんだけどよ、妹をからかってて、妹は嫌がってたんだ。それで、それを苦に妹は自殺しちまった。だから、だから!」
「連れてけ!」
警察官がAを連行する。
「いやー、工藤くん。名推理だよ」
(俺の推理なんだけどな)
と、コナンは心の中で呟いた。